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俺の創った箱庭世界  作者: コルム
異世界冒険編
174/243

第174話 新しい神友

宇宙空間から降下を開始して程なく、周囲を山脈に囲まれた盆地らしき場所を目指して降下中。

・・・山脈って言うか、“1つの大きな山”だったのかな?標高は8千m級ぐらいありそう。

その中心部が陥没している感じです。カルデラとかクレーターって感じですかね?


・・・それにしては、山頂部から数kmほどの断崖絶壁になっています。

中心部はそこだけくり抜いたかの様に、綺麗な円形だし・・・。

もしかしたら、この世界の神様が創り出した人工的(?)な地形なのかも知れません。


円形内部の直径は約20km程度って所か。その中心に外周が1km無い程度の綺麗な湖。

湖周辺に少しだけ草原みたいな場所がある以外は、自然豊かな森が広がっています。

ちらっと鹿と思われる動物の親子が居るのが見えました。

それにしても・・・これだけ高低差があったら、日光とか昼間しか当たらないんじゃね?

とか無駄に心配してみたり。


どうやらその湖畔こはんに建つ、ちょっとこじんまりとしたお屋敷が目的地みたい。


崖部分だけでも5km以上あるみたいだし、やっぱり意図的な地形なのかな?

カルデラやクレーターだったとしたら、少し違和感を感じる地形だし。

だとしたら、ここの神様もある意味〝引き籠りなんじゃね?”とか思ったり・・・。


そうこうしていたら、お屋敷前に到着。で、魂の神様の結界も解除。

とりあえず目に付くのは、このお屋敷の番犬なのか、かの有名な三頭犬ケルベロスが居ました。

見事な漆黒の毛並みで、体高が2m無いぐらいの大型犬です。是非ともモフりたい・・・。


鎖に繋がれたりしていなけど、こちらを“敵”とは認識していないのか、

三つの頭それぞれがこちらを認識したら、器用に“ペコリ”とお辞儀して、伏せしてます。

ついでなんで、トウにも挨拶返しをさせておきました。


おっと、三頭犬に気を取られて居たけど、屋敷の門前にメイドさんぽい人が。

・・・ん?よく見ると口とかが何か変だぞ?手首や指も・・・球体関節??人間じゃないのか?


そんなメイドさんに案内されるまま、屋敷の門を過ぎて屋敷前へ。

魂の神様は来慣れているのか、ずんずん進みます。


屋敷前には1組の男女が跪礼&拱手してました。このお二人がこの世界の神様なのかな?


「最高位神様を始め、神様方にこの様な所までわざわざご足労頂き、心より感謝申し上げます。

ひとまず飲み物などをご用意させて頂いておりますので、ご一服頂ければと存じます」


男の人と言うか神様(ヒロアキさんだったかな?)の口上の後、改めてお二人が一礼した後、

女性(山吹さんだったっけ?)の案内で屋敷内へ。


さっきこじんまりと言ったな?アレは嘘だ! 中は結構広い豪邸って感じでした。

玄関ホールは3階まで吹き抜けだし、部屋数も多そうな感じ。

玄関から入ってすぐ左側が食堂の様な場所で、10人ぐらいは同時に食事が出来そうです。

さっきの球体関節メイドさんも何体か見掛けました。


食堂に全員が揃ったら、山吹さんが手ずから紅茶と言うか・・・フレーバーティーかな?

仄かな酸味と甘みを感じるソレを給仕して頂き、ちょっと一服。

頃合いを見計らって、ヒロアキさんが自己紹介。ついでに山吹さんも紹介して頂きました。


で、どうやらこの中で俺だけが“お初”なので自己紹介をしておきました。

“上級神”だと名乗ったら、驚かれたのはご愛敬。


纏めると、大体こんな感じです。

この世界の創造神はヒロアキさん。前もって聞いていた通り、中級神だそうです。

で、その奥さんの山吹さん。

この世界の元人類だそうですが、ヒロアキさんの伴侶となってから、下級神になったらしい。

黒目黒髪の“日本人的”な容姿なんですが・・・つーか山吹さんてば、かなり無口な方でした。

基本的なリアクションが“微笑ほほえみ返し”です。

YES/NOのリアクションが、頷くか首を振るって感じで、未だにお声を聞いていません。

でも美人さんの微笑はいいものです。

残念ながら人妻だけど。人妻だけど・・・。(大事な事なので2度言いました)


