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俺の創った箱庭世界  作者: コルム
北極大陸建国編
199/243

第199話 リザアース歴1019年1月1日(神) 前編

例外的に、レナ達主人公の子供達の会話文に関しても、“「」”で記述させて頂きます。

今後元人類の子孫達の会話文に関しても同様に致しますので、ご理解とご了承をお願い致します。

「「「「「おとう様!お願い致しますっ!」」」」」


 俺の前で跪き、瞳をウルウルさせながら見上げてくるレナ達。

他人が見たら、完全に“あざとい”仕草なんだけど、愛娘達だけに無視出来ません・・・。

そんなレナ達から強引に視線を外せば、何処か期待した様な目でこちらを伺う従ちゃん達。

美の神様やミツハルさんご一家全員、ヒロアキさんご夫妻も同様です。

 一方、ニヤニヤしつつ眺める始祖の神様と魂の神様。唯一泰然としているルナ達。


 本当に・・・どうしてこうなった・・・。




***現実逃避中***




 あれから、北極大陸の開拓作業はもの凄く順調でした。

“スキル限界突破”によって、MPの大量消費が可能になった事が一番大きいです。

勿論、その影響は“降神”使用時にも多大な恩恵を受ける事が出来たおかげで、

帝都居住区画の神素材の延伸に関しては、2年間ほどで終了。

同様に建設物なんかに関しても、ベースとなる区画だけちゃんと造った後は、

コピペしてあっさりと終了させました。

 さすがに各所にある転移魔法陣の修正作業だけは、

いちいち手作業で修正しなきゃいけないので、かなり時間が取られましたが・・・。

そのおかげで、“描陣”スキルの丁度良いレベル上げになったから・・・結果的に良しって感じ。


 そんな帝都の北辺区画。かなり拘って“白亜の宮殿”を建設しました。

先ずは北辺中央に幅100mほどの大広間を配置。

その中央大広間から東側が王宮&俺ら神々の居住区&幹部兵士の宿泊施設&兵士駐留区画予定地。

西側が行政区画予定地として、他辺とは違って中央に通りを配置せず、

一応の通路幅だけを確保したら、少しは余裕を持たせたものの目一杯巨大な建造物を設置しました。

 大広間の天井部分には、中央に俺。その周り6方向にルナ達(トウも含む)をモチーフにした、

巨大なステンドグラスを埋め込んで、荘厳な空間にしてあります。

さすがに俺は後姿だし、ルナ達も獣化状態の姿だから“パッと見”じゃ気付かれないと思う。

 大広間から通じている、東側すぐの所に“謁見の間”として、これまた巨大スペースを確保。

(その奥に、俺ら神々の居住区やら会議室やらを配置)

此処で北極大陸初期人類を誕生させる予定なので、1万人規模で収容可能な空間を確保しました。

(ちなみに、この“謁見の間”はミツハルさんトコの迎賓館を参考にさせて貰いました)

こちらにも天井部分には大広間同様の巨大ステンドグラスを設置。外周道路側は普通に採光用の窓。

また、大広間から“謁見の間”へと通じる大扉前には、

“降神”で作成した魔石を使って疑似ゴーレムを番兵代わりに配置してあります。

城門からの直通道路から、大広間へと繋がる大扉前にも同様に疑似ゴーレムを配置済み。

(疑似ゴーレムと言うか、ガーゴイル(?)作成に関しては“描陣”スキルが必須だったので、

コレも丁度良いレベル上げになりました。

将来的には、北極大陸防壁上&帝都防壁上にもガーゴイルを配置しようかと画策中)


 そんな北辺ですが、北辺東西の端から50kmほどは宿屋街にしてあります。

北極大陸初期人類の最初期生活拠点兼社会福祉関連施設って感じですね。

将来的には、冒険者学校なんかや老人介護施設なんかも割り振り予定です。

 んで、それら地上構造部の地下室には魔芋や岩塩なんかの食料を大量に備蓄。

俺が今までに亜空間収納内に集めていた分を全部吐き出した感じかな?

