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【長編連載中】クソスキルのせいでハードモードでニューゲームしたref 〜人生はクソゲーの連続だ!〜  作者: 九楽
第三章 麗しのエルフ王国編

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第六十四話

 昨日は疲れてよく見てなかったが、先が見えないかと思うくらい長い長い廊下が続いていた。僕は適当に歩き、一番近くの大きな階段を降りた。そこは、大きなフロアになっていて絵画が書かれた天井がとても煌びやかだった。

「…すごいなー。…ん?」

 周りにはメイドや執事が忙しそうに仕事をしていたが、こちらに気づき一人のメイドが僕に近づいてきた。

「…あの? アル様ですか?」

「…アル様? いや、まあ…アルだけど…」

「やっぱり、アル様!」

 僕がそう答えると他のメイドや執事も仕事を放り投げて、わさわさと集まってきた。一体、何事だろう。

「どっ、どうしたの?」

「みんな…あなたに治してもらって感謝しているのです。本当にありがとうございました」

「いや、いいって…」

 僕は右手を軽くあげてどこかに移動しようとすると、目を輝かせてメイドは進行方向に立った。まだ、なにかあるのだろうか。

「ところでなにかご用でしょうか?」

「いや、お城内を少し散歩しようと思って…」

「そうですか…。それは危ないですね!」

「えっ!? 危ないの?」

 僕は予想外の答えに驚いて大きな声をだした。まさか、城内はトラップだらけだとでもいうのだろうか。

「はい。私が案内致します」

「ずるいぞ!」

「私だって案内したいのに!」

「公平に決めろー!」

「そうよ、そうよ!」

 目の前のメイドがそう答えると、他のエルフ達が騒ぎ立てた。どうやら、僕を誰が案内するかで揉めているようだが、何故こんなに盛り上がっているのかわからない。

「あの? どういうことですか?」

「みんな…あなたを案内したくてたまらないのです。すいません。少しお待ち下さい…。三分で片を付けます」

 目の前のメイドが高く腕を上げるとジャンケン大会が始まった。しばらくすると勝者が決まったようだ。敗者達は悔しそうな顔をして仕事を始めだした。



「…で、君が勝ったの?」

 勝者は最初に近づいてきたメイドだった。遠くに見える敗者達はこれでもかってくらい、僕に手を振っていた。僕は軽く手を振ったあと、彼女の方を見た。

「はい!」

「強いんだね…」

「私…こういうときに負けたことないんですよ。運がいいというか…なんというか…。はははっ…」

「……そういえば、怪我は大丈夫? …確か…足だったよね?」

 よく見ると、最初に治したエルフだ。珍しい紫っぽい長髪のエルフだったので印象に残っている。

「はい! 覚えてくれたんですね! アナスタシアと申します」

「綺麗な名前だね…」

「…綺麗だなんて……。そっ、そうだ…。…案内ついでに…少し私の部屋まできてもらえませんか?」

「…君の部屋に?」

「私の足を見てもらいたいんです…」

 そういえば…フルスキルフルにする前だったし、なにか失敗したのかもしれない。

「わかったよ」

「本当ですか!?」

「ああ…」

「では、案内します」



 まず一階に連れて行かれた。ここは、兵士達がニ階よりも多く立っていて、その内の一人が僕に気付くと走ってやってきた。

 …俺、悪いことしてないよな……。

「アルさん…。昨日はありがとう」

「ええっと…君は?」

 戸惑いながら問いかけると、彼は急に僕の手を握ってきたので、捕まったのか思ったが、そうではなかった。

「…一緒に飛んだだろ?」

「…ああっ! …君か! 顔が見えないから誰かと思ったよ」

「今から訓練でね。…やべっ! もう始まるみたいだ。いかないと! 本当にありがとう!」

「どういたしまして」

 彼は走っていき隊列の最後尾に並ぶと、隊長らしき人物に頭を殴られ鉄兜が綺麗に一回転したので笑いそうになった。

「さて、次はどこを案内してくれるの?」

「次は貴賓室です」



 そこは見たこともない豪華な部屋で高そうな絵画や銅像が置かれていた。僕はじっくりとそれらを見てみた。芸術なんてよくわからないが、すごそうな感じはした。

「…すごい」

「国宝に指定されているものもあるんですよ」

「へぇ…」 

「では、次は少し遠いところになりますが、庭園をご案内致します」



 庭園につくと見たこともない木々が綺麗に並んでいた。中央には白いテーブルと椅子が並んでいる。

「お花見とか楽しそうだな」

「はい、ここは王家の方がそういった目的で利用されるのです」

「ほんと、さっきからすごいしかいえないな」

「次は、その少し寂しい所になるのですが、私の部屋です」

「いいよ。行こう。メイドさんの部屋見てみたい」

 …一番興味がある。

  奥の通路を渡り二階へあがると、ホテルのような感じで沢山の部屋があり、更にしばらく歩いていくとアナスタシアと書かれている扉の前があった。



「ちょっとだけ待ってくれますか? 五分でいいので…」

「わかった。景色でも見て待ってるよ」

 …ん? あれは…シオンさんか?

 外を見るとさっきの兵士達が訓練をしていた。シオンさんは木刀を持ち兵士達に強烈な連撃を繰り広げてていた。

「うわっ、すごっ…。なんであんな動きができるんだ…」

 シオンさんは十メートル近くジャンプし、水系魔法で連続攻撃していた。兵士達も負けておらず、各役割分担がうまくいっているようだった。



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