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俺の創った箱庭世界  作者: コルム
北極大陸開拓編
124/243

第124話 閑話 年末年始 その2

***ルナ視点***


主様より頂いたお酒も飲み尽くしたので、そろそろ上がります。

乾燥魔法を使い、腕輪の機能を使えばすぐに着替えも終了。

それを見ていたミーさん達に非常に羨ましがられました。


とりあえず美の神様のおかげで気付けた入浴剤とお酒の相性については、

私共で浴室の清掃が出来れば問題無いので、主様にその旨を報告し、対応して頂きます。


「あぁ!気付いたんだ。了解。掃除道具自体は浴室にあるから自由に使って。

後、換気扇のスイッチを脱衣所に付けとくよ。


ま、それに気付けるぐらいになったって事は、色々と配慮が出来る様になったって事だから、今後とも頑張ってね」


と、珍しく主様よりお褒めのお言葉を頂戴する事が出来ました。

やはり主様に褒められる事は非常に嬉しいです。

獣化していれば、尻尾が忙しなく動いているのではないでしょうか?


美の神様は主様方の方へと合流されたので、再びミーさん達に従者訓練をして頂きます。

先に、先程の褒められた件をミーさんにお話したら。

「ルナニャン。女性として、それはちょっとチョロ過ぎニャ」

と、呆れられました。


でもミーさん?貴女もミツハル様に褒められたら同じになるのでは?



その後も従者訓練と言う名の、従者同士の飲み会。

ほぼ訓練と言うよりただの飲み会になってしまって居るので、トウも参加しています。


どうせ遅かれ早かれ、毎年飲み続ける事になるのだから、今のうちに“酒豪”スキルでも上げておきなさい。


私共とミーさん達は全員が神に仕える者として同列の為、色々と話題も共通しているせいか実に有意義な時間です。

愚痴だったり、自身の主人の素晴らしい所を誇ってみたり、話題には事欠きません。



楽しい時間は過ぎるのも早いもので、ふと気付けば例年なら“お屠蘇”行事の時間です。

各々が自身の主が如何に素晴らしいかの話で盛り上がっている中、私独りだけこっそりと抜け出して主様の所へ。


「主様。

例年ですとそろそろお屠蘇を始めるお時間になりましたが、如何なされますか?」


「・・・ルナ。お前、従者失格」


「えぇっ!?何故ですかっ!」

また褒めて頂けると思っていた分、驚愕が大きいです。


主様が他の神々から離れて、私だけに個別指導。

その事に少し嬉しく思ってしまうのは、やはり主様を心から愛して居るからでしょうね。


「お前の言っている事は確かに間違いでは無いが、誰かの指示か?

それとも独断で言いに来たのか?」


「私の独断で御座います。他の皆は各々楽しんで居りますので」


「は~。

それならば仕方ないか。まだまだ今のお前だと、さっきの状況判断をさせるには早いだろうしな。


とりあえずはお前が話し掛ける時点での“俺達の状況”と“さっきの場の雰囲気”をミーさん達に伝えて、

何が悪かったのかを後から聞いておけ。とりあえず今のお前の行動はタイミングが悪過ぎた」


軽いお叱りを受けて、少ししょげてしまいました。

何がいけなかったのでしょうか?



その後、例年通りの行事を終えて、朝食。

主様を含む神々の方々は、神々同士で固まって朝食を食べられて居られるので、先程と同じく従者同士で朝食となりました。


丁度良いので、早速ミーさんに先程の件を詳細に説明し、何が悪かったのか聞いてみる事に。

「あ~ルナニャン。それはリュウノスケ様の言う通り、確かにタイミングが悪いニャ」

と言われました。


「恐らくニャが、ご主人様を含む方々は、結託して魂の神様と美の神様の仲を進展させようとしていたと思うニャ。

結果的に、その途中にルナニャンが割り込んで場を乱した形になってしまうから、リュウノスケ様の言う事ももっともニャ」


「なるほど。そう言われれば確かに・・・」


ミーさんの説明で大いに納得してしまい、自身の未熟さに呆れてしまいます。


「まぁそういう事は慣れが大事ニャ。

リュウノスケ様がおっしゃっていた様に、ゆっくりと学んで行けばいいニャ。


それにしても、リュウノスケ様はそんな風に他人の配慮をしている場合じゃ無いニャ!

