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俺だけが  作者: パー子
第三章 新しい繋がり
38/52

10

「結音まだかな~まだかな~」



「こんな狭い所でウロウロするな隆!!

うぜえから!!」

隆が結音をバンドに誘ったその日の放課後

俺達はバンド練習をするため部室で結音を待っていた




「だってだって楽しみじゃん!!」



「どこがだよ…」

さっきからうぜえほどハイテンションの隆

俺は真逆でテンションが下がる一方

なにが悲しくてあいつとバンドしなきゃいけえねえんだよ

取り敢えずこの1回だけで隆が満足してくれればいいんだか…



「でもさ遅いよな結音

何かあったのかな?」



「あれじゃねえのあいつ歩きだから

まあでも時間的に着いててもいい頃だけど…」



「んーじゃあ取り敢えず結音に連絡取ってみ?」



「…えっ俺?」

隆の言葉の後に自分に注がれる視線に驚く




「当たり前だろ?

俺と奏斗は結音のケー番知らないんだから」



「いや俺も知らないし!!」



「はあ!?なんで知らないんだよ!!

姉弟だろ!!」


バシッ


「痛っ!!」

俺は最後の単語を聞いて空かさず

手元にあったスコアブックで隆の頭を叩いた




「お前口には気をつけろよ」



「ごめんなさい…」



「このバカが」

あーやっぱり隆に話すんじゃなかったな

どんだけ口が軽いんだよこいつは

てか俺が結音のケー番知ってる訳ねえだろ

考えたら普通分かるだろ



…いや普通家族の連絡先は知ってるか

いやでもほらまあうん

そう言う家庭もあるだろ

少数派なだけだから

大丈夫あるある




「じゃあどうすんだよー

連絡もとれないでさー」



「心配しなくても待ってれば来るだろ」



「…あのさ

隆か潤、結音に部室の場所教えた?」



「「・・・あっ」」



「この場所知らないなら

待ってても来ないよね」

窓側でいつもの様に本を読んでいた奏斗の放った言葉に

俺と隆から間抜けな声が出た

そう言えばそうだ

あいつここの場所知らないだろ

帰宅部だもんな




「ぬうぉぉぉおおお!!俺としたことがあああ!!」



「だからうるせえよ!!」



「えっどうしようどうしよう

結音迷子になってるのかな!?」



「迷子って学校の中で迷子になる奴なんて居ないだろう」



「…まあ困ってはいるみたいだよ」



「なんだよその見たみたいな言い方」



「今結音がキョロキョロしながら

校舎の地図のある方に歩いて行ったよ」

そう言いながら奏斗は窓の外を指さした




「えっドコドコ!?」



「もう見えないよ

てかあの地図見ても分からないと思うんだけどね」



「よしそれじゃあ潤迎えに行ってこいよ!!」



「はあ?なんで俺が」



「だってきょう「おい」



「ごめんなさい…」

隆が言う前に俺が睨みつけると

思い出したように落としくなるこの学習能力の無いバカ




「俺が行ってくるよ」



「えっ奏斗お前が!?」

隆が反省をしていると

奏斗が読んでいた本を閉じ立ち上がりそう言った

その奏斗の言葉と行動に俺は隆への怒りを忘れて驚く




「うん

ほら直ぐ連れてくるからちゃんとセッティングしときなよ」



「おぉ…」



「いってらっしゃ~い」

俺がまだ驚いてる中隆の見送りと共に

奏斗は結音を迎えに部室から出て行った




「なあ隆」



「ん?なんね?」



「奏斗が自分から他の奴に関わろうとするのって珍しいよな」

俺が驚いた理由はこれのせい

奏斗は普段からクールと言うかドライで他人とそんなに自分からつるんだりしない

そんな奏斗が結音を迎えに行くと自分から言ったから俺は驚いた




「んーそう言えば!!

まあ奏斗も結音と同じで人見知りだからねー」



「でも結音には普通に自分から話しかけたりするよな」



「あれじゃない

奏斗は静かなのが好きだから

大人しくて静かな結音と話すのはいいんじゃない?

ほら似たもの同士気が合うっていいうじゃん!!」



「そんなもんか…」

気が合うね…気が合うだけだよな?

奏斗の奴まさか結音の事!?

いやさすがに考えすぎだな

あいつの事になるとどうも冷静さがなくなる

奏斗みたいにもっとクールに行かなくては

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