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俺の創った箱庭世界  作者: コルム
北極大陸建国編
202/243

第202話 来訪者の分体 それから

 ・・・徹夜して、何とか人数分の衣服を仕上げた俺・・・頑張ったよ・・・。

一応晩御飯と、俺の誕生日祝いだけは時間取って楽しませて貰ったんだけど、

誕生日ケーキを食い終わってすぐに、『んじゃ、早く服作ってね』って追い出される俺。

しかも晩御飯も誕生日ケーキも俺が創ったし(創造魔法使用)・・・どんな罰ゲームやねん・・・。



 そんなこんなで夜も明けました。

ちゃんと全員分のTシャツ。上着。ズボンを魔芋布で作成完了。

縫製系スキルが上がっているせいか元の素材にしては過剰な装備補正が付いたので、

それら装備補正に関してはあえて削除しておきました。

 ちなみに、さすがに全員の下着類は面倒だったので創造魔法で作成。

トランクスorショーツとブラと靴下ですね。当然、下着類だけはいつもの付与付きです。

 作業が終わったらリビングへ・・・。



 リビングでは既に朝食が始まってました。時刻は9時過ぎ・・・。

どうやら昨日出した未使用のおせちの残りを、ルナ達がコピーして給仕したみたい。

 先に目覚ましがてらコーヒーを飲んでから、早速俺にも給仕して貰って食いつつ作成完了を報告。


『じゃぁ、もう皆の分の衣類は作ってくれたんだね?』


「ええ、頑張りましたよ・・・。

装備品補正はあえて削除してありますから、今後ご自身で使われる分に関しては自作して下さい」


『了解了解~♪ で?何処にあるの?』


「作業部屋に置いてありますよ。

男女で分けて置いてあるので、後で下着類も含めてそれぞれ1セットづつ持って行って下さい。

下着類に関しては防汚や破損防止なんかを付けていますが、他は付いていませんので損壊します。

ついでに言うと、武器防具の装備品の作成はしていませんので、そっちは自作して下さいね?」


『了解~♪ 楽しみだね~♪』


 『ね~♪』と声を揃えて嬉しそうにしている魂の神様ご一家。

ヒロアキさんご夫妻。ミツハルさんご一家も同様です。 若干イラッとしたのは内緒。

 気を利かせたのか、先に食べ終わったトウが寄ってきて肉球でテシテシ慰めてくれました。

ちょっとだけ癒される・・・。 今の俺の味方はトウだけだよ・・・。



 その後、食べ終わった方から順番に作業部屋へ衣類を取りに行って貰いました。

朝食時に、ついでに分体の作成方法や帰還方法なんかも説明済みです。

 全員の朝食と衣類の受け取りが終われば、俺ら家族はリビングで待機です。

今日の予定は、エッジ達のギルドマスター登録と皆さんを北極大陸へご案内する事になりました。


 少しして、ウチの家族以外も全員が分体・・で集合。若干しんどそうな感じ。

まだまだステータス的に、ただの衣類でも重く感じるのでしょう。

 って事で、ちょっと予定変更して全員揃って太極拳。

(って言っても、既に今朝、俺の居ない間に済ませていたらしいけどね)

初分体組は汗だくになっていました。まぁ“これから頑張れ”って感じ。


 皆さんかなりお疲れモードなので、このまま俺の転移魔法で北極大陸の北東ギルドへと転移。

で、早速エッジのギルドマスター登録へ。


「エッジ。ちょっと来て」


「はい。お父様」


 俺とエッジで手を重ねて、『マスター権限移譲!』って言うだけで権限移譲が出来た模様。

ちゃんとエッジの職業欄が“リュノ神国・帝都北東ギルド管理者兼冒険者”ってなってました。

 その流れで、他の“来訪者の分体”の方々も早速普通の冒険者としてギルド登録へ。

その間に、エッジ達“ギルドマスター組”には、ギルドに関する色々な説明を済ませます。

 それが済めば、ルビア達のマスター登録も終わらせるべく、転移移動。

ちなみに北東から時計回りに順番で登録しました。つまりファーが北西ギルドマスターです。

(ついでに言うと、俺の職業欄からギルド管理者が無くなって、ただの冒険者になりました)


