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俺の創った箱庭世界  作者: コルム
異世界冒険編
180/243

第180話 異世界冒険者生活1日目 その2

「リューノ殿は、何かご希望の商品がおありなのでしょうか?」


「そうですね・・・。

とりあえず冒険者になる予定ですので、最低限必要な道具類を見繕って頂けませんか?

まだ私では何が必要になるのかが分かりませんし」


「畏まりました。冒険者用の初心者セットが御座いますので、少々お待ち下さい」


程なくポントスさんが用意してくれたのは、

鉱石類を収納するかなり大きな背負い袋。2リットルほどの水袋。ランタンと灯油。

それと、クッキー状の携帯食料と干し肉類。後はドライフルーツが少し。

・・・ん?ランタン??


「こちらのランタンについてなのですが、ダンジョン内では光源が無いのですか?」


「そうで御座いますね。

10階層までは光源があると聞き及んで居りますが、11階層以降は光源が無いのだそうです。

オリジーのダンジョンでも、10階層程度ならばそれほど苦労はしないと聞いて居りますし、

リューノ殿ほどの力量ならば、程なく突破されると思われますので必要かと存じますが?」


う~ん。ぶっちゃけ、俺って“夜目”スキルがあるから、ランタンの必要性は感じないな・・・。

かと言って、悪目立ちするのも何だし・・・。


「ランタンの代わりに、光源を確保出来る魔法か召喚獣はありませんか?

私は前衛として戦う予定ですので、ガラスが使われていると破損する可能性が高いのですが?」


「魔法でしたら“ライト”の魔法が御座いますが、大金貨1枚になります。

召喚獣でしたら・・・“ピクシー”が成長すれば同じく使える様になると聞いた事は御座います。

が、すぐに使える様になる訳では御座いません。 如何なさいますか?」


「その“ピクシー”って他にも魔法が使えるのですか?」


「はい。召喚直後の時点で、“ヒール”と“ポイズンキュア”の魔法が使用可能で御座います。

リューノ殿は単独でダンジョンに挑戦されるおつもりでしょうか?

そうで無いのならば、余りお薦めは出来ませんが・・・」


ほぅ。召喚直後から“ヒール”が使える奴が居るのか。ならそいつは確保決定かな。

せっかくだし、他に荷物持ちになりそうな召喚獣でも買うか?


「そうですね。今の所は単独で挑むつもりです。

その“ピクシー”の召喚石の値段は幾らになりますか?

あと他に、荷物持ちが出来そうな召喚獣って居ますか?」


「“ピクシー”の召喚石であれば特別にお安くして、小金貨2枚でお売り出来ます。

荷物持ち用の召喚獣ですが・・・あぁ!リューノ殿は召喚獣に関してご存じ無いのでしたね」


「と、仰いますと?」


「召喚獣は送還時に、如何なる装備品や荷物等であれ、その場に残される事になるのです。

勿論“首輪を除いて”で、御座いますが。


ですので召喚獣と共にダンジョンに挑まれるのでしたら、常時召喚し続ける必要があるのです。

しかもその条件を満たす召喚獣ですと、どうしても高額となる為にお売り出来ないかと。

失礼かとは存じますが、ご予算としては如何ほどをご予定でしょうか?」


「手持ちでは小金貨1枚程度ですが・・・ギルドの登録料も必要だと聞いた事がありますし、

余り余裕は無いですね。そちらは諦めるしか無いのかな・・・」


「命の恩人であるリューノ殿に対して申し訳御座いませんが、さすがにお売りしかねます。

一番安い熊の召喚獣でも、それなりに需要が御座いまして大金貨2枚が必要となりますので・・・。

盗賊の装備品を全て買い取らせて頂いたとしても、不足するかと・・・本当に申し訳御座いません」


「いえいえ。お気になさらず。

ところで、盗賊の装備品の売却総額としてはどの程度になるでしょうか?」


「色を付けさせて頂いても、小金貨3枚が限度かと。

質も良くありませんでしたし、鋳潰して再利用する他御座いませんので」


「なるほど。了解です。

となるとポントスさんからの報酬を含めて、小金貨5枚程度で一通り揃えなきゃいけない訳ですか。

う~ん・・・あ!その前にポントスさんのお店で、何か投擲用の武器も扱って居られますか?」


「投擲用の武器で御座いますか?

