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【長編連載中】クソスキルのせいでハードモードでニューゲームしたref 〜人生はクソゲーの連続だ!〜  作者: 九楽
第三章 麗しのエルフ王国編

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第七十五話

 …おっ! いたいた。

「シルフィー、こっちにきてたんだな」

 アリスに念押した後にプレイデッドを発動すると、自身の身体を見ていたシルフィーは驚いた様子で振り向いた。

「びっ、びっくりした。…ええ、私も生き返る手かがりがないか調べてるの」

「ところで、シルフィー…。少し残念な話があるんだが…」

「…どっ、どうしたの!? まさか、宝具がなかったの!?」

「いや、そもそも祭壇なんてものは、エルフの王国には存在しないみたいなんだ…」

 シルフィーは触れそうなくらいグイッと近づいてきた。まぁ、幽霊なので触れることはできないが、ドキッとはする。

「そんなはずないのに!」

「一体、誰に聞いたんだ?」

「誰って…おばあ様よ…!」

「その、おばあ様は誰に聞いたんだ?」

「おばあ様が実際にいったのよ! だからそんなはずないの! …あるのよ。嘘なんかじゃない! 絶対っ!」

 この表情は何度見ても苦手だ。僕はしゃがみ込み、力なく崩れたシルフィーを慰めた。

「シルフィー…別に嘘なんていってないだろ? 君の話を信じてるから会いに来たんだ…。……君に聞きたいことがある」

「……聞きたいこと?」

「ああ…。君のおばあ様は、もしかして…空間系の魔法が使えたんじゃないかな? それもかなり凄い…」

 僕はシルフィーに核心をつく質問をした。シルフィーはなんの事かわからず、ポカンとしていた。

「ええ、そうよ…。私も少しだけ使えるの…。逃げるのに役立つ程度だったけど…。でも、それがなんの関係があるの?」

 ふっ…やっぱりか…。

「大有りだよ。君のおばあ様は誰も知らないエルフの王国のどこかにある…勇者が眠る場所への扉をカギを使わずに入ったんだ」

「まっ、まさか、勇者のおとぎ話の!?」

「ああ…。その通りだ」

「そんな…信じられない…」

 よし…。これで点と点が線で繋がった…。

「…じゃ、俺は戻るよ。…シルフィー…諦めてないからな!」

「ええ…。ええ、そうね! 勇者のおとぎ話に驚いちゃったけど、私も諦めないから!」

「その意気だ!」



 僕がプレイデッドを解除すると、アリスはとてつもなく驚いていた。僕の体をガサガサと揺らして、耳元で大きな声を出している。まあ…急にバタッと仮死状態になるのだから、当たり前か。

「…アッ、アル!? だっ、大丈夫なの!? 急にぐてっとして、しっ、死んじゃったようになるし…。…ほっ、本当に大丈夫なの!?」

「多分、大丈夫だよ…」

「多分って…」

「…まあ、厄介なんだよ。このスキルは…。…ところで、お願いがあるんだけど、この部屋で少し待っていてくれないか?」

「ええ、いいけど…。…どこかにいくの?」

「…いや、教会内にはいるんだけど、シルフィーさんを誰か見てあげてた方がいいだろ?」

「確かにそうね!」

「…すぐ戻るよ。じゃ、よろしく頼む…!」



「おーい。かみさま〜…」

「……」

 僕は部屋をでて、銅像があるフロアにつくと神様を呼んでみたが、反応がない。聞こえなかったのだろうか? 僕はもう一度呼んでみると、返事はしてくれるが、なんだが様子がおかしい。

「…かみさま〜聞こえてるー?……」

「…どうしました?」

 …なんか冷たくないか? まあ、顔が見えないから声のトーンでしか判断できないけど…。

「神様、お願いがあるんだけど…。空間系の魔法ってもらえないかな?」

「…すいませんが、無理です」

「…なあ、頼むよ。…お願い!」

「しつこいです! ダメったらダメなんです!」

「そっ、そんなに怒る事ないじゃないか!」

 僕は神様の態度に怒って銅像に文句を言うと、神様の声は元気がなくなり、怒鳴っていた声は消えて静かになっていった。

「すっ、すいません。そう…そうですよね……。私が巻き込んだのに…。…やはり、あなたには本当の事をいおうと思います」

「…ほんとの事?」

「あなたが倒した黒い魔物…。あれは悪魔の一部です。恐らくですけど…」

「えっ!? …じゃあ、あの六つに別れたっていう悪魔の一部なの?」

 信じられない答えに驚きながらも、僕は銅像をじっと見て神様の返答を待った。まさか、魔物の次は悪魔を吸収しているなんて…。

「…それはわかりません。…ただ、説明がつかないんです」

「…説明?」

「はい…。私の恐怖の感情…。それがなにか考えると…それしか思いつかないんです」

 神様が怖がるとしたら、悪魔ってことか…。

「なるほど…。空間系魔法を渡すと、この世界から自由にでれる可能性があるから渡せないってことか…」

「はい…」

「神様…。……正解だよ」

「すみませ……。…はえっ!?」

 僕の答えが予想外だったのだろう。間抜けな声をだして驚いていた。僕は淡々と過去の思い出を話した。

「…ゲームにおいて重要な点が一つある」

「はい…」

「…それはサブキャラクターの冷静な判断だ。例えるなら、旅の途中で一目惚れしてパーティーを抜けだすようなやつは最初からいらん!」


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