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第一話

偉大すぎる父親なんていらない。









幼い頃。何も疑うことを知らなかった純真な俺は、自分が「男」だとは知らなかった。

生れ落ちた時より女子として育てることを父親によって決められ。そう育てられてきたからだ。

十二の時、何をトチ狂ったのか、俺を襲った乳兄弟の凶行が無ければ俺は一生自分が男だと知らずに生きていたのかもしれない。

俺の生まれが特殊であるが故の仕方の無い措置であったとはいえ、俺は激しく父を憎み、元凶たる実母を疎んだ。


明日には都へと向かう晩餐の席。

気まずい沈黙が食卓を支配しているのも仕方の無いことだろう。


極めて慇懃な態度で黙々と食事をする俺。

それを気にするわけでもなく、同じく淡々と食事をする父。

左右に控える二人の女性、正室である義母はもはや何を言っても無駄と、諦めの表情をしている。

ただ側室である実母だけがなんとか俺と父の仲を取り持とうと、場を和ませようと、空回りを続けた挙句。

唐突にボロボとロ泣き始めた。

みっともないから止めてください。それでも帝国貴族の側室ですか貴女は。と内心で罵る。

義母が父に目配せをすると、父はよしよしと母の頭を撫でる、感極まった母は父にすがり付いてめそめそと泣き続ける。


それを俺は冷めた目で見ながら食事を続ける。


普通、帝国貴族ともなれば、晩餐は無駄に広い大食堂で、異常なまでに長いテーブルを使うものだが。

「帝国貴族の良心」と称される公爵は妙に合理的な人物で、家族の晩餐はこの小食堂で済ます。

テーブルに並ぶ料理の数々も、領内でとれた獣や野菜を使った料理。

どれも手は込んでいるが、公爵位の貴族が食するには、一言で言うと「地味」である。

だが「帝国の(略)」と称賛され、帝の覚えもめでたい公爵は「地産自消」がどうの、俺には理解できない理屈をこね、こうして領内で取れたものばかりの晩餐が毎日続くのだった。

その事には不満は無い。


何故なら旨いからだ。


ちなみに大食堂は、使用人達が使っている、その方が効率的だからだそうだ。

恐れ多いとか言いながらもも、召使達は皆主人に心酔しきっていて、老若男女問わず「きゃーお館様抱いてェ!」という感じの連中ばかりなので、公爵の命令に粛々と従い、帝もお使いになった大食堂でまかないをかっこんでいるのだ。

全て「帝国貴族好感度ランキング五年連続No1」である父の人徳によるものだ。

大体普通帝国貴族などというものは、領地のことなど家令とか代官に任せて都に篭ってる連中が多いのだ。

ところが父ときたら、呼び出しでもない限りは領地に篭りきりで「領地経営」に夢中なのである。

普通なら謀反でも企んでると疑われる所だが、そこも父の人間的魅力カリスマに掛かれば、帝以下並み居る帝国貴族もメロメロなのである。

何この人たらし。我が父上ながら怖い。と思う。

都の館は嫡男と、弟に任せて、自分は素敵な領地ライフを満喫中。

普通陰謀渦巻く帝国貴族ならば、この弟がお家の簒奪とか企むのだが。

この叔父は正室が嫉妬するレベルで「兄上LOVE」なのだ。

「ああ、兄上抱いてェ!」とか本気で言いそうで怖い。


「(近親相姦ホモとか怖すぎ。)」


叔父を篭絡した上で手綱を握ってくれている叔母のお陰で、不毛すぎる三角関係はスキャンダルに発展しない所で済んでいる。

ただ大好きな兄からは「叔父上が煩い、父上はこうだった、ああだったと、寝ても覚めても父上に対する惚気を聞かされる、気が狂いそうだ、助けてくれ」と悲鳴のような手紙が来たりもする。

