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俺の創った箱庭世界  作者: コルム
北極大陸開拓編
102/243

第102話 門番契約

とりあえず玄武の心が完全に折れちゃったので、落ち着くのを待ちます。


蹂躙したルナには離れて貰って、一応ルナ達が視界に入らないようにぐるっと体を回転させてっと。


楽勝で玄武を持ち上げられる俺って、やっぱりこの世界でも異常だと思うんだけどねぇ。

一応30トンぐらいは持ち上げられます。ただ、ルナ達はもっと異常なんですけどね。


「お~い。もう大丈夫だぞ~?いい加減帰ってこ~い」


相変らずガクブルしている玄武。

でかい図体してるし、癒し系でもないから可愛くも何とも無いです。


状態異常としては“恐慌”って感じですかね?

そんな状態異常設定をモノリスの書に記述した覚えは無かったし、

完全鑑定でも“萎縮”としか表示されてないけど、適切に言うなら“恐慌”だし。

新しい状態異常としてモノリスの書に追加しとくかなぁ。


記述漏れと言えばそうかも知れないしなぁ。

などと、ぼけ~っと考えつつ玄武の復活を待ちます。


一方ウチの家族達。玄武を完全に無視して、和やかに談笑中です。


「で、姉上?人化時での戦闘は如何でしたか?」


「正直、相手が余りにも弱すぎて良く判りませんわ。

戦闘と言うよりも、主様から頂いた武器の慣らし程度にしかなりませんでしたわね。

亀だけに動きも遅かったですし。

むしろ亀だから多少の頑強さを期待した私が愚かでしたわ。

タリズも主様からお許しを頂けたなら試してご覧なさいな」


「そうですか。

しかし、的の亀があの様子ですと、主からのお許しが出そうにありませんね」


「主様は四聖獣を従えるとおっしゃって居られましたし、残りの3匹が同様の態度なら、その時に試すと良いですわ。

今回は私が躾けましたが、正直この程度の輩を主様の“契約従魔”にするなど、主様の“お遊び”としか思えませんわね。


まぁ確かに、門番程度にするには丁度手頃な輩と言えばそうなのでしょうけれど。

もし主様が私共と同格の存在として求めて居られたのなら、断固として反対させて頂く所ですわね」


「僕はただ回復してただけなので、消化不良です~。

ルナ姉様みたいに躾けがしたかったですぅ」


「シファードには面倒を掛けましたね。まぁ主様のご指示ですし、我慢なさい」


「はぁ~い」


お前ら・・・。

まぁ玄武が魔物だった頃は俺も似た様な事をしてたから、他人の事言えないけどさぁ。


暫く甲羅の中に引き篭もっていた玄武をてしてし叩きつつ、相変らず声を掛け続ける俺。

ようやく落ち着いてきたのか、かなりキョドりながら俺に話し掛ける玄武。


「・・・もうこれ以上、我を弄ぶ事は無いのか?」


「お前次第だな~。

とりあえず俺の要求を受け入れない場合は、現状維持になると思うけど?」


「判った。話を聞こう」


「“判った”ですって?

亀。まだ躾けが足らないのかしら?主様に対してその態度は何様のつもりでしょうね?」


「ひぃぃぃ。お許しを、お許しを・・・」


「こらルナ!いちいち威圧しないの!話が進まないから!

玄武もとりあえず落ち着け。話が進まん」


また引っ込んだ玄武。あ~超面倒臭ぇ。

ルナ達を連れて来たのは間違いだったかも知れんと、若干後悔してます。


またまたてしてし甲羅を叩きつつ、とりあえず俺からの要求を言っておきます。


「とりあえず、俺としてはお前を俺の国の門番代わりにしようと思ってるのね。


で、現状のお前ら四聖獣ってそれぞれがダンジョンに引き篭もって生活してるじゃない?

