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俺だけが  作者: パー子
第一章 協調性
12/52

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「…いねえよ」

口から出たのは嘘だった

やっぱり俺の中でアイツと家族ってのはなんか許せねえみたいた




「そんなー!!

うぅ…俺の新しい出会いが…」



「そんなに落ち込まなくても

ここ共学だから出会いは多い方だと思うけど?」



「でも俺まだ彼女いた事ないよー」



「隆は見た目悪くないから

黙ってればその内できるんじゃない彼女」



「マジで奏斗!?

やっぱりイケてる男は寡黙キャラかキリッ」



「そうだね」

本を読みながら適当に話す奏斗と単純バカの隆

どうやらあれ以上深く突っ込んでくる様子はない



危なかったー

でも案外いけそうだな

アイツとも関わる事もないし

俺さえ口を滑らせなければ大丈夫

問題なんて全くない




「そうそう今日潤の家行っていい?」



「はあああ!?」

さっきの訂正

問題発生




「潤うるさい!!いきなりデカイ声出すなよー」



「おっお前がいきなり俺の家来たいって言うからだろ!!」



「えー?別によく行くじゃん潤の家

それに今日は潤も見たいって言ってたDVD借りたから

一緒に見せてやろうと思ったのに」



「ええ?ああ…そう言えばそんな事言ってたな…」



「だろ?俺優しいじゃん!!親切じゃん!!」



「でも今日はダメだわ」

今日って言うかずっとだけどな

家来たらアイツいるし速攻バレるっつーの




「えーじゃあ明日な」



「明日も無理」



「なんでだよー」



「あのーあれだよあれ

引越ししたんだよ

で荷物片付いてないから部屋入れねえよ」



「えっ!?引越し!?そんなのいつしたんだよ!!」



「昨日だよ

ほら再婚したからな」



「そうかー

よしっじゃあ俺達が片付け手伝ってやるよ!!」



「はあ!?いいって別に!!」



「遠慮すんなよー

俺たち暇だから手伝ってやるよ!!

なっ奏斗!!」



「俺今日バイトだから無理だよ」



「えーそんなー」



「ほら奏斗も来れないんだから無し

いいな分かったな!!」



「分かったよ…」



「分かればいいんだよ分かれば」

危ねえー

奏斗ナイスだわ

すげえ助かったぞ奏斗!!




「じゃあさ片付いたら言ってくれよな

新しい潤の部屋どんなのか見に行きたいし!!」



「なっ来なくていいから!!

見てもなんにも楽しくねえから!!

普通の部屋だから!!」



「えー見てみたいじゃん

なあ奏斗」



「別に

…でも潤が見られたくない物が何かは知りたいかも」



「っ!?」

奏斗は本に落としていた視線を俺に向け軽く笑いながら言った

その言葉とその笑いに俺は体を少しビクつかせてしまった

お前は何を知ってるんだ奏斗!!




「見られてくない物?何それ?」



「さあ潤に聞いてみれば?」



「べっ別にそんなのねえから!!

分かったよそこまで言うなら今度連れて行ってやるよ!!」



「やったー!!絶対だからな潤!!」



「ああ!!」

やってしまった

ノリで言ってしまった

バカみたいに騒ぎやがってムカツク

いつもは大して笑わないのに笑いやがってムカツク

断れない俺ムカツク

あーどうしたらいいんだー!!

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