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俺の創った箱庭世界  作者: コルム
神酒騒動編
148/243

第148話 昇格戦 本番

あれからかれこれ10分弱ほど経過。

相変らず俺は動かないまま単純に“神威”で威圧状態を維持しています。少しづつ威圧の威力(?)は増してるけどね。

ん~ざっと見た感じだと、ミツハルさんだけがまだ余裕があるっぽいですな。

確かに萎縮して硬直はしてるけど、相変らず目には闘志が宿ったまま。


問題はミーさん達2人。

現時点で結構限界っぽい。完全に及び腰になってるし、涙目と言うか俺と目を合わせ様ともしません。


一応“神威”のレベル的(無いけど)には10レベルぐらいかな?

大体それぐらいを目安にして、威圧を強めたり弱めたりして慣れてもらいます。プラスマイナス2レベルぐらいか?


暇なのでそうやって威圧の威力(?)に強弱をつけてたら、俺にも何となくその辺の加減具合が判ったっぽい。

自分自身を“完全鑑定”してみたら、微妙にDEXの基礎値が上昇してました。

器用になったって事かな?


「ミツハルさん。

このままだと、何もしないまま終了となりますが、本当に宜しいですか?

特にミーさんとクレマチスさんは、この辺りで限界っぽいので正直これ以上の続けても無意味だと思いますが?」


軽く挑発してみる俺。


「「「・・・」」」


何も言えないミツハルさん達。

いい加減暇なので、そろそろ終わらせるか~と思いつつ、一気に威圧レベルを20ぐらいまで上げてみます。


「「「っっっ!!!」」」


ほうほう。今のミツハルさんでも、この辺が限界か。

もうミーさん達は完全に怯えて切ってプルプルしてますが。失禁ぐらいはしてるんじゃね?

さて、どうしますかねぇ・・・。

さらに威圧レベルを上げて終わらせてもいいけど、それじゃぁ面白く無いし。丁度良いネタは無いだろうか?



と、正直思ってました。




「っ!!!づあぁぁぁっっ!!!」


おぉぅ。突然の事でちょっと吃驚したわ。

唐突にミツハルさんが咆哮を上げたと思ったら、こちらを威圧してきました。

それにつられる形で、ミーさん達の萎縮も少し弱まった感じ。


ふむ。

俺がミツハルさんやミーさん達へと指向性で放つ威圧に対して、ミツハルさんを中心とした放射形で威圧を放った感じか?

で、俺の威圧を中和と言うか押し返してる感じですかね?

何分なにぶん見えない感覚的なモノなので、曖昧ですが多分そんな感じだと思う。

まぁミツハルさんに関して言えば、一歩前進したかな?


それにしても、俺の威圧を力技で返してきましたな。ミツハルさんらしく無い・・・あれ?ミツハルさんらしいのか?

背もかなり高いし、体型も筋肉質でムキムキな細マッチョ体型。容姿だってどちらかと言えばイケメンだし。

今までの俺の中では、学歴とかでかなり頭脳派なイメージだったけど、パワーキャラでもおかしくは無い・・・か。

・・・つーか頭脳明晰、容姿も整ってるし運動も出来るってモテ要素満載じゃね?地球だったらモテモテ、じゃね?


ミツハルさんに本人には自覚&悪気が無いんだろうけど、若干俺が“イラッ”としたのでさらに威圧してみる。


「あ゛ぁぁぁっっっ!!!」


俺の威圧を打ち消す様に、さらに威圧を返してくるミツハルさん。

つーか、もう気合だけで押し返してる感じです。若干目もイッてるし。ちょっと怖い。

が、此処まで来たならもう少しって所か。

さらに俺の威圧を増してみる。レベル的には50って所ですかね?


「がぁぁぁっ!!!」


獣の様な雄叫びと共に、ミツハルさん自身が発光した後、光が上に向けて放出。


・・・光が収まって、改めてミツハルさんを観察してみると、装備が一変してました。

元は騎士とか戦士っぽい、よくある剣・盾・鎧だったんですが、今では重騎士(?)って感じ。

鎧もフルプレートアーマー(当然フルフェイス)って感じだし、盾もかなり大きめのカイトシールド。

剣に至っては、片手剣ぽい剣だったのが、ツヴァイハンダーぐらいの巨剣になってます。

しかも波打ってるから、巨大なフランベルジュって言った方が正解か?


