表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
俺の創った箱庭世界  作者: コルム
異世界冒険編
181/243

第181話 異世界冒険者生活1日目 その3

ポントスさんに教えて貰った通り、5分ほど歩いたら無事に冒険者ギルドに到着です。


「聞いてはいたけど、デカイ建物だなぁ・・・」


ポントスさんからも軽くは聞いていたオリジーの冒険者ギルドですが、かなり大きな建物でした。

敷地内・・・と言うか、建物内にダンジョンへの入り口があるそうですし、

飲食も可能な酒場や宿屋なんかも併設しているんだって。 そりゃ建物自体も高いし大きいわ。


ウチの世界と言うか、俺の国でもこんな施設を予定しているんだけど、こんな風になるのかな?


そんな事を思いつつ、外で突っ立って居ても仕方が無いので早速中へ。


・・・大きな扉を開けて入った中は、かなり広い空間でした。

大学とかにある食堂みたいな感じ? それがイメージ的には一番近い気がします。


で、犬の召喚獣を連れている俺を目聡く見つけた冒険者(?)達から、

「ガキの来る様な所じゃねぇぞ」等々の冷やかしが案の定来ました。


まぁ“テンプレ”って奴ですわな。

俺って見た目的にちっこいし、ただの犬の・・・・・召喚獣を連れていたら、そうなりますわ。

内心、“はいはい。テンプレテンプレ”と俺は完全スルー。


が。

「お前らみたいな低層程度で燻っている連中が粋がってんじゃねぇぞ!」

と、既に居たカイオスさんが一喝。途端に静まり返るギルド内・・・。


いや、心遣いは有り難いんですけどね? 逆に思いっきり目立っているんですけど?

つーか本当にカイオスさんてば、それなりに一目置かれる存在みたいです。影響力が半端ねぇ。

さっきまで俺を冷やかしていた面々も、こそこそ話をしながら興味深そうにこちらを見てきます。


「あんまり目立ちたくは無いんだけどねぇ・・・」

とか愚痴りつつ、手招きしているカイオスさん達が居るかなり大き目の円卓テーブルへ。

パーティーを離脱していたメンバーも揃っているのか、6人居られました。


「やっと来たか。待ってたぜ」


「お待たせしてしまったみたいで・・・すみません」


「いや構わねぇよ。んで?早速ポントスさんの所で召喚獣を買ったのか?」


「ええ。

後は一通りの冒険者用品と、ちょっとした装備品ぐらいですね。

まぁ、ポントスさんからの謝礼も含めた予算の範囲内で買える程度しか買えませんでしたが」


「だったら先に渡しに行った方が良かったかもな。あの盗賊達、結構な金額になったぞ?」


ニヤニヤしながら小金貨5枚を渡してくるカイオスさん。


どうも、元々はオリジーよりも西にある都市の街道付近を根城にしていた盗賊団だったらしく、

山脈を越えてこっちに流れてきたらしいです。

西にある都市で大規模な討伐隊が組まれた影響で、こっちに流れてきたっぽいそうな。

ちなみに、カイオスさん達も臨時収入になったみたいでホクホク顔をしていました。


・・・それにしても、盗賊40人の首で大金貨1枚相当か。日本円にして100万円相当?

個人差はあるんだろうけど、単純に人数割りにしたとしても一人当たり2万5千円って所か?

この世界の盗賊の命って安いな・・・。


有難く小金貨5枚を小袋に仕舞い込みつつ、お初な方(確かルータさんだっけ?)にもご挨拶。

足を負傷して居られるみたいですが、わざわざ立ち上がってお礼を言われました。

聞いていた通りカイオスさん達とは幼馴染らしくて、皆さん本当に仲良しみたい。

その怪我も後2週間ほどで完治する予定なんだって。よかったね!



