第019話 とりあえず帰還
・・・むぅ・・・寒い・・・。
ぼんやりしながら寝返りを・・・あら?体が動かない?
とか思ってたら目が覚めました・・・多分。
体が全く動かない上、完全に真っ暗で目を開けているのか閉じているのか判らない状況。当然口も動かせません。
おやぁ~?とか思っていると、徐々に頭の方は覚醒してきました。
あぁ、確か氷漬けになってるんだったっけ?あ~ぁ。失敗しちゃったわ。
まぁとりあえず目が覚めたっぽいから、植物とかマナとかがある程度増えてきたのかな?
まぁ自身の現状が神様曰く、氷漬けである以外が判らないから判断出来ないけど。
とりあえずスキル使ってみたらちゃんと起きてるかどうか判るかな?
自分に掛けるイメージをしながら
“完全鑑定”
お~出たわ。前出した時と同じ半透明の板が。
前は確か書斎で使ったから気にならなかったけど、このスキルは頭の中で処理されて、視覚に投影されるっぽいね。
だから真っ暗で全く見えない状況でも見れる訳か。
まぁ、他者に見られたりしたら困るから、そういうイメージで記述したけど、ちゃんと反映されてるみたいね。良かった。
俺の今のステータスは・・・あ~とりあえずHP・MP・SPの値がえらい増えてるな。
増加した年齢的に、分体作成して瞬間移動直後に即死してから200年以上経過してるっぽいです。
あと、各状態異常・飢餓・渇水・高温・低温・圧力・低酸素・物理・環境・絶食の各耐性系と、無呼吸がマスタースキルになってるね。
各種状態異常系が上がってるのは、完全状態異常耐性の下位スキルだから上昇したみたい。
まぁ200年以上も飲まず食わずで潰れたり燃えたり凍ったりしてればそりゃ上がるか。
元々ステータスとかスキル上昇確率UP系のスキルも持ってる訳だし。
低酸素耐性と無呼吸のスキルがマスタースキルになってたのはラッキーかな。
多分マナが希薄な状態だったから必然的に上がっただけかも知れないけど。
あとなぜか回復量増加系が上がってて、同じくマスタースキルになってました。
スキルレベルが上がって、一応ステータスも上昇してるけど、スキル補正分しか上がってないっぽい。
まぁ、基本死んでただけで何もしてなかったのに、スキルレベルが上がってるんだからある意味ラッキーではあるんだが。
耐性系スキルはHP・MP・SPのステータス補正しか設定してなかったから仕方ないか~。
HPが8983・MPが7374・SPが8934ってもうチートじゃね?しかも秒間の自然回復量が3つとも501とか・・・。
他の基礎ステータスは上がってないけど、確かにパワーレベリングだな。こりゃ。 遊んでると思われる訳だわ~。
それにしても自分で創っておいて何だが、不死スキルって存在自体が十分チートだな。
いきなりほぼ真空空間に転移して、圧死・・・と言うか真空だったら爆散か?しても生き返るんだもん。
爆散した以上何かが核となって蘇生したんだろうけど、検証のしようもないな。再検証なんてしたくもないが。
そうは言っても不死スキルはチート過ぎるから、後でもう一度考えよう。
とりあえず現状は確認出来たけど、相変わらず身動き出来ません。
どうしようかな~と、ちょっと悩み中。
もう死にはしないとは思いますが、起きてからず~っと空腹だし喉も渇いてます。
耐性系スキルのおかげで問題はないけど、やっぱり空腹感とかはあるのね。
現状、他を確認しようにも身動き取れないし、此処で出来ることない。かな・・・。
・・・本体に戻るか。
とりあえず戻ってからどうするか考えよう。リザアースの確認は本体の方で確認すればいいし。
もうこれだけ時間経ってれば本体の体調も回復してるでしょ。
ってことで、リビングに向かって・・・
“転移!”
「ぅおっ、眩しっ!」
感覚的には、転移してちょっと眠ったらまた戻ってきた感じなので、久しぶり感も全くなし。
真っ暗から光の下へ移動したせいでちょっと眩しかったぐらいなものです。感慨も何も無いですよ。
あ、見えるようになって気付いたけど、俺また真っ裸だわ。 誰も居ないからどうでもいいけど。
ちらっと見たリビングの時計表示が
“・・・リザアース暦 237年02月13日(日)11時32分51秒・・・”
と変化してました。一応200年以上ぶりなんだけど、誰も居なかったせいか全く汚れてませんわ。
まぁモノリスの書に記述はしなかったのだけれど、
リビング作成時に“汚れても自然浄化・消滅する”ってイメージしてたから、そのせいかも知れませんが。
「ん~とりあえず200年以上経過してるなぁ。俺、氷河期がどの程度で終わるイメージしてたっけ。
確か記述なんかはしてなかったハズだし。神様も俺の認識で氷河期が終了したら~的な事を言ってたから、
当分続くかな? まぁ先に本体に戻ってその辺確認してくるか」
リビングから寝室に向かう途中でちょっと気になって輪廻転生の輪を確認。
神様が安定したって言ってたしからね!
