表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
俺の創った箱庭世界  作者: コルム
北極大陸開拓編
107/243

第107話 北極大陸の河

「到着! ふぅ。気持ちを入れ替えて頑張るかな。

喋り倒して逃げてきた感じもするし。

次に帰る時までにちゃんと元の精神状態に戻しておこう」


とりあえず北極点付近に植えた特殊世界樹近く到着です。

さて、色々あったけど、さっさと北極大陸の開拓を開始しますかねぇ。


「当面の目標としては、居住区域等の整備とそれの外側に水堀を含めた簡易な城壁を作って、城塞都市化を目指すか。


基本は前に何となく決めた正方形の区画整理を踏襲する形でいいかな?

だとすれば・・・。

常時衛星の視点スキルを発動してる状態の地図みたいな物を作って、きっちり正方形を作るか。


ま、今後の事も考えるとあったら便利だしな。『出ろ!』

こんなもんか。さて北極大陸の様子はっと・・・」


出した地図ですが、ほぼ衛星の視点スキルを布と言うか紙?に転写したようなもの。

当然丸めたり折り畳めます。

拡大縮小も可能だし、現在の状態をリアルタイムに反映される優れ物。

自動修復とか所持者限定とか自動帰還なんかのいつもの付加機能も付けました。


今後の事も考えてグリッド表示機能とかも付いてます。

他にも色々と機能が付いた超便利地図を目指してみました。

表示位置とかの都合上、メニューなんかも付けてデジタルな機能も付いてます。

アナログで正確な設計をするのは、俺には無理なんで。


で、現在の表示が俺を中心に10mほどの衛星視点。

ちゃんと俺が手元の地図を見てるのが表示されてます。

かなりの高精細っちゃーそうなんだけど、こんな表示じゃ意味が無いので即拡大。


ず~っと拡大していったんだけど、予想以上に極点の火山がでかいです。

これはかなり開拓に時間が掛かるかもと思いつつ、さらに拡大してっと・・・。


ようやく城壁まで到達。4つの門が表示された時点で、一旦拡大を停止。

ちょっと気になる点を見つけちゃったけど、とりあえず今は関係ないのでスルー。


「ん~面倒だし、四方の門を完全に東西南北として固定しておくか。

玄武門を北でいいかな。じゃ、それで『固定!』」


玄武門を上にした状態でグリッド表示させて、正確にグリッドが東西南北を指した状態で固定します。

表示の左上の隅っこにコンパス表示が出て、これで常に南北表示が出来るようになりました。

その状態で持っている地図をぐるっと回転させたら、南北のコンパス表示と共に一緒に回転。

狙い通りです。


「よしよし。さすがは便利地図。

後は丁度北西と南東とかの斜めのグリッド表示にして、その線上にそれぞれを配置すればいいか。


とりあえず中心表示を極点にしてっと・・・。

ん~こうやってみると、やっぱり極点にある火山がでか過ぎる。

直径にしたら富士山の2倍か3倍ぐらいあるかも知れん。

まぁ俺は富士山の正確な直径を知らんのだが。


高さはそれほどじゃないけど、直径がなぁ。

まぁ万が一噴火した時の事を考えると、丁度良いのかも知れないけどさ」


表示を極点にある火山にしたせいか、余計に火山の大きさが目立ちます。

この火山の周囲を正方形で裾野を抉りながら居住区を設置する事を考えると、結構な手間ですな。


まぁ時間はあるから頑張るけどさ。

とりあえずは居住区を設置する前に水堀を設置しますがね。


ってことでグリッド表示を極点を中心とした、正確に45度回転した状態で表示させつつ、グリッドの拡大縮小してみる。

この線上ぐらいに水掘&城壁を先に設置予定です。


「ん~。

あんまり極点から近過ぎる場所に設置したら、城塞都市内部での食糧生産とかの面で不安が残る。

俺としては、完全に城塞都市内部に、ある程度全部の機能と言うか生活が完結出来る状態にしたいからなぁ。


かと言って広過ぎても最初の間は意味がないしな・・・。

とりあえず、特殊世界樹に関しては城壁内に入れるから、特殊世界樹の外側へ徐々に拡大しつつ、良い場所を探すか」


特殊世界樹が堀の内側(極点側)に来るようにしたら、グリッドを少しずつ拡大。


一瞬“丁度よさげな距離かも!”と思ったけど、狙った様に岩塩鉱山にグリッドが重なってたりと、中々良い場所が無いです。

一応その辺はうっすらと表示されている等高線を頼りになるべくフラットになる場所を探索・・・。


「う~ん。

居住区予定地からかなり離れるけど、場所的には此処が一番ベストかな・・・」


居住区予定地から7kmほど離れた場所になりますが、一応山地なんかも無い、ある程度フラットな地形を発見。