「これは・・・完全に乗り越えましたかね?魂の神様、どうなんですか?」


フルフェイスの奥からギラついた目で見られているので、目を逸らさないまま観客席に聞いてみる。


『ミツハルくんは上級神になったみたいだね。

こんな形で昇格する神を見られるとは思わなかったよ。

ん~ぱっと見だけど、守りに重点を置いた上級神って感じかな?まぁ見たまんまだけどね』


ほうほう。魂の神様、解説有難うございます。

さて、ようやく“模擬戦”のスタートラインに着いたって所か。後はミーさんとクレマチスさんの神化だけだな。


「おめでとう御座いますミツハルさん。

さて、残るはミーさんとクレマチスさんですが、続行されますか?」


「有難う御座います。当然続行させて貰いますよ?

ミー。クレマ。俺に続いてくれ。いつも通り前衛は俺が引き受ける」


「「・・・はい(ニャ)!」」


炎系の魔法を放ちつつ走り寄ってくるミツハルさん。それに続くミーさん達。

とりあえず俺の威圧は跳ね除けたみたいだけど、実力の方はどうですかねぇ。

相変らずミーさん達は、多少俺の威圧の影響下にあるみたいですが?

ま、やってみれば判るか。


「トウ。此処からが本番だ。よく観察しておくように」


【承知致しました】


ミツハルさんが放った魔法を適当に素手で叩き潰しつつ、ミツハルさんの間合に詰められる前に瞬動で飛び込みます。

ミツハルさんは剣装備だし、中途半端な間合いよりは完全に詰めて密着した方が俺にとっては有利。

で、昔懐かしの縦蹴り(手加減仕様)。昔はコレ1発だけでミツハルさんは終わったんだけど、今回はどうですかね?


ドゴォッ


ほっほ~、完全に盾で防御されましたわ。俺が手加減してるとは言え、反応速度も以前に比べれば悪くない。

盾の先端を地面に突き刺して、体重を乗せた状態で完全防御されました。

これは遣り甲斐がありそうですねぇ。ふふふ。


反撃として振り下ろされたツヴァイハンダーをかわした所に、ミーさんが短剣で攻撃。

簡単にこれもかわしましたが、離脱予定地点にクレマチスさんが魔法と弓矢を併用した射撃で牽制攻撃。

こちらも簡単にかわします。


「ふむ。ミツハルさんの防御は中々に硬いですね。連携自体もさすがに問題無さそうな感じですし。

それでは本格的に“模擬戦”と行きますか。

っとその前に、私も少しだけ本気を出そうかな?」


亜空間に収納したあったスキットルを取り出して、先ずは一口。

これで酔拳スキルの発動条件を満たしたはず。


「ぷは~。うん“マナ酒”は旨いねぇ。自画自賛だけど」


「戦闘中に飲酒とは、随分と舐められたものですねっっ!!」


ミツハルさんのシールドタックル→ミーさんの追撃→クレマチスさんの援護射撃を事も無げにかわしつつ、一応説明。


「あ~一応はコレもこの世界でのスキルの発動条件なんですよ?

“酔拳”って言ったら、コレの厄介さがミツハルさんにはご理解頂けるかと。

と言う訳で、今度はこちらから行きますねっ!っと」


不規則な動きでミツハルさんの攻撃をかわしつつ、ミツハルさんの頭部を足刀蹴り。


ゴガンッ!


空中で横回転しつつ吹き飛ぶミツハルさん。

何とか着地して体勢を立て直したら、再びミーさん達と陣形を組み直します。

ちなみにこっそりと“神威”のレベルを5ぐらいに下げました。

そうしないと、ミツハルさんの意識が威圧から逸れた瞬間から、一気にミーさん達の動きが鈍化したので・・・。


「んぐっ・・・ぷは~。ね?言ったでしょ?厄介だって。

しかしまぁ、ミツハルさんは硬いですね。もう少し制限を外そうかなぁ。

でも、もしミーさん達に当たっちゃったら多分即死しちゃいますからねぇ。まだ無理か。


ミーさん?クレマチスさん?