肉類もちょっとだけあります。

伐採した木材なんかも、ある程度製材した後に北辺に貯蔵施設を設けて保存してあります。

窓なんか用のガラスも同様です。

(“硝子作成”スキルレベルも上がり、普通に作ったつもりでも強化ガラス並の強度があります)

これらの備蓄施設に関しては、創造魔法で劣化防止を別途付与してあるので、

備蓄が増える分には問題無いだろうと思って居ます。

(共にスキルレベル上げがてらだったので、ある意味丁度良かったとも言える)


 帝都東西の外周道路までの区画の森林伐採も完全に終了済み。

既に田畑や果樹園。水田なんかも試験的に配置してあります。

元日本人としては、“米”は外せません。味噌とか醤油とかもそのうち作ってくれるかな?

今の所、北極大陸初期人類の食料事情はかなり充実出来ていると思う。

問題は肉類や卵類。魚類なんかの貯蔵量が少ないぐらいかな?

 その辺は今後・・・と言うか、北極大陸初期人類に完全にお任せ&期待って感じです。

既に帝都城壁の外堀は完全に水で満たされているし、そこそこ魚類が生息しているのも確認済み。

北極大陸の城壁付近の河口では完全に汽水域になっているし、ソレ系の魚類とかも居ました。

(河口の城壁下部に柵を設けてしまっているので、大型魚の進入が出来無いのが悩み所。

まぁそのうちに、河川で成魚となった大型魚なんかも誕生してくれる事を期待しています)


 北辺外周道路から帝都城壁までの空間の一部には、大規模軍事演習場やらも設置済みです。

色々と拘って頑張ってみた結果。結構楽しみつつ十分な街づくりが出来ました。

後は北極大陸にも人類を誕生させて、人口増加を目指すだけって感じ。



 スキルに関しては、無属性(創造魔法の下位)&回復量増加系&変換系&“描陣”はカンスト。

他にも、錬金術スキルだけは強引なレベル上げをして、カンストしました。

が、それ以外のスキルに関しては、まだまだカンストには程遠い状況です。

さすがにレベル999まで上げるのは遠いです・・・。

 それでも一応、地道にレベル上げはしているんだけどね・・・。



 召喚獣に関しては、最初に何とか馬系の召喚獣をゲット出来た後は、エント系を追加しました。

スレイ(将来的にスレイプニルにする予定なので、こんな名前)の騎乗を楽しんだり・・・。

少しだけ“騎乗術”系のレベル上げをした後は完全放置です。俺もそこまで暇じゃぁないので。

まぁホース系はレベルUP時にSTRとAGIの追加上昇設定になっているので、

放置していても無双している事でしょう。(と言うか、事実無双しているみたいだし)

 スレイを召喚した後は、大量に得ていたエント系召喚石で帝都城壁の門番代わりにする為に、

既に召喚して放牧してあります。エント系だけで16体かな?各城門に2体ずつ割り振りって感じ。

ちょっとでもAGIが上がってくれれば嬉しいので、移動しつつ狩りをする様に指示してあります。


 もう既に何体かエント系召喚獣のレベルが100になったけど、

レッサーフォルン(エント系第一段階)のままにして、まだ進化はさせて居ません。

全員(?)揃って一斉に進化させた方が気分的に楽なので、今の所は完全放置って感じです。

 スレイだけが例外で、第二段階のバトルホースのレベル100のまま進化させずに放置中。

スレイプニルへの進化条件が、バトルホース(上位不可)2体の融合なのでね。

2体目の馬系召喚獣をゲットするまでは現状維持です。


 他の召喚獣は・・・正直に言って「今はまだいいかな?」って感じなので追加はしていません。

錬金術なんかで手に入る召喚獣も同様。今後「必要に迫られたら追加しようかな?」って感じです。

 他の召喚獣に関しては、俺がこの世界を冒険する時に追加しようと思って保留って所でしょうか。



 あと、リザアース歴1007年の初頭辺りから、

始祖の神様も魂の神様も、分身体(?)の方が長期滞在される様になりました。

 どうも色々とやらなきゃいけない事が落ち着いたので、本体・・の方だけで問題無いらしい。

で、余った分身体の方は、ウチで基本的には食っちゃ寝をしてます。

たま~に、いつの間にやら何処かへ行っているぐらいでしょうか?

