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俺の創った箱庭世界  作者: コルム
異世界冒険編
175/243

第175話 作戦会議

俺への依頼内容は分かったので、早速詳細の詰める事に。

“国を滅ぼす”とか言ってますが、それって一般国民も巻き込んでの話なのかどうかとか。

色々と詰めておかないと後々問題になりそうなので、ちゃんとお話ししておきます。


「それで?ヒロアキさん。

とりあえずその“邪神”だかの存在は消し去るとして、何処までやっていいんでしょうか?」


「“何処まで”とは?」


「いや、そんな事をやらかす上層部は排除対象なのは判りますが、普通の国民の処遇です。

私としては・・・穏やかでは無いですが“皆殺し”の方が楽なのですが?」


「あぁ!その事ですか。

・・・むごいとは思いますが、その都市そのものを消し去って頂ければと思います。

あの国は、子供を含めて“洗脳”されていますからね。

まだまだ小さい頃から、“邪神”への供物として命を捧げる事が名誉な事だと教育されています。


・・・私がもっと早く現状に気付いていれば、私でも対処が出来たのでしょうが、

この世界の中で、たかが“いち地方都市国家”の内情まで把握し切れていなかった事は、

私の統治能力不足としか言えませんので、本当に申し訳無いとしか言えません。

全ての責任は私が負います。

リュウノスケさんには“無辜の民”を殺させる事になってしまい、申し訳無いです。


支配下にある都市は、まだそこまで“洗脳”が出来ていないので放置して頂いて構いません。

しかし・・・本当にあの国を“単独で”滅ぼす事が可能なんでしょうか?」


『あ~ヒロアキくんはまだ知らないと思うけど、リュウノスケくんはこう見えても武闘派だから。

その辺の心配はしなくても大丈夫。完全に任せちゃっていいよ。

まぁ今回の件に関しては、リュウノスケくんって言うよりもトウくんが頑張るのかな?』


「そうですね。今回は私主体じゃなくて、トウに食わせて終わらせるつもりです。

面倒も無くていいですし、“食べたら終わり”ってのが楽でいいですから」


「“食わせる”とは?」


「あ~ヒロアキさんは饕餮って存在をご存じですか?」


「はい。・・・あぁ!そういう事ですか。で、それがトウくんだと?」


「そうです。まぁ今の見た目はこんなですけれどね。

それよりも、国ごと食べる事になりますが魂の神様的には問題無いのでしょうか?」


『ん~問題が無い訳じゃないけれど、さすがに“今回は仕方が無いかな?”ってのが正解かなぁ。

子供達は可哀想だとは思うけれど、“後顧の憂いを断つ”って事なら許容出来る範囲内だしね』


「了解です。方法等々は完全に私に委任して頂いても?」


「構いません」


『だね。リュウノスケくんに求めるのは、結果だけだから。

思い切りやったとしても大丈夫。後処理諸々は、問題を起こしたヒロアキくんの仕事だしね。

リュウノスケくんがそこまで面倒を見る義理は無いし、ヒロアキくんにも責任があるからね』


「はい。この様な事になってしまい、今更言えた事ではありませんが、後処理はお任せを」


「なら・・・まぁいいか。適当に終わらせます。問題点としてはそれだけですか?」


「“出来れば”で構いませんので、出兵中の兵達も処分して頂けませんか?

今、別の国と戦争の真っ最中なので、残党狩りをする面倒が省けて後処理が楽になるのですが?」


「別に構いませんよ?でも・・・。

もし、その戦争の相手国の兵をも巻き込んで“処分する”事になっても構いませんか?

戦場でどちらが“敵か味方か”なんていちいち判別するのは面倒ですし」


「私は構いませんが・・・」


『まぁ今回は仕方が無いよね。“全ての魂を司る神”として、それも許可するよ』


「了解です。だったら後の問題はトウがどの程度の量を食えるかだな。

ヒロアキさん。その国の規模を教えて頂けますか?後、展開している軍隊の規模もです」


「少々お待ちを」


何やらヒロアキさんがぶつぶつと詠唱した直後に、食卓の上に半透明の表示板が。

どうやらこの世界の世界地図みたい。


「とりあえず問題となっている国が此処です。

支配下の都市は・・・こことここ。それとここですね」


ヒロアキさんが指を差す度に色が変わり、結構分かり易いですな。便利です。

気分的には、戦略SLGの画面を見ている感じかな?