今からミツハルさんを重点的に攻撃します。ミツハルさんの防御が突破される前に頑張って神化して下さいね?」


【主様?わざわざその様な真似をなさらずとも、弱点部分から各個撃破すれば終わるのでは?】


「ん~まぁ単純に“戦闘”だったら、トウの言う通りなんだけどね。

今回の主目的はミツハルさんの昇格とミーさん達の神化だからね。

多少のお遊びでも入れてかないと、観客の皆さんも楽しめないからねぇ?

それに、連携とかに関してはある程度形になってるみたいだし、一応お前らの参考にもなるでしょ?」


【なるほど。短慮でした】


「ははは。これでもまだまだリュウノスケさんにとっては“お遊び”ですか。正直泣けてきますね。

ですが、これほどの相手と戦える機会はそうそうありません。

確かに私達の方が遥かに格下ですが、格下なりに見せ場ぐらいは作らせて貰いますよ!」


「その意気や良し。ですね。

んじゃ、宣言通りミツハルさんにはボコられて貰うとしますか。


ミーさんもクレマチスさんも、ミツハルさんが限界を迎える前に神化する事を祈ってますよ。

んじゃ、いきますね~」




そこからは一方的な展開。まぁ手加減スキルは発動してるので、致命傷にはならないですけどね。

密着状態でミツハルさんの防御をかいくぐりつつ、適当な場所を片っ端から殴打&蹴撃。


合間合間のミーさんの攻撃をかわしつつ、ミツハルさんの腕や足を掴んでクレマチスさんへの投擲武器代わりに使用。

投げたらまた追い駆けてって、主にミツハルさんを一方的にボコるっと。

当然たまにはミーさん達へも蹴りを放って吹き飛ばしてます。


「ん~ミツハルさん硬いっすね。もうちょっとイケるかな?」


で、俺が昔唯一やり込んだ某格闘ゲームの鳳凰ほうおうの名前が付く必殺技をリアルに叩き込んでやりました。

あぁ!天舞の方じゃないですよ?普通の方です。まぁ、空中からの叩き落しは有りの超必の方ですが。

気分的には“→A”からのネタコンボを叩き込んだのですが、“→A”の時点で体が浮いちゃったので、空中コンボ化。

「空中HITって、カウンターHITでも入ったのかなぁ」とかボケ~っと考えつつ、ボコボコにしてやりました。


あのゲーム。俺って地方地区大会では軽く優勝出来るレベルだったけど、全国大会までは行けなかったんだよねぇ。

一応全キャラ使えましたが、使ってて楽しめる俺のメインキャラは投げ系軍人2人組と男装の麗人の3人が1軍でした。

2軍で当身系キャラって所です。自称“当身師あてみし”だっただけに、先読みに関しては結構自信がありました。

が、友人に言わせれば“その面子ってキャラ勝ちじゃね?”って言われたけど、一方的なハメ技は使わなかったからねぇ。

あ~思い出したらまたやりたくなってきたなぁ。あのゲームって棒術使いも出てくるし(しかも当身キャラだし)。

この世界に飽きたら、昔を思い出してゲーセンでも創るか?んで、ルナ達にも仕込んで対戦とかするのも面白いかも。

でもなぁ、俺程度の腕だとすぐにルナ達に抜かされそうなんだよねぇ。あいつら頭いいしな。


しょうもない事を考えつつ、相変らずミツハルさんをボコります。

分体の俺ののAGIやDEXでも十分な所を、酔拳でブーストかましてるので超余裕。

その間も軽い威圧は続いているので、ミーさん達の動きも悪いし、程なくミツハルさんはボロボロになりました。

一応ミツハルさんの装備って神力由来らしいから、破壊する度に何度か修復してたものの、もうそろそろ神力切れかな?