まぁ従ちゃん達やレナ達の遊び相手なんかもしてくれているので、別に構わないんですがね。

従者教育の練習相手が増えたと思えば、十分許容範囲内です。




 ええ、北極大陸の開拓なんかは順調だったのですよ・・・。問題はレナ達でした。


 小さい頃は本当に可愛らしい子達だったのですが、“神の子”のせいか発育が早く、

段々と“おしゃまな女の子”達へと成長。

 教育や躾に関しては当初の予定通りに進めていたのですが、其処は既に下級とは言え“神”。

俺が想像していた以上に、運動面でも知能面でも発育が早くて、後手後手に回った感があります。

しかも悪い方向にその才能を発揮してしまい・・・。

 レナ達の“手加減”スキルを常時発動する事に関しては、

本当にしつこいぐらいに徹底していたので物理的な問題はありませんでしたが、

従ちゃん達や天ちゃん達をパシリ扱いしたり、陸くん達を見下した発言をしたりと、

その他の面で問題が発生。

(ちなみにレナ達の中でも、レナを頂点としたヒエラルキーがあったみたいです)


 レナ達が10歳になって戦闘訓練を開始した翌年のお正月。

とうとうミツハルさん達や始祖の神様方にまで不遜な態度を取り始めたので、ついに俺がブチ切れ。

結果的に、お正月早々“模擬戦”と称して“躾と言う名の児童虐待”をしてしまいました。

(敵対状態にまではならなかったので、“神罰を受けし者”スキルの強制付与は無かったです)

 最初に、火・水・土・風の各属性と創造魔法とを混合したホーミングミサイル砲台で心を折り、

粉塵爆破や疑似サーモバリック爆発(燃料気化爆弾使用時みたいな爆発)を駆使して、

格下相手でも実力次第では勝てない事を徹底的に体に教え込みました。

最終的には“降神”を使っての圧倒的強者に蹂躙される事で、蹂躙される理不尽さを教えました。

(当然、何度も死亡判定になるので、即座にルナ達が闇ヒールを飛ばしています)

幾ら今はステータス的に・・・・・・・強くても、

実際に実戦経験が無ければ無意味だと気付いてくれた様なので、その時点では満足しました。

が、その後。始祖の神様他に俺が怒られました・・・確かにやり過ぎだし、反省せねば・・・。


 その後は・・・まぁ若干のトラウマを残したものの、ちゃんとした子になったので良しとします。

戦闘訓練以外にも、追加でしっかりとした従者教育も取り入れたのが良かったのかな?

