第130話 便利装備
「ふぃ~。食った食った。やっぱミノ肉最高だわ」
ミノ肉のステーキ。やはり侮れません。実に旨かったです。
頑張って作ったにんにく醤油よりも、単純に素材の味が分かる塩とか山葵の方が若干美味しく感じたかな?
まぁ好みの問題程度の差しかないと思うけど。
で、ルナ達。まだ食ってます。(トウも含む)
お酒もがんがん飲ってるし、騒がしくない程度に楽しそうにしてます。軽くハメを外してますな。
契約従魔&従魔同士で注しつ注されつ。雰囲気としては完全に忘年会。
“今年一年お疲れ様~”ってなもんです。
まぁ久々に緊張感のある生活から開放されたんだろうし、俺も無礼講って言ったからな。
皆が楽しんでくれればそれでいいや~って感じ。俺にからんでくる事もないし。
ちょっとトイレへ。
「ふぅ~。ちと食い過ぎたか?3人前ぐらい?珍しく結構な量を食べたなぁ。
まぁ旨かったしな。多少胃もたれしてるが、まだまだ食えそうなぐらい旨かった。
今度は神様連中が来た時にでも出すか?」
正月メニューに変化を加えるかどうするか悩みつつ、リビングに戻っても相変らずの“忘年会”中。
まぁ、それはいいんだけど、俺はもう食わないしな。
せっかくだし、今のうちに改造しときますかね~。って事で神体に戻ります。
「おや?主様。神体に戻られたご様子ですが、何かありましたか?」
「あぁ、晩御飯前に言ってた“装備記憶のバングル”をちょっといじろうと思ってね?
んで、一応神体に戻っただけ。
お前らは飲み食いしてていいぞ?俺は単純に食休みがてら作業するだけだから。って事で『改造!』」
で、改造した結果がこちら。
名前:装備記憶のバングル(白)
所持者:契約従魔ルナ限定
重量:100g
各種補正:なし
特殊効果:下記A~Dの装備パターンを記憶出来る。指定パターン以外の時はその装備品を亜空間に自動収納。
また、パターン変更時に瞬時に自動装着される。
パターンの変更は意識するだけで選択可能とするが、装備出来ない場合は亜空間に収納されたままとなる。
この装備変更には時間差等が発生しない為、パターン変更時であっても一瞬たりとも全裸状態にはならない・
自動装備(右手首若しくは右前足部。パターンD時は亜空間に存在する)・自動修復・自動帰還・鑑定不可
装備パターンA:人化時用装備。獣化時と重複装備品は、そのままサイズ変更のみとなる。
装備パターンB:獣化時用装備。人化時と重複装備品は、そのままサイズ変更のみとなる。
装備パターンC:その他用の予備パターン。人化時/獣化時用装備パターンのサブパターンとしても使用可能。
当然重複装備品に関しては、そのままサイズ変更のみとなる。
装備部位を持たない不定形体等の場合は“装備パターンD”と同様の処理がされる。
装備パターンD:全裸用。装備パターンDのみ例外として、装備記憶のバングルを含む全ての装備品が亜空間収納される。
装備記憶のバングル自体は亜空間内に存在するものの、いわば体内に収納されている様な状態となり、
いつでも任意で再度パターン変更が可能とする。
はい。ややこしいけど、より便利装備にしてみました。
変装術スキルを上げる時に気付いたんですが、チョーカー等の装備をしたまま人化/獣化する時は問題無いんだけど、
全裸になった時に“装備記憶のバングル自体は何処に行ったの?”って疑問に思ったんですよね~。
装備してないのに装備している事になってる不思議装備になっちゃってた感じ。
多分今までは俺のイメージ補完で何とかなってたんだろうけど、それって結構不安要素満載なので、
モノリスの書と同じく、ちゃんと設定を記述しておいた方が確実かな~?と思った次第。
だったら、ついでにもう1パターン増やしておけばさらに便利でしょ?って感じです。
まぁもっと増やしても良かったんだろうけど、予備のパターンだし。増え過ぎてもややこしいので1つだけ。
正確にはトウの“不定形体時用のサブパターン”って事で思い付いた感じですね。
ついでに言うと、トウには装備記憶のバングルを渡してなかったので、今後の事も考えて新規作成しておきました。
全員の改造&トウの新規作成が終わったら、俺の分の改造をして分体に戻ります。
で、またまたリビングへ。
そろそろ全員晩御飯が終わって、だらだらと呑んでいる状態なので、全員揃ってお風呂へGO!
ルナ達全員を獣化させて、丸洗い。久々に肉球&もふもふを堪能して、のんびり浸かります。
入浴剤はナシですが、幻の酒を出して2次会。
適当に飲みつつ、だらだらと雑談したら今日は終了。俺独りで明日の準備に取り掛かります。
リビングでルナ達に就寝の挨拶をしたら、独りで給仕室へ。
まぁ基本創造魔法でおせちを出しちゃうんだし、年越し蕎麦の準備ぐらいですね。
ボア煮も大量に作り置きがあるから問題ないはず。
ざっと明日の準備確認&今日の晩御飯の片付けを済ませたら、俺もとっとと寝ます。
リビングでトウに就寝の挨拶をしたら、そのまま主寝室(分体側)で就寝。
久々にリラックスして眠れました。
北極大陸のギルドでも寝れたけど、所詮は地下室だったので微妙に疲労が溜まってたらしい。
完全に爆睡。
翌朝6時前に起床。北極大陸での生活に慣れきったせいか、実に健康的な生活です。
とっととリビングに移動してトウに朝の挨拶をしたら、のんびりコーヒータイム。
少ししたら、ルナ達が人化状態で起床してきたので、朝の挨拶をして、少し早めに朝食。
いつも通りのメニューです。全員の給仕は俺独りでやりました。
朝食を食べながら、今回の年末年始で、始祖の神様方の御持て成しに関して、何かイベントをやるかどうかの相談。
提案があったのは、模擬戦とかチェスなんかの盤上遊戯ぐらい。
ルナ達は従者教育をミーさん達に受けなきゃならないし、あんまり余裕もないだろう。
と、後付けですが理由を付けて却下。
接待ゴルフじゃあるまいし、わざわざ俺が負けるのが確定しているイベントをしなくてもいいじゃん・・・。
いちいち本音は言いませんけど。
って感じで何も決まらず、結局はただ単純にのんびりして頂く方向で決定。
個人的には魂の神様やミツハルさん達に“オド酒”を飲ませるタイミングを何時にするか?ぐらいですね。
ちょっとルナ達にはまだ“オド酒”の存在をバラしたくない感じ。
確実に襲われるだろうし、俺も飲んじゃったら暴走しそうなんで、当面は飲ませるつもりはありません。
ルナ達の事は嫌いじゃないけど、まだそこまで踏ん切りが付かないのです。
チキンと言いたいなら、存分に言えばいい! 自分でも自覚してる分、少しは前進してるんだから!
昼食後も完全にだらだらモード。
特に今はやる事ないしね。
ミーさん達に従者教育して貰うまでの休息期間だと思って、のんびりする様に指示もしたし。
15時頃に魂の神様から来訪の連絡。
今年は例年より少し早めのご到着みたいですね。
ルナ達に神様方の来訪を告げて、整列したら到着のご挨拶準備。ほどなくご到着。
「始祖の神様方。ようこそおいで下さいました。また宜しくお願い致します」
『リュウノスケよ。また世話になるぞ』




