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「なあこれやっぱり買いすぎだろ」
「全然大丈夫大丈夫!!」
晩飯を食べ終わって大して時間も経ってないのに
俺達はコンビニに夜食を大量に買いに行っていた
「さあ徹夜で全クリ目指すぜ!!」
「隆声デカイ
近所迷惑になるよ」
「それに俺らは寝るって言っただろ」
「うー二人とも厳しい~
ん?あれ結音じゃね?」
家の近くまで来た時家から出てくる人影が
暗くて良く見えないがそれは結音だった
「もう9時過ぎなのに何処か行くのかな」
「なあなあ!!結音が背負ってるのってギターじゃね!?」
「そう言えばそうだな…」
結音の奴ギターやってるのか?
聞こえてきたことない…よな?
「じゃあ手に持ってるのはエフェクターケースかな
あれ結構大きいね
もしかしたら結音ってギター歴そこそこあるのかも」
「マジでか!?話聞こうぜ!!」
「おっおい!!」
奏斗の言葉を聞いて隆は結音目掛けて走りだした
それを俺と奏斗も追いかけて走る
「ゆ~の」「えっ!!何処か分からないの!?」
隆が声をかけようとした時
結音から聞いたことがない驚いたが聞こえた
「周りに何がある?…うん……うん」
電話をしてるみたいで近づいてるのにこっちに気づかない
てかアイツに電話する相手いるんだな
それになんか普通に話してるし
詩織さんとか陽菜に話す感じで全く人見知りしてない感じ
奏斗とか隆、ましては俺に対する感じとは全然違った
「うん…多分そこが何処か分かったよ
今から私もそこ行くから待ってて
っ!?」
家の前まで行くとさすがの結音も俺達に気づいた
さすがの隆も電話をしてる奴に声をかけなかった
でもヘラヘラと笑いながら手を振った
それに対して少し躊躇するも苦笑いをしながら手を小さく振り返す
そして結音は電話をかけながら俺達と逆の方へと足を動かしていった
「結音誰と電話してたんだろな
すっごく普通に話してたなー」
「まぁ普通に考えたら友達でしょ」
「俺ともあんな風に遠慮せず話してくれればいいのになー」
部屋に戻り買ってきたお菓子を食いながらの話題は結音だった
あの結音に友達いんのかよ
学校でアイツの友達らしき奴見たことねえぞ
てか普通に喋ってたな
…あれが本当のアイツなのか?
「てかてかそんな事よりも
結音ってギター弾けるんだな!!
なんで教えなかったんだよ潤!!」
「俺だって今知ったんだよ」
「ええ!?
結音が姉ちゃんになってもう1ヶ月だろ
普通知ってるっしょ!!」
「知るかよアイツかギター背負ってるの初めて見たし
部屋からギターの音聞こえたこともかなったし
でもまぁ毎週この時間にどっか行ってたみたいだけど
てか姉ちゃんって言うな同い年だっつーの」
「よし!!俺は決めたぞ2人とも!!」
隆は俺の話を大して聞くこともせず叫びだした
「何を?」
「それはだな!!」
「ちょっと待て!!俺はすごく嫌な予感がするんだが!!」
隆が突然言い出すことはいつもろくな事がない
それに増して今日言い出しそうなことは何となく予想が出来て嫌な予感がする
「にしししっ
結音を軽音部に勧誘して俺達のバンドに入れる!!」
「やっぱりそう来たか…」
隆はドヤ顔で言い放った
それは俺が予想していた言葉と一緒
どうしてそう単純な発想しか出来ないんだよ
もうため息しか出ねえよ
「いい考えだろ!!」
「何処がだ!!
お前マジでそれだけは止めてしてくれよ
なんでアイツと一緒にバンド組まないといけないんだよ…」
そりゃあアイツの事もう少しちゃんと見ようと決めたけど
バンド組むとかは有り得ない
友達にはなりたくねえ!!
「いいんじゃない
結音と仲良くなるいい機会なると思うよ」
「余計なお世話だ!!
その辺は自分で何とかしようと努力してんだよ…」
「へー頑張ってるんだね潤」
「でもその成果全然出てないだろ潤」
「うっせ!!
第一バンド組むほどあいつと仲良くなるつもりねえよ!!」
「そんなの知らなーい
俺は決めたから!!
て言うことで結音に色々話聞いといて」
「なんで俺が!!」
「弟だからに決まってんじゃん!!」
「絶対に聞かねえからな!!
入れるのも絶対に反対だ!!
弟って言うのも止めろ!!」




