第020話 現状確認
今回は何事も無く無事到着です。
まぁ前回は受肉状態でやっちまっただけなんですがね。
で、適当な始祖世界樹上空に到着。一応ある程度の明るさはあるので、昼間っぽい。
せっかくなので地上に降りて色々観察してみる。
「お~!始祖世界樹ってこうやって実際に見ると綺麗だな! ちょっと神聖な感じもするし、いい感じ♪
もう成木になってるはずだから、これ以上大きくはならないだろうけど、それでも十分に大木だな。
開花したらもっと綺麗なんだろうな~。あ、でも常緑樹にしちゃったからちょっと微妙になるか?
葉桜って正直微妙だからな~。開花時だけは落葉するように記述変更するかな?
ん~それもまた微妙なところか。 そんな細かいことまでいちいち記述変更してたら面倒だし、
毎年開花が見れる訳でもないしな。このままでいいや」
世界樹の予想以上の綺麗さに見蕩れはしたものの、やることやらないとね。
とりあえず周囲の観察観察・・・。
「ん~???とりあえず地衣類って言うやつ?苔みたいなのは生えてるが、大きな樹木は生えてないな。
ツン・・・ドラ?だっけ? 的な針葉樹林帯とかあったらいいな~とか思ってたけど、考えが甘かったな。
そもそも今って氷河期だよな? その割には積雪とか少ない気がする。
もっとこう・・・某南極ストーリー的な吹雪とかそんな状況かと思ったんだが、実際はそうでもない感じだな。
ニュースとかでやってたこの冬一番の寒波が~ぐらいの積雪量だし。なんでだろう?
空は結構分厚い雲に覆われてる感じだから、もっと積雪なり降雨なりがあってもおかしくないと思うんだけど・・・」
不思議に思いつつ再び上空へ。ある程度高度を上げると遠くのほうに山脈を発見。
どうやらあれがここの中央大陸を分断する火山帯っぽい。
で、上昇してみたものの生き物らしき生物と言うか、魔物を含めた生物全般が見当たらず。
地衣類とかあるから多少は期待したんだけど、やっぱり過酷な環境なんだろうか・・・。
がっかりしながら火山帯に目をやると、向こうが真っ暗と言うか、こっちよりも雲の濃度が濃い感じ。
「ん?なんか雲の濃度が違う感じ?とりあえず行ってみるか」
神様なんで一瞬で火山帯上空まで移動出来ました。ビバ神体!
で、火山帯の右と左で見比べて驚愕。
「さっき居た方(左)は積雪量が少なかったけど、火山帯の右側の積雪量がやべぇ!つかマジでハンパねぇ!
あと、吹雪どころじゃねぇ!降雪で殆ど視界がないぐらい見えないじゃん! The氷河期って感じするわ!」
火山帯の右側はいわゆるホワイトアウト状態でした。ほぼ視界ゼロ。
これ、日光も当たらないから植物は育ちようがなくね?
「なんでここまで違うの?訳が判らん」
とりあえず“訳が判らん”じゃどうしようもないので、さらに上空へ・・・。
と言うかリザアース全体が見渡せるぐらいまで行ってみる。
「黒と灰色の縞々って、なんかマズそうなスイカみたいになってるやん・・・」
上下が黒くて、中間部分が黒と灰色の縞々の惑星になってました。
俺の創ろうとしていたリザアースってこんなんだっけ??
「ん~。なんでだろう。何か記述でミスったか??それとも氷河期だからこんなもん?