 それらも済んだら、改めて北東ギルドへと転移移動して、少しの間だけ自由行動へ。

とは言っても、“来訪者の分体”の面々は歩き回るだけでもしんどそうなので、

ギルド内を見て回る程度でしたが。


 軽い昼食(サンドイッチ系を創造魔法で出しました)を経て、後は本格的に自由行動とします。

レナ達は親に連れられて、試しにギルド依頼を受ける方針で動いて貰います。

ギルドマスターだし、とっととギルドランクを上げて欲しいのでね。

(ギルド依頼に関する諸々の説明も、ジンさん達を含めて改めて全員にしておきました)

 ジンさん達は、全員揃って軽く帝都内を見て回るんだそうな。まだ見所って無いんだけどねぇ。

あ。後で時間があったら、王宮とか謁見の間とかの案内もしとこうかな?


 で、一時解散。俺としては多分初めての、全く目的の無い北極大陸散策へ。

「ついでに召喚石でも得られたら嬉しいなぁ」程度の気楽な一人旅・・・。




 ・・・夕方過ぎ。ウチら家族は北東ギルドで揃って待機中。まだジンさん達は帰って来ません。

もういい加減、晩御飯の時間なんだけど・・・。


「主様?少し宜しいでしょうか?」


「ん?ルナ。何?」


「始祖の・・・いえ。ジンさん方は“念話”や“空間魔法”スキルをお持ちなのですか?」


「いや持って無いよ?なんで?」


「でしたら、もしかしたら・・・ですが、遭難して居られるのでは?

“念話”や転移が使えないのであれば、連絡の取り様が御座いませんし」


「は?帝都内で遭難って有り得ないでしょ。ジンさん達は『軽く見て回る』って言ってたし」


「朝の太極拳後のご様子ですと、こちらまで帰る体力を失って居られるのでは無いでしょうか?」


「だったら転移魔法陣で・・・って!そうか!お金持って無いじゃん!」


 大慌てで、“探索魔法”&転移を使いジンさん達に合流。

ルナの指摘通り、移動したはいいものの、帰る体力が残っていなかったみたいです。

全員力尽きて、転移魔法陣のある建物の前で座り込んでました。またやらかしちまったぃ・・・。


 ルナ達には念話連絡を入れて、こちらも直接“神の居住区”へと転移します。

で、合流&晩御飯。その後、ジンさん達はぐったりしつつ、ダル重そうに本体へと帰還・・・。

改めて再合流して飲み会へと突入。


『のぅリュウノスケよ。ワシらにも“念話”と“空間魔法”スキルをくれんかの?』


「ですね。今回の件で、無いと都合が悪いって判りましたし。

あぁ!でも1つだけお約束頂きたい事が・・・」


『何じゃ?』


「“空間魔法”が使える様になって、例え自由に転移が出来る様になったとしても、

暫くの間は北極大陸以外には行かないで貰えますか?」


『どうしてじゃ?』


後々のちのちなら構いませんが、当面は始祖の神様方の“来訪者の分体”側のレベル上げをして下さい。

と言いますか、可能な限りウチの世界の住人達への影響を排除したいので。

暫くの間は、将来誕生させる北極大陸以外の人類との接触は禁止の方向でお願いします。

そうでもしないと、まだまだ未熟なウチの人類にどんな影響が出るのか分かりませんからね」


『なるほどの。まぁその程度の事ならお安い御用じゃ。

それにしても疲れたわい・・・とは不便なものよなぁ・・・』


 “うんうん”と頷く始祖の神様&魂の神様&美の神様。

従ちゃん達はレナ達に振り回された経験からか、多少限界まで動く事には慣れているみたいです。

元人間であるミツハルさん達もその辺は理解している模様。

 ま、生まれながらにである、始祖の神様達だけが初体験だったって感じでしょうか?