ちなみにミツハルさんとはご近所の世界だし、仲良しなんだそうです。

元の世代的にも、大体俺やミツハルさんと同じらしい。


魂の神様が言っていた、“馬が合う”との話ですが、ヒロアキさんもゲーマーだったらしい。

まぁ俺とはジャンルが違うみたいだし、かなりコアなゲーマーだったみたい。

一番遣り込んだのが、某“W○z”系だったそうな。だからダンジョン大好きっ子みたい。

(ちなみに俺は、大切に育てていた忍者をロストした時点でやる気を失って辞めました。)


お互いにコンシュマーゲーよりはPCゲーの方を好むってのは同じなのですが、

ゲームスタイルも俺とは若干違っていて、ヒロアキさんは完全に正統派スタイル。

ヒロアキさんは只々正統派でゲーム内の制約に従って楽しむタイプ。

一方俺は、最初の数回クリアするまでは一緒なんだけど、飽きて来たら邪道に走るタイプです。

ゲームプログラムを逆アセンブルして、データをいじって遊び尽くすと言えば聞こえはいいけど、

ぶっちゃけると要はチーターな訳で。 まぁさすがにオンゲーではしませんでしたがね。

ま、それってメーカーから禁止されている行為なんだけど、買ったゲームを遊び尽す為なので、

“大目に見て欲しいなぁ”と思う次第です。転売とかはしなかったしね。

気に入っているシリーズの新作が出たら、ちゃんと買ってたし。


俺とは方向性的にもジャンル的にも“微妙に合わないかもな~?”とか思って居たのですが、

俺もかなり遣り込んだ某“力天使人形ズ”をヒロアキさんもPLAY済みだったらしくて、

その話から、一気に意気投合。

某“無限沸き?”と思えるミッションを全滅クリアしたとか言ったら、称賛されました。

そこからは、なし崩し的に“ヒロアキさん”“リュウノスケさん”の仲に。

ついでに、俺の世界での年末年始の来客に追加が決定です。

まぁ人手不足なのは相変わらずですが、山吹さんもなんだかんだで手伝って頂けるそうなので、

大丈夫だろうと判断しました。

ヒロアキさんも、“おせち”やらの和食に飢えていたらしくて、楽しみだとの事。

(かなり昔にミツハルさんから俺の世界の事を聞いていたそうで、ずっと羨ましかったそうな)


その流れで本当に今更ですが、身内では“始祖の神様”と“魂の神様”呼びで統一して頂く事に。

本当なら、俺の世界以外ではちゃんと

“最高位神様”と“全ての魂を司る神様”って呼ばないといけないんだろうけど、

俺ってその“最高位神様”とマブなダチだしねぇ。って事で許して頂きました。

(ミツハルさんの世界に行った時点で気付けよ俺。って感じ)


