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俺だけが  作者: パー子
第三章 新しい繋がり
29/52

「うおお!!今の感じ良かったんじゃね!?良かったんじゃね!?」

爆音が鳴り止むと隆が騒ぎ出す

俺たちは週一回のバンド練習中だった




「先週よりかは良かったと思うよ」



「だろだろ!!」



「ドラムはいつも通り走ってたけどな」



「潤キビシ~」

俺たち3人は軽音部に入ってる

それで今日が俺らのバンドに割り当てられた練習日

因みに俺がベースで隆がドラム、奏斗はギターとボーカル




「なあなあ新曲どうする?」

練習が終わり片付けをしながら隆が話を振ってくる




「そう言えば次のライブまであと2ヶ月切ってる

そろそろ決めないとダメだね」



「そうだな

なんかやりたい曲な…」



「色々あるんだよなー

あっ!!俺あれやりたい!!バンプの車輪の唄!!」



「ギターもう一本いるだろ」



「じゃあRAD!!」



「それも4人バンドだね」



「ワンオク!!」



「まあギリできるか

ただ奏斗が歌いながら弾けるかが問題だな」



「あんまり俺に期待されても困るからね」



「う~相変わらず曲決めは3Pバンドの鬼門だよな」



「だから最初からもう一人入れろって言ったんだよ」



「だってなんか行ける気がしたんだも~ん」

俺たちは入部した時から3人でバンドを組んでる

クラスに俺たち以外軽音部の奴が居なかったから3人で組むことにした

他のクラスには軽音部の奴は居たけど1人だけ別のクラスってのもなんか嫌だったから




「今から誰か頼んで入れるか?」



「俺もその方が有難いんだけどね

歌うのそんなに得意じゃないし」

奏斗はボーカルもやってるギタボってやつ

でもこれはほぼ無理矢理みたいなもん

情けない話だけど俺は自他共認める音痴なので歌えない

隆もドラムだからさすがにキツい

だからギターである奏斗が歌うしかない

でも本人は得意じゃないって言ってるけど普通に上手いんだぜコイツ

…羨ましい



てか普段から本ばっかり読んで騒ぐ事をしない奏斗が

軽音部入ってギターやってるのも隆がしつこく誘って奏斗が折れたから

今は嫌々って訳じゃなさそうだけど奏斗は俺たち以外とはバンドを組んでない

まあ俺らだからやってくれてるんだろうな




「え~でもさ今から部員の中から探すのって今更感ない?」



「それはまあそうだけど」

隆の言うことも分かる

これで1年間やって来たからなんかテンションが違う気が済んだよな




「あー2年で新しい部員入ってくれないかなー」



「居ないだろうね

それより早く片付けて出て行くよ

もう次のバンド来てるみたいだし」



「おっといけねえ!!

早く片付けて潤の家に行かなくては!!

今日は寝ずにゲームするぞ!!」

そう今日は俺の家で隆が新しく買ったと言うゲームをするので

俺の家に2人が泊まりに来るのだ



ついこないだまでは結音の事がバレないようにと家にも連れて行かなかったが

この2人にはもうバレてしまったから気にすることはなくなり

あれ以来普通に遊びに来れるようになった

良い事なのか悪い事なのかイマイチ分からないけどな




「俺は明日の夜にバイト入ってんだから寝るからな」



「俺も寝たいから徹夜は隆だけだね」



「えーそんなー!!」

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