誰に対しても丁寧で優しい子になってくれました。結果オーライ♪(親としては責任放棄かな?)。


 ちなみにレナ達。俺によるの後から俺に対する呼称が変わりました。

それまでは、俺の陰口を吐いていた程度だったから、気付いてはいても我慢していたんだけどね。

今ではすっかり矯正。ちゃんと誰に対しても敬意をもって接する様に。

ちなみに、今の俺達への呼称は、

俺    →おとう様。

ルナ   →ルナかぁ様。

タリス  →タリズとぉ様。

リヴィア →リヴィア母様。

フェン  →フェン父様。

シファード→シファード父様。

です。始祖の神様方はそのまま俺やルナ達と同じく“様付け”で一緒。

唯一幼馴染と言える従ちゃん達や天ちゃん達だけが、“ちゃん付け・君付け”なぐらいです。

 4歳の時点で“自分の母親が魔物で性別変更が自由自在”って事は理解出来ていたみたいで、

ルナ達は“父様”“母様”呼びに変化。それ以前は俺の呼称だけが“お父さん”だったんだけどね。

 その数年後には“お父さん”呼びから“雑魚親”呼びへ。

まぁルナ達母親組と違って、普通にやったらお子様であるレナ達に負ける様な力量の父親だったし。

確かに、それぞれのステータス値が年間%単位(しかも千単位)以上で成長するレナ達に比べれば、

頑張っても年間トータルでも千程度しか成長出来ない俺とでは段違いだったからしゃーなしです。

 あと、何となくではありますが、自分達も含めて“神”って存在も認識しているみたいです。

具体的に“どう”とまでは理解していないみたいなんだけどね。

その辺は実際に普通の・・・人類と接触しない事には、理解するのは難しいと思う。

 矯正後は、ルナ達からも追加で色々と躾やら教育が施されたし、すっかり問題無しになりました。

やらかした反動もあってか、逆にレナ達をめっちゃ可愛がる様になって、完全に親馬鹿になった俺。


 ちなみにレナ達。文化系スキルは順調に成長しています。あと“太極拳”の下位スキルも。

この辺は予定通り、地道に育ってくれているから本当に有難いです。

まぁレナ達のスキル成長率は基本的には等倍なので、劇的なレベルアップは無理なんですがね。

とは言いながら、“神の試練”スキルも多少上昇しているので、正確には等倍では無いのですが。

 バレンタインや父の日なんかの(ミツハルさんが持ち込んだ)イベントでも、

その才能を遺憾なく発揮してくれました。

俺の主寝室に飾ってある、レナ達が書いてくれた似顔絵はお気に入り~♪


 あと、お正月のお年玉はこんな感じ。従ちゃん達や天ちゃん達はコレより1年早いだけです。

リザアース歴1004年→飛翔可能なぬいぐるみ型リュックサック(ガーゴイル機能付き)。

リザアース暦1005年→ぬいぐるみの飛翔速度を超える速度で飛来する攻撃の自動防御機能。

リザアース暦1006年→ぬいぐるみの最大飛翔速度を10km/h上昇。時速30kmほどへ。

リザアース暦1007年→ぬいぐるみの最大飛翔速度を10km/h上昇。時速40kmほどへ。

リザアース暦1008年→ぬいぐるみの最大収納容量を倍化。

リザアース暦1009年→ぬいぐるみの最大飛翔速度を10km/h上昇。時速50kmほどへ。

リザアース暦1010年→ぬいぐるみの最大飛翔速度を10km/h上昇。時速60kmほどへ。

リザアース暦1011年→ぬいぐるみの最大飛翔速度を10km/h上昇。時速70kmほどへ。

リザアース暦1012年→ぬいぐるみの最大飛翔速度を10km/h上昇。時速80kmほどへ。

リザアース暦1013年→戦闘訓練の開始予定年齢なので、自己鍛錬用の指輪をプレゼント。

リザアース暦1014年→ぬいぐるみの最大飛翔速度を10km/h上昇。時速90kmほどへ。

リザアース暦1015年→ぬいぐるみの最大飛翔速度を10km/h上昇。時速100kmほどへ。

リザアース暦1016年→コーヒーが飲めるようになったので、”不思議な水筒”をプレゼント。

リザアース歴1017年→ぬいぐるみの最大飛翔速度を50km/h上昇。時速150kmほどへ。

リザアース歴1018年→ぬいぐるみの最大飛翔速度を50km/h上昇。時速200kmほどへ。


 つーか、エッジなんかの有翼組は自前でも飛べるんですけどね。

一応“ちゃんと皆が公平に。同じ物をプレゼントする”って事で同じ物にしました。

ついでなんで、1017年からの、ぬいぐるみの最大飛翔速度上昇はミーさん達や陸くん達も同様。

 毎年のお正月には、ウチの家族やミツハルさんご一家を含むぬいぐるみ飛行隊が再結成。

もはや小隊規模と言うよりも、中隊規模以上での大編隊で行う飛行訓練|(?)が恒例行事に。

 それを羨ましそうに眺めていたヒロアキさんご夫妻にもぬいぐるみ型リュックサックを贈呈。

編隊員がさらに増えました。(始祖の神様・魂の神様・美の神様は自前で飛行可能でした)


 レナ達に関してはそんな感じかなぁ?他は毎朝の太極拳は欠かさずやってたぐらいなものか?


