第139話 神になった魔物
あれから軽く雑談しつつクッキーを食べ終えたら、すぐに始祖の神様と魂の神様は帰られました。
クッキーは『美味しかったよ』との事でしたが、俺からしたらちょっとパサついてて、飲み物ありきなお茶請けって感じ。
「もう少し“しっとり感”があった方が単品で食べても美味しいよ?」ってルナ達に伝えておきました。
まぁ日本のそこらで売ってた、そこそこ程度の値段で買えるクッキーって感じだったので、及第点はあげられるんですけどね。
後、以前“もう陸くん達以外は連れてきちゃ駄目”的な事を言ったけど、
連れて来てもOKな旨をミツハルさんに伝えて貰う様、魂の神様にお願いしておきました。
せっかく生まれた直系だし、魂の神様の所はOKでミツハルさんとこは駄目って、何か悪い気がしたので。
どうせ魂の神様の所にもお年玉を用意しなきゃいけないだろうし、手間も一緒なら人手が多い方が有り難いかな~?と。
まぁ出産してどれほどの期間が空くのかは分かりませんが、お手伝いとしては陸くん達も十分に貴重な戦力なのです。
ルナ達も“それなり”には出来るんだけどね。
で、神様方が帰られた後、ルナ達には神への昇格(神として自身を認識する)をちょっと待って貰って、モノリスの書の記述作業です。
先にこの世界での“神”としての理を記述しといた方が何かと問題が出ないだろうと思っての事。
またまた神体に戻って書斎でタバコを吸いつつ記述を考えます。
「ん~せっかくだし色々と記述変更やらしたいけど、やりたい事が一杯あるから片っ端から処理していくか。
とりあえず最優先で“オド酒”の記述変更から取り掛かるかな?
神としての核に対する影響は除去して、滋養強壮剤的な面を強化すればいいんだけど・・・。
う~む・・・。
神としての核に影響を与えないのは当然として、新しい特産品用に創る酒の記述を先に考えるかな?
んで“オド酒”との差別化をした方が記述を考えるのも楽だろうしな。
よし、その方向でいってみるか。
と・り・あ・え・ず~♪ 俺の世界の新しい特産品だしな。
ん~“オド酒”はそのまま記述変更して使うから、別に創るとして・・・“マナ酒”でいいかな?
こっちは問題が起きない様に、単に滋養強壮と疲労回復とか用の酒として記述すればいいか。
“オド酒”に色々と問題もあったし、こっちは精力剤的な面を排除しとこう。
つーか、いっその事新しい魔物を追加して、そいつで作った酒を“マナ酒”にでもするかな?
だったら・・・ハプーでいいか?いちいち考えるのも面倒臭いし。語感的にもハブゥに似てるしな。
うっし、とりあえず適当に思いついた事を下書き~♪」
書斎に置いてある紙を1枚取って、ざっとどういう内容にするかを下書き。
この辺は結構適当で御座います。要は今ある奴の劣化版だしね。
「あ~そうか。もう“オド酒”を新規生産する必要性が無いから、ハブゥ自体がほぼ必要無いんだよなぁ。
今後必要な事があったとしても、基本的には創造魔法で創ればいいだけだし。
まぁ何かあった時用に、ハブゥはリザアース上で1個体限定にしとくか。幻の酒以外でも作る必要があるかも知れないし。
ハプーもそれなりにレア個体にしとけば、新しい特産品の“マナ酒”もリザアース内でも貴重品になるだろうしな。
俺が冒険者を始めた段階で貨幣経済が発達していなかったら、良い換金と言うか交換&交渉材料になるかも知れん。
よし、ハプーも少しだけレア個体にしとこ~っと」
カキカキ・・・。
「とりあえずこんなもんか?
