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友人

ある日、いつものように紺がやってきた。しかし今日は一人ではなかった。背後に、紺と同じ制服を着た少年が立っていた。

「あ、大和さんこんにちは。今日は友達も来たんだけどいい?」

「いいよ、どうぞ入って」

俺は、アガンならいいと言うと思って、2人とも家に上げた。

「やった。おじゃましまーす。ほら、来いよ」

友人は恥ずかしがっているようで、紺が半ば強引に連れてきた感じだった。


いつものように、紺はリビングのソファに向かう。ソファにはアガンがいた。

今日は、アガンは仕事をしないでヌイグルミたちと戯れていた。

「ああ、紺いらっしゃい。後ろの子は友達?」

「そう!椎名(シイナ)って言うんだ。」

椎名と呼ばれた少年は、紺にアガンの前に押し出されて、顔を真っ赤にしていた。

「こんにちは。僕はアガン。よろしくね」

アガンが微笑みながらそう言うと、椎名は、おどおどしながら、お辞儀をした。

アガンに促され、紺と椎名はアガンの向かい側のソファに座る。

俺はその間にお茶とお菓子を用意して持っていき、そのままアガンの隣に座った。

椎名は、ソファに座ったがかなり挙動不審だ。

俺がそれを不思議に思って見ていると、代わりに紺が話した。

「ごめん、こいつ極度の人見知りなんだ。だから全然しゃべんないけど、今ちょっと喜んでるよ」

そう言われてみると若干口の端が上がっている…?はっきりと確認する前に下を向かれてしまった。

椎名はかなり小さく細い。身長は160cmくらいだろうか。肌は色白だ。髪の毛はミルクコーヒーのような色をしたふわふわの天然パーマ。服の袖が萌え袖みたいになっている(ただその姿は似合っている)。また、髪で目元が隠れていて表情がよく分からない。これも人見知りのせいだろうか。

そうやってずっと観察していたせいなのか、椎名から紺を通して「ずっと見られてると恥ずかしい」と言われてしまった。俺は慌てて目をそらす。

「ご、ごめん。かわいいからつい…」

つい口からかわいいという言葉が出てしまった。確かに色白で小さいからちょっとかわいいなとは思ったけど、それをわざわざ言うなんて、しかも男にっ…!!

「……ぇ………」

椎名には明らかに驚いている。引かれた、絶対引かれた…絶対「うわ、ホモかよこいつ…引くわ」とか思われてるに違いない!!隠れてる表情は嫌悪の目をしているに違いないやばい!!

うわあ俺終わった、と思ったが、2人は俺のその言葉を笑って流してくれた。

しかも紺は更に乗ってきてくれた。

「確かにかわいいけどなwwこいつ、めっちゃ声かわいいんですよ。ほとんどしゃべらないけどw」

と言って、紺は唐突に椎名をくすぐりだす。


「…っ……ゃ…ゃめ……ひゃあんっ//」


「!?」

とても高校1年生男子とは思えないような、きれいな声が聞こえた。少ししか聞こえなかったが、その声はまるで天使のようで、聞くだけで疲れやら悩みやらが一瞬にして消えていきそうな破壊力を持っていた。

椎名は紺をはがし、怒って紺をぺしぺしと叩いていた。顔は真っ赤だった。

「ね、かわいいでしょ。こいつ、羊の血が入ってるんです。この髪と、今の声は、そのせいなんですよ。まあ、こいつ自身は、この声がコンプレックスらしくて、全然しゃべらないんですけどwあ、角も一応あるんですよ、めっちゃ小さいけど…ほら。」

紺はまた嫌がる椎名の髪をわしゃわしゃとやって、俺とアガンに角を見せてくれた。(アガンはずっと横でヌイグルミと戯れながらティータイムしてます)

確かに、少し膨らんでいる程度の角?らしいものがあった。

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