第147話 昇格戦 前哨戦?
その後、ぱぱっと年越し蕎麦を配膳してズルズル食べました。
配膳を手伝ってくれた陸くん達に感謝。
丁度食べ終わった頃に、魂の神様の所の赤ちゃん達が起きたので、ミツハルさん家もついでにお迎えで中座。
改めて全員が揃ったら、例年よりは少し静か目に年越しの宴会へと突入です。
今年は飲酒出来る人数が限られてるので、飲酒可能組みと不可能組みで分かれて宴会。
不可能組みは赤ちゃんトークで盛り上がり。飲酒組みは熱燗&お寿司で楽しみます。
ちゃんとお酒が飲めない人達用に“マナ水”を使ったお茶&お寿司は配膳しましたがね。
つーか、妊婦だけどルナ達もまだまだ軽い給仕程度なら可能なので、後はお任せしちゃいました。
念のために、海ちゃんだけは飲酒不可能組みについてて貰いましたが。
で、ちょっと早いけど21時頃に解散。明日は9時集合って事でお開きに。
さすがに赤ちゃんが眠そうにしてるのに、宴会を続行する気にはなれませんでした・・・。
明けてリザアース暦1003年1月1日。
ちと早いですが、6時前頃に起床。最近の生活リズムだと大体こんなもんです。で、リビングへ。
「あれ?おはようございます。皆さんお早いですね。
あぁ!明けましておめでとう御座います。今年も宜しくお願い致します」
『『「「「「【(うむ)おめでとう(御座います)、今年もよろしく(お願い致します)】」」」」』』
朝も早くから、ママさん組み&妊婦組み以外は全員揃ってました。
で、皆毎度おなじみコーヒータイム中。俺も遅ればせながら参加して、雑談に興じます。
雑談の主な内容としては、今日のミツハルさん達との“模擬戦がどうなるのか”に終始してました。
一応イベントとしては、ミツハルさん達の昇格が賭けの対象に。
1・ミツハルさん達全員が昇格(ミーさん達は神化)する。
2・3人中2人が昇格。
3・3人中1人が昇格。
4・全員が昇格出来ず。
の4パターン。
ミツハルさん&陸くん達は1に賭け、始祖の神様&魂の神様&トウが4に賭けました。
まぁ賭けに勝っても、賞品として“マナ酒”が1本贈呈されるだけなんですけどね。
ミツハルさんの気合の入り方が異常でしたが、俺はあえて4に賭けてみる。
つーか、俺とかトウが賭けても意味無いよね?まぁその場のノリだったんで仕方無いんですが。
でも、俺が4に賭けたせいでミツハルさんから「くれぐれも手を抜かないで下さいね?」と、言われました。
手加減スキル使用で手を抜かないって・・・。ミツハルさんは俺にどうしろと・・・。
その後、7時過ぎぐらいからパラパラと全員が集まり始め、8時前には赤ちゃんを含む全員が集合。
せっかくなので、そのまま全員で遊戯室に移動して朝の体操代わりに動きを指導しつつ太極拳。
いつものメンバー以外からは“興味深い”とのご意見を伺いました。
ミツハルさんとこは、軽い運動だしミーさん達にも負担が掛からないので日課にするとの事。
まぁ頑張って強くなって下さい。ミツハルさんトコはスキルが無いだろうけど。
太極拳が終わったら、丁度良い時間になったのでお屠蘇の準備・・・なんだけど、俺だけちょっと席を外します。
で、神体に戻って久々にお年玉を作成。
改めて分体に戻ったら、お正月の飾りつけやらお屠蘇の準備をして、さっさとお屠蘇を開始です。
今年のお屠蘇はお酒じゃなくて少し薄めた“マナ水”に屠蘇散を漬けた“お屠蘇もどき”にしました。
さすがに赤ちゃんや妊婦さん。まだ授乳期のママさんが居られるで、その辺は簡略化です。
これなら問題無いはずなので(一応始祖の神様に確認済み)全員でお屠蘇。
大地くん→天ちゃん→接ちゃん→従ちゃん→トウ→以下略。の順番で回し飲み。
お酒じゃないから微妙な感じにはなってしまいましたが、まぁ仕方無いです。
その辺は皆さんがちゃんと理解してくれたので、さっさとスルーします。
それが終わればいよいよお年玉タイム。
天ちゃんと大地くんには、陸くん達に最初にあげたのと同じ指輪にしてみました。
何かミツハルさんの世界では、あの指輪って“退魔の指輪”って呼ばれてるらしいですが、俺には関係ないよね?
