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俺の創った箱庭世界  作者: コルム
神酒騒動編
153/243

第153話 出産前の下準備

リザアース暦1003年1月4日。

心地良い目覚め・・・まだ5時前ですが、十分に熟睡出来たおかげか、すがすがしい気分で御座います。


【お目覚めでしょうか?】


「お?トウ。おはよ~。お前も起きたの?」


【おはよう御座います。“起きた”と申しますか、正確には寝ておりません】


「なんで?」


【不定期に主様が私を撫で回したり足先を掴まれたりと、一晩中拘束されて居りましたものですから・・・】


俺。どうやら寝ぼけつつも、一晩中トウをモフり倒していたらしい。

かなり久々に自分以外の体温を感じながら寝たせいかも知れん。俺も人恋しかったのかねぇ。

悪い事したな~と思いつつ完全鑑定してみたら、トウの不眠耐性スキルが“1”だけ上がってました。


「そりゃすまん。まぁ耐性スキルも上がったみたいだし、一晩徹夜するぐらいお前らなら平気でしょ。

ま、もう俺も起きたし、眠かったら今からリビングで寝てきなさい」


【はい。それでは失礼致します】


ひょいとベッドから飛び降りて、器用にドアを開けてリビングに行くトウを見送りつつ、俺も朝の洗顔。


「ふぅさっぱりした。

んじゃま早いけど、リビングでのんびりコーヒータイムでもしてますかねぇ」


リビングに行ってみると、今日はトウ以外の誰も居ませんでした。まぁ、まだまだ早い時間帯だしね。

トウは水飲み場近くのソファーの上で就寝体勢。これから一眠りするつもりらしい。


一晩中俺の我侭に付き合ってくれたトウをあえて起こすつもりも無いので、俺独りで静かにコーヒータイムを満喫・・・。



暫くコーヒーを楽しんで居たら、6時前後あたりにルナ達がぞろぞろと集合。

つーか、リビングに来て俺に気付いたルナの第一声が「昨夜はトウでご満足頂けましたか?」だったので、厳重注意処分。

で、トウに指示した件に関しも“俺は猿じゃねぇ!”ってルナ達にお説教して居たら、美の神様も起きて来られました。

一応誤解があったら困るので、ちゃんと美の神様にも説明をせねば・・・。


恥を忍びつつよくよく聞いてみれば、昨日そそくさと立ち去ったのはやはりミーさん達の言葉が原因だった模様。

ちゃんと“誤解です”と納得して頂きました。

まぁ実際に俺が求めてたのが、“性欲”じゃなくて“癒し”だったって事をちゃんと説明。

んで、その“癒し”を求めて「一晩中トウをモフモフしてました」って言ったら何とか理解を得られた感じ。

と言うか、美の神様は赤ちゃん達の授乳や夜泣きで十分な睡眠が取れなかったらしく、逆に羨ましがられましたが。

美の神様も、なんだかんだでモフモフが大好きだしねぇ・・・。


あと、早速滞在に関して問題が発覚。独りで首の据わって居ない赤ちゃん2人の面倒を見るのはかなりしんどいみたい。

で、何が問題だったかと言うと、赤ちゃんを抱いたままドアの開閉とかしなきゃいけないのが結構大変だった模様。

各客室のドアは一応防犯の兼ね合いがあるのでいじれませんが、快適に過ごして貰うなら放置していい問題でも無い訳で。


つー事で、神体に戻って給仕室と同様に客室とリビングの間の扉を拡張&自動扉化&フラット化。

後は揺り篭を赤ちゃんが横に2人寝られるサイズに巨大化。さらに揺り篭に取っ手も付けて、使って貰う事にしました。

これで片手に揺り篭を持った状態で従ちゃんも接ちゃんも寝かせたまま、空いたもう片方の手が使える様に。

ついでにフラット化もしたので、揺り篭をそのまま収納出来るベビーカーも出してみました。

揺り篭に関しても、赤ちゃんが大きくなったらそれに合ったサイズに自動で大きくなる様に修正もしておきます。

美の神様に非常に感謝されましたが、この辺は昨日の時点で気付くべきでしたね。ちょっと反省。

まぁ昨日はとっとと俺から逃げる様に客室に戻っちゃったから、それ所じゃ無かったって事で仕方が無いとしておきます。


で、再び分体に戻って全員揃って太極拳の後、いつも通りのトースト系に追加してフルーツも付いた朝食。

美の神様も“ルナ達と同じメニューで構わない”との了承を得られたので、今後も余計な手間が減って大助かりです。

まぁ、授乳期の母親の食事なんかに関しては俺は完全に無知だしね。

一応お代わり自由にしてあるので、美の神様はフルーツを多めに食べて居られました。

ちなみに従ちゃんと接ちゃんはリビングに来る前に授乳済みだそうで、終始おねむ。


朝食後にルナ達へ、基本的には例年通りの日程で過ごす事。

それに追加して、ローテーションを組んで常時2人(トウは除く)は美の神様への接客訓練代わりに常駐する事を通達。

美の神様に『そこまでして頂かなくても・・・』と恐縮されましたが、ルナ達の訓練も兼ねてるので納得して貰いました。


で、俺は朝食の後片付けを済ませたらさっさと北極大陸に行く準備。


「んじゃ、後よろしくね」


【「「「「「承知致しました。行ってらっしゃいませ」」」」」】


「美の神様も何かありましたら、遠慮なくルナ達に指摘してやって下さい。従者訓練も兼ねてますし。

一応4日に1日は帰ってきますので、ルナ達で対応出来無い事とかありましたら、その時にお願い致します」


『本当に此処までして頂いて宜しいのですか?』


「構いませんよ?

