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【長編連載中】クソスキルのせいでハードモードでニューゲームしたref 〜人生はクソゲーの連続だ!〜  作者: 九楽
第三章 麗しのエルフ王国編

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第六十三話

「…なんだ? 違うのか?」

 アリスの方を見ると顔を真っ赤にして全力で否定していた。これ以上巻き込まれるのはマズイと思い、僕も全力で否定した。

「お父様っ、ちっ、違うわよ! 私と彼はそういうのじゃないの! この前からいってるでしょ! 友達よ、友達!」

「そうですよ。友達です! …友達!」

 …全く、王様も早とちりだな……。

「そっ、そうか! 友達か…。まぁアル殿、アリスをよろしく頼むぞ。さて、こんな所ではあれだ。…大臣、わかっているな?」

「はい…。それではアル殿、こちらへ…」

「……眠いから…もう一晩くらいここでも…。今なら…すぐに…眠れ……そう……」

 再び横になろうとすると、アリスは僕に近寄り肩を掴んだ。そして、またキンキンと目覚まし時計のような声で僕を起こした。

「なんで寝ようとするのよ!」

「眠いからだよ…。もう、片付いたし…いいじゃないか…」

「よくないわよ! …もし、このままアルが寝たら……」

「…寝たら?」

「……みんな一晩中ここにいることになるかもしれないわね。反省の意味も含めてね……」

「……わかったよ」

 ぱっと見だが、百人はいそうだ。流石に申し訳ない気分になってきた…。僕は体に鞭を打って立ち上がり、大臣とアリスについて行った。




「…では、ごゆっくりしてください。アル殿、それでは…」

「…すごいな」

 連れて行かれた所は、とんでもなく豪華な部屋だった。まあ…今はそんなことはどうでもいい。僕はすぐさま部屋に入ると、置いてあったパジャマに着替えてふかふかのベットに入った。

「わっ、私がいるのに急に脱がないでよ」

「なんだ、まだいたのか? ごめん、ごめん…。魔法の使いすぎで眠いんだ…。…おやすみ」

「でも、本当に助かったわ」

「まぁ気にするなよ」

「ううん、感謝しきれないよ。本当にありがと…。シオンさんにも明日、お礼いっとかないと…。あの黒い魔物を倒してくれて本当に助かったわ」

 …シオンさんが倒した? …まあ、どっちでもいいか。

「そうか。よかったな…」

「じゃあ、灯り消すね?」

「ああ…。…おやすみ」





「ふぁああ〜。よく寝た…。でも…変な夢だったな…」

 僕はカランカランという鐘の音で目が覚めた。気持ちの良い朝だが、変な夢のせいで少し微妙な気分だ。まぁ…色々あったからだろう。羽の生えた化物が世界中の生物を喰い散らかし、最後には死の星へと変え、光の中に消えていった。こんなクソゲーやったような…やってないような…。そもそも…そんな夢…見たような…見てないような…。

「んっ、おはよう…」

「う~ん…。おはよう、アリス…。…って、なんで俺のベットで寝てるんだ!?」

 僕はアリスからさっと離れ両手をあげて、なにもしてないアピールをした。周りをみると誰もいなかったので一安心した。

「…えっ? ダメなの? 宿屋じゃ一緒に寝てたじゃない?」

 アリスの方を見るとピンク色のパジャマを着ていて可愛らしかった。…と、そんなことを考えてる場合ではない。僕は少しアリスから距離を取った。

「いや、あれは部屋が一室しかなかったから…仕方なくだな…」

「でも、ボディーガードでしょ?」

「いや、まあそれはそうなんだけどさ…。色々勘違いされるかもしれないだろ?」

「勘違いってなに?」

「…いや…なんでもない。…さてと、もう城からでてもいいんだよな?」

「えっ!? もうどっか行っちゃうの!?」

「まだ、もう少しいるよ。…あっ! そういえばアリス、ペンダントありがとう。凄く助かったよ」

 僕は首にかけていたペンダントを持ってアリスに見せた。アリスは心なしか元気がなさそうだったが、僕がお礼をいうとニコッと笑った。

「どう致しまして…。気に入ってくれた?」

「ああ…。凄く綺麗で…いいペンダントだ…。でも、高かったんじゃないか?」

「いいのよ…。迷惑かけちゃったし…」

「えっと……。…とっ、ところで、ちょっと城の中散歩してきてもいいかな? こんな所初めてで…」

 僕はゲーマー魂に少し火がついていた。異世界のお城なんて、見とかないと帰ったときに絶対後悔するだろう。

「もうっ! まぁいいけど、あの時計が九時になったらご飯食べに行くからね!」

 アリスは窓の外にみえる僕達が捕まった時計台を指差していた。今はちょうど七時だ。

「オッケー。アリス…着替えるから、悪いんだけど…そろそろでていってくれない?」

「りょーかい」

 アリスが部屋を出ていったのを確認すると、僕は着替え始めた。三十秒もあれば十分だ。僕がササッと着替えて、部屋の外で歩いていたアリスに呼びかけると、口を広げて呆れていたようだった。

「じゃっ、また後でな」

「はやっ…。男の人っていいわよね。着替え早くて…。私、ドレス着るだけで一時間以上かかるのに…。はぁー…。私もさっさと自分の部屋に戻ろう…」

「エスコートしようか? お姫様?」

「いいわよ。あっ、そういえばシオンさんがあなたに会いたがってたわ。なにか用事があるみたいよ」

「シオンさんが? なんだろう……」

 ボディーガードの件かな…。それとも、アリスの件か…。

「うーん…。わかんない…。なんか少し機嫌が悪そうだったけど……。気のせいかしらね…。じゃ、九時だからね! 忘れないでよ」

「わかってるって…」

 僕が返事をするとアリスは自分の部屋に帰っていった。僕はさっきの言葉が気にかかり、顎のあたりを触りながら少し考えてみた。呼ばれるような心当たりはいくつかあるけれど、機嫌が悪くなるようなことはしてないはずだ。

 うーん…。そういえば、牢屋でなにかいいかけてたな…。もしかして…その件か…。うーん…。まあ…直接会って聞くのが早そうだ。

「さて、探検にいきますか…」




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