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【長編連載中】クソスキルのせいでハードモードでニューゲームしたref 〜人生はクソゲーの連続だ!〜  作者: 九楽
第二章 憧れのギルド編

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第五十一話

 僕達は集合場所である街の外の大きな木がある場所に向かった。軋んだ音のする扉をくぐると、確かにこの辺で生えている木の二倍から三倍程度だろう。大きな木の下に人が立っている姿が見えた。シオンさんはすでに待っているようだ。早く行くべきだけど…その前に……アリスにいわなければならないことがある。

「なあ、アリス…」

「なに?」

「…ごめんな……」

「えっ? なっ、なにが!?」

「…詳細は…今度…やんわりと教えるけど先に謝っておくよ。その時に殴っていいからな…。…ごめんな」

 僕は一応、昨日の見てはいけないものを見てしまった件について謝った。アリスはなんのことか、当然わからないので気味悪がっていたが…。

「だからなにがよ! 恐いんだけど…」

「まあ…その話は……おいおい……。……ところで話は変わるんだけど、アリスって何歳なんだ?」

「やっ、藪から棒ね…。…十六歳だよ」

「千十六歳とかではなくて?」

「なによ…その化物…。普通死んでるでしょ」

「そうなのか? エルフって長寿なイメージがあったんだけど…」

 あくまでゲームのイメージでいえば、僕は閉鎖的な長寿の美形集団ってものを想像していた。どうも美形ってところ以外は違うようだ。

「まぁ、スッゴい大昔の伝説上のエルフはそんなに生きたってこともあるらしいけど…。…今は本当に長生きして、百ニ十才くらいじゃない?」

「なんだ…。人間より少し長生きするくらいなんだな」

 アリスのほうを見ると少し耳が赤くなっていた。特に変な事をいったつもりはないんだけど…。

「まぁ、進化というか退化というかは微妙なとこなんだけどね。その…なんていうかな。種族を残す為に、長寿はなくなったといわれてるわね。…私も詳しくはしらないわよ!」

「…別に長寿は関係なくないか?」

「……うーん。昔話を信じるなら…昔のエルフって植物に近い感じだったのかもね…」

「…昔話?」

「…こんな昔話かあるの……。えっと…昔…昔…あるところに……。……忘れちゃった……」

「おっ、おい…」

 僕はガクンと肩を落とすと、アリスは舌をペロッと出して笑っていた。話が始まってもいないところから忘れているアリスの記憶力は大丈夫なのだろうか…。僕が心配そうな目をして見つめていると、アリスは勘づいて声を上げた。

「結構…難しい話なのよ! 設定とかすごい複雑で…」

「…アリス…今日の朝ご飯覚えてる?」

「…えっ、えっと………。……ベーコンエッグ……みたいにされたいの?」

「…じょっ、冗談だよ……。ちょっと…疲れてるか心配したんだよ」

「ふーん…余計なお世話よ…もう…! それに……最後はちゃんと覚えてるわ…」

「…なんで最後だけ?」

「…昔…いうこと聞かないときに聞かされたのよ」

「…効果は限定的だったみたいだな」

「そうね…。試してみる…?」

「いっ、いや、話の続きを…」

 アリスが魔法を放とうとしたので、僕は両手を真横に振った。アリスは大きなため息をつき、歩き出した。

「はぁ…。……こうして…世界は救われ、呪われたお姫様は永久の時をたった一人で生きることとなりました。めでたし…めでたし…」

「…どこが…めでたしめでたしなんだよ。…お姫様が、可哀想じゃないか……」

「…お姫様は悪いエルフだったのよ……。世界を混沌に沈めようとした悪い悪いね…」

「……混沌に…」

「……変なこといったら、わかるわよね」

「わっ、わかってるよ…」

「わかればよろしい…」

 

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