兄上が正気を手放す前になんとかするべきであろう。



さっきから帝国、帝国と言っているが、一応説明しておこう。

名前はそのまま帝国インペリアルである。

この青の大陸中原四国の一国で、別名を「西の帝国」と言う。

「北の王国キングダム

「東の大公国グランデューティ

「南の侯国プリンシパリティ

この四国で中原四国。

基本的に仲が良い。西と東の大国に連携して対抗するためである。

東の宗教国家「法国」

西の魔族連合国家「魔王領」

その両方にいい顔をするために、元々は一つの国であった中原の統一王朝が、四つに分裂したのが国々の成り立ちであった。

だから各国の君主は元々親戚だし、今も嫁をやったり嫁をもらったり、婿をもらったり婿を上げたりしている。


法国は創世神を信奉する教団による国である。基本的魔族はダメ!という国。

とはいえ魔族も創世神の可愛い眷属なので必要以上に迫害することはない(差別的ではあるが)。

中原では大公国が法国への対応窓口で、この国は魔族ダメな国である。

逆に帝国は魔族への対応窓口で、積極的に魔族との融和政策を布いている。

なにせ今上の帝の皇太后陛下は先代魔王陛下の娘。

残る王国と侯国はどっちもやな人はこちらへどーぞー、という感じの国である。

一応序列としては、帝国と王国が同列。大公国と侯国が同格となっている。

四つに国が分裂した時、元々の王朝の長男と長女だったのが帝国と王国、長男の長男が建国したのが大公国、長女の長男だったのが侯国というわけだ。

王国は北の白の大陸との貿易で儲けてるし。

侯国は東西貿易の海路の中継貿易で儲けてる。

北回り航路は海が荒れやすいんですぐに廃れたらしく、王国はかなり気合入れて大陸間貿易を開発したそうな。

お陰でこと海軍に関しては大陸最強といわれている。


まだ母は泣いている。

苛立ちをぶつけるように猪肉のステーキを切り刻み細切れにしてゆく。

この猪肉は領内を荒らしまわっていた化け猪で、先日父が配下を率いて退治した物だ。

狩猟は貴族にとっては軍事訓練を兼ねた娯楽だが、昨今の帝国貴族では娯楽の要素が強く、罪の無い狐狩りが精々。

そこをいくと五位公爵たる父ははやはり違う。

猪、熊といった害獣。果ては人里を襲うような人食い妖魔の群れとかにも容赦なし。

流石は「帝国貴族の鑑」と帝に褒めそやされるだけのことはある。


胡椒と塩だけで味付けられた、本当なら美味なはずの猪のステーキを無惨に切り刻まれてしまった。

この世界では胡椒は魔王領の特産品で、東に行けば行くほど高値で取引される香辛料である。

ただ今使われている胡椒は公爵領で栽培したパチモンで。魔王領産に比べるとと大分味が落ちる。

それでも需要は多くて、五位公爵家の大事な収入源である。

栽培不可能とか言われてたこれの栽培に成功したのは「中原一の知恵者」と言われた先代公爵である。

この功績で帝は勿論、なんと魔王陛下からもお褒め頂いた祖父は、魔王領に招かれ、品質向上の研究に邁進してる、らしい。

(ちなみに魔王領産の胡椒は全て自生している天然物)


とどうでもいいことに思考を散らした所で、明日には都へ向かわねばならいかと思うと気が重い。

思わず、嘆息が漏れる。


それにビクリと母が反応した。


「ごめん!ごめんね!アーちゃん!全部母ちゃんが悪いんだよね!直ぐに死ぬから!ごめんね!」


またエキセントリックなことを言い始めた。と俺は氷の様に冷たい侮蔑の視線を向ける。


「落ち着きなさいサリュエミエル、あなたは直ぐにそうやって自分のことを貶める、いけませんと何度も言ったでしょう?」

「だって!だってフーちゃん!うわぁぁぁぁぁぁん!」


正室である義母が実母を諫めて慰める。

また子供のように泣き出した実母は、こんどは義母の胸に顔をうずめてわぁわぁと泣き叫ぶ。

妙な光景であった。

泣きたいのはこっちだ、と内心で毒づく。


「先日も言ったが今上のご下命だ。我が家の如き木っ端貴族に拒否権はないぞ?」

「当家は末席とはいえ五公爵家の一つ。領地は広くはりませんが、帝の血を引くやんごとなき家格と、代々の公爵閣下が積み上げたに名声は内外に響いております父上。断じて木っ端貴族ではありま、木っ端貴族に失礼です」