現状では広過ぎるけど、まぁいいか。


地図を見つつ、グリッド線上に白線を引くイメージで創造魔法を使い『出ろ!』としておきました。


「さて、実際に見てない状態で魔法を使ってみたけど、ちゃんと出来ましたかねぇ。『転移!』」



「お!出来てるな。さすがは創造魔法と言うべきか」


北西の角部分に転移したので、直角に2方向に遥か彼方まで伸びる白線がちゃんと出来てました。


一応白線をチェックしてみたけど、ペンキで塗った感じなので、剥げる心配も無さそう。

まぁ一時的な目印なんで、水堀が出来るまで持ってくれればいいんですけどね。


それよりも先ほど気になった事が。確認の為に南西城壁付近へ転移。


「あ~やっぱり。

水溜りと言うか、既に湖状態になってるわ。まだ水深は浅いけど」


城壁(既にモノリスの書で記述して出来てる方)まで拡大した時に気付いたんだけど、かなりの水が溜まってました。


そーいやー俺。

城壁で囲む事は考えてたけど、北極大陸の河の存在をすっかり失念してたわ。

そのせいで北極大陸の河が城壁に堰き止められている状態。

これはよろしくないですな。


ちなみに、無駄に濡れるのも嫌なので予め舞空術で浮いてます。


「あ~。どうするかな。

このまま放置する事は有り得ないから、何らかの手段で排水出来る様にしないと。

面倒だし城壁に穴あけてそこから河の水が流れ出る様にしとくか。

穴だけ城門みたいに格子で塞いでおけばいいし。


位置的にも、丁度城壁の中点付近だから、各城壁の中点に穴開けたら綺麗な区画整理が出来るかも知れないしな。


現状だと・・・北西以外の3点付近に水溜りっぽいのがあるから、各城壁の中点に穴開けて4点で排水すりゃいいか。


中点だったら各中央大陸からも離れてるし、防衛的な面で考えてもそれほど心配しなくていいだろうしな。


で、城塞都市の水堀と接続したら排水に関しては問題ないだろう。

水堀はフラットにする予定だし。


とりあえずこの城壁の中点に移動すっかな?『転移!』」



「ん~此処が丁度中点だな」


転移して、かなり縮小表示にした地図を片手に正確な中点を割り出します。

んじゃ、穴開けますかね。


「よし、『変更!』・・・あれ?変化なし?」


その後、色々と詠唱を変えてみたりイメージを変えてみたものの、変化なし。


あれ~?とか思いつつ、ふとモノリスの書の記述を思い出す。


「あ、“如何なる要因でも変化しない”みたいな記述にしたんだっけ?

破損とかの事しか考えてなかったけど、修正が必要になるとは思わなかったからなぁ。

今の俺って神の分体だし、やっぱり神の理を超える事は不可能って事か。


都市計画の前に、この排水に関してはさっさと処理しとかないといけないから、神体に戻って記述の変更か。

さすが俺。やる事が杜撰過ぎるわ・・・」


こんな形で不老不死最後の分体が終了するとは思いませんでしたが、ちょっと放置出来ない問題なので仕方ないです。


がっかりしつつ居住区へ転移。


リビングではルナ達が朝にアドバイスした通りに、ホスト側ゲスト側に分かれて従者の自主練習してました。偉いです。


が、俺としてはそれよりも先に、調理系を習得してくれると嬉しいんですけどねぇ。


「おや?主様、随分とお早いお帰りですが、何かありましたか?」


「あ~。ちょっとミスってね。

ささっと神体で用事を済ませたら、すぐ戻るから気にしなくて良いよ。


あ、今思いついたんだけど、お前達の従魔にもチョーカーみたいな物を目印として装備させておいて。

北極大陸に移住するかどうかはともかく、いちいち鑑定するのも面倒だし、お前達のスキルアップにもなるだろうから。


布生地は魔芋の茎とかから生産出来るから、色々試してみてね?

装備品作成系のレベルも上がるだろうし」


「承知致しました。

ところでお忙しいとは思いますが、少しだけお時間を頂けないでしょうか?

私共で練習しているのですが、行き詰って居りまして・・・」


「ん~それじゃ、1回だけね」


「有難う御座います。どうぞこちらへ」


ルナに導かれてバーカウンターへ。

ホスト役ルナ。ゲスト役俺。 他の皆はギャラリーです。


「何をお飲みになられますか?」


「・・・そうだな・・・さっぱりした味なら何でもいいや。

後、お酒なら強くないお酒でよろしく」


「承知致しました」


マスカットリキュールとウォッカを適当にステアして、ロンググラスで出してくるルナ。

とりあえず1口・・・マスカットの量が少ないわ!

ほんのりマスカット味?なぐらいしか感じないとか駄目じゃん!