「で?リューノ。召喚獣を買ったって事は、本当にソロで活動するつもりか?」


「そうですね。

今までだって独りで狩りをしていましたから、今更パーティーってのも慣れませんしね。

それなら気楽にソロで活動した方が楽ですから」


「言ったと思うが、ソロだと色々と厳しいぞ?」


「まぁその辺は召喚獣を育成しながら誤魔化しますよ。

今更魔法を使うってのも、なんだか私の性には合いませんしね。

そうなると魔力が勿体無いですから。

召喚獣って存在は、今の私にしてみれば都合が良かったんですよ。

ま、ソロでの活動に限界を感じるまでは、このままで行くつもりです」


はい、当然大嘘です。つーか俺ってソロ以外での活動は、一切考えておりません。

ぶっちゃけ、俺のマジな戦闘風景を見られる事の方が大問題ですからね。

まぁ悪意の無い嘘なので、その辺は勘弁して下さいな。


「そうかい。

まぁリューノなら、ソロでも中層辺りまでは行けると思うが・・・。

絶対に無理だけはすんなよ? つっても、怪我人を出しちまった俺らが言えた義理じゃねぇが」


「ご忠告有難う御座います。 まぁ気楽に、ぼちぼちとやりますよ」


「んで?もう昼は過ぎちまったが、早速潜るのか?」


「そうですね。ちょっとだけダンジョン内の様子見をしておきたい所ですしね」


「んじゃ、晩飯は俺らから奢らせて貰うから、適当に切り上げて戻ってきてくれよ?

お前さんのおかげで予想以上の収入が入ったんだ。

“一杯奢る”とは言ったが、それだけだと儲けと釣り合いが取れねぇ。それぐらいはさせてくれ」


「ん~別に気にされなくてもいいんですけどねぇ・・・。

まぁ今回に関しては、ご厚意を有難くお受けしておこうかな?」


「そうしろそうしろ。っと、先に冒険者登録を済ませちまわねぇといけねぇな。

ちょっと俺と一緒について来い。俺からも色々とレクチャーしてやるからよ」


「了解です。お手数をお掛けして・・・」


「ははは。リューノ、気にする事は無いって。

カイオスの本音としては、リーナと話をしたいだけなんだし。

ついでにリーナにも晩飯のお誘いでもするのかもね?」


「ちょっ!バカ!余計な事を言うんじゃねぇよ!

リューノもガイのバカは放っておいて、とっとと行くぞ!」


ガイさん以外の方々からも、口々に冷やかされるカイオスさん。

・・・ふむ。どうやらその“リーナさん”とやらにカイオスさんは惚れているみたいですね。

実際に2人で移動中にカイオスさんから、

「幾らリーナが美人だからって、絶対に口説くなよ?」

とか“コソっと”言われたぐらいだし、これは確定っぽいですな。

まぁ俺は1週間ほどでこの世界から離れるんだし、口説くつもりなんて微塵もありませんが。


少し離れたカウンターに到着。どうやら此処が冒険者ギルドの窓口みたいです。


「よぅリーナ!期待の新人を連れてきたぜ。ぱぱっと冒険者登録を頼む」


「カイオス?さっきから丸聞こえだったわよ?全く、貴方達は変わらないわねぇ・・・。


さて、リューノ様。で、宜しいでしょうか?

初めまして、当冒険者ギルドの受付をしておりますカタリーナと申します。

今後とも宜しくお願い致します。


それと・・・カイオス達を助けて頂き、本当に有難う御座いました。

腐れ縁とは言え、友人達を救って頂いた事。心より感謝致します」


立ち上がって丁寧に頭を下げる“リーナさん”改め、カタリーナさん。

ちょっとだけ雑談がてら話を聞いてみたら、カタリーナさんもカイオスさん達と幼馴染らしいです。


・・・そんなカタリーナさん。まぁ確かに美人さんと言えば、そうなんだけどね。

普段から美の神様や人化状態のルナ達を見慣れている俺からしたら、そこそこ美人な程度かな?

ただし、他の面々と比べると一番の巨乳さん。とりあえず・・・デカイとしか言いようが無いな。

カイオスさんてば、おっぱい星人なのかねぇ・・・。


そんな事はさておき、さっさと冒険者登録をせねば!


登録料として、さっき貰った小金貨1枚をカタリーナさんにお渡し。

お釣りは大銀貨9枚でした。新規登録料は1万円って所か?


