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俺だけが  作者: パー子
第一章 協調性
11/52

11

キーンコーンカーンコーン




「腹減ったー!!さあ昼飯の時間だぜ潤!!」



「うっせ暑苦しいウザイ」



「なんだよその悪口サンドイッチは!!

俺サンドイッチならカツサンドがいい!!」

昼のチャイムがなって速攻騒ぎ出した俺の隣の席の住人

こいつは小野寺オノデラ タカシ

そうただのバカ

いや間違えた|(本当の事だけど)

隆は俺の友達である

うん、ただそれだけ




「なあなあ潤

今心のなかで凄い酷い事言わなかった?」



「気のせいだろ」



「そっかおしっ!!じゃあ屋上行こうぜ

奏斗も行くぞー」

隆は窓側の席の奏斗に対して叫ぶ

その声に気づくと奏斗は授業中にも関わらず読んでいた本を閉じ

ゆっくり立ち上がってこちらへやってくる




山下ヤマシタ 奏斗カナト

これも俺の友達である

こいつは隆と真逆で大人だ

騒いだりしないしいつも物怖じしない

いつも冷静で感情を表に出さないクールな奴

なんで隆と友達なのか分からないくらいだ

そしてそんなクールな所は俺が目指しているところでもある

恥ずかしいから本人には絶対に言わないけどな



そんな奏斗に視線をやると見たくないものまで視線に入ってしまった

奏斗のすぐ後ろの席で独り自分の席で

恐らく俺の持ってる弁当と同じ物が入っているであろう自分の弁当を

広げようとしているアイツ



あー辛気臭いほど暗いな

なんでアイツは家にいる時とこんなに違うんだ

人格を切り替えるスイッチが体のどこかにあんのか?




「潤どうかした?」

つい考えこんでいるとこちらに来た奏斗に心配されてしまった




「べっ別に?飯行こうぜ」



「ああ」



「ではでは屋上にレッツゴー!!」

誤魔化すも奏斗にはジッと顔を見られた

もっと気を引き締めねえとな

なんとしてもアイツが俺の家族になったってことだけは死守しないとな!!






・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・






「あれ!?潤その弁当どうしたんだよ!!」



「ああ…実は「あーもしかして彼女か!?彼女ができたのか!?」



「はあ?」

再婚した事ぐらいは教えようと思ったのに

隆の言葉に俺は呆れた声を出す




「おい潤酷いぞ!!俺何も聞いてねえぞ!!

確かに潤は今までにも彼女が居たことはあるけどよ

新しくできたら直ぐに教えろよな!!

俺たち友達だろ!!同士だろ!!」



「おい隆」



「そっか潤に彼女かー

と言うことはこれからはあんまり遊べなくなるのかー

うぅ…そんなの嫌だー」



「あー面倒くせえお前もういい」



「なんだよ冷たいぞ潤!!

もっと俺に愛情注げよ!!」



「それでどうしたのその弁当」



「実は」

騒ぐ隆を横に奏斗が冷静に聞いてくるので俺も隆なんて無視して話そう




「俺を無視するなよ二人とも!!」



「隆これ食べていいよ」



「マジ!?ありがとう奏斗!!」

無視したかったけど当たり前に突っかかってくる

そんな隆に奏斗は自分のパンを1つやった

隆はそのパンを喜んで貰うと直ぐに頬張り静かになった

扱い上手いな奏斗

じゃあ今度こそ話を戻そう




「実はさ父さんが再婚したんだよ

それで弁当がある訳」



「なーんだそうだったのかよ

結婚おめでとうー」



「おめでとう」



「…ありがとう」

イマイチめでたいのかは微妙だが一応お礼を言っといた




「なあなあ親父さんの再婚相手ってどんな人だ?

綺麗な人か?歳は?」



「まあ…綺麗かな

歳は確か父さんの一個下だから42歳か」



「ほー…人妻、熟女

なんかエロいな!!」



「おい人の母親相手に興奮すんなよ気持ち悪い」



「気持ち悪いとはなんだ気持ち悪いとは!!

ただの生理現象だろ!!」



「相手を選べって言ってんだよ」



「ぶー」

このバカはどうにも治りそうにない




「いい人そうで良かったね潤」

隆が膨れていると

本に目を落としながら奏斗は俺にそう言った




「何が?」



「再婚相手だよ

潤、今母親って言ってた

そんなに悪い人じゃないんでしょ?」



「あっああ…」

俺詩織さんの事母親って言ったのか

案外受け入れてるのかな俺…

てか奏斗もよく気づくな




「まあいい人だよ

保育園の先生やってるぐらいだしな」



「保育園の先生でしゅか!?」



「お前もう黙って飯食ってろ」

どうやら隆のバカは末期で手遅れなようだ

前から分かっていたけど




「その人ももしかして再婚?」



「えっ!?なっなんでそう思うんだよ!?」



「年齢からしてそうかなって」



「まあそうだけど…」

奏斗はやっぱり細かいことによく気づくな

そこをツッコまれて俺は軽く焦ってしまった

危ない危ない




「再婚かー…っておい潤!!」



「なっなんだようるせえな

いきなりデカイ声出すなよ

隆の声は普通の声でもデカイんだから」



「そんな事はどうでもいいんだよ!!

相手も再婚なんだろ?

って事は…向こうにも兄妹居たりするか!?

姉とか妹とか!!」



「なっ!?」

このバカは女に関してよく気づくな!!

一番知られたくないところをツッコミやがって




どうする俺

ここまで来たんだし言ってしまうか?

こいつら友達だし

結構信じれる奴らだし

それに隠し事はこいつらにするのはちょっと嫌かも

多分みんなに言うなって言ったら絶対言わないだろうし

…隆は口滑らしそうだな




どうする俺?

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