「ん~。ん?ちょっと大きくなった・・・かな?
元が小さかったし、あんまり興味持って色々見てなかったから気のせいかも知れないけど、
一応2cmぐらいにはなってるな。 倍ぐらいに成長した?
大体200年で倍に成長するなら、サイズ的にちょっと容器が狭いかな?
まぁとりあえず今はいいや。まだまだ余裕あるし。 将来的に問題ありそうなら居住区画ごと拡大して対処しよう」
お得意の問題先送りをしつつ寝室へ。
本体は転移前と全く変わらない状態で寝ております。一応呼吸はしてるみたい。神なのに。
200年ぐらい放置してたけど、床ずれとか大丈夫なのか?とか心配してみたけど、神だから大丈夫か。と自己完結。
で、特に用があるわけでもないので、さっさと本体へ帰還しますよっと。
本体に触れつつ
『帰還!』
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『帰還!』
詠唱?と同時に意識は本体へ。分体が光の粒子となって拡散、消滅。
確か装備品などは帰還時に周辺へ放置される設定にしてたけど、真っ裸だったから何も残りませんでした。
分体作成時に着てたジャージがどうなるか気になってたけど、どうせ死んでる間に燃えちゃったんだろうな。
また次の機会に検証すればいいや。
「ん~。空腹感とかは無くなったな。他にはあんまり変化した感じはしないなぁ。
なんかイマイチ実感が沸かない分、消化不良な感じがする」
とりあえずベットから起き上がり、リビングへ・・・行こうとしてスリッパが書斎だったと気付いて、先に書斎へ。
スリッパを回収しつつ、ついでにコーヒーとタバコ休憩に入りま~す。
「とりあえず当面やらなきゃいけないのは、人類に関する理を記述すること だな。
まぁ先にリザアースの状況確認して、修正すべき点を探して修正してからになるが。
人類の誕生だけど・・・ちょっと余裕を持ってやりたいかな。
神様からも俺が予定してる人類でOKみたいなこと言われたから、方向性的には問題ないと思う。
俺自身が氷河期の終了を認識するまでは、魂が器に入ることは無いって言ってたし。
ただまぁ、個々の魂をぞんざいに扱わないようにちゃんとした魂の受け皿を創るよう釘刺されたけど。
あと、他人の考えを読み取るとか今思うと勘弁して欲しかったなぁ。まぁ仕方ない状況だったけどさぁ~」
とりあえず頭の中で人類の方向性とか色々想像しつつ考えてみる。
何度かコーヒー&タバコのおかわりをしつつ色々と想像してみるけど、こういう時間って結構楽なんだよね。
実際に記述する時は気を使うけど、ぼけ~っと空想してる分には何の責任も発生しないからだけど。
「ん~ 人類に関する理だけは先に記述するけど、誕生するのは一斉に誕生させようかな。
一応誕生させる為のスキルも創ったけど、いちいち人類を創って誕生させていくのは面倒だし、
ある程度の知識とかも最初の人類には与えておきたいから、そーゆーのを考えたら時間が掛かりそう。
種族的にも10種族ぐらい創ろうと思ってるから、8種族は各始祖世界樹を中心に誕生させればいいかな。
で、残りの2種族は始祖世界樹のない所に誕生させるから、ある程度最初から強化した種族にしたいし。
でもその2種族のギルドカード作成用の水晶的なものをどうするかが問題になるかもなぁ。
まぁそのあたりはモノリスの書に色々記述・補完しておけば多分大丈夫だろう。
ま、とりあえず人類の誕生はリザアース暦1000年正子としとけば氷河期も終わってるかも知れないし、丁度いいかな。
時間的にも余裕が出来るし、氷河期が終わってれば生態系もある程度整うから、食料に関しての問題もある程度解決出来るでしょ。
リザアース自体の状況確認と改変の必要があった場合でもそれだけ余裕みてれば対処可能だと思うし。
よし、とりあえずこの方向で行こう。 忘れないうちにメモメモ・・・」
書斎にストックされている紙から新しく1枚取って、さっき考えた内容をメモ。
まぁ本当にメモ程度の事しか書いてませんが。
「・・・ま、ただのメモだしこんなもんでいいでしょ。
詳細は後で決めるとして、とりあえずはリザアースの現状確認しましょうかね。
とりあえずは・・・始祖世界樹周辺がどうなってるか、だな。
経過年数的には成木になってるとは思うけど、始祖世界樹の周辺が気になるんだよなぁ。
230回近く花粉を飛ばしてるはずだから、生物とか植物があればいいんだけど。氷河期だからねぇ。
一応俺の意識が戻ったから、ある程度マナがある状態にはなってるハズだし、多少の植物はあると思うんだけど・・・。
ま、見れば判るか。 とりあえず適当な始祖世界樹に向かって・・・。
『転移!』」
あ、神に戻ったから詠唱?とか要らなかったわ。てか、俺詠唱破棄持ってるからそもそも分体ん時も詠唱要らね~じゃん。