まぁ深く考える必要も無いか。今ある記述のコピペになるけど、薬効成分以外はほぼそのままでイケルしな。
んじゃ“オド酒”と“マナ酒”に関してはこれでOKっと。
次は・・・あぁ、ルナ達が神に進化するんだよなぁ。そうなると神に関する記述が必要か・・・」
ぺらぺらとモノリスの書を再チェックしててふと気付く。
「・・・ん?神獣とか神人に関して追記してるけど、ステータスの名前欄に非表示化に関しての記述が漏れてるな。
あと種族名の所も、完全変身時に非表示化が可能って記述も漏れてるわ。
悪用されるのが怖いから、他の変身系は非表示化は不可にしとこう。
これも纏めて追記しとくか。
あ~まだまだ記述漏れがあるなぁ・・・。
一応現状としては俺のイメージで補完されてたんだろうけど、記述しとくに越した事は無いしな。
ま、それは適当に追記しとけばいいや。
とりあえず神になったら・・・単純にその時点でのステータスを倍化しとくか。
・・・と言うか、神になれる存在ってどうしよう。誰でもなれたらかなり面倒臭いな。
始祖の神様的にも余り多くの神が居る状況って許容出来ないって言ってたし。
神になれるルート的には神獣か神人が“オド酒”を大量に摂取した時限定にしとこう。
それならほぼ新規の神なんて誕生しないだろうし、そもそも“オド酒”を大量に入手なんて出来無いだろうしな。
ルナ達はもう神になる事が決定してる様なものだし、もし俺との間に子供が出来たらその子も神でいいや。
それからっと・・・あ。
今の記述だと“神獣”か“神人”が俺の分体と敵対したら、スキル関係が封印されちゃう可能性があるな。
これも修正っと。
・・・ここまではOKかな?」
ざっと見直して、特に問題が無いかをチェック。
まぁ実際に記述を考えている最中なんで、見落としとか記述漏れに気付き難いところですわ。
また後から、再度見直ししとかないと駄目かも知れない・・・。
「あ゛~もういいや。OKとしとこう。
記述作業をやってる間にルナ達が“神”になっても困るから、ここまでで一旦記述して実行しとくか」
“ぽわ~ん”“パン!”
「よし、それじゃぁさっさと次に行こう。
お次はっと・・・疲労とかの状態異常に関する事かな?
さすがにもう二度と腹上死なんて御免だしなぁ。ちゃんと記述しとかないと。
となると、疲労と睡眠に関する状態異常だな。
せっかくだし、耐性系のスキルも追加しとくか。
でもなぁ、さすがに耐性系がカンストしたからって不眠不休で動き続けるってのもおかしな話だよなぁ。
幾ら神の分体でも、完全に不眠不休がOKになる様なスキルにはしないでおこう」
カキカキ・・・。
・・・下書きをざっと見直して気付く。
「あ~。
こうやって俺の思う不眠とか疲労に関してのイメージを記述してみたけど、今回ルナ達に“ハメ殺された”件って完全に不眠のせいだな。
疲労に関しては口移しで“オド酒”を飲まされて居たらしいから、疲労回復剤的な薬効成分で回復してたんだろうし、
HPとかSPのスリップダメージも、ある程度“オド酒”で回復出来るアイテムだったって事なんだろうな。
そうじゃないとヒールや“体力回復”効果がある“オド酒”でHPは回復出来てても、SP切れで気絶してただろうし。
とりあえず今の俺でも、1週間ちょっとぐらいなら不眠でも死なないって事が判ったから良しとしとくか。
無意識なんだろうけど、言ってみれば不眠耐性スキルがカンストしてたらそれぐらいのイメージだしなぁ・・・」
意外っちゃ~意外な発見。
俺のイメージ補完がちゃんと働いてた事が再確認出来た感じですね。その辺は無意識だったけど。
「うむ。まぁこんな感じでいいや。
つーか、無呼吸とかがOKな時点で不眠不休でもOKなのかも知れないけど、何となく嫌なんだよなぁ。
さすがにそうじゃないと、人類じゃない気がするんだよねぇ・・・。
神なら不眠不休でもいいんだけどさ、分体って一応人類のつもりだし。
俺に染み付いてる怠け根性なのかも知れんが、俺の世界の生物的には完全に不眠不休はNGな方向で。
不眠耐性がカンストしてても、最長でも2週間程度が限界なスキルにしとこう。
・・・ん?よくよく見直してみたら、状態異常に“ランク”って記述してたな。
あ~。あの頃の俺のイメージだと“猛毒3”とか、レベルと言うかランクがある様なイメージだったよなぁ。
でも実際の所、この“ランク”ってあんまり意味が無いかもな。
さすがに“毒1”よりは“毒2”の方が減少量が多いだろうなって思うんだけど、ぶっちゃけランク付けする意味って現状薄いんだよなぁ。
むしろややこしいから記述からは除外しとくか。
俺のイメージとしてはあるから、同じ毒でもダメージ量に差が出るかも知れないけど、他の状態異常なんかを考えると必要無いしな。
んじゃ“状態異常に関する理”の前文自体をまるっと修正の方向で・・・」
「さてと、とりあえず最低限必要なスキルとしてはこれぐらいか?