“へー”と思って魂の神様に指輪の効果を聞いてみたら、確かに微弱ながらも魔物とかを寄せ付けない効果があるらしい。
ま、俺的には単純に“厄除けの指輪”って感じなんですが。
で、従ちゃんと接ちゃん用ですが、同じく指輪なんだけどちょっとだけ“神体”で改造してあります。
効果的には天ちゃん達にあげた“厄除けの指輪”機能に追加して“不思議な武器”にも任意変更可能な事ぐらいですね。
“武器化”の際は“神力”消費型になってるので、一応神様限定の装備品です。
長期滞在されるとの事だし、将来的にウチの子らにも同じ物を渡す予定なので、予め渡しておきます。
多分ウチの子らも成長したら、一緒になって鍛練する事になるだろうしね。
一応ですが、“武器化”出来るのはリザアース暦換算で5歳になるまでは封印状態になってます。
もし赤ちゃん達が間違えて“武器化”させちゃったら危ないので、その辺は配慮しました。
その辺も含めてちゃんと説明したら、魂の神様と美の神様にも了解を得られたので、問題無しです。
ま、ウチの子らと模擬戦するようになるまでは“武器化機能”は実質的に使え無いだろうけどね~。
当然所持者限定、自動修復、自動帰還、鑑定不能なんかのいつもの便利機能付きです。
俺からのお渡しが終わったら、神々の番。
始祖の神様&魂の神様&美の神様からとして、纏めて赤ちゃん4人に同じ物と言うか加護が与えられました。
まぁ、普通よりもちょっとだけ幸運に恵まれたり、健康で居られる程度の加護らしいけどね。
誕生直後に付与するか迷ったらしいのですが、お年玉として付与する予定にして、今までは保留したたらしいです。
お屠蘇&お年玉が終わったら、各自の今年の抱負を宣言。
始祖の神様→色々頑張る。(何も言うまい・・・)
魂の神様&美の神様→育児を頑張る。
ミツハルさん&ミーさん&クレマチスさん→昇格&育児を頑張る。
ルナ達→元気な赤ちゃんを産む。
陸くん達→強くなる。
トウ→従者訓練を頑張る。
でした。ちなみに俺は“北極大陸の開拓に勤しむ”でした。
今年の抱負が終われば、おせちタイム。
例年よりは静かな感じになりましたが、各自のんびり飲んだり食べたり・・・のまったりタイム。
そのままの流れで軽い昼食を食べたら、いよいよミツハルさん達との模擬戦です。
頃合を見計らって、「それじゃぁそろそろ・・・」って事で、遊戯室へと移動。
今回はミーさん達も参加するので、ミーさん達は自分の装備(ちゃんと持ってきてたらしい)を取りに客室へ。
ミーさん達が来るまでの間に、遊戯室に観客席を設置。
後は、天ちゃんと大地くん用に大きめの揺り篭みたいな赤ちゃんベッドも観客席内に作成しておきました。
最初はおっかなびっくりしてた天ちゃんと大地くんですが、少ししたら安心しておねむ。
結構ゆったりサイズだし、従ちゃんと接ちゃん用にも後で創ろうかな?
今は魂の神様方に抱っこされてます。
ちなみにフィールドは毎度おなじみ初夏の草原にしてみました。
少ししてミーさん達も合流したら、俺・トウ(柴犬状態)・ミツハルさん・ミーさん・クレマチスさん以外は観客席へ。
万が一の場合は救護班として始祖の神様と魂の神様に対応をお願いしたぐらいかな?
