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俺だけが  作者: パー子
第三章 新しい繋がり
34/52

結音がギターを背負っているのを見て5日が過ぎた




「おはよーすっ潤!!」



「おお…」



「どうしたテンション低いぞー」

朝から無駄にテンションの高い隆に俺は真逆のテンションで返事を返す

そんな俺を見て隆は首を傾げ不思議そうな表情を見せる

誰の注文のせいだと思ってるんだ誰の




「ところでさー

あれ結音に聞いた?」

ほら来た!!俺の今の悩みの種!!

そろそろ聞かれると思ったんだよ

てか隆にしては待った方だよな




「いやまだ…」



「何やってんだよ!!

もうあれから5日たったぞ!!」



「ちょっとタイミングが合わないだけだよ…」

まぁ嘘だけどな

前と違って名前を呼ぶ進歩はした

でもだ話すのはハードルが高いんだよ

全く話さない訳じゃないぞ?

風呂空いたとか今日は飯要らないとか

まぁ最低限の話は出来るようになったし

でも世間話とかはその…なんて切り出していいか分からないと言うか…




「そうかまあそんな時もあるよな!!」



「えっ?おっおお…」

隆の反応に俺が呆気に取られるなか隆は普通に自分の席に戻っていく

なんだ!?なんでこいつこんなに聞き分けがいいんだ!?

もっとしつこく来ると思ったのに!!

なんか逆に怖い!!






・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・






「屋上でいいよな?」

いつもの事ながら昼になり飯を食いに三人で屋上に行く




「もち!!

でも今日はーその前にー」



「なんだよその笑いは」



「気持ち悪いね」

鬱陶しくニヤニヤと笑う隆に俺と奏斗はいつも通りツッコミを入れる




「ちょっ奏斗ストレート過ぎる!!

そんなことよりだ!!

今日はもう一人連れていこうと思う!!」



「それって」



「おい隆!!早まるな!!

すげぇ嫌な予感しかしねえよ!!」

隆の言葉に俺は嫌な汗が出てくるのを感じながら

その予感が外れることを願う




「良い予感の間違いだろ潤くん!!

とうっ!!」



「待て隆!!」

俺の願いも叶わず隆は楽しそうに窓側の席、奏斗の後ろの席へと飛んでいった




「ゆーのっ!!昼飯一緒に食おうぜっ!!」

ぬおおおおおやりやがったあああああ!!


あのバカは俺の悪い予感の通り

今からボッチ飯を始めようとしていたアイツ結音に声をかけやがった




「…えっ?」

いきなりの出来事にワンテンポ遅れて反応する結音

反応してもその状況に一人固まっている

いや一人じゃねえな

教室に居る奴もその異様な出来事に固まってる

そりゃ新学年になって2ヶ月ずっとボッチだった奴に

楽しそうに声をかける奴がが居たら誰だって驚くよな!!目立つよな!!

だからもう止めてくれ!!




「だーかーらー

俺たちと一緒に屋上で飯食うの!!

ほらゴー!!」



「えっいやっあのっ」

隆は結音の返事も聞かず慌てる結音の腕を掴み無理やり引きずっていく




「奏斗も潤も行くぞー」



「潤もう諦めなよ

ああなった隆は止められないよ」

軽い声をかけて結音を引いて教室を出ていく隆に俺は言葉も出ず頭を抱える

そんな俺の肩を奏斗はクスッと笑いながら叩いた

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