木っ端貴族に謝れ。


「拒否権が無いことに変わりは無いぞ?」

「なんで父上はそんな冷静なんです!俺が男と露見すればどうなるか!?はっきりいましょう、正気ですか!?」


いよいよ敬語もかなぐり捨て、暴言を吐く。


「色々と事情があるのだ。しばらくは宮廷の冷めた料理しか食せんぞ、しっかりと故郷の味をかみ締めるべきだぞ。アーデルハイド」

「……」


父と俺の視線がぶつかり合う。

睨み殺さんばかりの俺の視線を、冷めた視線で父が受け止める。


「うわぁぁぁぁぁん!ごめんねぇ!ごめんよぉ!アーちゃぁあん!母ちゃんが魔族だから!うわぁぁぁぁん!」

「あなた!アーデルハイド!」


泣き叫ぶ実母。

夫と義理の子に避難の視線を送る正室。


「貴方達が喧嘩をするのは勝手ですがサリュエミエルを泣かすのは許しませんよ!」


義母は怒りを露にし(何か怒りの論点がずれている気がするが)泣きじゃくる母を連れて食堂を退出する。

残された俺と父。

父は「残すとはけしからんな」と妙なことに遺憾の意を示し、執事を呼んで残った母達の分を下げさせる。

父より先に退出すると負けたようで悔しいので俺は最後まで、重い沈黙で支配された食堂で食事を続けた。











がたごとと馬車に揺られること三日。


「アーデルハイド!道中無事だったか?」


遥遥やってきた都の館にて。五位公爵の庶子である俺ことアーデルハイド(女名)を熱烈に歓迎してくれたのは、我が兄上、アーダルベルト子爵である。


「お久しぶりです子爵閣下。ご壮健のようで何よりですわ」

「硬い!硬い!小さな時のように兄上で良いだろう!」


そういって兄上はぎゅうと俺を抱きしめる。

…この人。俺が男ってわかってるはずなんだけどなぁ。


「兄上ッ!苦しい……です!」


いかん聞こえてない。


「アァァァァダルベルトッ!」


大音声と共に兄上の頭に拳骨を落し、窮地から俺を救ってくれのは叔父上だった。

「お前は!未来の妃殿下に向かって!なんと!無礼な!兄上はけしてそのような暴挙にはでないお方ぞ!未来の五位公爵が!そんなことで!どうする!」


えと兄上は気絶してます。あと!マークが多すぎです叔父上。

頭の血管が切れると大変なんで落ち着いてください。


「おおおお!アーデルハイド。そなたは兄上に似てなんと優しく!なんと!なんと!」

いや、だから……


「はいはいはい!バカはそこまでだよ」


遥か東方の島国に伝わる紙製の武器「ハリセン」が叔父上の頭部に炸裂した。


「叔母上」

「まったく、男のお前を春宮様の後宮に差し出すなんて、あいかわらずだねお館様は」


ああ、常識人が居る。当家の良心、叔母上が天使に見える。


「兄上には深謀遠慮がおありなるのだ!「中原一の知恵者」と言われた父上の才能を余す所無く受け継がれた兄上の考えにぃ、間違いなどなぁいっ!」


バシン。


「あんたも少しは受け継いで欲しかったよ舅殿の知恵をね……アーデルハイド。とりあえずあんたを中原一の別嬪に仕立てないといけない、ついてきな」


……ああ憂鬱だ。





「うわっ美少女が居ますよ叔母上」

「現実逃避はそれくらいにしな、そりゃお前だよアーデルハイド」


鏡の前で小芝居すると叔母上が容赦なく現実を突きつけてきた。

う、うう……

完璧な化粧を施され、正装のドレスを着せられた俺は、傍目にも女の子にしかみえない。

