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俺だけが  作者: パー子
第二章 呼び名
22/52

「よーし潤の新しい家に行くぞー!!」

来てほしくなかったがやって来てしまった約束の木曜日

今日は隆と奏斗を俺の家に連れて行くと約束した日である




「なあ家行く前になんかDVDでも借りに行こうぜ」



「えー別に見たいもんないしいいよ」



「そう言うなって

もしかしたら何か掘り出し物あるかもしれないだろ」

奏斗は歩きで学校に来てるけど隆は俺と同じでチャリ

だから歩いて帰ることはなく奏斗を後ろに乗っけて帰る事になる

それは物凄く困る



何故なら俺と同じ家に帰るアイツは俺と違い歩きだから

もし俺らがこのまま直行して家に帰ったら俺らはアイツより早く帰ってしまう

それは鉢合わせの可能性があるから物凄く困る

だから意地でも30分近くは時間を潰さなくてはいけないんだ!!




「えー」



「まあいいんじゃない

潤の言う通りにしてみても」

ぶーたれる隆と違い奏斗は俺の提案に乗ってくれた

ナイス奏斗!!




「奏斗も言うんなら仕方ないなー」

隆はしぶしぶ俺の提案を飲んだ

それに俺は心の中でガッツポーズ

そして2人にバレないようにチラッと視線を別の所に外す

その先には少し早足で教室を出て行くアイツがいた



アイツが父さんたちの結婚を許す時にあの条件を出したくらいだ

俺と家族になったと言うことはバレたくないはず

あの時俺に返事はしなかったがどうやら俺の言う事を聞くみたいだった






・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・






ガチャ



俺達は学校が終わり1時間ほど無理矢理に時間を潰してから家に着いた

そして俺は家事を開けるとそ~っとドアを開け中を確認する




「何やってんだよ潤

自分の家に泥棒でも入んのか?」



「べっ別になんでもねえよ!!

ほら入れ」

不審者にしか見えない俺は当たり前だけどツッコまれた

でも中を確認するとアイツの靴は無かったからどうやら居ないらしい

だから俺は不審な動きを止め堂々と2人を招き入れた




「おっ邪魔しま~す!!」



「お邪魔します」






・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・






「おおっなんか!!…普通だ」



「だから普通の部屋だって言っただろ

てか勝手にベット使うなよ」

隆がどんな想像してたかは知らないが

思っていたものと違っていたのがダラケてベットに倒れこんだ




「あー面白くねー

なんか面白いことないのかよー」



「DVD借りたでしょ」



「なんか見る気失せた」



「じゃあお前は見んな」



「ぶーぶー二人とももっと俺を愛でろよー」



「鬱陶しい」



「うぅぅ~

あっそう言えば陽菜は?」



「えっ!?」

いきなりツッコまれたくない事をツッコまれ俺の声は裏返る




「何変な声出してんだよ潤」



「出してねえし!!

てか奏斗も笑ってんなよ!!」



「ごめん潤が面白いから」



「で陽菜は?」



「あれだよ!!

今日は友達の家に泊まりに行ったんだよ!!」



「ちぇーなんだよ

暇つぶしに陽菜でもイジメてやろうと思ったのによ」



「バカかいつもイジメ返されてるだろ」



「ちげーし!!陽菜がやられてばっかじゃ可愛そうだから

やられてるフリしてるだけだし!!

ってあれ?陽菜が泊まりに行ってるって事は

今日潤一人じゃん!!」



「え?あーまあそうだな…」



「よし!!潤一人じゃあ寂しいだろうし

今日は俺達が止まってやるよ!!」



「はあ!?」



「いいじゃん久しぶりにみんなで馬鹿騒ぎしようぜ!!」



「ダメだ帰れ!!絶対に帰れ!!」



「ヤダヤダ止まるんだ!!

みんなで枕投げするんだ!!

恋話するんだ!!」



「なんで俺ん家でそんな修学旅行ごっこみたいなことしないといけないんだよ!!」



「楽しいからに決まってるだろ!!」



「お前一人がな」



「隆一人がね」



「なんだよそれー

てか奏斗まで酷いよー」



「本当のことだから仕方がないよ

それにあんまり潤をイジメたら可哀想だろ」



「別にイジメられてねえし!!」



「でもさーたまには3人で馬鹿騒ぎしたいんだよ~

なあ本当にダメか潤?」



「擦り寄ってくんな鬱陶しい!!

何言おうと泊まるのは無しだ!!

でもまあ…飯ぐらいなら食ってやるよ」



「やったー!!早く飯にしようぜ!!」



「いや早過ぎんだろ!!」

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