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俺の父さんと新しく母さんになった人はどうやら行動力と言うものが凄まじいようだ
あの俺の人生にとてつもない衝撃を加えた食事会の次の日
2人は婚姻届を出した
そしてはれて夫婦に俺達は新しい家族になった
家族と言うものは普通一緒に暮らす
だから俺達も一緒に暮らことになった
人数も増えるから新しく家を買い移り住む
今まで住んでいた家は売り払った
それは食事会の次の土曜日であった
そして引越しはその次の日の日曜日
食事会からちょうど1週間後だった
速すぎるつっーの!!
どれだけ行動力あるんだよ!!
てか家もすぐ決ったし完全に下見してたんだろうな!!
そんな事を父さんにツッコム訳もなく
新しい家に向かう車に大人しく乗る俺だった
「おっ詩織の方はもう着いてるな」
新しい家に着くと米倉家の引越し屋が既に来ていて
荷物をこれから住む家の中へと運びいれていた
「ごめん来るの遅かったな」
「大丈夫よ
重い荷物は引越し屋さんか運んでくださったから」
リビングに入ると大方荷物が運び込まれていて
俺らの母さんになった米倉先生元い詩織さんがダンボールから荷物を出していた
「おはよう陽菜ちゃん潤くん」
「おはようー!!」
「おはよう…ございます」
うんさすがにまだ陽菜みたいに敬語を外してフランクには無理だな
「さぁもう一つの引越し屋さんが来る前にリビングは片づけましょ
リビングは雅紀さんと潤くんにお任せしていいかしら?」
「ああ任せてくれ」
「じゃあ私と陽菜ちゃんは
結音の方のキッチンを片付けようか」
「うん!!」
そう言ってリビングと繋がっているキッチンの中に入る
そこからはカチャカチャと食器が当たる音が聞こえる
しゃがんでいて姿は見えないがアイツがいるんだろうな
…同じ家にいるとはなんか変な気分がする
「始めるか潤」
「ああ」
俺は近くにあったダンボールのガムテープを外し
俺の知らない荷物を出していく
本当に変な気分だ
そんな中リビングのあるデカくて黒い物に目が行った
「ピアノ…」
確かアップライトって言う種類だった気がする
多分詩織さんの物だろう
なんたって保育園の先生だしピアノくらい弾けるだろう
でもなんか凄い
このピアノがあるだけでなんか華がある気がする
陽菜はいるとしてもまだガキでチンチンクリン
だから母さんが死んでから俺の家はなんだか男臭い感じがしてた
それなのにこのピアノは一気に華を見出して存在感はすげぇなって思った
それと同時に新しい家族になったんだってほんの少し実感した