念の為、俺も脳内で“衛星の視点”スキルを使ってチェックしておきます。


ヒロアキさんが画面をタップ(ダブルクリック?)したら、新しく別画面が表示。

その画面に対して指で広げる様な動作をしたら、その国の様子が拡大表示されました。

表示の右下には縮尺表示もついてます。 操作方法的に、スマホとかそんな感じっぽいです。

何か近未来っぽい映画とかで見る感じがして、ちょっとだけ羨ましい。


「次に国の規模ですが・・・こんな感じですね。おおよそ20km四方程度でしょうか?

中心にダンジョン。北に王城。その周囲に貴族街。後は雑多な感じですね。

まぁダンジョンの出入り口周辺には、冒険者関係の施設が集まっていますが」


ふむふむ。中々分かり易いな。

恐らく、“邪神”崇拝とやらは“国”としてやっているのだろうから、

第一目標としては“王城”かそれに準じる規模の“教会”らしきもののはず。

“教会”らしきものは見当たらないから、単純に“王城”に乗り込むのが手っ取り早いか。


「それと・・・こちらが現在展開している、あの国の軍隊になります」


再び別画面表示で展開(&対峙)中の軍隊が表示。

様子を見る限り、今は戦線が膠着状態って感じか。これなら無駄な犠牲は出さなくても済むかな?

幾つか陽動用の部隊も展開しているみたいだし、斥候もぱらぱらと居る感じ。

対峙している軍隊だけでも大体千人程度って感じかな?勿論食っていい方の話。

駄目な方はそれよりも3割程度少ない感じでしょうか?


【トウ。どうだ?一気に食えそうか?】


【現状の私の体積量では、かろうじて王城を食べるのが限界かと思われます。

さすがに都市全体は、まだまだ無理かと・・・。

先に軍隊の方を平らげれば、多少はましになるかも知れませんが】


【ふむ・・・。

それじゃぁひとまず“邪神”の処分をした後、王城を食べられるだけ食べて貰う。

その後、対峙している軍隊のうち、陽動部隊や斥候を無差別に排除しつつ、両軍に対し警告。

警告に従わない場合は両軍ともに排除対象として認定。

排除対象を食べて体積を増加させた後、再び戻って都市を丸ごと食べる。

それならいけそうか?】


【恐らくは。少なくとも、2~3度に分ければ確実に食べきれると思われます】


【そうか。まぁそれでいいかな】



「ん゛んっ・・・ひとまず大雑把ですが、こんな感じで如何でしょうか?」


トウと念話で打ち合わせした内容を、改めて提案。

現状だと乱戦にはなって居ないので、最悪の場合の想定だった両軍ともに処分する事に対して、

魂の神様から“なるべく考慮して欲しい”との要望があった程度で、概ね了解を得られました。


ま、俺としても無駄な人殺しなんてするつもりはありませんが、

戦場には“創造神の使者”として出現予定なので、反抗的な態度を取った場合は知りません。

その場合は両軍共にトウの糧になって頂きましょう。 それぐらいは、役得が無いとねぇ。

ミツハルさんの所では、余り食べられなかったし。

せっかくなので、この機会にトウの体積増加を目標にしてみました。



「ところで、その“邪神”なのですが、今どんな状態なんでしょうか?

トウに食べさせるにしても、私がその“邪神”を捕捉出来なければ意味が無いのですが?」


『う~んとねぇ・・・。

現状としては、木像に“神としての魂”が宿り掛かっている状態、って所かなぁ。

今のところは“魂”以上“神”未満な存在なんだけど、まだまだ自身の存在が未定義な状態。

一応は“魂”なんだけど、まだまだ自我が無いから何とも言えない感じだね。


ヒロアキくんだと木像を破壊しても、その“魂”に近い存在を消滅させられないから、

リュウノスケくんと言うか、トウくんの出番って訳。

まぁトウくんが居なかったら、私が何とかする予定だったんだけどね?