他の方よりも先に、もっとルナニャン達を配慮する方向で努力すべきニャ!」


またまたミーさんに火を点けてしまいましたが、結果的には私の失態。

今後は繰り返さない様に努力せねばと思います。



私共だけ別途昼食を頂いた後、始祖の神様より“無礼講だから、従者とか関係なく楽しみたい”とのご提案があり、

人化したまま神様方と合流しての大宴会となりました。

良い機会なので、主様方へ従者としての有り方を再度お伺い。


「気配りとか場の空気の読み方なんかは、経験さえ積めば自然と身に付く。

肩肘を張って“努力しよう”とか“頑張って”学ぼう”って姿勢は、それはそれで大事な事だけど、

だからって無理して、自分自身が疲れちゃったら俺の目指している“従者”とは違うからね。


結局は遠回りしてでも、自然と経験を積んでいく方が早いんだよ?」


「リュウノスケさんも色々考えてるんですねぇ。自分はそこまで考えた事も無かったですよ」


「その辺は私の世界とミツハルさんの世界との違いですね。

私の世界と言うか、ルナ達は誕生して間も無くルナ達同士で付き合いが固定化されてしまいましたけれど、

ミーさん達はちゃんと“人類”の中で生活した期間があるでしょうから、その辺の常識とかも予め判っているんだと思います。


ルナ達はそこら辺から学ばないといけない訳ですからね。ゆっくり時間を掛けて学んでくれれば、それで良いと思ってますよ。


なので“従者”になるのは当分先の話だと思っていますしね。

一朝一夕に身に付く物じゃありませんし。


ルナ達もそのつもりで居てね?

俺はすぐに“従者になれ”なんて思ってないから、しっかりじっくり成長してくれればいいから」


「私共とミーさん達とでは、予備知識が違う。と言う事でしょうか?」


「そうだね。

ミーさん達は“人類”として対等だったり格上だったり、格下の相手との付き合いもあっただろうけど、

お前達に関しては、絶対的に対等だったり格上の相手との付き合い自体の頻度が少ない。


これって“従う者”としては致命的なほど、経験不足になると思うんだよ。仕方の無い事なんだけどね。

そんな事は予め判っているから、お前達が“従者になる事”は特に急いで無い訳。

分かった?」


「はい。改めて説明して頂き、有難う御座いました」


『ふむ。リュウノスケの従僕となる者は“出来た”者が揃いそうじゃのう』


「そうですね。

自分でやっておいて何ですけれど、私自身でもかなり敷居は高いと思っていますよ?


まぁ“その者を従える者”として相応しい者にはなりたいと思っていますから、今は私も努力してるんですけどね。

これが中々難しくて・・・。


“従者”なんて従えた経験が有りませんからね。むしろ私が従者向きだと思うんですよねぇ。

その分“従者”に求める要求が高くなってしまった。と言うべきか・・・」


『がっはっは。確かにお主が従者になれば、主人はかなり楽が出来そうじゃの。

しかし従者向きの神とはおかしな話じゃな。

じゃが、お主自身はかなりの難物じゃろ?御せる者を探す方が難問じゃろうて。


お主、例え自身の主人であったとしても、自身の信念と違えた場合は平然と反抗するじゃろ?』


「くっくっく。さすがは始祖の神様。

この短期間で見抜かれるとは、私もまだまだですねぇ」


その後も比較的和やかに宴会が続きました。

そのままの流れで、晩御飯へ。再び従者候補&従魔だけで集まって、また宴会です。


主な話題は“従者としてどう在りたいか”です。

かなり白熱した議論となり、それぞれの想いも聞けましたが、

全員の基本的な意思としては“主様と共に在る事”でした。


その後は主様のお誕生お祝いと続き、本日は解散。

リビングで寝るトウに就寝の挨拶をしたら、私共も就寝。



いつも通りの時間に起床し、全員が揃ったらリビングへ。

と、主様方は既に起床されて居られたご様子。


朝の挨拶をしていたらすぐにミーさん達も揃ったので、少し早めの朝食へ。



朝食を食べつつ飲食していると、主様が余興として“模擬戦”をしようとご提案されました。


私共としても、かなり久々となる模擬戦。

トウの躾け以外では、最近戦闘訓練などしていませんでしたからね。


主様は分体でご参加されるとの事ですので、チーム分けと他の神様次第では負けはしないとは思います、が。

ただ、主様が“ゲーム”とおっしゃった事が気になります。


以前主様ご自身が“ゲームに関しては負けず嫌い”とおっしゃって居られたので。


チームはミツハル様を除き男女で別れた為、神様方以外では若干こちらの戦力的に不利なチーム分けとなりましたが、

勝てば1つだけ相手に対して命令出来る権利を頂けるとの事。これは負けられません。

リヴィアと視線を交わし、お互いに負けられない事を言外に確認。

リヴィアも判っている様ですね。

再び主様に抱いて頂けるチャンスです。今の私共の全力を主様に見せ付けて差し上げましょう!

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