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俺だけが  作者: パー子
第一章 協調性
14/52

14

「 いただきます!! 」

今日もまたいきなり入ってきた陽菜に呼ばれ晩飯へと向かう

丁度その時父さんも帰ってきて詩織さんを抜いた4人での晩飯




「美味い!!」



「本当に結音ちゃんは料理が上手だね」



「ありがとうございます」

今日のメインはエビフライだ

それをはしゃいで食べる陽菜と父さん

アイツも笑顔を向けてお礼を言う

それほどの物じゃねえと思うけどな

第一アイツの手料理だぞ

箸を伸ばすのも躊躇するっつーの




「今日はね陽菜がリクエストしたの!!」



「陽菜はエビフライ好きだもんな」



「うん好き!!

他にもねグラタンとかスパゲッティも好き!!

お姉ちゃん今度作ってくれる?」



「うんいいよ」



「やったー」



「俺の好きな物も作って欲しいなー

結音ちゃん和食も作れる?」



「はい大体は作れると思います」



「じゃあ鯖の味噌煮とか生姜焼きとかどうかな?

俺好きなんだよ」



「それなら作った事あるので作れます

今度作りますね」



「やったねー

これは会社から帰ってくるのが楽しみだな」

二人とも単純だな

たかが自分の好物を食べれるだけだろ

それだけでテンション上げて

恥ずかしくないのかよ




「あっお兄ちゃんの好きな物は

ハンバーグとカレーとオムライスだよ」



「ぶっ!!はあ!?別にそんなの好きじゃねえよ!!」



「えー嘘だー

お兄ちゃんそれがご飯だとすごくテンション上がるでしょ?

それによくカレー作ってたよー」



「上がってねえよ!!

それにカレーは簡単だから作ってたんだよ!!」



「違うの?

じゃあお兄ちゃんの好きな物は甘い物だね!!」



「それも違うっつーの!!」



「いいじゃないか潤

好物が子どもっぽくても全く恥ずかしいことじゃない

ただちょっと可愛いだけだ」



「お兄ちゃん可愛い!!」



「うるせえ!!」

うぜえ!!二人とも俺を見てニヤニヤ笑いやがって

そんな2人をみて笑ってるアイツもうぜえ

そうだよ好きだよ悪いかよ!!

好きなもんしゃあねえだろ!!

俺だって分かってるよガキみたいだってな!!



ってのを言っても俺が人数的に不利だから言わねえ

でもムカつくから飯を口の中へとかき込む

あーうめえな!!

それが余計にムカつくな!!



「ごちそうさま

それじゃあ父さんは風呂掃除でもしてこようかな」

俺を弄りつつ晩飯を食い終えた父さんがそう言って立ち上がる




「お風呂掃除ならお兄ちゃんがやったよー」



「何?潤が?

そうかありがとうな」



「別に」



「陽菜は1人で洗濯物畳んだよ」



「1人でか?ありがとうな5人分だから多かったろ」



「大丈夫!!陽菜は洗濯係だから!!」



「洗濯係?」



「家事分担だよ

陽菜が洗濯係でお兄ちゃんがお風呂係

お姉ちゃんがご飯係

お兄ちゃんが決めたんだよ」



「潤がか?」



「もう婆ちゃん手伝いに来てくれないし

全部俺たちでやらないとな…」

陽菜が余計なこと言うから俺は良いような理由を言った

本当の理由は父さんには絶対に言ってはいけない

言ったら速攻イジられる自信がある




「そうか…

よしそれじゃあ父さんは洗い物係をしようかな」



「あっ洗い物は私がやっておきますよ」



「いいんだ

家族みんなで分担しよう」



「じゃあお母さんは?」



「そうだなー詩織はお掃除係かな」



「これでみんな係ができたね!!」



「うん良かったな

なんとかみんなでやっていけそうだな」

父さんは嬉しそうに笑いながらそう言った

でも俺はこの生活に不安しかねえよ




「あっそうだ

家事を分担するのは良いことだけど

家の戸締まりだけは各自ちゃんとすること!!

陽菜にはいつも言ってうけど防犯にも気をつけること!!」



「はーい」



「分かりました」



「それで良し

そう言えば明日は詩織が早出だったな

最後に家出るの誰になる?」



「俺だけど」



「じゃあ家の戸締まりしっかり頼むぞ」



「分かってるよ」

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