フルフェイスのメット部分も左下辺りから完全に砕けてて、半分以上素顔が覗いてます。

胴体部分なんかはもっと酷い有様。股関節部だけは攻撃して無いので、そこだけ残ってる感じ。

厄介そうな剣は毎回早々に叩き折ってあるので、残りは盾ぐらいか。


「んぐっ・・・ぷはぁ~。それにしても、その盾は厄介ですねぇ。これだけ攻撃しても凹みもしないとは。

ちょっと試しに制限無しにして、本気で潰しに掛かっても良いですかね? あぁ!勿論盾の話ですよ?」


「はぁっ・・・はぁっ・・・お゛えっっ・・・ペッ・・・はぁっ・・・はぁっ・・・」


そんな感じで俺に遊ばれ続けたたミツハルさん。手加減使用とは言え、流石に嘔吐おうとしました。

まぁ手加減してても、空中で殴る蹴るの暴行を加えられつつ、三半規管をぐるぐるされたら気分も悪くなりますわ。

で、息も絶え絶えな状況。俺の挑発に乗る元気も無いらしい。


そんな状態なので、今までミツハルさんが相殺していた俺の威圧をモロに浴びてるミーさん達。

完全に萎縮してしまって、今では一方的にミツハルさんがボコられる様を見せ付けられる結果に。

たまにミツハルさんを蹴り飛ばして、ミーさん達も巻き込んだりはしてるんだけど、余り反応出来無くなってます。

むぅ。そろそろ限界かな?


「ふむ。ミツハルさ~ん?聴こえてますかぁ~?もうギブアップですかねぇ~?

ミーさん達も既に使い物になりませんし、これ以上無理しても意味が無いと思いますよ~?」


「はぁっ・・・はぁっ・・・まだっ・・・続けさせて下さいっ・・・ペッ・・・はぁっ・・・」


「はぁ。まぁ構いませんけど?

さすがに私もいい加減飽きてきたので、ミーさん達が戦線離脱したら終了とさせて頂きますよ?

それと・・・“釈迦に説法”かも知れませんが、手札は多い方がいいですよ?ミツハルさん?」


言いつつ自身に極爆風を付与してバチバチ言わせながら見た目的に威圧してみます。

と同時に“神威”を完全解除。正直、現時点ではもう威圧は必要無いと判断しました。



あちゃ~。ミーさん達は既に完全に戦意を喪失してたみたい。

もう威圧はしてないけど、見た目的に俺がもう1段階実力を出す気になったと思って、さらに怯えちゃってます。

ミーさん達にはちょっとだけトラウマになっちゃったかな?


ちなみにですが、私は風系統の付与を好んで使ってたり。

“バチバチ”言ってるから見た目的にも威圧感があるし、何より付与の特殊効果が便利なので結構愛用しています。

かなり前に色々試した結果、他の属性も含めて、属性を付与した場合の特殊効果がこちら。

無属性→全身が魔力に包まれた状態。DEX微増、ATK微増、DEF増加、MDEF増加。

火属性→全身に火炎を纏った状態。ATK増加、MATK微増、接触対象(箇所)に燃焼の状態異常を与える。

水属性→全身に氷片を纏った状態。。MATK増加、MDEF増加、接触対象(箇所)に凍結の状態異常を与える。

土属性→全身に砂礫を纏った状態。AGI減少、DEF大幅増加、MDEF大幅増加。

風属性→全身に紫電を纏った状態。AGI大幅増加、接触対象(箇所)に麻痺の状態異常を与える。

光属性→全身が発光している状態。MID微増、MDEF大幅増加。

闇属性→全身が闇に包まれている状態。自分の視界は問題無し。MID微増、接触対象に盲目の状態異常を与える。

と、なっております。

モノリスの書に記述はして無いんだけど、まぁ便利だし特に問題がある訳でも無いのでそのまま放置中。

大体予想通りだし、今更加筆修正する気にもならないんでね。


「さて、それじゃ、戦力外のミーさん達には戦線離脱して頂いて、早々に終わらせるとしますかねぇ」


そんな感じでバチバチ言わせつつ、再度ミツハルさんを挑発しつつ、ミーさんの方へてくてく歩いて移動。


「・・・はぁっ!」


ドンッ!


「やらせん!」


俺とミーさんとの間に割り込んで、盾を使った体当たりをしてくるミツハルさん。

そんな体当たりが直撃したけど、俺は軽く弾き飛ばされた程度。それほどダメージもありません。

追撃で放ってきた魔法も適当に叩き落します。


「そんな状態でよくもまぁ・・・頑張りますねぇ。とりあえず、邪魔っ!」


もう限界なミツハルさんに瞬動で間合いを詰めたら、防御体勢の盾ごと思いっきり蹴り飛ばして、ミーさんに肉薄。


「ミーさん?死なないで下さいよぉ~?」


ドゴッ!