先程も色々と説明させて頂きましたが、一応はルナ達の従者訓練も兼ねていますからね。

その代わりと言っては何ですが、ルナ達の訓練の監督を宜しくお願い致します」


『確かに承りましたわ』


「それではまた後日・・・『転移!』」



「到着っと。さてと、続きをやりますかねぇ『降神!』」



昨年に引き続いての居住区の神素材の延伸作業。延伸作業以外の過ごし方なんかも、大体昨年と同じです。

違う点は、居住区の建設は完全に先送りして、自身のスキルレベルUPとギルドランクの上昇を主目的にしたぐらい。

正直に言うと“居住区の建設とかは分体の創造魔法で纏めてコピーすりゃいいや”って思い直しました。

居住区の建設って言っても基礎部分は創造魔法頼りだし、上階で木材加工系スキルを上げるしか意味が無いと思いました。

建築系スキルはとっくの昔にカンスト済みだしね。

木材加工系スキルも、恐らく板材とかを量産したらカンストするだろうと予想。

“だったらいちいち上階を俺が造る意味って殆ど無くね?”って結論に達しました。

なので“降神”を使用しない日は、他のスキルレベル上げとギルド依頼に専念。

特に昨年追加した基礎ステータス上昇系を頑張って上げます。補正的にも“神体”的にも美味しいしね。

もうすぐルナ達の子も生まれるんだし、時間短縮出来る所はどんどん端折はしょらないと時間の無駄遣い。

予想では、転移用の魔方陣だけはいちいち手作業で修正の必要があるので、多分時間が幾らあっても足らないはず・・・。

ルナ達の子が20歳になった辺りで、北極大陸に人類を誕生させる予定なので、今のうちに頑張って作業します。




そんな日々を3ヶ月ほど過ごした結果、神素材の延伸に関しては後1~2年ほどで終了する目処が立ちました。

居住区に関しても、1ブロック(転移魔方陣間を予定。およそ3kmほどか?)だけ造ったら、後はコピペする予定。

コピペするだけなんで、恐らく分体だけでも十分イケルし、最長でも2年ほどで完了する予定で居ます。

・・・問題は北辺の行政区画をどれだけ拘るか・・・と、転移魔方陣の修正作業なんだよねぇ。

北辺には王宮も建設予定だし、出来るだけ体裁を整えたい所。

まぁ審美眼スキルもカンストしてるんで、それなりには美しい宮殿が出来ると・・・いいなぁ・・・。


あと、4日に1日の従者訓練は相変らずですが、追加して美の神様に俺の“主人訓練”もして貰う事にしました。

ルナ達の従者訓練に関しては順調・・・と言うか、堅調だったので全く問題無いんだけど、

立ち居振る舞いの洗練具合が特に目立ったので理由を聞いてみたら、美の神様からの指摘で一層洗練されてきたらしい。

んで、ルナ達の立ち居振る舞いに比べれば、猫背&低身長な俺だとルナ達に相応しい主人らしく無いと自己分析。

「だったらついでに俺もお願いします」って感じでお願いして、指導して貰う事になりました。

身長に関しては好きに変更出来るんだけど、今更だしねぇ。

美の神様もルナ達との生活にすっかり慣れたのか、俺に対しても随分と気安く接して来る様になったし、大分砕けた感じ。