後、強くない酒っつったのに、ウォッカ入れ過ぎ。アルコール度数何%よコレ!

ステアも適当だから完全に混ざってないし、何処にも及第点をやれる要素が無いわ!

かろうじて、さっぱりした味って所だろうけど、さっぱりしたって言うよりもほぼウォッカだし。


「如何でしょうか?」


「完全に駄目。客の要望に全く応えられてない。


初回だから解説するけど、マスカットの味がほんのりしかしない以上、さっぱりした味にもなってない。

後、強くない酒ってオーダーしたはずなのに、ウォッカが多すぎてかなり強い酒になってる。

混ぜ方も不十分だから味も均一じゃないし、何処にも及第点をやれる要素がない。


そもそもだけど、俺は用事があって急いでるって判ってるはずなのに、

いちいちオーダーを聞くのは駄目だし、量が多くなるロンググラスで出した事も駄目。


こういう場合はアルコールじゃなくても、ただコーヒーを淹れるだけでもある程度は評価出来るのに、

完全に酒の事しか頭に無かったでしょ?俺がコーヒー好きって知ってるでしょ?今後は相手の事をよく観察するように。


まぁそれは今の段階では難しいと思うからいいけど、オーダーを聞いた上で違った酒を出した以上、不合格です」


「・・・そう・・・ですか」


しょんぼりするルナ。

まぁ可哀相だとは思うけど、これから頑張ってくれればいいさ。


旨くもない酒を強引に飲んで「ご馳走様」しました。

俺の行動に吃驚しているルナ達。


「なぜ全部飲まれたのですか?不合格と仰ったのに?」


「それがゲスト側のマナーだから。が答えかな。

一応形としては俺がオーダーして、それに応える形でルナが作ったお酒だからね。

ルナの力量不足だからって理由で残していい訳がない。

まぁもう酔っ払って飲めないとか理由があるなら別だけどね。


当然お店とかだったら、代金払って飲まずに帰るってのもまぁアリだわなぁ。

此処じゃ関係ない話だけど。

俺が確定しているレシピ以外のオーダーをした以上、その辺はルナの力量を推量出来なかった俺の責任だからね。


皆もちゃんと覚えておいて。

ゲスト側だからって何でもかんでも許される訳じゃないからね?

ちゃんとゲスト側にもホスト側にもルールと言うかマナーがあるから。

“お互いが気分良く過ごす為に”ってね。


少なくとも、適当なオーダーをしておきながら“不味いから”って理由で残すのはゲスト側のマナー違反だからね。


言われた事をこなすだけなら“従者”である必要なんて無い訳だし、俺が求めている存在とも違うから。

何でもかんでも指示に従うだけなら、それは“従者”じゃなくて“従魔”と一緒。

この違い判るかな?


んじゃ、難しいとは思うけど頑張ってね。

後、バーテンをやるつもりなら、だけど。先にそこの本に載っている事柄を全部覚える事。

器具の扱い方から混ぜる遣り方なんかもちゃんと載ってるんだから、参考にしないと駄目だよ?」


「はい。ご指導頂き、有難う御座いました」


「はいよ~」


ひらひらと手を振りつつ。主寝室(神体側)へ。


まぁあんまり気にするな。今はいっぱい失敗してもいい時期なんだから。

とか余裕かましつつ、神体に帰還・・・。したんだけど。


「うげぇ。超絶気持ち悪い・・・何だコレ。ルナの酒のせいじゃないと思うが。


アレか?また神格位の問題? 何か上がる要素あったのか?

うわ、あんまり考えるのもツライ。とりあえずルナを呼ぼう」


念話でルナを緊急招集。慌てて飛び込んでくるルナ。


「主様!どうされたのでしょうか!」


「あ~ルナ。前に中級神に上がった時と同じ感じがするから、暫く寝るわ。

今回も同じだと思うから心配は要らないとは思うけど、とりあえず従者訓練に関しては俺が起きるまで延期って事でよろしく。


なるべく早く目覚めるようにはするけど、どうなるか判らんし、皆にも伝えておいて。


後、俺が起きてくるまでこの部屋に入るのは全員禁止ね。ゆっくり寝かせて。

OK?」


「はい。承知致しました。が、本当に大丈夫でしょうか?」


「あ~大丈夫大丈夫。

多分また念仏みたいに“俺は上級神”って唱えてたらそのうち収まるから。

それほど心配は要らないと思うけど、どの程度寝てるか判らないからその事を伝える為に呼んだだけ。

んじゃ、後よろしくね~」


心配そうにこちらを振り返りつつ出て行くルナを見送ったら、照明を落として寝る体勢。


何が悪かったんだろう?

あ、一応神としての格が上がるなら、悪かったって言う表現は間違いか?

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