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俺だけが  作者: パー子
第一章 協調性
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「やべえ緊張してきた」

2日後の食事会当日は直ぐに来た

そしてちょっと高そうなレストランの個室の席に付き

新しく家族と言うものになる人達を待つ

案外緊張が半端無く俺に襲ってきた




「そんな緊張するほど怖い人じゃないから大丈夫だって」



「あっそ」



「雅紀さん!!」

父さんが笑いながらなだめてくるがそっけなく返した

そしたら部屋の扉が開き父さんの名前が呼ばれた

それに反応して俺たち3人は一斉に振り返った




「 !? 」



「わー米倉先生だー!!」

声の持ち主は俺も陽菜も知っている人物だった

その人は陽菜が行っていた保育園の先生

俺も迎えに行った事があるから知っている

まさか父さんが保育園の先生に手を出していたとは驚いた



でも俺はそれ以上に驚いている事がある

ある人物から目が離せないほどに

そいつは米倉先生の後ろに居る人物



《米倉 結音》



どうしてアイツがここにいる?

あの根暗がどうしてここに?

自分の中で自分に問いてみる

答えは直ぐに返ってきた



《アイツが俺の同級生 俺の新しい家族になる》



嘘だろ?

色々考えた俺の妄想と突きつけられる事実

その違いに俺の思考は完全に止まってしまった




「2人とも知ってると思うがこちらは米倉詩織さんだ」



「米倉先生が陽菜のお母さんになってくれるのー?」



「ええそうよーよろしくね陽菜ちゃん」

その楽しそうな声は俺の耳を右から左へ抜けていくだけ

俺は思考が止まったまま

いつものように黙って無表情の暗いアイツから目が離せない




「そして彼女が詩織さんの娘さんでお姉ちゃんになる結音ちゃんだ」



「初めましてよろしくね陽菜ちゃん」



「 !? 」

俺にまた衝撃が走った

その衝撃で俺の止まっていた思考が動き出す



《アイツが笑ってる》



なんだろうさっきの衝撃よりこっちの衝撃の方がデカイかもしれない




「お姉ちゃん…結音お姉ちゃん!!」

陽菜はアイツに抱きついた

そしてアイツは笑顔で陽菜を抱きしめた



アイツって笑うんだ

アイツってちゃんと話せるんだ



して当たり前のことに何故か俺は驚いていた

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