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俺だけが  作者: パー子
第二章 呼び名
20/52

「やっべ寝過ごした!!」

次の日俺は軽く寝坊をしていた

寝付きが悪かったからだ



マッハで学校へ行く準備をして家を出ようとした時


グ~


自分でも恥ずかしいぐらいハッキリと腹の虫が鳴いてしまった

ジャンクフードと言う物は腹の減りが早いらしく

朝には腹が空きまくっていた

俺は時間を確認すると履いた靴を脱ぎ家の中に戻り

何か腹に入れる物を探しにリビングへと入った




「食パンあったよな…」

時間が少しあったとは言えゆっくりと飯を食ってる時間は無かった

だから昔の少女漫画の様に食パンを食いながら行くとしよう



そう考えながらリビングに入ると直ぐにある物が目に入った

机の上にラップがされた朝ごはん

まあ完全に俺の分だな

だが残念ながらそんな物食べている時間は無い

それにこの一週間アイツの作った物は食べないと決めた




「あったあった」

キッチンでお目当ての食パンを見つけ口に咥える直ぐに出かける

焼いている時間も何か食パンにつけている時間もない

それほど俺は焦っているのだ



でも焦っているのにあるのもが目に入ってしまった

それは弁当だった

昨日詩織さんが作ってくれた弁当は自分で洗って片付けた

でもキッチンに今置いてあるのはちゃんと包んである弁当だった

だからこれはアイツが作った弁当だ



「なんで作ってんだよ…」

飯は陽菜も食べる

でも弁当は俺とアイツだけ

陽菜は給食だから要らない



意味が分からない

俺のなんて作らなくてもいいだろ

なんで作ってんだよ

答えを求めて俺は頭をグルグル回す

しかし答えとは別の事を思い出した



《潤好みに作ってくれたんじゃないの?》



「俺のために…作ったのか?」

この間の隆の言葉を思い出しそう呟いていた




「っ!?あり得ねえ!!

アイツは俺の事嫌いだしな!!」

自分の言葉が耳に入り自分の言葉に自分で驚いてしまった

だからそれを打ち消すために俺は誰も居ない家の中でデカイ声を出して上書きする




「アイツの飯は食べないって決めたんだ」

そう俺は決めたんだ

だからこの弁当も要らない

俺はその弁当から視線を離すと時間が無いことを思い出しダッシュで家を飛び出た





・・・・・・・・・・・・・・・・・・・





「はーい昼飯昼飯!!」



「なあ今日学食行こうぜ」



「学食?別にいいけど弁当は?」



「今父さんたち新婚旅行で居ないから弁当作ってもらえないんだよ」



「へーそうなんだ

あっ奏斗!!今日学食になったから」

俺は嘘の様な真の様な事を隆に伝える

そして奏斗がこっちにやってくると直ぐ様報告する隆




「どうして?」



「潤のところ新婚旅行行ってて弁当作って貰える人居ないんだって」



「そういう事」



「そう」



「なんだよ?」

何故か奏斗にジーっと見られた

もちろん耐えられなくて聞いてみる




「別に」



「変な奴だな」



「まあ否定はできないけど」



「いやそこは否定しろよ」

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