母親譲りの童顔と小柄な体のせいだ。

本来絶壁のはずの胸も……説明するのもおぞましい技術によって可愛らしく膨らんでいる。

魔王領からお祖父様が送ってきた、胸部に寄生し膨らむ謎の生物が埋め込まれているのだ。

当たり前だが、ちゃんと感触もある。

「可愛い孫娘へ、胸が無いと嘆く出ないぞ。」と書き添えられていた。

この偽胸の発明者は当然祖父。

「中原一の知恵者」の発想と技術に絶望したのは言うまでも無い。


「ううう、触ると気持ちいいとか、本当に悲しすぎる……」

「化粧が崩れるから泣くんじゃないよ」


はぁい……

内心でさめざめと鳴きながら部屋を出れば、復活した兄上と叔父上が手放しで俺の“女装”を絶賛してくれた。


「よし、では宮城に向かうぞ。まずは今上陛下にお目見えだ」

「誰一人、男を側室に出すってことを疑問に思ってない…」


ばれたらどうなるのだろうか?

叔父上は父上には策が有るとか言ってるが、初夜でばれますよね?

まぁ殿下はまだ子供だからしばらくは誤魔化せるだろうけど…ねぇ?

幸い帝国では宦官は廃止されてるんで、宮系(チン○ンをチョンギラレル)に処される事は無い。

無いが…





それから約三十分後。

今俺は陛下の御前で平伏している。

俺を館に捨てて、先に陛下の御前へと侍っていた父が


「当家の娘でございます」


と平然と嘘を吐いている。

ちくしょう。ばれた時はあんたも道連れだ!


「顔を見せておくれ」


優しい声で今上が命ずる。

俺は無礼にならないように幼い頃から仕込まれた宮廷儀礼に乗っ取って、顔を上げ、名乗り、挨拶をする。


「ほほ、目じりが五位殿にそっくりだの」


御年七十二歳の陛下は、やさしいおじいちゃん、という風情のお方である。

在位五十年の間に成し遂げた偉業は枚挙の暇が無く。

賢王の誉れ高き、我ら帝国臣民の誇り。

当然だが俺は陛下に拝謁するのは初めてだ。

性別を偽って育てられた庶子、当たり前である。


「此度は無理を言ってすまなかったの」

「そ、そんな……ことはございません」

「あれは……甘やかして育ったせいか、色々と問題があってな、それを五位殿に相談した所、そならならば。という話になってな。この老いぼれは孫可愛さに一二も無くその話に飛びついてしまった……

だが考えててみればそなたも年頃の娘。好いた男子の一人もおったのではないか?」


陛下良い人すぎる。あと父は鬼畜すぎる。


「今ならばこの爺の一存で此度の話は取りやめにできる。正直に申してよいのだぞ」

「陛下。ご心配なく、こういった時のために一から育てた娘でございますので」


だまれクソ親父。

とはいえ……困り顔の陛下に対し否と言える雰囲気ではない。


「父の申し上げる通りでございます陛下。この身朽ちるまで東宮殿下にお仕えいたします」


心にも無いことを言って平伏する俺。ばか!俺のばかぁぁぁぁぁ!

まぁ陛下が喜んでくれたからいいか……はぁ




とりあえず大過無く陛下との謁見を終え。

いよいよ東宮殿下の下へ向かう。

普通なら結婚式なんだろうが、何も大仰なことは無い。

五位公爵の娘の入内としては異例かもしれない、こちらとしてはそういうのはノーセンキュー、ちょうどいい。

殿下付きの女官に案内され、後宮へと向かう。

ちなみに会話無し。ものすごい拒否のオーラを女官さんが発してる。

いじめか?