後はせっかくだし、追加したいスキルなんかを考えますかねぇ・・・」
コーヒー&タバコ休憩入りま~す。
ぷかぁ~と紫煙を吐き出しつつ、北極大陸の俺の望む未来像なんかを想像してみる。
「・・・あ~そーいやー居住区の床って、今の俺の想像だとただの板張りなんだよなぁ。
俺、林業系のスキルは創ったけど、木材加工系のスキルって創って無かったような・・・」
ちょっと気になったので早速モノリスの書を再チェック。
「やっぱり無いな。
1次産業的なスキル群は全部作成済みな気で居たけど、1次産業でも副次的なスキル群がすっぽり抜けてる感じ?
とりあえず木材加工スキルは追加決定っと。一応上位までの2段階にしとこう。
あ!金属加工系も同じく無いな。金属精錬系のスキルも追加っと。じゃないと製鉄とか出来無いしな。
神素材の事も考えると、こっちも上位スキルまで必要かもな。
住環境に関してはそれでいいとして・・・衣に関しては“生地作成”と“縫製技術”があるから問題無いか。
食に関しては、“農耕系”“畜産系”“家事系”“剥ぎ取り”“加工食品作成”のスキルがあるからこっちも大丈夫かな?
それと・・・家で考えるなら硝子作成も欲しい所かな。窓とか無いと不便だし、商品ケースとか考えたら必要でしょ。
上位金属精錬スキル以外は、給仕系と同じくスキルが無くても一応作成自体としては可能としておこうかな?
あくまでもスキル補正がありますよ~的な?」
ざっくりとした概要だけメモ。後で纏めます。
本日3本目のタバコに火を点けて、再び長考・・・。
「う~ん。全く関係無いけど、人類とかは子孫のステータスが純増で1割増って予想以上に多くね?
良く良く考えると、全く鍛練せずに普通に日常生活してるだけで軽く親を超える可能性が否定出来無い気がする・・・。
まぁ親が努力して上げたステータスを子供に受け継がせる・・・って考えたらアリっちゃ~アリなんだけどなぁ。
親視点で見ればアリなんだけど、子供視点で見たら誕生時点で人生勝ち組っぽいよなぁ。
それって何か嫌だな・・・。
しかも俺の今のステータスを大体1000年後ぐらいで越えるとしたら、この世界の基本である“人類VS魔物”の構図が崩れそう。
幾ら魔物は不老だとは言っても、人類的には数の暴力が使えるんだしそれは不味いよなぁ。
世界樹の影響下なら、少なくとも数十万人規模の都市建設だって十分に可能なんだし。
実際に戦闘出来るのが1/10以下だったとしても、数万人程度は魔物討伐への参加が可能な訳で・・・。
冒険者じゃなくて“軍隊”として成立したら、かなり強力な魔物でも討伐可能な気がする。
基本的に特定の種族以外の魔物って徒党を組まない設定だからなぁ・・・。
・・・もうステータスに関する引継ぎ量は下げちまおうかな?
スキルに関してはほぼ現状維持としておけば、ちゃんと親の努力も報われるしな・・・。
う~ん。そっちの方が良い気がしてきた。
ステータスの引継ぎ量自体は下げるけど、誕生時点でのスキル取得率を上げる方向で修正するか。
スキルレベルなら1からスタートするのは全員同じだし、後は各自の努力でどうぞって感じにもなるしな。
スキル補正分を考えれば、初期の誕生時点での差としては、それほど大きな減少にもならんだろう。
“ウチは代々火系統魔法特化の家系だ!”みたいな一族も生まれるかも知れないし、そっちの方が面白そう。
そのうち“従者の家系”とか“鍛冶屋の家系”とかも生まれそうだしな。
・・・うん。夢が広がるわ。
親のスキルは引き継ぐけど、別に他のスキルが習得出来無くなる訳でも無いし、最初はレベルも低いんだからそれでいいかな?
