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【長編連載中】クソスキルのせいでハードモードでニューゲームしたref 〜人生はクソゲーの連続だ!〜  作者: 九楽
第二章 憧れのギルド編

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第四十七話

 あれから、アーデルに連れられて、僕は闘技場で何度も戦い、何度も負けた。だが、負けるたびに振り出しに戻る。アーデルに助けられたときから、再スタートだ。体感では一ヶ月以上が過ぎていたが、彼女がいうには現実世界ではまだ一分もたってない夢みたいな感じらしい。僕はポップコーンを食べながら、コーラを飲んで、次の対戦相手を見ていた。どうやら、次も斧使いみたいだ。こいつに勝てば決勝だ…。僕らの対戦相手が…。

「もう…戦いたくない……。あんなやつに…どうやって……」

「…どうしたのよ。そんな顔して…。…逆境こそ…笑いなさい。ほらこうやって…」

「…お前…最初とキャラ変わりすぎだろ……」

「…それならあなたもでしょ。…黒騎士さんだったかしら?」

「…おっ、俺は仮の姿だからな…!?」

「はいはい…。…ほら来たわよ」

「…アーデル……。…あいつらが負けることはないのか?」

「…どっちが?」

「…あっちのだよ」

「百パーないわね…。…はい、もう勝った」

「なんで俺を連れてきた。変身もできないのに…。…知ってたんだろ?」

 元の世界もゲームみたいな世界だったが、この空間は本当にアーデルの言う通り、別のゲームだと考えたほうがいい。ステータスが発動できないのだ。ステータスが発動できなければ、黒騎士になることもできない。唯一、神様からもらった装備が役に立つくらいだ。

「そうね…。まあ…あなたを連れてきたのは別の目的があるのよ」

「…ふーん……。目的ね……」

「……」

「……どうかしたのか? ボーとして……」

「…昔はね……。…私もお姫様だったの…」

「……笑うところか? …おっ、おい…やめろ! …ぐはっ!」

 お腹の形が変わるかと思うくらい思いっきりぶん殴られた。ポップコーンは散らばって地面に落ちたかと思ったが、フワフワと浮いて彼女の口の中に入っていった。彼女は美味しそうに食べると、目の前に画面ようなものをだした。

「…こういう出だしなの? …続きを話しても?」

「…どうぞ……」

「……やっぱり…やめたわ…」

「なんでだよ!」

「貴方に話をしても仕方ないからよ。……遠い昔の呪われたものの話をしてもね…」

「…呪われたもの?」

「…この世界は全て作りもの。でも…貴方がゲームみたいな世界だったと感じたあの世界も現実だけど、そんな世界なの……。全てをヒトという生物の楽園にするためのね…」

「……」

「……しいていうなら、貴方が針を持ってるからかしら…」

「…なんの話?」

「…あなたをここに連れてきたかった理由よ」

「…剣しか持ってないけど?」

「……まあ…そうね。そろそろいくわよ…」

「ああ…」

 なんかものすごくガッカリされてしまった。僕の知らないうちにバッグの中にそんなものが入っていたのだろうか。でも、仮に入っていたとしても、針がなんの役に立つっていうんだろう。うーん…わからない…。

 僕はそんなことを思いながら、アーデルと二人で暗がりの階段を降りていき、松明の灯りを頼りに歩いていった。



 僕は闘技場の戦闘エリアに入る前にアーデルに声をかけた。なぜ急にこんな話を振ったのかは自分でもピンとこない。…まあ…なんとなくってやつなのか?

「……なぁ…なんで悪いやつになったんだ?」

「……どういう意味?」

「…なんか不思議なんだけど……聞いてみたくって…」

「…さぁ…なんでかしらね……。…周りがもっと悪いやつだったんじゃない?」

「そっか…」

 なんかへんな気持ちだ…。高揚感と虚脱感が交差する…。

 僕は心臓のあるあたりを鷲掴みにした。鼓動が少しずつ、大きくなっているのを感じる。

「…どうしたのよ」

「なんか…おかしいんだ…。お前の事を考えると……胸が熱くなる…」

「……わっ、わたしに惚れてるの!? ……やめてよね…」

「ちっ、違うわ! でも…なっ、なんかこう…説明が難しいんだけど……。…そう…なんていうか…。その…会いたかった……」

 …会いたかった?

「…なにいって……」

「……久しぶり…だな」

「…あなた…誰?」

「…忘れたのか?」

「……まさか…そんな…うそよ…そんなことって!?」

「…後悔はしていない。だが…あぁ…ずっと……あいたかった……。私の…俺の…俺の?」

 …僕は…今…なにをいってるんだ?

 妙な言葉が浮かんでくる。この世界のせいだろうか。意識のレベルがドンドン下がるのを感じる。なんだか今度は急に眠くなってきた。あまり話が頭に入ってこない。

「……貴方はもう……なさい。でも…私も…」

「…アーデル…君は罪を背負……。私が…贖罪を……」

「あなただけじゃない…。…私も……いたのだから…。それよりも…」

「…わかっている。…私達で償いをしょう」

「…じゃあ、手伝ってくれる?」

「ああ…!」



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