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俺だけが  作者: パー子
第四章 誕生日
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「はあ!?来れなくなった!?」

バイトもない土曜の朝

普段なら昼前まで寝てるが今日は早起きをしていた

そして朝早くに鳴ったケータイに出ると声を荒げる事になった




『バイト入ってたんだよ~』



「お前が映画見たいって言い出したんだろう!!

てか当日にドタキャンってどういう事だよ!!

シフト分かってんだろ!!」



『入ってないと思ってたんだよ~』



「バカが…」



『ごめんってー

あっ奏斗には先に連絡入れてあるから

それじゃあもう時間無いから切るなじゃっ!!』



ブチッ



「勝手に切りやがった…

はぁ朝から騒がしすぎだつーの」

治らない隆のバカさにもう悩むのは止めようと思うもいつもため息が出てしまう

まあ隆がそんなバカをやらかしても今日の予定は奏斗も一緒だから

俺は出かける準備に戻り仕上がると玄関に向かう




「お兄ちゃんもう出かけるの?」



「ああ」

靴を履いていると物音に気づいてか陽菜がリビングから出てきた




「珍しいね

いつもならまだ寝てる時間だよ?」



「うっせー

一言多いんだよお前は」



「いやっもう髪の毛グチャグチャにしないでよ!!」



「じゃあ行ってくるわ」



「あっお兄ちゃん!!」

口が達者な妹を軽くイジった後立ち上がり出ていこうとすると

陽菜はまだ絡んで来た




「なんだよ」



「お姉ちゃんのプレゼントもう買った?

明日だよお姉ちゃん誕生日!!」

そう言えば父さんが全員あげるみたいな事言ってたっけ

あっちの方が衝撃強かったから忘れてた

…まああげねえけど




「買ってねえよ

別に俺があげなくても陽菜たちがあげんだろ」



「ダメ!!一人一個あげるの!!

誕生日なんだからプレゼントあげてみんなでお祝いしないとダメなの!!」

まあ嬉しいだろうな普通なら

でもアイツの誕生日は自分の誕生日であって自分の父親の命日

そんな日に祝われるのは正直複雑だろう




「…あのな陽菜

みんながみんな自分の誕生日を祝ってほしいとは限らないだろ」



「何言ってるのお兄ちゃん

みんなにプレゼント貰ってケーキ食べておめでとうって言われたいに決まってるよ!!

それにお姉ちゃんは家族なんだから祝わないとダメに決まってるよ!!」

あーこう言うのってなんて説明したらいいんだ

ストレートに説明したら理解するとは思うけど

それを理解した上で陽菜が普通の態度をとれる気がしないし気にしすぎて変な対応しそうだな

それはそれで祝われるよりキツいだろう

あー面倒臭えな




「だからプレゼント買ってきなよね!!絶対だからね!!」



「プレゼントな…」

俺からは上手い説明が出てこず陽菜は念を押すとリビングに戻っていった

そして俺は出された指令に悩まされながら家を出て行った

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