必ずしも親達の職業と言うか、同じ方向性で人生を送らなければいけない訳じゃ無いんだし。
“スキルが無くても自分の努力で何とかしてね?”って方向なら、各自の方向性だって自由にもなるしな。
親達からスキルが引き継げなかったとしても、自分の努力次第で何とかなる世界だったら、誕生時点での人生勝ち組は軽減出来るでしょ。
金持ちな両親の所に生まれた子は一応人生勝ち組の下地はあるけど、それって結局は親達の頑張りなだけだしな。
そこにまで干渉するのは遣り過ぎだし、これ以上の干渉はむしろ人類の進化とか文化文明の発展を考えると逆効果な気がする。
そうすると記述は・・・」
今更な記述変更ですが、早めに修正しとけば影響も少ないだろうし、まだまだ年代的には第1子とかの世代だからいいでしょ。
人類だけじゃなくて、魔物とかも同様の修正が掛かるはずだから、基本としている“人類VS魔物”の構図が大幅に崩れる事は無いと思う。
“改悪した”と言われれば、親が過保護になる可能性が高くなったぐらいかな?
まぁそれは“人類”的にはある程度良い事になるだろうし、この際良しとしときます。
今後、金持ちの両親の間に生まれた子なんかは、色々な方向性への可能性が広がっている程度で済むはずだし。
過保護過ぎる親は・・・まぁ知らんわ。いつまでもそれに甘える子供にだって問題がある訳だし。
何となく肥満体型で成人してるのに完全に親頼りな“お貴族様”を想像しつつ、記述変更。
何年後かは知らんが、俺も遭うのかなぁ。遭遇したら“いぢめ”てやろう・・・ふふふ。
あ、だからって別段何かをする訳ではないですよ?それもまたその人類の人生ですから許容範囲内です。
ただ何となくそういう“お貴族様”って我侭し放題な気がするので、他人様に迷惑掛けてそうなんですよね。勝手なイメージですけど。
人生勝ち組で生まれて、それに胡坐かいてる様な“お貴族様”なんぞ人類にとって害虫でしか無いですからねぇ。
そういう奴は、個人的に排除対象です。俺に対して敵対しなかったり、余りにも酷く無ければそのまま無視しますがね。
いちいち対応するのも面倒だし。
「ま、こんなところか。
他に何か追加したいスキルってあるかなぁ・・・。
う~ん。そう言えばよくある“魔石”って俺の世界じゃ無いな。
魔道具作成系だと魔力不足で動作不良とかになっても嫌だし、そういうのがあったら便利かもなぁ。
ゴーレム・・・は居るから、魔法人形的な存在ってのも、居たら居たで夢があるしなぁ。
擬似的なオド器官を作成するって感じで追加しちゃうかな?
ただ、絶対に魂が宿らない様にだけはしとこう。
ホムンクルス的な擬似生命体を創って“俺の考えた最高の嫁”なんかを創るバカが出そうだし。
となると・・・“魔道具作成”と“無属性魔法”を前提スキルとしたスキルにすっか」
カキカキ・・・。
「むぅ。擬似生命体を創れる様になる事を考えると、ある程度操作もしたいよなぁ・・・。
それ用のスキルも作成すっか。ついでに“幻影魔法”と“分身魔法”にも影響があれば、俺としては便利に使えるし」
カキカキ・・・。
「大体こんな感じでいいかな?
実際に使ってみて、問題がありそうなら修正しよう。ちょっと今は問題点が思いつかん」
4本目のタバコに火を点けて、ちょっと休憩。
「ふぅ~っ・・・明日からどうしようかなぁ・・・また居住区の延伸作業か・・・。
正直に言って、もう飽きてるんだよねぇ。
スキルも大概カンストしちゃったし、ギルドのレベル上げるぐらいしか楽しみが無いんだよなぁ。
ふぅ~っ・・・。
居住区の延伸が終わったら、住居区画と商業区画を造って、最後に行政区画と王宮みたいなのを造って・・・。
北極大陸に住民を誕生させるとしたら、その後からになるんだよなぁ。
それって何年後になるんだろう・・・他の大陸の人類と、ステータスとかスキル的にかなりの差が出ちゃいそうなんだよな・・・。
俺の国だし、はっちゃけてもいいかなぁ・・・」
1つだけかなり早く解決出来そうな方法は思いついてるんだけど、それをやっちゃうとチート化が進んじゃうんだよねぇ。
で、ちょっと躊躇してます。
まぁ北極大陸の作業が終了したら、封印しちゃえば問題無いっちゃ~そうなんだけどね。
「そうなんだよなぁ。問題無いっちゃ~問題無いんだよなぁ。
・・・もういいか。
今まで散々魂の神様から異常だの何だの言われてるんだし、俺の国を建国する間ぐらい自重しなくてもな。
うっし。んじゃま、はっちゃけますかね」
とりあえずチート化スキルなので、マジで適当に考えます。タバコは消しましたが。
一応は余裕を見て、リザアース暦1500年でチート化は終了しますけど、それまでの間は多分ルナ達を纏めて蹂躙出来るんじゃね?