「それが普通なんですけどね。最初からだったら、体験した事なんて無いでしょうし。

まぁ今回の件に関して言えば、

“神の試練”スキルのせいでステータス的にかなり落ちているのも一因でしょうか?

現状のステータス値だと赤ちゃん並ですしね。

と言うわけで、暫くの間は大人しくしていて下さいね?」


『ままならんのぅ。

こうなるなら、もう少し分体作成スキルの詳細を決める時に粘れば良かったわい・・・』


「現状で最大限の譲歩なんで・・・これ以上は勘弁して下さいよ?

“神の試練”スキルだって、今は大変でしょうがカンストしたらデメリットも完全に無くなって、

単にメリットだけになるんですからね? それまでの我慢ですよ?」


『わかっとるわい・・・。あ゛~っ。疲れたわい・・・。

神体に戻ったというに、この疲労感が抜けん感じは厄介なものじゃなぁ』


「ほぅほぅ。今は神体・・なのにお疲れ中・・・と?」


『そうじゃが?』


「魂の神様もですか?」


『だね・・・肉体的にはともかく、精神的に疲れたって感じ。

ミツハルくん達はどう?かなり疲れたんじゃない?』


「自分らは一応記憶として、こういった経験がありますからそれほどでも無いかと。

ヒロアキさん方はどうですか?」


「私達も大丈夫ですね。 あの時は疲れはしましたが、今はそうでもないですよ?」


『お主らは良いのぅ・・・ワシは・・・しんどいわ・・・』


「ふっふっふ・・・なら決まりですね?」


『リュウノスケくん?一体何を企んでいるんだい?』


「その疲れ。一発で解消させてみせましょう!」


『ほぅ?どうするんじゃ?』


「風呂酒ですよ。美の神様には、少しお待ち願いますが」


「あぁなるほど!疲れた時に風呂酒・・・キンキンに冷えたビールとか最高ですよねっ!」


「自分はビールもいいですけど、冷酒も捨てがたいなぁ。リュウノスケさんの影響かな?」


『うほっ!それは良い!! 良し、早速行くぞぃ!』


 で、男連中で風呂酒へと突入。

美の神様だけはちと割を食った感じですが、その辺はルナ達のフォローに任せます。

後でちゃんと風呂酒用に冷酒をお渡ししますがね。


 『しんどい、しんどい』とか言ってた始祖の神様&魂の神様ですが、

風呂酒開始早々に、結局いつもの調子に戻りました。

『ふぃ~。疲れが湯に溶けるようじゃわい。気持ち良いのぅ・・・』だの、

『ぷはぁ~。疲れた体に冷えたビールは良いね!体の隅々にまで染み渡る様だよ!』

とか、めっちゃ堪能されてました。


 ふむ。こんなに楽しんで貰えるのなら、北極大陸にコソッと露天風呂でも作るかな?

居住区にも排水設備はあるけど、極点側の“神の守護層”の範囲外には人なんて来ないだろうし、

中央火山付近の適当な場所に設置して、俺ら専用の娯楽施設にしても良いのかも知れん・・・。

あっちに建設したら、天然の雪見酒が楽しめるしなぁ・・・。まぁ常に豪雪かも知れんが。


 そんな事を考えつつ、ある程度神様2柱を接待したら女性陣と交代。

美の神様もお疲れだったみたいだしね!

