第100話 移築作業
その後は例年と比べて特に変化もなく、魂の神様方は正月休みを満喫して帰られました。
皆さんへのお土産も大体いつも通りです。
若干ビール系を少しだけ求められたぐらいかな?
今回からは陸くん達への報酬もお渡ししたので、来年と言うか今年の年末から宜しくお願いしますって感じ。
魂の神様から、『次に来る時は新しく神様を連れて来るからね~』
とお伺いしたので、客室の拡張しとかないといけませんね。
とりあえず2人までとは言ってあるけど、2人部屋が残り1部屋しかないですし。
ま、年末前あたりに一旦最後の不老不死の分体を帰還させて、その時に纏めてやろうと思います。
ルナ達もミーさん達に色々と教えて貰ったりしながら、少しだけ従者としての心構えなんかを教えて貰ったみたい。
一応、お屠蘇後の宣言で従者教育を頑張るって宣言してました。
それに付随して、客室以外の部屋の出入り自由も伝えておきました。
じゃないと調理とか工作が出来ませんものね。
コピー魔法も使える様にしてあるし、時間が有ったら自分で色々と試行錯誤して貰いたい所です。
基礎的な“従者”としての心構えは既に全員へ教えたので、後は各自の努力次第って感じ。
それぞれが自由意志を持った存在なので、どんな風に成長するかが楽しみです。
調理なんかの家政婦的な方向で行くのか、工作系で行くのか、戦闘系で行くのかも完全に自由にしました。
で、明けてリザアース暦1000年1月4日(火)。
ルナ達には休日の日を俺からの従者教育の日とする事を伝えたので、まぁ今まで通りですな。
俺は独りで北極大陸の城壁やらちゃんと人類が誕生したのかどうか、とかの確認です。
人類に関しては当分の間は手を出すつもりがないので、本当に衛星の視点で確認しただけですが。
ルナ達には俺の準備が済んだら、後から従魔召喚魔法(契約従魔でもOKな事は確認済み)で呼ぶとだけ伝えました。
四聖獣の契約従魔化する時は戦闘になるかも知れないし。
で、人類に関してですが、ちゃんと予定通りの場所に各人類が生まれてました。
魔芋なんかの存在にも気付いてるみたい。
早速水源の確保と岩塩鉱山なんかの確認に行っている姿が確認出来たので、
当面は生活基盤を整える方向で動いてくれると思います。
後は住環境なんかを整えたら、人口増加を待つだけかな?
一応世界樹近辺はそれなりの森林地帯になってるから、木造家屋なんかを作ってくれれば最初は十分だと思うし。
最初は竪穴式住居みたいなものでも大丈夫でしょう。
最悪野宿でも死なない環境は創ったし。(野生動物の襲撃除く)
そのうち建築系スキルのレベルが上がった人類が、それなりの家屋を作って発展してくれると期待しておきましょう。
将来のイメージ的には中世ヨーロッパみたいな石造りの家屋に発展・発達してくれる事を期待しています。
ギルド水晶に関しては、現状では完全に意味が無いです。
まぁ予想はしていたので別にいいんですけどね。
とりあえずはある程度の人口まで増えて、生活にゆとりが出来るようになるまでは、ギルドに関しては現状維持でしょう。
一応始祖人類達はギルド登録だけはしてくれたみたいですけどね。
ステータスが見られるのはかなり便利だし。
ちゃんと長っぽい人類が纏め役やってるみたいだし、特に問題はないかな?
まぁ、俺は俺でやる事あるし、後はもう完全に放置です。
人類の皆さんは協力して頑張ってね~って感じ。
もし現状で俺が人類と接触したとしたら、俺って完全に異分子確定ですからねぇ。
同じく、ルナ達やその従魔達には、改めて人類になるべく不干渉で居る様に要請しておきました。
人類側が手を出してきた場合の逆襲はOKですが。
そんなこんなで、とりあえず北極大陸のアイネ大陸側の城門内側まで来ました。
ちゃんと予定通りに城壁や城門も出来てたよ!