「確かに頂戴致しました。

さてと、ちゃんとお仕事をしないと・・・リューノ様。こちらにお名前と年齢をご記入下さい。

代筆でも構いませんが、文字の読み書きは如何なのでしょうか?」


「あ~。多分大丈夫だと思います。余り綺麗な字じゃありませんけどね」


そうそう。この世界も(ついでに言うとミツハルさんの世界もですが)日本語が共通語です。

日本語と言うか、西暦2000年代初頭の日本語ですね。今どうなっているのか知りませんが。

当然ローマ字や漢字、片仮名なんかも併用して、常用文字とされています。

日本語って漢字やらも含めるとかなりの文字数になりますからね。

この世界での識字率は“低くは無いけど高くも無い”って微妙な感じなんだそうです。


「そうですか。ちゃんと判別可能でしたら問題御座いませんので、ご記入をお願い致します。

ただし偽名は使えませんので、必ずご本名でのご記入をお願い致します。

それと・・・もし可能でしたら、メイン職業もご記入頂ければパーティーのご紹介も可能ですよ?

そちらは如何なさいますか?」


「ん~そちらは不要ですね。私はソロでダンジョンに挑戦するつもりですので。


・・・っと。これで宜しいでしょうか?」


とりあえず名前と年齢だけ書いた紙を提出。

横から見ていたカイオスさんが“ボソッ”と呟いた、

「確かに綺麗な字じゃねぇな」って言葉は、胸に“グサッ”と刺さりましたよ?

カタリーナさんから鋭い視線を受けて、「すまねぇ」とか謝っていましたから、別にいいけどね。


「・・・はい。問題御座いません。

それではこちらの水晶球とご記入頂いた紙を手で挟んだ上で、

水晶球へと魔力を通して頂けますでしょうか?」


言われた通り、水晶球→名前等を記入した紙→手。って順番で重ねて、軽く魔力を放出します。

すると、間に挟んだ紙が水晶球に吸い込まれて消失。

で、カタリーナさんが水晶球の下にあった箱(?)から出てきたカードを軽くチェック。


「はい、問題は無い様ですね。ご登録有難う御座います。無事に冒険者登録が完了致しました。

こちらがリューノ様の冒険者カードになります。無くさない様にご注意下さい。

再発行の際には、再び大銀貨1枚が必要となりますので、予めご了承下さい。

それと・・・こちらは初登録時のサービスとしてお渡ししているネックチェーンとなります。

併せてお受け取り下さい」


「はい。有難う御座います」


名刺サイズより2回りほど大きいカードと鎖を受け取って、早速首からぶら下げてみます。

うん。ネックチェーンはある程度長さ調節も出来るみたいだし、特に問題無いね。

で、カードには“ランク表記”と“踏破階層”がありました。後、“踏破階層閲覧ボタン”も。

“ランク”の表記には“G-”。“踏破階層”は“無し”ってなってます。

“踏破階層”は別としても、“ランク表記”に関してはヒロアキさんから聞いてないぞ?