 あ!そうそう。まだまだレナ達や従ちゃん達も小さい頃に、

“いい加減草原だけで遊ばせるのも可哀想だなぁ。つか、若干飽き始めてね?”と思って、

流れるプールやウォータースライダーなんかがある、巨大プールを遊戯室で再現してみました。

あの頃はレナ達も従ちゃん達もまだまだ遊びたい盛りで、電池切れ・・・・まで遊んでいましたね。

 当然、お正月ではミツハルさんご一家やヒロアキさんご夫妻も遊んでいました。

何故か始祖の神様や魂の神様、美の神様も楽しんで居られましたが・・・。




 大体今までの流れとしてはこんな感じでした。

で、現状に至った原因は御屠蘇の儀式が終わった直後の事。

一応去年の段階で、「来年からはお年玉は無いよ」って伝えてあったのですが、

今年はお年玉じゃなくて、レナ達の地上での活動を認めた事が発端です。

(一応、必ず母親(父親)の付き添いは必須です)


 親が付き添いつつ、地上での活動を開始して“この世界に慣れて貰う”って目的だったんだけど、

それをレナ達の隣で聞いていた従ちゃん達が、

『『リュウノスケ様!レナちゃん達だけなんてずるいです!私達も行きたい!』』

と言い出し、“ついでに・・・”とばかりに、天ちゃん達をダシにミツハルさん達も乗り気に。

「それなら・・・」って事で、ヒロアキさんご夫妻も追加。

『なら、私も従や接に付き添わねばなりませんわねぇ』と、微笑プレッシャー付きで美の神様まで参戦。

で、レナ達経由で俺の説得をするつもりらしい。まぁ俺ってレナ達には甘いからな・・・。


 いやいやでもね?レナ達は一応俺の世界の住人に含まれるけど、

従ちゃん達もミツハルさん達も、“この世界には一切影響を与えない”って事を条件に、

滞在を許可してるんですが? それは美の神様方も同様なんですけどねぇ・・・。




***現実逃避終わり***




「う~ん。とりあえず・・・駄目・・・だね」

俺的には、可愛い愛娘の懇願を断る、苦渋の決断です。


「お父様!どうして!? どうして私達は良くて、従ちゃん達は駄目なの?」


「あのね?レナ。

言い方は悪いけど、従ちゃん達や他の神々も言ってみればこの世界の“お客様”なんだよ?

“神”ではないけれど、陸くん達や天ちゃん達もね。

で、この世界に滞在する条件として“この世界には一切の影響を与えない”って条件があるの。

その辺は予め双方が合意した上で、今まで滞在して貰っていた訳。

レナ達は知らなかったのかも知れないけど、これはレナ達が生まれる前からの決まり事なんだよ?


だから、この世界の・・・大雑把に言えば、“この世界由来の生命体じゃない”限り、

この世界の地上・・に出る事は許されないんだよ?」


「でも!従ちゃん達はずっと此処に居たよね!?」


「うん。此処の“神の居住区”だけは、唯一その条件の例外になっているからね。

しかも此処だって、ちゃんとお父さんが“許可した者しか入れない”って事になってるし。

だから言ったでしょ?“地上は”駄目だって」


「ならどうして私達は良いの?」


「それは、お父さんもルナ達も、この世界の住人だからだよ。

言い換えれば“この世界由来の生命体”だからって事。

当然、その子供であるレナ達も“この世界由来の生命体”って事になるでしょ?


でも従ちゃん達は違う。

魂の神様や美の神様は“この世界由来の生命体”じゃないからね。

当然、その子供である従ちゃん達は“この世界由来の生命体”とはならない。 分かった?」


「そんなぁ・・・」


『のぅリュウノスケよ。ちょっと良いかの?』


「はい?何でしょうか?」


『その言い分だと、“この世界由来の生命体”であれば、問題無い・・・・と言う事かの?』


「まぁ・・・一応そういう事になりますね」


 む?何やら始祖の神様と魂の神様が一瞬“ニヤリ”としたような・・・?


『ほうほう。なるほどのぅ。“この世界由来・・”であれば問題無いと言う事か』


「何です?えらく強調されますね?」


『いやね?リュウノスケくん。

繰り返しになるけど、“この世界由来の・・・生命体”だったら問題無いんだよね?』


「はぁ。一応そのつもりですが・・・」


『じゃぁさ?重ねて聞くけど、

リュウノスケくんの分体・・って、“この世界由来の・・・生命体”なの?』


 あ・・・れ・・・嫌な予感が・・・。


「そう・・・ですけど?」


『なんだ!じゃぁ簡単な話だね!』


 あ、確定したっぽい・・・。


「何となく想像は付きますが・・・どういう事でしょうか?」


『何、至極単純な話じゃよ。

ワシらも、“この世界由来の・・・生命体”を作る事が出来る様になれば良い話ではないか』


 あ~やっぱり・・・。


「あ~そうきましたか・・・。まぁ確かにそれならば、ある程度は許容出来ますが・・・」


『でしょ?なら宜しく~。

“モノリスの書”に記述追加するだけでいいでしょ?簡単な話じゃない?』


「まぁそうなんですけどね・・・。

でも、今の始祖の神様方のお力をそのまま使える様には出来ませんよ?