ってぐらいのチートになると思う。まぁあいつらとは戦わないけど。
ま、北極大陸の開拓をとっとと終わらせるのが目的なので、一切自重無しです。
と言うか多分チート化であって確定では無い所がちょっと微妙。その場合はルナ達を纏めて蹂躙は出来無いんですけどねー。
まぁ絶対に弱くはならないんで、どう転んでもいいんだけどね。
「よし、これでいいかな。
後は全部纏めて見直しっと・・・ん~多分大丈夫かな?
まぁミスってたら後で修正しよう。
それじゃ。いざ参る!」
“ぽわ~ん”“パン!”
「は~何とか終わったかな?
さっきのチートスキルだけど、後でルナ達にも付与しとくか。どうせあいつらは既にチートだしな。今更でしょ」
リビングに戻ったら全員居ました。結構夜も遅い時間なのに・・・。
まぁトウだけは、水飲み場付近でいびき立てて寝てますが。
「あれ?お前ら何で全員揃ってるの?」
「主様が私共の“神としての理”を明確にされるまでは、寝ずに待機して居ようと相談した結果で御座います。
万が一、私共が寝ている間に無意識に“神としての存在”になった場合が不明でしたので。
何やらスキルも追加されたご様子ですし、もう“神としての理”をお決めになられましたでしょうか?」
「あぁなるほど。待たせちゃったみたいでごめんね。
理の記述は終わったから、もう“神”になっても大丈夫だから。
認識としては・・・とりあえず下級神で大丈夫な」
って、話してる途中なんですが、唐突にルナが光に包まれました。
いつもの光の粒子って感じじゃなくて、体全体が光り輝いている感じかな?
・・・で、ほどなく終了。
「あら?簡単ですわね?」
いや、俺も拍子抜けです。
神ってこうもあっさりとなれるもんなんですかね?
さっきよりも肌艶とか毛艶が良くなって、前にも増して光り輝いてる感じ。
一応完全鑑定してみた結果がこちら。
名前:ルナ(神獣)(下級神)(契約従魔)
種族:人間種白人科(白面金毛九尾)(雌)
(以下略 各種ステータスが予定通り倍増してます)
「あ~ちゃんと“神”になってるな。表示が“下級神”ってなってるわ。
つーか“神に関する理”は記述したけど、格までいちいち考えてなかったな。
その辺は相変らずの記述漏れと、俺のイメージ補完って感じか。
ま、そんなにぽこぽこ神が誕生する訳じゃないからこのままでいいや」
「タリズ達もさっさと“神”になりなさいな。
単純に自分は“主様にお仕えする神である”と思えばすぐですわよ?」
いやいやルナさんや。
さすがにそんな簡単な事で神になられても・・・って思ったんですが、残りの全員がほぼ同時にさっきの状態へ。
・・・飽きれるやら、素晴らしい忠誠心だと褒めればいいのやら。
実に反応に困る状況です。
で、全員があっさりと神になりました。(相変らず爆睡してるトウを除く。つーか、眩しくても起きないのかよ!)
「・・・まぁいいや。とりあえず“おめでとう”と言っておく。
ま、現状に何か変化がある訳でも無いしな。
お祝い・・・じゃないけど、新しく追加したスキルがあるから全員並んで・・・」
肌艶とか毛艶が良くなった全員に順番にチートスキルを付与。
で、スキルの説明をざっくりとします。
当然ルナ達から“そのスキルって現状の私達に意味あるの?”って感じで聞かれましたが、全力スルーで。
だって“俺が北極大陸の作業に飽きたから創ったチートスキルです”なんて言えね~じゃん。
後、“俺限定かつ期間限定だけど、お前達よりも遥かにチートです”とか絶対言えない・・・。
・・・あ。
完全鑑定に便利機能として、各スキルとかステータスの詳細閲覧機能を付けるの忘れてたわ。
いちいち新しいスキルを追加する度に説明しなくても済むし、俺を完全鑑定して“どういうスキルがあるのか参考に出来るかも?”
って思って、今度追加するつもりだったんだけどな。
いや、今回は忘れてて正解だったのかも・・・。