正妃である王国のお姫様が、鳴り物入りで輿入れしてきたのが、ちょうど半年程前。

新婚半年の処に新しく側室です。

そりゃ歓迎されないか。

王国のお姫様は確か殿下よりひとつ年上の十五歳。

まぁなんだ、いったいどんな“事情”があるのか知らないが、お姉さん的な立ち位置で居て本番に突入しなければ何とかなる……かなぁ?

東宮時代にお嫁さんを貰っても、帝として即位すれば、さらに数名、諸外国や国内の有力貴族から娘が送り付けられてくるものだ。

子供時代に結婚したパターンだと、プラトニックなままってことも結構ある。

よし頑張れそうだ。

しかし何時になったら着くのだろう。

殿下は梅の宮にお住まいのはずだが、あれは後宮の入り口に近いから、すぐに着くはずだよな?


「五位公爵令嬢。アーデルハイドさまをご案内いたしました」


そんなことを思ってると、どうやら殿下のいらっしゃるお部屋に着いたらしい。


「どうぞ」


女官さんがドアを開けて入室を促す。

え?一人で入るんですか?

はぁわかりました。

何故か薄暗い室内に踏み込む、と同時に背後でドアがばたんと閉められ。

ガチャリ

外側から鍵のかかる音がした。

……

とりあえず状況確認。

薄暗い原因は窓の鎧戸が閉められているから。

当然のように部屋の空気が澱んでおり、香水やら体臭やらが混じって、なんとも形容できない匂いが室内に充満している。

ああ、ひどく“いい”匂いだ。

だが十四歳の稚い東宮様のお部屋に相応しくない。

あと部屋の中に天蓋付きの立派なベッドが有る。

まて。

ここは寝室だ。


「どうしたこっちへこい」


高い少年の声が命令する。

いかにも命令することに慣れた口調だ。


「は、はい」


しずしずと進み出る。床には脱ぎ捨てた衣服。喰い散らかしたと思わしき食物、食器などが散乱している。

完全に放蕩貴族のバカ息子の乱れた寝室。

という感じだ。生憎現物は見たこと無いので伝聞からの類推からだが。


「五位公爵の一女。アーデルハイド。お召しによりまかりこしました」


ベッドの前で一応貴婦人の礼をとる。

……

ちらりと見えたベッドには人影が二つ。

一人は息も絶え絶えな感じでベッドに身を投げ出していた少女。

王国から嫁いで来たお姫様。アリシア様だろう。

となると気だるげな感じでベッドの上で身を越していたのが東宮殿下か。


「面倒な宮廷儀礼など良い、顔を見せろ」

「はっ」


これは……やばい。

顔を上げる。


「……十九と聞いていたが」

「は、恥ずかしながらこの歳まで縁談も無く」

「その割には胸が薄いな」


そりゃ男の上に偽者ですから。

しかし殿下。いくらなんでも初対面の女性に向かってそれは失礼ですよ?


「こい」

「こいとは?」

「閨に侍ろといっているんだ、アリシアは疲れているから少し休ませたい」

「お断りすると申し上げた如何致します?」

「それがお前の役目だろう?役目を果たさないのか?」


うわー、これどうしよう?

陛下のお悩みはわかった、問題は俺にはどんな役目が課せられた居るのか?

こんな若いうちからセッ○ス中毒の馬鹿殿下を矯正しろ。

ということなのか。

それとも黙って閨の相手をしろ。

ということのなのか。

俺の事情を考えるに……


「めんどくさいなお前」


身を乗り出した殿下が乱暴にこちらの頭を掴む。

ぐいと引っ張られ。乱暴に唇を吸われた。

嫌がる暇も無く、殿下の舌が口内に侵入してくる

おおおお!男。男との初ディープキス!

そんな十九歳の秋の昼下がりだった。

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