余談ですが、ヒロアキさんと山吹さん。

かなりのラブラブで、お二人で関係が完結してるから、お子さんが要らないのだそうです。

と言うか、山吹さんが下級神になった段階でお二人とも“子供が出来ない体”になったらしい。

ある意味、究極の惚気のろけ話を聞かされた気がしました・・・。


そんなヒロアキさん。

俺、ミツハルさん、ヒロアキさんだと、ヒロアキさんが神様的には一番先輩だそうな。

話の流れで、ミツハルさんが上級神に昇格したと聞いて、少し凹んでました。

が、俺と同じく余り神としてのには拘りが無いらしく、すぐに元通り。

中級神でも、大概の遣りたい事が出来ているから問題無いんだって。

その辺も俺とは“馬が合う”感じです。


ついでなんで、ヒロアキさんの世界について聞いてみた所、大体こんな感じ。

基本の世界は予想通り“地球”をモデルにした“パンゲア大陸”。

ヒロアキさんの世界は、基本は剣と魔法の世界でLV&ステータス&スキル制ですが、

“蘇生”については俺の世界よりもかなりシビアな世界にしたらしい。

まぁなぁ。ヒロアキさんの好きなゲームで言ったら、転移魔法を使ったら、

“いしのなかにいる”で、下手したら即死だったしねぇ。


そんなヒロアキさんの世界だから、基本はダンジョンが主になる様にしたらしいです。

具体的には鉱物類の入手がダンジョン限定らしい。

さすがに岩塩とか砂鉄とかは除くそうなのですが、それ以外の鉱物はダンジョン産限定。

魔物類も地上には出て来れないって設定だそうです。


ダンジョン内の魔物を討伐する事によって、金銭や希少鉱物類を得る事が出来る仕様。

その為、殆どの大都市なんかには必ずダンジョンが1つあるんだって。

そんな世界だから、冒険者って職業も結構普通に居るらしいし、その都市からすれば、

貴重な鉱物資源を確保してくれる人材だから、それなりに優遇されているらしいです。


ダンジョンから魔物とかが溢れて地上に出る訳では無いので、その辺の問題は無いみたい。

ちなみに、水の確保目的でどれだけ深く地面を掘っても、ダンジョンには影響が無いらしい。

ある意味別空間設定なのだとか。


で、そんな世界の創造神であるヒロアキさん。

生粋のゲーマーだったせいで、自分で創って自分でダンジョンに潜る行為に飽きちゃったらしい。

しかも地上には魔物類が全く居ないから、猛獣類を除けば安全地帯な訳で。

そのせいで、都市間での戦争とかが頻発して、世界の統治に飽きて隠遁生活をしているらしい。


それなりに上手く世界がやっていけてるのは、初期設定が上手い事ハマったおかげなんだとか。

一応都市だけじゃなくて、幾つかの連合都市国家なんかも存在しているらしいし、

後は放っておいても勝手に文化文明が発達してくれるだろうと、完全放置な方向らしいです。


まぁさすがに“創造神として”看過出来ない様な事は“神として”干渉するのだそうですが、

そういう事自体は滅多に無いそうな。


そういう看過出来ない様な情報を、どうやって仕入れているのか気になって聞いてみたら、

この世界には“召喚獣”って存在があるらしい。

当然ヒロアキさんも持っていて、その“召喚獣”を使って情報収集をしているんだって。

ちなみに、この屋敷に居る球体関節人形や三頭犬なんかも召喚獣だそうな。



で、此処からが本題。

そんな一見問題が無さそうな世界に、俺が呼ばれた理由。


・・・結構身構えて話を聞いてみたら、割りと単純な話でした。

要はとある都市国家で、ヒロアキさんじゃなくて、独自の神を主神として崇めているとの事。

で、その神ってのが、その都市国家にとって都合の良い神設定らしくて、

それを理由に他の国々に戦争を仕掛けているらしい。


元々、その都市国家が抱えていたダンジョンが、割りと初心者向けのダンジョンだったらしく、

戦力となる冒険者他が多数居て、他の国々から頭1つ抜けた軍事国家なのだとか。

別に冒険者はその都市国家に隷属とかしている訳では無いのだけれど、

たまたまその国で最も影響力のある冒険者が、その国に加担した事で一気に加速したらしい。


単にその程度だったらヒロアキさんでも対処可能だったんだろうけど、問題はその主神。

いわゆる“邪神”なのだそうで(この時点で嫌な予感が)このまま放置したら魂が宿るらしい。

今のヒロアキさんでは、不確定な存在である“邪神”の対処は想像が出来ないので無理との事。

じゃぁ現時点で、“その国ごと滅ぼしちゃえば?”って話なのですが、

ヒロアキさんが想像出来る国の滅ぼし方が、“核爆弾”を使う方法しか思いつかないらしい。

そうなると、国を滅ぼせてもその後の悪影響が無視出来ない訳で・・・。


だったら“その“邪神”が誕生してから、その“邪神”を討伐したら?”って話なんだけど、

どうもヒロアキさんのイメージで、何度でも復活する“邪神”が生まれる可能性が高いとの事。


結果的に、“邪神”の討伐は無理だし、その“邪神”崇拝している国を滅ぼす事も無理。

かと言ってこのまま放置していたら、好き勝手に戦争を起こすし・・・。

と、困っていたそうな。


ちなみにその“邪神崇拝”ですが、古典的な奴らしくて、生贄を捧げる厄介なタイプ。

だから魂の神様が問題解決に乗り気だったのね・・・。


もうね。何となく判りました。

始祖の神様とか魂の神様的には、俺がその“邪神”になってその国を滅ぼせって事なんでしょ?


魂の神様が言った

『さすがはリュウノスケくん! 話が早いね!』

ってのは、絶対に褒め言葉じゃありません。


あ~面倒。多分今の俺の瞳。ハイライトが消えてるわぁ・・・。

面倒だから、トウに丸投げしてやろうかしら。どうせ都市ごと食べちゃえば終わるんだし。

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