「ギニャァッ!!」


ドンッ!


「きゃぁっ!」


ミーさんを硬直中のクレマチスさんに蹴ってぶつけます。

んで、またてくてく歩いてお2人に向かって移動。


ミーさん達の所に到着したら、舞空術を使用して(身長の問題)お2人の首を捕まえてネックハンギング。

当然感電するお2人。


「ギィニァァァッ!!!」

「ギィャァァァッ!!!」


「ふふふ。何時まで耐えられますかねぇ?早く気絶しちゃった方が楽ですよぉ?」


「「アガッ・・・ガッ・・・」」


感電中のお2人にしてみれば、生き地獄ですね。

実際には手加減スキルを使用中だから、気絶出来無い程度のダメージを常に受け続けている状態のはず。

振りほどこうにも、手足が感電してて体の自由を奪われてる状態だしで、本当に最悪な状況。

ただただ痛みに翻弄され続けている状態。さて、ミーさん達はどう打開しますかねぇ。


「舐めるなぁっ!」


再びシールドタックルで突っ込んでくるミツハルさん。

一旦ミーさん達を放してミツハルさんの突撃を回避し、俺はトウの所へと離脱。

で、ミツハルさんはタックルをスカってそのまま地面に倒れこみます。


「“舐めるな”と言われましてもねぇ?

・・・現実を直視しろよオイ。俺相手に手も足も出ない程度の三下風情が、寝言ほざいてんじゃねぇよ。

はっ。それだけズタボロにされといて、偉そうに言える言葉かよ、雑魚共が。

あぁ?死ぬなら3人一緒じゃなきゃ駄目だとか言うつもりか?なら3人纏めて仲良く殺してやるよ。

・・・つーか大口叩いといて、もう自分で立ち上がる気力すら無ぇのかよ?お前ら雑魚以下だな」


とりあえず鼻で笑ってみる。

力尽きて盾にすがる様にして、かろうじて立っているミツハルさん。

感電状態からは開放されたものの、完全に座り込み、体力的にも精神的にも限界であろうミーさん達。

ふむ。このまま終わってしまうのもつまらんな。


「トウ!回復してやれ。このまま終わってもつまらん。俺もまだまだ消化不良だしな」


【宜しいのですか?】


「構わん。やれ。どうせ状況はそう変わらん」


【あぁ!なるほど。承知致しました】


トウからヒール(光属性)が飛んだ後、よろよろと立ち上がる3人。

体力的には回復したんだろうけど、精神的な疲労が大きいんだろうな。覇気が全くありません。


「さて、これで体力的には問題が無いはずだ。

さっきの宣言通り、格下なら格下なりの意地って奴を見せてみろ。

俺が満足するまでは、この蹂躙、延々と続くものと思え!」




その後、半時間ほど一方的な蹂躙。

さすがにミーさん達の胴体部分へは万が一を考慮して攻撃はしていませんが、その分四肢へは遠慮なく攻撃。

当然、武器等の装備類は尽く破壊済みです。まぁミーさん達は短剣と弓しか持ってなかったみたいだし、楽なもんですわ。

ミツハルさんには遠慮無く攻撃。地面に叩きつけたり、顔面への攻撃、金的すら含む何でもアリで蹂躙してやりました。

立ち上がれなくなったら、その都度容赦無くトウから回復魔法が飛んでるので、ゆっくり休む暇も無し。

蹂躙してたら、なんか久々にルナ達との戦闘訓練初期の頃を思い出したわ。


そうこうしていたら、3人とも完全にダウン。

全員の目も死んだような目になってます。気力も完全に尽きたらしい。

一旦攻撃の手を休めて、改めて続行の意思を確認します。


「で?結局見せ場も何も無かった訳だが?どうする?諦めるか?」


「「「・・・」」」


「ふん。既に答える気力も無いか。口は達者だが、雑魚は所詮雑魚って事か。

主が主なら、従者も従者だな。どちらも使えん。


トウも覚えておけ。あぁルナ達もだな。

ルナ達も聴こえているか?こいつらの様に“愚者に仕える者もまた愚者”と言う言葉がある。

一応俺はお前らの主な訳だが、お前らの主として俺が不相応だと思うのならちゃんと言えよ?