だったらそのまま俺のダンジョンに移住して貰おうかと思ってさ。

ついでに門番もしてくれると嬉しいな。って感じ。


当然俺の“契約従魔”になって貰うから、デメリットばかりじゃなくて、色々とスキルとか付与してやろうと思った訳。


お前ら四聖獣のデメリットとしては、俺の“契約従魔”として使役される立場になるって事と、

もし俺の国の門を開閉する必要があった時に開閉作業をして貰うって事ぐらいだな。

他は自由にしてていいよ。


移住先のダンジョンも用意してあるし、ある程度ダンジョンが大きくなったら好きにダンジョンをいじってもいいから。


メリットとしては、神獣になれる事とかで、色々と新しくスキルが使える様になる事ぐらいかな?

不死にもなるし最初は今より弱くなっちゃうけど、将来的には今よりも遥かに強くなれると思うんだけど?


どうする?」


相変らず引き篭もっている玄武をてしてし叩きつつ、説明してたらルナから突っ込みが。


「主様?“神獣になれる”と言うお話はお伺いして居りませんでしたが?」


「あ~言ってなかったっけ?

いちいちスキルを付与するのが面倒臭いから、ある程度のスキルを纏めて使える様になる存在にしたんだよ。神獣って。


大体弱すぎる門番ってのも問題が有ると思ってたからなぁ。

まぁその辺は勘弁してくれ。


付与するスキルも大体同じだけど、こいつら四聖獣に関しては放置するから、お前達みたいに強くなるかは判らんがな」


「まぁ確かに弱過ぎますものね。

ですが、もし私共を門番として配した場合はどうなって居たのでしょうか?」


「ん?

当然居住しているダンジョンに基本的には居て貰う事になるから、会う事も殆ど無いんじゃない?

門番なのに、常に門の近くに居ないっておかしな話だよね?」


「なるほど。

その様な存在を求められていたからこそ、私共には一切門番のお話をされなかったのですね」


「そういう事。

同じ“契約従魔”の“神獣”になるけど、お前らは俺の家族であって使役対象だとは思ってないからね」


「私共は主様に“お仕え”したいと思って居りますが、

主様は私共を家族として大切にして下さって頂いているのですね」


嬉しそうなルナ達。

玄武に対する怒りとか諸々も、とりあえずは忘れてくれたかな?


俺としては毎度言ってる事だけど、ルナ達には散々家族だと言ってたのにねぇ。

家族を門番にはしないでしょ、普通。


まぁ地球だったら、常時自室警備してる人は居るかも知れないけどさぁ。


ちょっぴり回復して、再び顔を出す玄武。一応俺の話に興味は持ったみたい。


「んで、どうするよ玄武?まぁ受け入れなかったら最悪殺すけど、仕方ないよね?

完全に恐喝行為になるけど、一応お前にとっても悪い話じゃないと思うんだけどなぁ。


今までの生活にちょっとだけ手間が増えるぐらいで、メリットの方が多いと思うんだけど?」


「死にたくなければ聖獣である我に門番になれ、と?」


「端的に言ってしまえば、そうだな。

ただまぁ現状のダンジョンに引き篭もってる生活と殆ど変化はないと思うぞ?


数百年ぐらいの間は門の開閉なんてしないと思うしなぁ。

まぁその後どうなるかは判らんが。


一応快適に暮らせる様に、準備はしてやるつもりだけどな。

無理とか無茶な要求でなければ一応聞くし、その方が良いって思う提案ならちゃんと要望にも答えるぞ?


で、どうよ?

俺としては殺す殺さない以前に、結構良い条件を提案しているつもりなんだが?

つーか、最初からこの条件で提案するつもりだったしな。

余計な手間とルナの躾けが追加された分は自業自得って感じだし、その辺は諦めろ。


上下関係がはっきりしたし、丁度良かったとしか俺からは言えんしな」


「我は強くなれるのか?」


「それはお前次第だな。

俺からは強くなる可能性を上げてやる事ぐらいしか、手出ししないけどな。


まぁ神獣になった時点で強くなると同時に弱くなっちゃうとは思うから、10年ぐらいは今よりも弱くなると思う。


その間は強くなりやすい体に変化する期間だと思ってくれればいいや。

大体間違ってる訳でもないし」


「神獣とは何だ?