 ただ、始祖の神様&魂の神様が堪能し過ぎて、風呂から出るのを渋ったのが問題なぐらいでした。

「これからはいつでも堪能出来るんですからっ!」って言って、納得して貰ったけどね。

ついでに言うと、労働(?)後の風呂酒にハマったみたいです。

まぁなぁ。俺の残って居る数少ない記憶の中でも、最高の癒しだしな。アレって。

飯も“上げ膳据え膳”だったら、完全に旅行気分。「癒ししかねぇ!」って感じ。

 あと、

「分体でも“酒豪”ってスキルがありますから、それを取れば今と同じく好き放題飲めますよ?」

って言ったら、めっちゃ食いつきました。

ほろ酔いとかも神体じゃ酔えないから楽しめるしね。

で、今後は分体・・で飲酒して、スキル取得を目指すとの事。

こちらはミツハルさん達(陸くん達も含む)も同様でした。



 美の神様方もお風呂から上がってきたら、少し早いけど今日は就寝。

寝る前に俺は独りで“モノリスの書”の記述修正を済ませておきます。

問題となった“来訪者の分体”スキルに、“念話”と“空間魔法”を追加。

ついでに魂の神様からの要望スキルである“銃”系統のスキルと、“二刀流”のスキルも追加。

どうやら魂の神様。銃の2丁持ちで行くスタイルがやりたいらしいです。

 それらも終われば俺も就寝タイム。おやすみなさい・・・。




 明けてリザアース歴1019年1月3日(月)。

「今日はどうすっかな~」とか言いつつ、リビングに行ってみると、全員揃っていました。

まだ朝の6時前なんですが・・・。しかも“来訪者”組は全員分体の方で来てるし。

よっぽど楽しみにしてるのね・・・。


 って事で、早速朝の軽い運動(太極拳)からスタート。

まだまだ“来訪者”組にはこれでもしんどいみたい。昨日と同じく汗だくになっていました。

昨日の分も含めて、早速下位スキルが生えた人(分体)も居るみたいだし、幸先は悪く無いですな。


 朝食中に今日の予定を尋ねてみたのですが、

“来訪者”組は“早く分体での生活に慣れたい”って事で意見が一致。

各々おのおの、先ずは給仕系やら裁縫系なんかの文化系スキルの取得を目指して行動開始。

それだとルナ達&レナ達が暇になっちゃうので、それぞれレベル上げがてら付き添いへ・・・。

俺だけはリビングでトウと戯れつつ時間潰し。本当に久々のまったりタイムです。


 そうこうしていたら、昼前にジンさんとウルズさんが戻ってきて、

『ふぅ~いい汗かいたわい。早速風呂酒じゃ~!』と言いつつ、俺ら男組を巻き込んで風呂酒へ。


 が、分体なのに、いつもの調子でガンガン飲んでしまっていたせいか、

気が付けばジンさんが“酩酊状態→溺死”のコンボで“来訪者の分体”初の死に戻り。

改めてジンさんから“念話”が飛んで来て、いつの間にやら死に戻って居た事に初めて気が付いて、

俺ら全員が大爆笑して居ましたが、コレって本当はヤバイ事なんですよねぇ。

「あ!笑い事じゃありませんでしたね」ってミツハルさんが指摘するまで、

俺らはその事に全く気付きませんでしたが。 まぁ不老不死になった弊害なんでしょうねぇ・・・。

 で、今は全裸なジンさんの為に、脱衣所の衣類をわざわざ汚部屋まで持って行く俺。

こっちは笑えません・・・。


 その後は全員元の体に戻って貰って(アルコール抜き目的)、いつも通りのお土産選び。

お土産を選び終わったら、またすぐに分体で戻って来たのには、さすがに呆れましたが。

(後から知ったけど、この時に分体→本体→分体で状態異常等が回復する事に気付いたらしい)


 お土産選別後は、例年通りだらだらしようかと思ったのですが、

“来訪者”組はスキル取得が楽しいらしくて色々と試して居られました。

帰り際まで分体で過ごしていたので、帰宅組&始祖の神様&魂の神様はバタバタしつつ帰宅。

帰宅組は、これから始祖の神様方による“分身体・・・作成”のスパルタ教育が始まるらしい。

まぁ俺にとっては他人事なので、「頑張って下さいね~」としか言えませんでした。




「さて・・・と。皆さん帰っちゃったし、とりあえず今後の方針を決めようか。

美の神様?それに従ちゃん達も。ちょっと時間を貰っていいですか?