いや~、いくら氷河期でもこの状況は何かしら、やらかしてる気がするな。
何だろう・・・。思いつかん」
とりあえず思いつかないけど、何かやらかしたっぽい。
気分的に胡坐かいてじっくりリザアースを観察しつつ、ちょっとずつでも考察してみる。
「ん~判らんなぁ。とりあえず上下はそれぞれ極大陸だから氷河期で真っ暗になってるのは妥当だと思う。
ややこしいのが各中央大陸だな。何で右側だけ降雪量が多くて左側が少ないのか?それが分からん」
じ~っと見てるとリザアースがちゃんと自転してます。ただし、思ってたのと逆方向に。
「ん?今の俺って北から南を見てる感じになるのか?」
まぁ世界樹から直接火山帯に向かったので、一応赤道上のはず。で、その場で180度回転。多分南から北を見る感じに変更。
元日本人の私としては、こちらの方が自然な感じがするので、何か気付くかも知れないと思っての行動。
「むぅ。左右が入れ替わっただけで、いきなりピコーンとは思いつかんわな。
ん~ ん?今南から北を見てる感じになるんだよな?だったら左が西で右が東になるわけか。
西が積雪量が多くて、東が積雪量が少ない。と。 これが北と南だったら判りやすいんだけどなぁ。あ、西?」
ちょっと気付いたことがあって、雲の流れをちゃんと確認。雲は西から東へ高速で流れております。
「あれ、もしかして偏西風のせいか? あ!モノリスの書には記述してなかったけど、
元日本人としては偏西風が身近な存在だったし、イメージ補完で無意識に偏西風がある世界を創っちゃったのかも!?
・・・あれ?でもそれって普通のことじゃね?地球の自転方向とは逆向きに風が吹くだけだし・・・。ん~???」
何か気付きかけてるけど、イマイチ正解に辿り着けてない感じ。方向性は間違って無い気がする。
「地球でも偏西風は吹いてるよな?リザアースでも同じで問題ないはず。
地球とリザアースの違いって何処だ?・・・氷河期の地球なんて記憶にも無いから知らないぞ??」
ん~地球とリザアースの違い・・・何が違う?
まぁリザアースは俺が創った箱庭世界だから、全然違うっちゃー違うんだけど、論点はそこじゃないはず。
地球にはあって、リザアースにはないもの。もしくは地球にはないけど、リザアースにはあるもの。それが違いになってるはず。
「ん~ あ?陸地の量か?確か地球は陸地と海が3:7ぐらいの割合だったはずだけど、
リザアースは大体同じぐらいになるようにしたんだっけ・・・で、何?って感じだな。今は一応氷河期だろ?
海面の上昇気流とか殆どなくね??まぁ一応今後は影響あるだろうから気にしておかなきゃいけないとは思うが・・・。
他に違いは・・・何があるんだろう・・・。陸地と海に関しては今は関係ない。他に何かあるはず・・・」
よく判らないなりに色々考えてます。
もしかしたら氷河期としてはこんなものなのかも知れないけど、何か見落としてる気がするんだよねぇ・・・。
氷河期だから陸地の量的にも海水面が低下して、陸地部が増えるのは地球だって同じはず。
だとすると陸地に関しては関係ない?