どの様なお力を持って居られるのかが、私には想像が付きませんし」


『OK、OK。その辺はリュウノスケくんに任せるから、好きにしていいよ。

私達にしてみれば、この世界を楽しめればそれで十分だしね。


今までもモニタリングだけはしていたけれど、実際に行ってみて楽しみたかったんだよね~。

いや~。散々待った甲斐があったよ。此処までの仕込みも大変だったし』


「仕込み?何やってたんですか?」


『ほら。リュウノスケくんって前にヒロアキくんから“提案書”を貰ったじゃない?

アレって今回の事を見越して、私達がリュウノスケくんの世界で冒険する様になった時に、

“こういうのがあったら、色々と便利かもね~”って話になってさ。

それを“提案”って形にして、思考誘導してみたんだよ。


完全には受け入れて貰えなかったけど、召喚獣とかは採用してくれたでしょ?

まぁ本音を言えばもっと採用して欲しかったんだけど、最低限召喚獣さえ採用してくれれば、

私達でも何とかやっていけそうだしね。私達って不老だしさ。


どうせリュウノスケくんの事だから、“私達だから”って特別扱いはしてくれないでしょ?

だったら、“リュウノスケくんの許容範囲内で叶えられる事を”ってね』


「はぁ・・・まんまと乗せられた訳ですか」


『まぁちゃんとリュウノスケくんの意思は尊重してるんだからいいでしょ?

少しは誘導したけど、十分許容出来る範囲内じゃない?』


「そうなんですけどね・・・」


『後は、私達にもリュウノスケくん同様に“分体作成”スキルを追加してくれれば完璧だね!

私にはもう1つ別の狙いがあるけど、そっちはまだ内緒~♪』


「“完璧だね!”じゃないですよもぅ・・・。しかもまだ隠し事があるっぽいし・・・。

それより、どうして其処までしてこの世界に拘るんですか?

年末年始の御持て成しや、ルナ達の従者教育だけではご満足頂けませんでしたか?」


『いやそれは無い。十分に堪能させて貰っておるし、感謝もしておる。

ワシらの本音としては別の所にあるんじゃよ。魂の神の狙いとは、また別にの』


「本音ですか?」


『うむ。

リュウノスケよ。お主は史上類を見ないほどの速さで上級神へと昇格したじゃろ?

お主の意思は別としての』


「はぁ。まぁそうなんでしょうね」


『そして今でも神としてのは成長しておる。最早もはやワシとすら比肩しうるほどにの。


で、じゃ。

もしワシらも同様に“神としてのが成長したとしたら?”・・・どうなるのか気にならんか?

ワシらの一番の本音としては其処じゃよ。


ワシは既に最高位の神として存在しておる。

そしてワシ自身が持って居る認識として、今以上の神としてのは存在せん。

じゃが、もしワシらもお主同様に神としてのが成長し、さらなる高みが存在したとしたら?


・・・気にならんか?その先を。神としてのさらなる未来を。

既に限界であると思われておる、ワシら上位の神々ですら未知であるさらなる先の存在を』


「・・・確かに」


『じゃろ?』


「はぁ・・・分かりましたよ・・・作ればいいんでしょう作れば。面倒事になったなぁ。


・・・あ!でも、ミツハルさんとこの天ちゃん達って不老じゃありませんよね?

他の神々や陸くん達は良いとしても、ソレって問題じゃありませんか?

従ちゃん達も“成人した”とは言えないでしょうし、その辺はどうするんですか?


ついでに言うと、ミツハルさんやヒロアキさんってご自身の世界をどうされるおつもりなのですか?