今回はトウくんが居るから、トウくんに木像ごと食べさせてしまえばおしまいだよ。


一応は“未熟な魂”とも言える存在だから、この世界の“輪廻転生の輪”に送られて、

浄化された後は普通の魂として、この世界で存在出来るんじゃないかな?』


「なるほど。要はトウに“その木像を食わせればいい”って事で問題無いでしょうか?」


『うん。それでいいよ。

いや~予想はして居なかったけど、トウくんの存在って便利な存在になってくれたよね。

リュウノスケくんには感謝感謝だよ』


「はいはい。んじゃ、面倒事はとっとと終わらせますかねぇ」


「あの国まで、お送りしましょうか?」


「え?」


どうやらヒロアキさん。ちょっとしたと言うか、俺より上の転移系魔法(?)が使えるそうです。

俺のスキルとは違って、ある程度の距離までならば惑星間転移も可能なんだとか。

それを使って、ご夫婦でミツハルさんの世界に遊びに行ったりしているらしいです。

まぁそれほど頻繁には行っていないそうですが。

今後は俺の世界での年末年始に来て貰う事になるし、毎年の恒例行事になるのかもね。


「ん~魂の神様?一応私も自分の世界で使えるスキル類って、この世界でも使えるんですよね?」


『そうだよ?』


「だったら大丈夫かな。むしろ使い慣れた方が安心出来ます。

ヒロアキさんには申し訳ありませんが、お気持ちだけ。有難く・・・」


「いえ、余計な事を言ってしまってすみません」


「いえいえ。ま、サクッと終わらせてしまう予定なので、お気になさらず・・・。

それで?始祖の神様方はどうされますか?」


『む?ワシらは此処でお主のやっている事でも眺めつつ、酒でも飲んでおるよ。

どうせいちいち手を出すほどの事でも無いしのぅ』


『そうですね』


「丸投げですか・・・まぁいいですけどね。トウ。早速転移するからコートの中に入って。

後は到着したら指示するから、指示通りに動いてね」


【承知致しました】


トウが俺のサーコートの中で“影隠れ”をしたら、サーコートを“漆黒”にして準備完了。

・・・と。


『リュウノスケよ。暫し待て』


「はい?何でしょうか?」


『何種類か“キンキンに冷えたラガー系”のビールを出して行け。後、つまみは枝豆で良い』


飲む気マンマンじゃねぇかコノヤロウ・・・。

野球観戦じゃねぇんだからさぁ。“つまみは枝豆で良い”じゃねぇよ!

今から俺、人を虐殺しに行くのよ? その辺分かってます?


若干呆れつつ、諦めつつ・・・。

創造魔法で出すだけ出したら、早速飲み始める始祖の神様&魂の神様。

もうね。感じ的に“頑張ってね~”ってなもんですよ。マジで手伝う気ねぇな!

このやるせない怒りは、ヤッちまう相手にぶつけよう。


もういいや・・・では改めて・・・久々に“完全隠蔽看破”で姿を隠してっと。

ヒロアキさんが唐突に消えた俺に驚いて居る様ですが、今はスルーで。


で、“衛星の視点”スキルを使って転移先を設定・・・。

とりあえず王城内部をくまなく探索・・・おや?どうやら地下室が当たりかな?

しかもおあつらえ向きに儀式の最中みたいです。 木像もあるし此処で正解っぽい。


つーかスキルで見てる間に、若い男女が全裸でお互いの心臓をナイフで刺してました。

流れ出た血が木像の足元に溜まり、木像に施してある細かな溝が“毛細管現象”で吸い上げられ、

木像の全身が血の色で染まります。


それを眺める司祭みたいな奴ら・・・。う~ん。実に不快だね。狂信者ってのは実に厄介ですな。

さっさとこの国滅ぼしちまおう。 って事で『転移!』

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