よくよく考えてみると、地球上でも全体で偏西風が吹いてた訳じゃないよな。
確か両極を中心とした偏西風は吹いてたけど・・・・。
「大気の循環に何かしらの問題がある感じ?何かやらかしたかな・・・。
とりあえず、偏西風に関しては存在するから問題ないはず。
ん~分からん。が、分からんなりに地球からイメージで引っ張ってきてるはずだから、地球ベースで考えてみるか。
とりあえず氷河期以降が問題になるかも知れないから、氷河期以降で考えてみよう。
生命誕生させるまでは最悪、現状のままでも問題ないんだし」
ある種問題の先送りですが、生命誕生してから気付くよりはマシなので今のうちに修正出来そうな箇所は潰しておきたい。
「とりあえず赤道付近の海水が温められて上昇気流となって南北に流れるだろ。
量的に少ないかも知れないがリザアースも赤道付近に海があるから、そこは一応同じになるイメージしてるから、問題ないはず。
で、南北に流れた上昇気流はある程度の緯度になると下降し、高気圧になる。
さらに両極付近は低温だからほぼ常に高気圧状態にあるんだっけ。こっちもリザアース上では同じになるはず。
う~ん。確か中学か高校の理科系でやった内容だけど、きちんと覚えてるか怪しいな・・・。
確か高気圧帯と低気圧帯が交互に存在して、それが南北に蛇行してるから高気圧と低気圧が交互に来るとかそんな話だったかな・・・。
まぁその辺は無視して次いこう。
とりあえずそんな感じで大気循環は起こってる・・・みたいな記憶はあるんだよな。
問題は、とりあえずここまでの内容的にリザアースでも再現出来てるにも関わらず、
なぜ黒と灰色の縞々になってるのか、ってことが一番問題なんだよな~。地球じゃそんなの聞いたことなかったし。
ん~。色々考えてみたものの、全く進歩なし・・・」
理屈をこねくり回してみたものの、全く進歩なし。
マジで分からん・・・多分何かにハマってるんだと思う。
こういう時の対処方法は、頭空っぽにするぐらいしか思いつかないので、とりあえずぼ~っと縞々を眺めてみます。
「・・・・ん~縞々。ん~なんで縞々? 縞々になる理由は分からんが、とりあえず縞々の境目は各大陸を縦断する火山帯っぽい。
ん~。ん?火山帯? 俺のイメージだとヒマラヤ山脈的な山脈に火山を配置したイメージだったけど、確か・・・。
無駄に考え過ぎた?もっと単純に考えた方がいいのかな?
小学生ん時に習った内容だと、海から湿気を帯びた風が吹いてきて、山に当たって上昇気流になって、雲を・・・あ!
そういうこと?めっちゃ初歩的ミスやん・・・」
はい、やらかしてました。
要はリザアースを南北に縦断する火山帯が問題でした。
各中央火山帯(もう面倒なので以後この名称でいきます。後でモノリスの書にも記述しよっと)によって、
各大陸の西側では降雨量が確保されるものの、各大陸東側では西側と比較して乾燥した空気しか流れてこなかった訳ですね。
「とりあえず今はいいけど、氷河期終わったら各大陸の東側が砂漠化する可能性が高いな。
これは修正しなきゃいけないわ。とりあえず一旦戻ってメモしとこう。これは残してるとかなりマズい気がする」
一旦居住区へ戻り、書斎で新しい紙にメモ。ついでに中央火山帯って名称をモノリスの書にも記述することも併せてメモる。
「よし、とりあえずどうするかは後から考えるとして、他に問題が無いか確認しとこう。
現状で各大陸の西側に行っても視界がないから先に極大陸の様子かな。
いつも北極点側しか行ってなかったから、今回は南極に行ってみるか。 あ、スリッパは脱いどこう」
神様なんで転移も一瞬です。今回は南極点上空をイメージで。
「とーちゃ~く。多分南極点のはず・・・足元に火山あるし。
ん~多少は吹雪いてるけど、一応視界はあるから確認程度なら問題ないか。
こうやって見るとやっぱり氷河期って感じがするなぁ。まぁ南極点だからかも知れないけど・・・。
ついでに言うと、もう既に火口周辺以外では地表が見えない。あと動植物も。
南極大陸にも魂の器になる人類を配置しようと思ってたけど、ちょっとどころじゃなく過酷な環境になるな。
これも要修正か。やっぱり色々抜けてるなぁ。神とはいえ、俺のすることだから仕方ないか。
問題点としてはこんなところか。多分北極大陸でも同様の状態だと思うし、確認しなくていいや。
んじゃ、とっとと戻って修正する記述考えますかね~」
とりあえずリビング経由で書斎に帰還。なんとなく玄関代わりになってる気がする・・・。
スリッパを履きつつ、さっきのメモに極大陸は生物の生存が絶望的なのでなんとかする。とだけメモ。
まぁ時間もあることだしとりあえずコーヒー&タバコブレイクしますかね。
休憩しながら考えてたらいい案出るかも知れないし。