“ウチの世界に長期滞在する”って事なら、それって自分の世界を放置する事になりませんか?」


『ふっふっふ~。その辺の指摘は既に想定済みだよ?

ミツハルくん達やヒロアキくん達にも、分身体作成が出来る様にこれから猛特訓だね。


まぁ天ちゃん達の件があるから、5年以内にはモノにして貰う予定だよ?

“天ちゃん達は20歳になるまでは、不老に関しては保留する”ってミツハルくんとは調整済み。

って言っても、実は既に天ちゃん達も含めて、訓練自体は開始しているんだけどね。

だから天ちゃん達も不老化するのは、ほぼ確定事項かな?


従達に関しては、特に問題無いと思って居るよ?

統治する世界が無いんだから、当分の間は此処の客室で寝たきりでも構わないしね。

と言うか、そういう事にも対応可能なスキルを作って貰おうと考えて居るからね』


「スキルに関してはこっちに丸投げですか・・・。

で、ミツハルさん。ヒロアキさん。訓練開始済みって、そんな訓練をやっていたんですか?」


「「はい」」


「ミーさん達や陸くん達も?」


「「「「「はい(ですニャ)!」」」」」


「天ちゃん達もかい?」


「「はい!」」


「魂の神様?それってどんな訓練なんですか?」


『う~ん。並列思考の上位版って感じかなぁ。

例えばさ。何か物事をやりつつ、他の事を考えたり出来るじゃない?それの応用って感じ。

リュウノスケくんにも戦闘中だったら身に覚えがあるんじゃないかな?

相対している相手を見ているのに、それ以外の相手の位置や動きが何となく分かる感じ。

アレを突き詰めていけば、基本的な所はOKだね。


そこからさらに神力を使って、仮の体を作れば終了って所。

まぁぶっちゃけて言うと、多重人格者のそれぞれの人格が、それぞれの体を得たって感じかな?


陸くん達の場合は、神力が無いから敷居が高くて難航しているんだけどね。

その辺はミツハルくんの頑張り次第って所かな?』


「なるほど。とっくに外堀は埋められちゃってるって訳ですか・・・。

後気になるんですが、幾ら“モノリスの書”で記述したとしても、魂の神様はともかく、

始祖の神様の神としてのに影響を与えられるものなんでしょうか?

神としてのとしては、始祖の神様の方が上ですよね?」


『それはワシが“モノリスの書”を強化するから多分問題無いわい。

追い追いになるやも知れんが、“この世の理を司る神”と“全ての物体を司る神”にも強化させる。

そうすれば何ら問題も無かろうて。

じゃから・・・何年後かは分からんが、あ奴らもこの世界に招く事になるじゃろうな。

と言うか、ワシらは既にそのつもりで動いておるしのぅ。

まぁあ奴らも、今は分身体の作成訓練中じゃがな?

どうにせよ、あ奴らもリュウノスケには感謝と言うか恩義を感じておる様子じゃし、

特に問題を起こしたりはせんよ』


「え゛?また来られる神様が増えるんですか?」


『いよいよ“原初の3柱”揃い踏みだね!』


「いや、全く嬉しくないですよ!

大体新しく上級神様が来られるとして、しかもそれが“原初の3柱”なんでしょ?

面倒事が増えそうで嫌だなぁ・・・」


『まぁまぁリュウノスケくん。心配しなくても大丈夫だから。

彼らもリュウノスケくんの創った“オド酒”や“マナ酒”のおかげで、

“ちゃんと起きて居られる時間が出来たから”って感謝しているみたいだし。

そんなに面倒事になならないと思うよ?』


「簡単に言われますけどねぇ・・・。

はぁ・・・“原初の3柱”でしょ~・・・何とお呼びすればいいのやら・・・」


『ん~?

そんなの私が“魂の神”呼びなんだから、“理の神”とか“万物の神”とかでいいんじゃないの?

別に難しく考える必要なんて無いよ。


始祖の神様も言われたけれど、彼らもお酒の件でリュウノスケくんには感謝しているしね。

多少気に食わない事があった程度で怒ったりはしないから』


「はぁ~・・・それなら・・・まぁいいですけどね・・・」

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