ギルドカードの使い方そのものも分からないし・・・。その辺の説明も聞かないと・・・。


「引き続きダンジョンの諸々やギルド、ギルドカードに関してご説明を・・・」


「あぁ!リーナ。それは俺らでやっとくわ。実際に冒険者の先輩から聞いた方がいいだろうしな」


「・・・はぁ~。カイオス?これも私の大切な仕事のうちなんだけど?」


「まぁそう堅い事言うなよ。それよりもリーナ。お前今日は何時上がりだ?」


「全く・・・今日は19時上がりよ?」


「じゃぁ終わったら俺らに合流してくれ。リューノの歓迎祝いで宴会すっから」


「はいはい。全くもう・・・。

申し訳御座いません。リューノ様もそれで宜しいでしょうか?」


「構いませんよ?確かに実際に潜っている方から、生のお話を聞けるのは参考になるでしょうし」


「畏まりました。それじゃぁカイオス。ちゃんと説明してあげてね?」


「おう、任せとけ。んじゃ、リューノ行くぞ」


まぁ気楽に聞きたい事が聞けるなら、別に誰からでもいいです。

実際にカイオスさん達の様な潜っている人から聞けた方が、良い情報が手に入るかも知れないし。


つー事でさっきの円卓に戻ってきました。んじゃ早速、質問タイム~♪



・・・で、分かった事。

“ランク表記”と“踏破階層閲覧ボタン”は、そのカード保持者しか見えないらしいです。

まぁ誰でも見れる“踏破階層”から、おおよそのランク自体は逆算して分かるらしいんだけどね。


で、“踏破階層閲覧ボタン”はともかく、“ランク表記”に関して。

コレって一般的には“ギルドランク”と呼ばれているらしいです。

当然、最初は全員“G-”からスタート。

その後、5階層踏破する毎に1ランク上昇するらしいです。

G-→G→G+→F-→F→F+→E-→E→E+→D-→・・・って感じ。


んでこのギルドランクですが、全世界共通らしい。

だから何処のダンジョンでもいいから、より深く潜ればランクが上がる仕様なんだとか。

ちなみにギルドランクが上がったからって、特に特典とかは無いらしいです。

まぁ一応分かるとは言え、自分以外にはマスク表示なんだから当然っちゃー当然か。


しかも俺ってギルドランクが上がった所で、

仮に何らかの特典があったとしても、その恩恵を受ける機会は無いだろうしね。


で、現在この世界で確認されている最高ランクが“A”らしい。

どうも俺が潰した都市のダンジョンの最高階層が100階層だったらしくて、そこの人だった模様。

・・・あの都市は滅ぼしたけど、その最高ランクの冒険者は生き残ったんだろうか・・・?


一応、遥か昔にはもっと上のランクがあったって伝説が残ってはいるらしいけど、

現在では未確認なんだそうな。 それって多分、ヒロアキさんの事なんだろうけどね。


ちなみに、カイオスさん達のパーティーは“C-”ランクらしいです。

現段階での最高到達階層が64層なんだって。

まだまだ中層で苦戦中らしいけど、ルータさんが復帰したらいよいよ71階層を目指すそうです。

“目指せ高層!&ランクC+!”なんだそうな。

そんなカイオスさん達。一応オリジーの街ではトップランクのパーティーなんだとか。

そりゃ、影響力もあるわな。


んで、さっきちらっと出た“中層”やら“高層”の件ですが、

それぞれの到達ダンジョン階層自体にも、冒険者の目安としてランクが設けてあるらしくて、

オリジーの街のダンジョンだと、1~10階層までが最下層。

その後、20階層毎に下層→低層→中層→高層→最高層となるらしいです。

だから中層だと51階層~70階層までとなるらしい。

これは他のダンジョンだとまた違うらしくて、単純に稼げる階層を表す尺度的な物らしいです。

最下層→全く稼げない。その分簡単に突破出来るレベル。

下層→余り稼げないが・・・レアドロップ次第では何とか生活出来る・・・かも?

低層→一応稼げるけど、ほぼその日暮らし程度。レアドロップが出ればラッキー。

中層→ちゃんと稼げます。生活にも若干ゆとりがある程度。レアドロップで大金ゲット!?

高層→普通に金銭ドロップだけでゆとりのある生活が可能。レアドロップで大金持ちへ。

最高層→ただの1戦だけで中層の1日分の稼ぎを越える事も可能なレベル。

みたいな区分けなんだとか。


オリジーの街のダンジョンに関しては、

現状、高層や最高層の到達者が居ないので、あくまで予想なんだってさ。

その辺はやっぱり目安なだけあって、かなり適当な感じがします。

が、一応は他の街のダンジョンの傾向からすると、大体同じ感じなんだって。

ちなみに他のダンジョンでも、最高層(91~110階層)よりも深い所へ到達したって話は、

例のあの都市のダンジョン以外では聞いた事が無いそうな。

つまりは今のこの世界の常識では、最高到達階層が100階層までって事ですね。


ダンジョン内のモンスターのドロップ品に関してですが、金銭は必ずドロップするものらしい。

でも、鉱物資源とか召喚石なんかのドロップ品は、一応レアドロップなんだって。

まぁ鉱物資源は他のレアドロップと比べれば、まだドロップし易い方らしいですけどね。

ちなみに、レアドロップの中には特殊な装備品なんかもあるんだとか。

俺としては、いちいちオーダーメイドで装備を発注する時間も無いし、そっちに期待かなぁ。


続いてダンジョン内のモンスターポップに関して。

これは、一度ダンジョンに入った時点でポップが確定されるらしいです。

だから同一進入時にリポップは無いんだって。

つまり、その階層でモンスターを狩り尽したら、その階層では戦闘終了って事ですね。

ついでに、一旦ダンジョンから脱出しても大体3時間程度の期間はリポップが無いんだそうな。


で、ずーっと疑問だった事が1点ありました。

“ダンジョン内で野宿する事って無いの?”って話ですよ。

“狩り尽してリポップが無いのであれば、ダンジョン内で寝泊まりすれば効率良いんじゃね?”