って、今はディーテさん、ヴィアちゃん、リセちゃんでしたね」


『ディーで構いませんよ。私もリューノさんと呼ばせて頂きます。

それで、一体私達に何の御用でしょうか?』


「了解です。じゃぁ先にディーさん達の用件から済ませてしまいましょうか。

お聞きしたいのは“これからどうしますか?”って事です。

簡単に言ってしまえば、“明日からの生活はどうするのか?”って話なのですが?」


『あぁ!それでしたら、私達は分体の育成をしたいと思って居ます。ね?』


『『はい!』』


 頷くヴィアちゃん達。


「でしたら・・・ルナ達には付いてて貰った方がいいな。

んで、お前達親子の1組は必ずディーさんの傍に付いて、一緒にレベル上げしててね?」


『私達の事でしたら、其処までして頂かなくても大丈夫ですが?』


「一応私の予定としては、ルナ達にはこの世界での生活に慣れて貰いたいので、

地上での活動をメインにして貰おうと思って居るんです。

で、そうなると、ディーさん達の飲食の面で問題があるでしょう?」


『あぁ!そうでしたね。

・・・ご面倒をお掛けする事となりますが、お願いしても宜しいでしょうか?』


「私は構わないのですが・・・ルナ達はどう?」


「私共でしたら全く問題御座いません。

“限界突破”のおかげで、まだまだスキルレベルの上昇が見込めますし、

お手伝いする事があったとしても、私共にも十分にメリットが御座いますので」


「んじゃ、お願いね」


「「「「「承知致しました」」」」」


「レナ達もお願いね?」


「「「「「はい!お父様!」」」」」


『お手数お掛け致します』


「いえいえ。こちらとしても都合が良い面がありますからね。お気になさらず。


んで、トウ。お前はこれから暫くの間は、この世界を自由に放浪して良いぞ。

ただし、少なくとも年末近くになったら、此処に帰って来る様に。

別にそれ以外の日にも帰ってきていいけど、なるべくこの世界で放浪して見聞を広める様にな?

とは言っても、人化する事だけは禁止だぞ?」


【承知致しました】


「んじゃ、改めてルナ達な。お前達は一応親子で常に行動する様に。

これはディーさん達の事だけじゃなくて、日常的にも言える事の話だから」


「「「「「はい」」」」」


「で、先ずはルナとレナ。

お前達は俺の国の宰相予定者になるんだから、トウと同じくこの世界を自由に放浪して良い。

ただし、今までは禁止していたが、人化しての人類との接触もある程度ならば許可する。

とは言え、お前らは既に“この世界では他の追随を許さないほど過剰に強い”って事を忘れるなよ?