それもあるせいか、美の神様の指導は一見穏やかなんだけど、言われる言葉の棘が心にグサグサと突き刺さります。

適切な指摘なだけに“もう少しオブラートに包んだ言葉を選んで!”と思った事が何度か・・・。

ある意味スパルタ教育でした。主に精神的に。


ちなみに魂の神様。俺はちゃんと把握して居ませんが、結構頻繁に来ている模様。

大体3~4日に1日ぐらいのペースで泊まりに来ているらしいです。俺とも何度か会いました。

そんな感じで、魂の神様もちゃんとパパさんしているみたい。

以前までは此処に来る為に、数箇所の中継地点を経由して来ていたらしいのですが、

マーキングのおかげで直通で来れる様になったのが大きいらしいです。

イメージ的には、今までは各駅停車で来ていた所へ、直通列車が停車する様になった感じなのかなぁとか思っていたら、

『大体そんな感じで合ってるよ』だそうな。

久々に俺の心を読まれました。つーか、こんな事を読まなくても・・・。


始祖の神様も数回来たらしいんだけど、未だに俺とは会ってません。

一応ルナ達とは顔を会わせた事があるみたい。後日ルナ達から「来られていましたよ」との報告だけを貰いました。

始祖の神様は、魂の神様の来訪5~6回に1回ぐらいのペースで付いて来ている感じらしいです。

で、従ちゃんと接ちゃんに顔を会わせたら、のんびり魂の神様と(ウチの)風呂に入って泊まったら、翌日帰るそうな。

よくよく話を聞いてみれば、始祖の神様は完全に遊びに来ている感じですな。

従ちゃん達に会った後は、風呂入って、メシ食って(ルナ達が給仕)、寝て、またメシ食ったら帰るって・・・。

今度始祖の神様と会った時に、注意してやろうかしら・・・。



そうこうしていたら、もう3月18日。

丁度4日に1日の従者訓練の日だったので、美の神様から直接『後1週間ほどで生まれそうですわ』と言われました。

俺がルナ達にお願いしたのが3月26日だったので、ちゃんと予定通りみたい。

早速魂の神様やミツハルさん達に連絡して貰って、来て頂く事に。


明けて3月19日。

今日から赤ちゃんが生まれて落ち着くまでは、俺も出産対応って事で北極大陸の開拓作業は一旦お休みです。

朝から全員の給仕をしつつ、今後の予定を立てたり、出産時に必要な事なんかを再確認。


昼食後に食休みをしていたら、魂の神様からミツハルさん達ご一家も伴って、間もなく到着するとの連絡が。

前もって予定日なんかを伝えてあったので、この素早い対応。“本当に有難い・・・”と思いつつ、すぐに来て頂く事に。


『やぁ!いよいよリュウノスケくんも父親になるんだねぇ!』


「「「「「「お手伝いに来ました!」」」」」」


「皆さん有難う御座います。宜しくお願い致しま・・・す?」


あれ?なんか視界の隅っこに始祖の神様が見えるんですが???・・・何でアンタが此処に居る!?

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