俺はお前達の主として相応しい存在でるつもりだが、こういう輩も居ると言う事だ。

お前達の従魔にも言える事だから、お前達自身もちゃんと気をつけろよ?」


「・・・その言葉は・・・看過出来ない・・・撤回して貰おうか。

自分の事はどうでもいい。が、ミーやクレマを雑魚呼ばわりする事は許せない!」


ミツハルさんの目に敵意が芽生えました。

と同時に立ち上がって、ミーさん達の前に立ち塞がる様に俺と相対するミツハルさん。


「で?さっきも言ったが、口では何とでも言える。が、現実を見ろよ?

そこでへたばっている雑魚2匹が“使える”とでも言うつもりか?甘過ぎる考え方だな。

この“戦い”が始まってから、徹頭徹尾そこの2匹は何も出来て居ない。

主の盾にもならんし、主の矛ともなっていない様な存在を、雑魚と言って何が悪い?」


「ふざけっ!カハッ・・・」


ミツハルさんが口を開いた瞬間、思いっきり飛び蹴りをかまします。で、再びミーさん達の側に墜落。

トウがまた回復させようとしましたが、今回は止めました。


「言っただろう?口では何とでも言えると。

それに気付いているか?さっきから俺は威圧をしていない事に。

そうであるにもかかわらず、そこの雑魚2匹は怯えて何も出来て居ない訳だ。

それでは改めて問わせて貰おうか。そこの2匹は“自身の主人すら守れない雑魚”かどうかを」


盾にしがみつくようにして、何とか立ち上がろうとするミツハルさん。いい根性してるわ。本当に。


正直面倒臭いので、ミツハルさんに限定して一瞬だけ本気の威圧を発動。

崩れ落ちるミツハルさん・・・。

俺の指向性の威圧も一瞬だったし、こういう使い方も慣れたっぽいのでミーさん達には影響無し。

一応俺にも収穫はあったかな?まぁ威圧の指定使用・・・・なんて滅多に使う事なんて無いだろうけど。


「ふん。終わり・・・か。

残っているのはそこの雑魚2匹だな。とっとと敗北宣言しろ。それで全てが終わる・・・」


鼻で笑いつつ、再びミーさん達に向けて“神威”を発動。レベル的には10って所です。


「ぐっ・・・確かに私達はご主人様の足手纏いかも知れないニャ。

それでも・・・それでも私達だってご主人様の盾ぐらいはなれるニャ!」


気力を振り絞って、ミツハルさんの前に立ち塞がるミーさんとクレマチスさん。


「ふん。言ったな?ならば証明してみせろ!」


瞬動を使って接近し、2人の頭部を掴んだら、そのまま地面に叩きつけ。

で、地面に這いつくばった状態で放置したら、再びトウの側に移動。


「・・・ふん。主人と同じく口だけか。主従でそういう所だけは似るもんだな。

やる気が無いならそのまま寝て居ろ。

せっかくだし、お前らの目の前で口だけしか取柄の無い主人の首を刎ねてやる。

そんな姿を見せ付けられながら、何も出来無い自分達の未熟さに絶望でもしていろ」


さらに威圧のレベルを5ぐらい上げて、亜空間収納から神罰の刃を取り出したら抜刀。

と。



「ギニャァァァッッ!!!」

「がぁぁぁぁぁっっ!!!」


獣的な咆哮を上げつつ、ミーさん達が立ち上がると同時に、ミーさん達自身が光に包まれます。

これは・・・キタかな?


光が収まったら、ミーさん達の姿が一変してました。

肌艶や毛艶も良くなってるし、何よりさっきは無かったはずの装備が出現してます。

ミーさんは各急所を厚手の金属で守る感じの軽鎧にショートソード&盾を持った軽騎士って感じ。

クレマチスさんは厚手っぽい布と革で全身を統一した装備。一応急所部分には金属っぽい感じのが張り付いてます。

武器は長弓って感じですね。お2人共、随所に装飾も入った装備品です。


「「これ以上、ご主人様を愚弄する事は許さない(ニャ)っ!」」




一応さらに威圧レベルをさらに上げて、改めて2人を萎縮&硬直させたら“ほっ”と一息。

あ~やっとかなぁ?と思いつつ、観客席の魂の神様に視線をやると、頷かれました。

無事に終わったみたいね。お疲れ様でした、俺。

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