後、始祖の神様には模擬戦開始の合図をお願いしておきました。
ちなみにルナ達へはミツハルさん達の連携を参考にしつつ観戦する様に指示。
トウに関しては、より近場で実戦時の雰囲気なんかを体感させる目的で連れて来ただけで、参戦はしません。
全員の準備が整ったら、ミツハルさん達と相対。いよいよ対戦です。
「リュウノスケさん?トウくんも参加するんですか?」
「いえ、実戦の雰囲気とミツハルさん達の連携を近くで見学させるだけですから、参加はさせませんよ?
一応ミツハルさん達の昇格の為ではありますが、トウにも参考になる事があるだろうと思っての事なので。
なのでトウに関しては、戦闘中は無視して貰って構いません」
「了解です。ところで、リュウノスケさんは何か武器類は使われないのですか?」
「そうですね。
え~っと、もう何年前かも忘れましたが、あの時の感じと同じなら必要性を感じませんからね、私は徒手空拳で行きます。
後、直接的な攻撃系の魔法も使用しませんし、ミーさん達が居るから一応はある程度の手加減も予定してます。
ただし、ミツハルさんやミーさん達は本気でやらないと意味が無いので、武器類の使用も含めて全力で来て下さい。
私は分体とは言え不死ですから、ちゃんと殺す気でやって貰って大丈夫です。
変な言い方になりますが、私もルナ達のせいで死に慣れてますからね、気兼ねなくやっちゃって下さい。
まぁ、ミツハルさん達に“私を殺す事が出来るなら”ですけど?」
ちょっと挑発。
「ふっ。確かにかなり昔に模擬戦をやった時は、自分ではリュウノスケさん相手に手も足も出ませんでしたからね。
徹頭徹尾、舐められても仕方無い・・・か。
ミー!クレマ!遠慮は要らないから、全力で行くよ!」
「「はい(ニャ)!」」
完全武装のミツハルさん御一行。今回もミツハルさんはご自身の神力で装備品を出現させてました。
・・・そろそろ準備OKみたいですね。
『双方準備は整った様じゃの。それでは模擬戦始めっ!!』
始祖の神様の開始の合図と同時に、こちらを攻撃をしようと動き出すミツハルさん達。
だがなぁ。
とりあえず“前は使わなかったし、この程度はクリアーして貰わないと”と思って、軽く“神威”を発動。
それと同時に威圧を受けて、動きを止めるミツハルさん達。
あ~。ミツハルさんよぅ。この程度の威圧で動きを止める様じゃ、駄目駄目じゃん。
ルナ達相手なら、即教育的指導が入ってますよ?
「トウ?今のミツハルさん達をどう思う?」
【主様の軽い威圧で多少なりとも萎縮してしまう様では、戦闘以前の問題かと存じます】
「だよねぇ。
とりあえずミツハルさん?如何なる状況下であれ、戦闘時に動きを止める事が無い様にお願いしますね?
そうでないと、全く話になりませんから。
そうだなぁ・・・さっさとこの威圧に慣れて貰いたいし、今から徐々に威圧を強めます。
意識をしっかりと持って下さいね?」
とか言いつつ、徐々に本気の“神威”に移行。まぁ少しづつ時間を掛けて威圧感を増す感じですかね?
分かりやすく言うなら、1分間毎に1レベル分づつ威圧感を増す感じ。“神威”スキルにレベルは無いんだけどね。
ちなみに今回は観客席に“威圧レジスト機能”も付けてます。
なので、どれほど全力発動しても、赤ちゃん達には問題無いはず。俺も自重しなくていいし、楽ちんです。
「「「っっっ!!!」」」
こちらはまだ開始地点から微動だにして居ないにも関わらず、冷や汗だらだらのミツハルさん達。
とりあえずは戦闘以前に“コレ”に慣れる事が先かな?そうでもしないと話にならんわ。
今回俺が想定していた戦闘スタイルとしては、近接戦闘をしつつ時々“神威”で硬直を狙っての各個撃破狙いでした。
が、現状だとそれ以前の問題なんだよねぇ。
あ~。早く慣れてくれないかなぁ。スキル発動してるだけってのも暇なんですよねぇ。
“神威”ってレベルが上がるスキルでも無いし。