って思ったのですが、基本的にはそういう事をする冒険者って居ないそうな。

例外として、10階層毎のポータル解放戦時のみ、野宿する事があるらしいです。

なるほど。そりゃーポントスさんの所で“初心者セット”に野宿用品が用意されてない訳だわ。

しかも最下層程度なら、そこそこの冒険者だったら1日掛ければ全攻略可能なレベルなんだとか。


しかも10階層毎じゃなくても、各階層に必ず飲み水が補給出来る泉と、

ダンジョンから脱出出来るポータルがあるらしいです。当然、そのポータルは一方通行だけどね。

ただし、当然第1階層には脱出用のポータルがありません。まぁあっても意味無いもんな。


此処まで聞いて納得です。

自分たちの力量で行ける範囲内の階層にポータルで移動して、より下に潜りつつ出来るだけ稼ぐ。

で、ある程度稼げたら即脱出。

リポップのクールタイム分の時間を潰したら、また潜る・・・の繰り返しな訳ですな。

ヒロアキさんの世界は良く出来てるね!

そりゃ~昼間のこの時間に、冒険者ギルドにたむろって居る冒険者が居る訳だよ。

彼らはリポップ待ちって事だったのね。納得です。

携帯食料は、本当に非常用だったり、お腹が空いた状態でもう少し戦闘継続したい場合用らしい。


そんな冒険者の1日は、日の出のちょっと後からダンジョンに潜って、昼前に脱出。

昼食を街で済ませたら、リポップ時間を待って、再びダンジョンへ。

再び脱出してリポップ時間を待って、またまたダンジョンへ。

それが終われば一日が終了。 殆どの冒険者は、そんな生活をしているらしいです。

日の出後から昼前の探索は、主により深層への踏破挑戦が主目的。

昼からの2回は、単純にその日の収入が目的・・・ってな感じの冒険者が多いらしいです。

日に3度潜るとは言え、結構健康的な生活をしてますな。


でもさぁ?それにしては、もっと積極的に深層へチャレンジしても良いと思うんだけどねぇ。

まぁこの世界でも“死んだら終わり”なんだから、余り無理をしないせいかも知れませんがね。


ギルドカードのオートマッピング機能について。

これは単純にギルドカードを持って居れば、勝手にマッピングされるみたいです。

ただしこれの範囲は視界の範囲内じゃなくて、ある程度パーティーメンバーの周囲限定なんだとか。

だから“完全踏破”するには、ダンジョン内をちゃんと歩き回る必要があるらしいです。

これについては、一緒に入ったパーティー内でも共有される模様。勿論召喚獣も含むそうです。

・・・ふむ。なら俺の場合は、ベロスを走り回らせればすぐに終わりそうだな。


で、マッピングされた情報の閲覧は、“踏破階層閲覧ボタン”から。

単純にギルドカードの下の方に付いているボタンを押しつつ、閲覧を念じればいいだけらしい。

当然、俺はまだダンジョンに潜って居ないので、やってみても全く意味がありませんでした。


続いてダンジョン内に関して。

各ダンジョン階層を完全踏破(勿論、その段階で行ける範囲内での話)したら、

1階層下へのポータル部屋への扉が通行可能になる仕組みなんだって。

隠し部屋とかも、ちゃんと見つけて行かないとダメらしいです。

で、そのポータル部屋ですが、

その階層にしては少し強めの“フロアボス”みたいな存在が出現するのだとか。

ちゃんとその“フロアボス”を全て(複数出現するパターンもあるらしい)倒したら、

次の階層へ行けるポータルがアクティブになって、使える様になるらしいです。

ちなみに、2階層以降の脱出用ポータルには“フロアボス”が居ないんだって。

さらに言うと、“フロアボス”に関してはリポップは無いそうです。


んで、これは10階層毎のポータルにも例外的に影響があるらしくて、

“フロアボス”を倒して初めてその階層が“完全踏破”扱いになるらしいです。

つまり、11階層に行ける様になってからじゃないと、10階層へと飛べない仕様らしい。


