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食欲×愛情=?

作者: ソルト饅頭
掲載日:2026/06/08

不穏なカップルの話。昔書いたSSみたいな話です。

「あら?今日はなにかしら」


「スコーンだよ。外国のお菓子」


彼女の前に山盛りのスコーンを置く。


「これはなに?」


「ジャムとクロテッドクリームだよ。スコーンを食べるにはこれがいいって言うんだ」


「ふーん」


ちなみに、ジャムは苺。


「さくらのジャムではないわね」

「……たまには違うのも食べるよ」


すっかり、柘榴がお気に召したようだ。

やれやれと思いつつ、紅茶を入れる。


紅茶の銘柄はアッサムだ。


弟が読んでいた漫画を参考にした。


ちなみに、クロテッドクリームもその漫画を参考にした手製のものである。

そして、彼女はスコーンを食べ始めた。


ジャムもクリームもたっぷりつけて食べている。


両手でスコーンを持って子供のように食べている。


彼女は食に貪欲なのだ。


「ほら、汚れている」


彼女に口ついているジャムとクリームを指で拭う。


「落ち着いて食べるよ」


ぬぐったせいでジャムとクリームが指についていたのでティッシュで拭おうとしたら、


『……』


チュッ


『?』


彼女がジャムのついた俺の指を口に含む。

そして、指に舐められる感触がした。


「あなた、やっぱり」


彼女が瞳を細めて笑う。


彼女の瞳の瞳孔が縦に細長くなる。


それは人ならざるものの証拠。


笑う口からは鋭い牙と長い舌が見える。



「食べないでくれよ」


「どうして?」


「まだ、君の傍らに居たいんだ」


「あら」


彼女は目をぱちくりとさせる。


「そういうことなら、我慢するわ」


「あなた、おいしそう。でも食べたらなくなってしまうもの」


「大好きなあなたを食べないように我慢する」


まるで幼い女の子のように言う彼女。


「そうしてくれるなら、俺も嬉しいよ」


俺は彼女に口づけ、歯をなぞる。


その口内を舐った。


「今の私はあなたに食べられているのかしら」


「そうかもな」


いつか、俺を食べるかもしれない唇と牙。

俺しか味わえない部分だ。


「おいしく召し上がれ。ダーリン」


「いただきます。ハニー」

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