可能な限り無駄な接触は避ける様に。いいか?」


「「はい」」


「ついでに言うと、なるべくギルドの依頼は受けて欲しい。ギルドランクを上げる為だな。

ただし人類と接触してギルドで依頼を受けたとしても、“神の依頼”以外は決して受けない様に。

これは無用な詮索なんかを受けない為だな。依頼を受ける場合も親子だけで受ける事。

それに対して何か問題があれば、

““神の依頼”しか受けない事が、祖国に帰る為の条件になっているから”とでも言っておけ。

それでも問題がある様なら、さっさと逃げ出す事。

世界は広いんだから、放っておいても問題は無いはず。その間は他の大陸にでも行けばいい。

それでいいか?」


「「はい」」


「OK。ルナ達はその方向でよろしく。後は自由裁量で好きにしてくれていいよ。


んじゃ、次はタリズ達だな。

タリズ達は人化して、なるべくエッジ達を助けてやってくれ。まぁ要らん心配だとは思うがな。

ついでにルナ達同様に、親子共々ギルドランクも上げておく様に。

あと、基本的にそれぞれがギルドマスターになっている各ギルドを拠点とする様に。

こっちは後々の話になるが、北極大陸建国当初は俺らが貯蓄した食料なんかが必要になる。

初期の社会福祉なんかに関してはギルドの管轄にする予定だから、結果的にエッジ達の管轄になる。

その為の食料や岩塩なんかの貯蓄も進めておいてくれ。貯蔵場所は明日にでも説明する。

まぁ基本的にはギルドの地下室を使えばいいんだけどな」


「「「「承知しました」」」」


「積極的にギルドの依頼をこなして、早急にギルドランクを上げる事。

食料や岩塩なんかの貯蔵量を増やす事がお前達の主目標な?」


「「「「はい」」」」


「後、ついでに程度で良いが、北極大陸の建国予定地・・・リュノ神国って言うんだが、

俺は今までそこの開拓作業を続けていた。

で、お前達の目線で不都合とか“こうすればより良い”って点を洗い出して欲しい。

俺の見落としとかのチェックって感じだな。

こっちはエッジ達が主になって動いてくれ。予備知識が無い分気付く事が多いかも知れない。

具体的な事じゃないけど、頼めるかい?」


「「「「はい!」」」」


「よしOK。俺は・・・まぁ北極大陸の開拓でやり残した事とか、諸々をやっていると思う。

なので基本的には北極大陸に居ると思うが、何かあったら“念話”で連絡してくれ。対応する。

まぁ大雑把にはそんな感じかな?不明点とかが出て来たら、気軽に連絡してくれればいい。

これはディーさん達も同様ね?」


『はい』


「んじゃ、大体そんな感じで。

ディーさん達の飲食補助以外では基本的には自由に動いて貰って構わないから、各自そのつもりで。

俺からは以上だな。他に何か質問とかある?」


「お父様。宜しいでしょうか?」


「ん?何かなレナ?」


 挙手しつつ声を上げるレナ。


「もう私達の誕生日は祝って頂けないのでしょうか?」


「あぁその件ね。

ん~。んじゃ今まで通り、誕生日だけは全員が集まってお祝いする様にしようか。

前日に“俺から全員に連絡を入れるから、帰って来る様に”って事で。それでOK?」


「はい!有難うお父様!」


「いやいや、其処まで気付かなくてごめんな。他に何かあるかな?」


「宜しいでしょうか?」


「次はリルか。何か問題?」


 同じく挙手しつつ声を上げるリル。


「私達ギルドマスターになった者は、今後どうすれば良いでしょうか?」


「う~ん。

これまた将来の話になるんだけど、何年か後に北極大陸にも人類を誕生させる予定だから、

誕生した人の中から使えそうな人材を部下にして、ギルドを運営していって欲しいと思って居る。

これはレナも同様だからね?

国を運営するのには人手が絶対に必要だから、その辺の人材育成も覚えなきゃいけないと思う。

行政だって治安維持だって・・・もしかしたら軍隊だって必要になるかも知れない。

その辺の事をルナ達はちゃんと学ぶ様に。これは皆にも言える事だから、皆もそのつもりでね?」


「はい。では、当面はどうすればいいのですか?」


「北極大陸に人類を誕生させるまでは、さっき言った通りで良いよ。

行き当たりばったりだけど、後の事は後で考えるさ。

それまでに“現状のリュノ神国の問題点を可能な限り洗い出しをしたい”ってのが本音かな?

だからリル達にも期待しているよ?」


「「「「はい!頑張りますっ!」」」」


「ん。他にはあるかな?」


 とりあえず他に問題は無いみたい。多分“今は”って注釈が付くだろうけどなぁ。

ま、全員の指針だけは示したつもりだから、後々問題があってもその都度聞いてくる事でしょう。

気軽に疑問なんかを聞いてきてくれる程度には、俺も信頼されていると信じるしかないかな・・・。


「大丈夫みたいだね。

さっきも言ったけど、聞きたい事が出て来たら気軽に連絡してね?

それじゃ、解散!また明日から頑張ろうね!」

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