聖獣である「先ほどから主様に対して随分な口の利き方ですわね?」ひぃぃ・・・」


またまたルナが突っ込んで、甲羅の中に引っ込む玄武。もういい加減面倒臭いです。


「はいはい、ルナ。いちいち突っ込まないの。

まだ俺の“契約従魔”じゃないんだから、どうでもいいよ。


邪魔臭いから暫く黙ってて。

その辺は後で躾ければいいから、とりあえずさっさと次の奴に行きたいし」


「主様。お話の途中に失礼致しました。

ただ、態度を改めない様でしたら改めて躾けさせて頂きますので、ご下命を。


亀。ちゃんと主様のご意向をお伺いしなさい。

未だにどちらが上か判らないのでしたら、幾らでも躾けてやりたいと思っている者は居りますのよ?」


「あ~面倒臭い・・・とりあえず玄武。ちゃんと俺の話を聴くように。


とりあえず神獣ってのは、神に認められた存在って感じだな。

お前は勘違いしているみたいだが、魔物に魂が宿った存在が聖獣だから、全然違うぞ?


今の所神獣なのはそこの5人だけだしな。

いちいち今、聖獣がどの程度の数が居るのかまでは把握してないけどな」


「聖獣は神に選ばれた存在では無いと言うの・・・ですか?

では、神獣にして頂けると言う事はおま・・・貴方様は創造神様であらせられると?」


「まぁ大体そんな感じだな。

今の俺は神の仮の姿って感じだから実際は違うがな。ま、その認識でも合っていると思う。


んで?俺の“契約従魔”になる件はどうするんだ?

いい加減返答をくれ。

他の四聖獣の所にも行かなきゃいけないから、お前だけに時間を割くのも面倒なんだが?」


「仮の姿とは言え、創造神様とは気付けず。失礼な態度を取ってしまい、誠に申し訳御座いませんでした。

創造神様が我ごときを直接従えて頂けるのでしたら、喜んで従いましょう」


「良し。

んじゃ、契約条件はさっきの通りでいいな?


俺達とは殆ど会う機会も無いとは思うが、一応俺直属の“契約従魔”って事で了承したと見なすぞ?」


「はい。

お会い出来る機会が少ないとの事は残念では御座いますが、創造神様のお望みのままに」


「よし。んじゃ“契約”するか。『我が求めに応じよ!』


これで俺の“契約従魔”になったけど、お前の役割的にも色々とスキルを追加付与するから、ちょっと待ってな~。


え~っと。とりあえずは神獣にしないとな『我が祝福を!』 んで次はっと。

あぁ、ダンジョン操作か『付与!』これでOKかな?


あ、門番だったら“神に認められし者”スキルの保持者かどうかの見極めが必要か。

面倒だから完全鑑定も付与しとくか『付与!』・・・これで一応漏れとかないよな?


完全鑑定スキルは後でルナ達にも付与しとくか。あったら便利だし。

今後の成長方針とかも自分で決められるしな。


で、玄武の方は・・・不死とかは神獣付属のスキルにしたはずだし、伝説級以下のスキルも同様にしたはずだしな。

とりあえず・・・問題ない・・・か? 『完全鑑定!』ん~大丈夫な感じ?


あぁ!そもそもの門の開閉権限を与えないといけないんだった。

これってスキルじゃないから見落とす所だったな。


『神の分体の権限として、玄武に北極大陸の城門の開閉権限を与える!』

これで大丈夫かな?


まぁいいや。漏れとかあったら後から追加すればいいだけだし。面倒なので保留!


んじゃ玄武。一応俺の“契約従魔”になったから、ルナ達にも挨拶しとけ。


あと、でか過ぎて移動する時は邪魔だから暫く人化しててくれ。一応他の四聖獣と顔合わせだけはする予定だから。

人化するやり方は判るな?」


「承知致しました」


人化する玄武。

簡単に言えば黒人科の長身で青眼青髪のイケメンでした。

妙に美男美女率が高いなウチの世界って。

ブサメンって俺だけじゃね?