ダンジョン内のモンスターについて。

基本的にはノンアクティブな存在らしいです。

ただし、視界(射線と言うべきかな?)が通って居れば、マッピングの6ブロック分。

おおよそ60m程度の範囲内のモンスターは、アクティブ化して襲ってくるそうな。

(つまりマッピングの1ブロック=10mぐらいって事ですね)

アクティブ化したモンスターですが、視界が切れたり7ブロック以上離れた状態が維持されると、

一定時間後に、またノンアクティブ化するそうです。

ちなみに、アクティブ化とノンアクティブ化を繰り返して狩る事は出来無いみたい。

経験則らしいですが、ノンアクティブ化によって、与ダメが全回復する仕様だと思われるそうな。

部位破壊をしていたとしても同様だそうで、完全回復しているんだって。


これに関しては、“フロアボス”も同様らしいです。

つーか、“フロアボス”から逃亡可能って事の方が驚きなのですがね。

立ち位置的に、完全にその“ポータルの守護者”って感じなのでしょうか?



・・・色々聞いたけど、大体こんなもんかな?

カイオスさん達的にも、“後は実地で慣れろ”って感じだし、そろそろ潜ってみますかね。


「・・・とまぁ、大体こんな感じだが、大丈夫か?」


「はい。色々と有難う御座います。それでは早速潜ってみたいと思います」


「何なら実地でレクチャーしてやってもいいが?」


「いえ、折角召喚獣を買いましたからね。

連携も含めて、色々と試しながらやってみたいと思います。お気持ちだけ、有り難く・・・」


「そうかい。まぁ野暮な事は言わねぇよ。頑張りな。

・・・っと、さっきも言ったが、適当な所で切り上げてくれよ?

晩飯の時間・・・って、リューノ。お前、時計は持ってんのか?」


「買ってないですね。時計って何ですか?」


いや知ってますけどね・・・。無知の振りをするのも、心苦しいですわ・・・。


「あ~時計を知らねぇのか・・・。

んじゃ先にポントスさん所で買って来い。“懐中時計をくれ”って言えば分かる」


「了解です。ちょっと行ってきますね」


で、さっさと行って、ポントスさんのお店で懐中時計を購入。

小金貨4枚なり~・・・って、高けぇな!オイ!

残金が大銀貨9枚。ちとカツカツか?頑張って稼がねば・・・。


大慌てでカイオスさん達の所に戻って、軽く懐中時計の説明を受けたら早速ダンジョンへ。

ダンジョンの入り口(と言っても、ポータルでした)に案内して貰って、いよいよ潜ります。

ちなみに入り口のポータルは、ギルド受付横にある10m四方程度に区切られた空間でした。

その横にも同じような空間があったのですが、こちらは脱出専用のポータルエリアらしいです。


「んじゃ、18時半までには戻ってきてくれよ?もう時計の使い方は大丈夫だよな?」


「大丈夫です。18時半までですね。了解です」


「本当に大丈夫かねぇ・・・頼むぞ?オイ」


「ははは。大丈夫ですって。んじゃ、行ってきますね~」


適当に手を振りつつ、入り口のポータル空間に入ったら、頭の中にインフォメーションが。


【ダンジョンに進入します。同時進入予定のパーティーメンバーを確認中です・・・】


【・・・確認完了しました。冒険者リューノ及び召喚獣2体となります。

このパーティーで転移可能な踏破階層が存在しない為、第1階層からとなります。

ダンジョンの第1階層に転移しますか? YES/NO】


頭の中で“YES”を選択。


【ダンジョンへの進入が許可されました。ご武運をお祈り致します】


“随分とご丁寧なインフォだねぇ・・・”とか思いつつ、視界が一変。

さて。初ダンジョン。どの程度の難易度かは知らんが、せいぜい頑張りますかねぇ・・・。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