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【長編連載中】クソスキルのせいでハードモードでニューゲームしたref 〜人生はクソゲーの連続だ!〜  作者: 九楽
第二章 憧れのギルド編

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第三十六話

「…どうですか?」

「まっ、間違いなく…本物です。…すっ、すいませんでした」

「謝らないでください。お姉さんが優しさでいってくれてるのはわかりましたから…」

「そういってもらえると助かります。…それより、この封筒はなんなんですか?」

「博士…。いえ、クエストの依頼者が受付に渡せっていってたんですけど…。…僕も中身は知らないんですよ。中身見るなっていわれて…」

 受付のお姉さんは白紙の封筒を開けて中の手紙を取り出して、読み始めると口がどんどん開いていき、固まっていた。もしかして、こっちには苦情でも書いてあるのだろうか。…コーラ…持って帰りすぎたかな……。

「…なっ!? ごっ…ごっ… 」

「…ごっ? …どうしたんですか?」

「…すっ、すみません。…ととととっ、取り乱しました」

「なんて書いてあったんですか?」

 手が震えて明らかに様子がおかしい。…やばい内容なのか?

「おおおっ、驚かないで聞いてください。…あっ、貴方に専属の契約がきています」

「…専属?」

「あっ、貴方には関係のない話だと思っていたので、説明しなかったんですが…。これはギルドに所属している人の仮の口座にお金を預けてもらうと優先的に依頼できるというものです」

「へぇ…」

「細かい点は置いておきますが、こっ、この、仮の口座にはお金が入っているんです。たった一回の依頼をこなせば正式に全てのお金がひきだせるようになります…」

「なるほど…」

「いっ、いま、貴方の仮の口座には…ごっ、ごっ、ごっ、五百億ギル振り込まれています」

「へぇ……五百億……」

「…そっ、それだけですか?」

「…でっ、でも、そのとんでもないクエストが成功しないと使えないんですよね? だったら、そんなお金なんてないようなものだし…」

「…一回クエストを受ければ、成功…失敗に関わらず…着手金として…その時点の口座の二十パーセントが自由に使えます」

「……」

 ゲームで昔…裏技を使って所持金増やしたなあー…。

「受けるだけでいいんです…。うっ、受けてください!」

「…まっ、待ってください! …おっ、俺だって、混乱してるんです!」

 …こっ、これは、異世界豪遊ハーレム計画に移行できるんじゃないのか!? …いっ、いや、ダメだ! ゲーマーの感覚が告げてる…。確かに冒険に金は大事だけど、ここまでの大金を受け取れば絶対にクリアできない。…というか遊んでしまうと! 

「悩む必要なんてありません! こんなチャンス…二度とないかもしれませんよ!?」

「……」

 たっ、確かに…。こんなチャンスは二度とないかもしれない。でも、待てよ……。ハーレムって…。バカバカしい…。よくよく考えれば、この僕が…ゲーマーである僕が三次元女子に敗れるというのか? ふっ…。ありえないじゃないか…。

「お姉さん…。ちなみになんですけど…。僕の事どう思いますか?」 

 …物は試しだ。…一応、この可愛い受付のお姉さんで確認しておこう。僕の意思が強ければ受け取ろう。…余裕だろうがな。

「…とっても格好よくて素敵だと思いますよ。…ちょっとだけ、ご飯連れてってほしいなとかって思ってます」

 …めっちゃかわいい……。

「……」

 …一撃じゃねえか! ダメだ…。完全にダメだ…。今のでわかった…。俺は意思がかなり弱い…!

「どうしました?」

「…すみません。保留でお願いします…」

 …断りきれなかった……。

「そっ、そうですよね! 急にご飯とか無理ですよね!?」

「いえ、そっちではなくて専属の件です」

「そっ、そっちですか!?」

「おっ、お願いします。僕の顔を見て…いっ、色々と察してください。僕も本当に辛いんです」

「…わっ、わかりました」

「でっ、では、今日は帰ります…」

「…あっ! 待ってください」

 僕が宿屋に帰ろうとすると受付のお姉さんが突然呼び止めてきた。なにか忘れ物でもしているのだろうか? 

「…なんですか?」

「…そういえば、あの人に聞けばなにかわかるかもしれません」

「…えっ? なにがですか?」

「世界の異変についてですよ! あの人は世界中を旅してますからね…」

「そんな人がいるんですね」

 なるほど…そんな人が…。もしかしたら、なにか手がかりがつかめるかも知れないな…。

「はい…。彼…はトップクラスの実力者なんです。…ところで話は少し変わるんですけど、何故か彼も貴方と同じようにステータスを非公開にしてるんですよ…。…なんでだと思います?」

「うーん…。やましい事でもあるんですかね?」

「やましいって…。…あっ、あなたもあるんですか!?」

 受付のお姉さんは席を揺らして立ち上がった。その反動で椅子がガタッと倒れ、僕は力の抜けた変な声を出してしまった。


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