でしたらダート矢とスリングをご用意出来ますが、どちらになさいますか?」


「え~っと、とりあえずダート矢を見せて頂いても?」


「はい。・・・こちらになります」


見せて貰ったのは、遊戯のダーツで使う様な軽い矢。これじゃぁちょっと心もとないかな?


「もう少し重い物はありませんか?」


「重い物で御座いますか?


・・・あ!私共が懇意にしている鍛冶師が試しに造った、総鋼鉄製のダート矢が御座います。

ただ、投擲するにはかなりの重量が御座いますが?」


「見せて頂いても?」


「はい、構いません。少々お待ちを」


店の奥に引っ込むポントスさん。とりあえずはそのダート矢次第かな・・・。

残った金額で揃えられるだけ揃えておこう。

盗賊の懸賞金に関しては、一応生活費として別口で考えておいた方が良さそうだし。

初日は様子見として宿を取って泊まる事にするけど、2日目以降は籠りっぱなしにしようかな?

それだと携帯食料なんかも、もっと大量に必要になるかも知れん。

後の懸念材料としては・・・鉱石がどの程度の頻度でドロップするかだな。

ドロップ品を全部拾ったとして、何日ぐらいであの袋が一杯になるのかが不明だしねぇ。


で、戻ってきたポントスさんに見せて貰ったのはものの見事に総鋼鉄製のダート矢でした。

羽根まで鋼鉄製です。重量的には丁度いいし、バランスも良い。耐久性的にも問題無さそうです。

感覚的にも今まで使っていた苦無にかなり近い感じがします。ちょっと練習は必要だろうけどね。

でも、総鋼鉄製だとお値段が気になります・・・全部で5本あるし・・・。


「中々良い品ですね。こちらのお値段は如何ほどでしょうか?」


「売れずに残って居りましたし、特別に装備ベルトもお付けして小金貨1枚で如何でしょうか?」


「本当にその値段で大丈夫でしょうか?総鋼鉄製の割にはお安い様ですが?」


「勿論で御座います!

こちらと致しましても不良在庫となっておりましたので、お買い上げ頂ければ幸いです」


「ではこれも決定ですね。

後“ピクシー”の召喚石と背負い袋、水袋も決定かな?