「さすがは神パワーって所か。装飾類が一切ない分、威圧感がハンパないわ。
とりあえず 『開門!』」
ゴゴゴ・・・って音と共に城壁上部に引き上げられていく格子門。
う~ん。
自分でイメージして創ったとは言え、予想通りの出来栄えなので感慨深いですな。
「ん~♪ さすがは神様。良い仕事してますねぇ。まぁ俺なんだけど」
自画自賛しつつ、とりあえず城門を通って外側へ移動。
「あらら。これは予想外。
・・・いやある程度の予想はしてたけど、この高さは予想外だな」
外に出てみたら一応は平地なんだけど、モノリスの書の記述通り100mほど離れた場所からは神の守護層の範囲外。
当然氷の壁が出来てます。
その氷の壁なんですが、高さ的に軽く50mは超えてる感じ。
まぁ間に100mの平野部があるから、簡単には城壁の内側を覗かれたりはしないだろうけど、
北極まで人類が到達出来るようになったらどうやって降りるのかねぇ。
確か地球での北極大陸の氷の厚さって、大体10mぐらいしかなかったって読んだ記憶があるけど、
海岸線付近だとやっぱり高くなるんでしょうかねぇ・・・。
「ま、今心配する事じゃないからいいや。とっととダンジョンを配置しますかねぇ」
大体の状況把握は出来たので、さっさと門の内側に戻って閉門。
で、その門から少し離れた場所にダンジョンを配置して、四聖獣を門番代わりにする予定です。
って事で早速ダンジョンの移築作業から。
・・・なんだけど、俺的にどの方角を北にするかが問題。
せっかくなので、北を”玄武門”南を”朱雀門”東を”青龍門”西を”白虎門”としたいんだけど、
そもそも此処って北極大陸な訳で・・・どっちが北?って話なんですよねぇ。
・・・もうアイネ大陸側を北でいいか。 色々と面倒臭いし。
とりあえずは、アイネ大陸側の城門を玄武門。
クライネ大陸側の城門を青龍門。
ナハトム大陸側の城門を朱雀門。
ジーク大陸側の城門を白虎門としておきます。
もう俺の中では四聖獣を門番として従えるのは確定事項。
俺に従わなかったら殺して新しい四聖獣の誕生を待ちます。
ルナ達を連れて行く事を考えると、確実に負ける要素は無いんですよねぇ。
一応契約従魔にする予定だし、生活的にはほぼ現状維持になるはずだから問題ないとは思うのですけれど。
神の祝福スキルも付与する予定だから、最初は弱くなっちゃうけど、その辺は頑張ってくれ。って感じです。
結果的には今よりも強くなれるから、十分にメリットもあると個人的には思うけどね。
ちなみに、今まで散々ボコってきた四聖獣達は、それぞれのダンジョン最下層部に居る事が判明してます。
暫くボコりに行っていないので、ちゃんと聖獣化してるかどうかまでは知らないけど。
まぁ当時から、あの時点ではそれなりに強くはあったし、多分魂も宿ってるんじゃないかな?
「もう考えるのも面倒だし、今更深く考えなくてもいいや。『ダンジョン核移動!』
・・・・変化なし。
まだ地表に出入り口が露出する前のダンジョン核を引っ張ってきた感じか。
ま、将来的には出来るだろうから、今はいいや。
先にダンジョン核のダンジョンマスター認証だけしとくか『転移!』」
探索魔法で最寄のダンジョン核を探索(当然足元付近のダンジョン核が見つかる訳で)して、ダンジョン核の部屋に転移。
「う~ん。
見慣れた光景過ぎて感慨も湧かん。とっととダンジョン操作してみるか」
初めてなので若干ワクワクしつつダンジョン核に触れると、
脳内に“マスター登録されました”とアナウンスが。
「そこまで記述してなかったけど、便利だねぇ。さてと、とりあえずいじってみるか」
ダンジョン核に触れつつ、メニュー操作をイメージしたら、あっさりとメニュー画面が表示されました。超便利。
もうこうなったら、元ゲーマーだっただけに慣れるのも早いです。
色々と操作出きる項目やらダンジョンの魔素収支画面(実際にダンジョン核上空に表示されました)やらをチェック。
「ふ~ん。思った以上に楽しめそうな感じだな。
マジで冒険者に飽きたら、ダンジョン経営してみるのも面白いかも知れん。
まぁ、此処は門番用だから、とりあえずはダンジョンを大きくする方向でいっとけばいいか。
侵入者なんて居ないだろうし。
と言うか、実際に侵入者なんか居ないと思うんだよねぇ。
門番とかだって完全に俺の趣味だな。
そもそも門番以外では城門の開閉が出来ない設定にしてあるし。
俺が呼んだ人類とかが来た時に、その相手の対応するぐらいしか仕事が無いかも?」
若干ぶっちゃけつつ、魔素の配分量をいじります。
とっとと巨大化して出入り口が露出しないと門番用ダンジョンとして機能しないので、とりあえず巨大化の方向で。
魔素吸収量の90%をダンジョンの成長に配分。
残りの10%は魔物を生み出す分としておきます。
完全にダンジョンマスターになる四聖獣の食料的な魔物になりますが、その辺は非情にならざるを得ないかと。
適当ですが、とりあえず巨大化してとっとと地表に出入り口が露出してくれれば、
後はそれぞれのダンジョンマスターに丸投げするつもりなのでその辺は放置するつもりです。
各門番の特色が出たら、それはそれで面白いだろうしね!
さっさと玄武門の門番予定用ダンジョンの改造が済んだら、次へ。
クライネ大陸側→ナハトム大陸側→ジーク大陸側へと転移して、
それぞれのダンジョンを移築&魔素配分量をいじって、最低限の準備だけを済ませます。
魔素配分量も同様にしておきました。
ナハトム大陸側のダンジョンだけ地表に出入り口が露出していたので、俺の狩り残しがあったみたい。
今後は各大陸のダンジョンも放置する予定だっただけに、若干他の大陸でも狩り残しがあるかも知れない危険性が・・・。
そこだけ異常に強いダンジョンになるかもなぁ・・・とか思いましたが、将来的な俺の遊び場的にはOKじゃね?
って思い直して放置する事にしました。
ま、どうせ数百年程度は人類がダンジョンに侵入する事なんてないだろうしね。
特に現状だと、わざわざ入る旨みも無いし。
必要だったダンジョンの配置も無事終わったし、さっさと次の作業に移りますかね。
問題はすんなり四聖獣が俺の契約従魔になってくれるかどうかなんだけど。
此処で面倒臭いフラグを立てるのも何なので、ルナ達に念話で召喚する事を連絡してから順番に召喚です。
「先ずはルナからかな? 『来い!』」




