鐘くんはロビンソンクルー!?
鐘くんは自転車での冒険を、決意した。
第5話「鐘くんの冒険」
今回は年子の鐘くんの物語である。
1つ下の鈴くんがまだ自転車に乗れないのに、鐘くんはまだ幼稚園児なのにもう自転車に乗れていた。そんな鐘くんは冒険に出たいと考えていた。そして、自転車でどこまでも走ってみようと考えていたのです。
夜、鈴くんにそっと
「俺、明日、冒険に出るぜ!パパとママには内緒だぜ。」
と言い、それを聞いた鈴くんは
「凄いよ、兄ちゃん、どんな事するの?」
と聞き、すると自慢げに鐘くんは
「だから、秘密なんだよ。」
と言い眠りについたのでした。
そして、次の日の日曜日、鐘くんは自転車に乗って出発しました。鐘くんの考えではまっすぐに走れば帰りの道が分かるというものでした。そして、鐘くんはひたすらまっすぐに走りました。走っている彼の頭の中はもう、ロビンソンクルーの世界です。幼稚園の彼には見た事のない景色が目に飛び込んできます。
でも、段々、パパもママも鈴くんもいない事や、帰りは大丈夫かなと、心細くなってきました。でも、俺は冒険するんだという気持ちが強く、そのまま走り続けました。
もう日も暮れてきた頃、ある川にぶつかりました。何の川か分からないけれど鐘くんは自分の冒険が成功した事を知りました。
そして、一息つくと元きた道をまっすぐに帰っていったのでした。帰りの道のが心細かったけど、心の中で大丈夫と何度もつぶやきながら自分の家の笹が丘病院に帰ってきました。
そして、その夜鐘くんは自分の冒険について家族に話しました。
「でね、こんな看板のお店があって、最後、川にたどり着いたんだよ!」
そんな鐘くんを両親は誇らしげに見て話しを聞き、でも1人、鈴くんだけが少し寂しそうなのでした。
そんな鈴くんが次の物語になるのでした。
川にぶつかり、鐘くんの冒険は成功した。