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【長編連載中】クソスキルのせいでハードモードでニューゲームしたref 〜人生はクソゲーの連続だ!〜  作者: 九楽
第三章 麗しのエルフ王国編

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第七十八話

「…ということで、アル殿……。船は用意したから後はじゃ…。本当によろしく頼む…」

「はい…。ありがとうございます」

 次の日の朝、僕は王様の計らいで港町まで馬車で送ってもらえることになった。僕は色々と用意してもらった事を王様に感謝した。

「王様、ありがとうございます…」

「ああ、気にしなくていい。本当に…本当に…よろしく頼むよ…」

「はい、王様…。……少し顔色が悪いですね? …リカバリーかけましょうか?」

「ああ…。頼む…」

「…では、リカバリー!」

 王様の顔を見ると顔色が悪くげっそりしていたが、リカバリーをかけてあげると少し良くなったみたいで喜んでいた。

「ありがとう…」   

「いえいえ…。あの…アリスはまだ寝てますか?」

 周りを見てもそこにはアリスの姿はなかった。まだ、昨日の夜の事を怒っているのかもしれない。最後に謝りたかったのに…。

「ああっ、まっ、まだ寝てるみたいだね…。本当に…本当にすまない…。あっ、あの子もまだ子供だから、その…朝が苦手なのだろう」

「そうですか…。じゃあ、帰ってくるときには、お土産沢山買ってくるからって伝えておいて下さい」

「あっ…。あぁ、伝えておくよ!」

 僕は馬車に乗り込み港町に向けて出発した。グラグラと揺れる室内の中、僕はマリシアウルネクストを確認したが、反応はしていないようだ。まあ、エルフの王国でのイベントは現状ないんだろう。

 


「…ん? どうやら、ついたみたいだな…」

 しばらくすると馬車の揺れが止まり、なにかの鳴き声がどこからか聞こえた。馬車から降りて空を見上げるとカモメのような青い鳥が気持ちよさそうに飛んでいた。

「さて、いくか…。船旅なんて初めてだな…」

 白い石段を踏みながら街に入ると、門の近くに立っていた商人のような格好をしたエルフに声をかけられた。武器を隠し持っている。どうやら変装した兵士のようだ。

「…アル様ですか?」

「…はい」

「…私の後についてきてください。船まで案内します」

「…はっ、はい」

「こっちです」

 僕は兵士に案内されて、白塗りの壁の家がズラリと建ち並ぶ通路を抜け、細い階段を下ると港についた。エルフの兵士によると今から乗る船はエルフの王国が所有している戦艦ではなく、一般的な商船らしい。まあ、非公式とはこういう意味なのだろう。



「では、私はこれで…」

「はっ、はい。ありがとうございました」 

 僕は案内された大きな木造船を見た後、振り返って後ろ側に停まっている格好いい豪華客船と見比べた。

「……」

 うーん。負けてるな…。この船…。造りはしっかりしてそうなんだけど…。見た目のカッコ良さが負けている。まあ、これはこれでカッコ良いと思うけど…。商船だから仕方ないか…。

「うーん…」

 でも、ゲームだとあの豪華客船以上の乗り物を最終的にはゲットできるんだけどな…。この世界では、やっぱりとてつもない値段なんだろう…。

 僕はそんな事を思いながら、目の前の船員に話しかけると木造船の甲板に案内され、そこには見覚えのある人物が立っていた。



「…やあ、シオンさん。おはよう」

「ああっ、おはにょ…。ごっ、ごっほん…。おはよう…」

 最近、わかってきたが…どうも動揺しているとシオンさんは妙な言語がでてしまうみたいだ。単純に船旅が苦手なのかもしれないが、やっぱり今からいくコビットの王国になにかまずいでもあるのかもしれないな。

「……」

「……にゃっ、なぁ…」

 …おっ、船が揺れだした。どうやら出発みたいだな。…ん? …今、シオンさん…話しかけようとしてきた?

「……」

「……」

 気のせいか…。…そういえば、コビットの王国まで一体どのくらいかかるんだろう。ゲームだと目的地に二、三分でつくけど…。聞いてみるか…。

「…シオンさん、目的地までどのくらいかかるのかな?」

「…大体、一日くらいだよ。明日の昼にはつけるさ…。ところでその…」

「…どうしたの?」

「こっ、これ、見てほしいんだ!」

 シオンさんの様子を見るとなんだか、モジモジしていて様子がおかしかったので、声を掛けると、手を震わせながら白い手紙を手渡してきた。

 まっ、まさかっ…。ラッ、ラブ…ラブレターな訳はないか…。なんだろう…。

「……シオンさん、これは…。…あれ?」

 もうそこにはシオンさんの姿はなかった。どこかに隠れてしまったようだ。幻覚をみてたってわけじゃないはずだが、そんなスピードで隠れるなんて、一体どんな恥ずかしいことが書いてあるんだろう。本当に…ラブレターか…?

「まぁ…開けてみるか…。…ん?」

 手紙を見ると蝋で封がしてあり、よく見るとアリスのペンダントに描かれてたものと同じ王家の紋章だった。

 …王様からの手紙か? …それとも、アリスからか?

「なになに…。アル殿へ…まず始めに謝っておく。本当にすまない…。本当にすまない…。本当にすまない…」

 なっ、なんだ、この謝罪文は…。

「今、これを読んでいるということは船が出航しているのだろう。本当にすまない…」

 …なんなんだ、この手紙? 謝ってばかりだぞ…。まぁ、続きを読むか…。

「えーと…。…アル殿に頼みがある。本当に申し訳ないんだが、私も寝ずに悩んだ末の決断なのだ。もし、どうしてもダメなら断ってくれても構わない…」

 それで顔色が悪かったのか…。…って、事は差出人は王様か。でも、決断って…。…一体、なんの話なんだ?

「えーと…。アリスを旅に連れてって…。なにっ!? アッ、アリスを…アリスを旅に連れてってくれだと!? …たっ、旅に連れてってくれ。…宜しく頼む。…本当に宜しく頼む。…なっ、なんなんだよこれ!? …って事は、もう乗ってるのか!?」

 

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