それと・・・何か安めでお薦めの召喚獣って居ませんかね?1体だけで良いのですが?」


「そうで御座いますね・・・。

単独で挑まれるのでしたら、探索役として犬系か狼系がお安くお譲り出来ますが・・・。

どちらが宜しいでしょうか?」


「では犬系で」


「でしたら大銀貨5枚でお譲り出来ますね。こちらになります」


渡されたのは、一見何の変哲も無い白い小さな石ころ。

手に持って“完全鑑定”してみた結果がこちら。


名前:ドッグ喚石

重量:10g

特殊効果:魔力を纏って握り潰す事により、ドッグが召喚可能となる。

ヒロアキ神の統治する世界の限定品。召喚もヒロアキ神の世界内限定である。


そのまんまですね。使い方が分かっただけ、良しとしときましょう。

つーかナチュラルに“完全鑑定”が使えましたな。

“出来るだろう”とは思って居たけれど、やっぱりこれは便利なスキルですわ。


「この場で召喚させて頂いても構いませんか?」


「はい、どうぞ。ついでに“ピクシー”の召喚石もご用意致します」


「あ~。その前に召喚方法をお伺いしても宜しいでしょうか?」


さっき完全鑑定したから知ってたけど、一応俺って召喚獣を知らないって設定なのでね。

一応予防線は張っておきます。


「あぁ!ただ単純に魔力を込めて握り潰せば召喚可能で御座いますよ。

ついでに申しますとドッグ系の召喚獣は進化致しますので、

進化させる場合は、一旦召喚石に戻す必要があるそうで御座います。

こちらはリューノ殿であれば遠からず遭遇出来るかと存じます」


おぉぅ。意外な情報が得られたね。無知な振りをして正解だったよ。

そうか。ドッグ系の召喚獣って進化するのね。覚えておこう。

んじゃ早速・・・。


少しだけ魔力を込めて握り込んだら、小石はあっさりと潰れました。

感覚的には“石”って言うよりも、“泥団子”を握り潰した感触が近いかも。


で、頭の中に“ポーン”と音が鳴って、メッセージが聴こえてきました。


【ドッグの召喚が可能となりました!

以後、召喚の意思を持って魔力を放てば、その場に召喚獣が召喚されます!】


おぉぅ。召喚獣ってこんな感じなのね。マジでゲーム感覚だな、こりゃ。


【新たに召喚可能となったドッグに固有名詞を付けますか? YES/NO】


ふ~ん。ちゃんと名前も付けられるのね。

犬系だし、もしかしたら進化先としてはヒロアキさんのケルベロスと同様になるのかな?

んじゃ、“ベロス”にしとこう。


頭の中で“YES”を選択した後、“ベロス”と名付ける事をイメージ。


【新たな召喚獣に固有名詞が付けられました! 今後は召喚時に“ベロス”と指定して下さい!】


なるほど、こうなる訳か。んじゃ早速。

頭の中で“ベロス召喚”ってイメージして、適当に足元に魔力を放ってみます。

と、魔力を放った先に光の粒子があつまって、犬の形になりました。


・・・つーか犬は犬でも、シベリアンハスキーっぽいです。体毛も白いし。

コレってどっちかって言うと、狼なんじゃねぇの?まぁどっちでもいいけどさ。


「リューノ殿。初召喚おめでとう御座います。


そうそう。このオリジーの街では、

子供が10歳になった日に両親からドッグ系の召喚獣を与える慣わしがあるのですよ?」


「有難う御座います」


・・・ん?ちょっと待て。

それって俺が10歳のお子様と同等・・って事じゃねーか!褒められてねぇよ!


多少げんなりしつつも、引き続いて“ピクシー”も召喚。名前は“シィ”にしました。


で、早速召喚。

体長10cmほどの半透明の羽根の生えた女の子って姿です。

あ、全裸じゃないですよ?ちゃんとワンピース風の服を着ています。

パンツを履いているかどうかまでは確認してないけどね。

俺って幼女趣味じゃないし、召喚獣のパンツ事情までは知りたくありません。


後はポントスさんにお任せで、鉱石用の背負い袋と水袋。

残りは買えるだけ携帯食料や干し肉、ドライフルーツを買い込んで終了です。

大体2週間分ぐらいの食料になるらしいです。これだけあれば、追加購入の必要は無いかもね。


ちょっと興味があって携帯食料を試食させて頂きましたが、コレ水無しじゃ食えねぇな。

味は悪く無いし、細かく刻んだ野菜も入っているみたいだけど、口の中がパサパサ。

某地球のバランス栄養食と同じ感じですわ。


携帯食料類は山吹さんに用意して貰ったリュックサックに押し込んで、水袋は腰から下げます。

とりあえずの準備完了かな?


結構な時間になったので、カイオスさん達がギルドで待っているかも知れん。

丁寧にポントスさんに挨拶をしたら辞去します。今後もお付き合いがあるだろうしね。

せっかくなので、ベロスもシィも召喚したまま移動開始。

さて、冒険者ギルドに向かいますかね~。


あ、ちゃんと冒険者ギルドの場所はポントスさんから聞いてありますよ?

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