表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
1/8

目覚め

気づくと、見知らぬ場所に居た。


俺は、立ち上がって辺りを見回した。

周りには木が並ぶ、林のようだ。

とりあえず、進んでみることにした。


服装は、Tシャツにジーンズというシンプルな格好だった。

俺は、歩きながら、なぜここにいるかを考えてみた。

だが、そんなこと、わかるわけがなかった。

まずここがどこなのかさえわからないのだ。

さらに、どうやってここにきたのかもわからない。

ここに来る前何をしていたか覚えていないのだ。


空は真っ暗で、赤い月が輝いている。

現実味のない空だった。


しばらく歩いていると、両側にちらほらと建物が見え始めた。

気づくと俺の歩いている場所は、整えられた道になっていた。

住宅街という雰囲気で、西洋風の大きな家が多い。

が、どの家も明かりはついていなくて、人の姿も見えない。

途中で、携帯の存在に気づく。今居る場所は、どうやら圏外のようだ。

時刻は午前2時に近かった。


俺はここからどうやって帰るのか悩んだ。

大体自分はどうやってここに来たのか、ここはどこなのかさえ分からないのだから、その状態から帰るなんて無理な話だ。しかも、俺はここに来る前に何をしていたか覚えていなくて、気づいたらこんなよくわからない建物が並ぶ住宅街みたいなところに居た。


どこかの家で道を聞くことにして、そのまま進んだ。

それにしても、静かだった。


ふと、前方に何かを見つけた。

道に転がっているそれは、ぬいぐるみだった。


ウサギのぬいぐるみのようで、胴体に縫い痕や、左足に包帯など、不気味だった。

俺は、何でこんなところに…と思いながらも、ぬいぐるみの横を通ろうとした。

その瞬間、ぬいぐるみの腕が動いた。

驚いてぬいぐるみを見ると、ぬいぐるみはゆっくりと立ち上がり、右手には鋭利なフォークを握っていた。

襲う気だと気づいた。が、すでに遅く、ウサギのぬいぐるみはすばやい動きで俺に飛び掛ってくる。

「うわあああ!!」

俺はとっさに手で防ごうとする。もうだめだと思い、目を閉じた。

ウサギのぬいぐるみは、俺に襲い掛かってきた、はずだったのだが。

「はい、ストップ」


攻撃は来なくて、さらに知らない人の声が聞こえて、俺は恐る恐る目を開けた。

そこには、ウサギのぬいぐるみを手で捕まえている、刀を持った青年がいた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