で、改めてルナ達に挨拶をする玄武。若干震えてるのはご愛嬌。


「先ほどは失礼を致しました。

改めまして創造神様の配下となりました玄武と申します。


今後は創造神様に絶対の忠誠を誓いますので、何卒宜しくお願い申し上げます」


「ふむ。まぁ良いでしょう。今後は主様の“契約従魔”として精進なさいね?


暫くの間は“神の試練”のせいで十全に実力が発揮出来ないと思いますから、放置してあげますが、

十分な猶予を与えた後に、どの程度強くなっているのか、試してあげますわ」


「ひぃぃぃ・・・お許しを・・・」


「はいはい、ルナ。早速玄武をいじめないの。

あぁ、お前の名前、種族名そのままだけど”玄武”な。


一応玄武は自分も含めてルナ達を完全鑑定して、自身との力量差をはっきり認識しておいて。


あと、ルナ達も無駄にいじめたりしないように。どうやっても蹂躙にしかならないから。


んじゃ、お前達にも完全鑑定を付与するからおいで~」


ルナ達へ順番に完全鑑定を付与。

これで今後は勝手に自分の不足している部分を補う形で成長してくれれば嬉しいですね。


その間に完全鑑定でルナ達のステータス値を確認した玄武。

さっきよりガクブル度が増してます。


ま、今後は頑張って強くなってくれ。

俺は四聖獣は完全放置にするから、ちゃんと門番してくれれば好きにしてて良いし。


ルナ達に完全鑑定を付与したら、初完全鑑定を使って自身や他を鑑定してみて、各自わいわい楽しんでいます。


若干タリズが全員の中で一番INT値が低い事に凹んでました。

まぁお前は風の属性特化だから気にするな。

あと種族特性もあるんだからさ。

大体そんな事を言い出したら、今の俺が最弱なんですけど?

総合値で自分が一番強いと判ってご満悦なルナ。次点でリヴィアです。


とりあえず玄武を“契約従魔”に出来たので、もう此処には用がありません。

なのでダンジョン核を破壊します。


全員にその旨を伝えて、地上に転移した瞬間に周囲の魔物狩りを指示。


結構長期間放置してたから、

それなりの数とか強さの魔物も居るはずなので“良い気分転換になるかな~?”って感じ。


「んじゃ、破壊するからね。ちゃんと全滅させるように。

後、俺とか玄武に二次被害を出さないように気を付ける事。


OK?それじゃぁ行くよ~」


全員に宣言してからダンジョン核の部屋に移動。

躊躇う事無く、不思議な武器をハンマーにしてぱり~んとな。


破壊した直後に地上に転移。

さてりますか~って思ったら、さっき凹んだタリズが極爆風で瞬殺。


きっちり俺達を範囲外で発動させた所は偉いですが、タリズ1人で全部片付けてやんの。


素材や食える部位も残らないほど粉砕しちゃったので、ルナ達から文句を言われて居ます。

一方タリズはストレス発散出来たみたいで満足げ。

いや、素材とか食える部位ぐらいちゃんと残せよ・・・。


「まぁ過ぎた事は仕方が無い。

どうせ後3箇所あるんだから次からは気をつけてね?

じゃ、全員で次行くよ~『転移!』」


久々に園児を引率する保父さん気分で全員纏めて次の四聖獣へ転移。

お次は青龍です。




「到着!・・・お~久々に見る東洋龍の姿だな。懐かしい。元気にしてたか?」


全員で青龍の居るダンジョンのフロアに転移。正面にそれなりにでかい東洋龍が居ます。

元の大きさのリヴィアよりは若干小さいぐらいですかね?

完全鑑定してみたら、ちゃんと青龍も聖獣化してました。


それじゃぁ早速交渉してみますかね~。


「お前はっ!」


あ、この流れ。ついさっき見たわ。

前回と違って、早速ルナ達は誰が躾けるかを早速相談してます。

シファードは回復役を早々に降りました。

タリズはさっきやらかしたので、全員一致で躾け役から降ろされました。

玄武はガクブルしながら、青龍を可哀相な目で見てます。


あれ?若干泣いてない?同情してるのかねぇ。

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