第二十四話
僕は脱衣所に入ると、パパッと服を脱いで、コーラでしみる目をなんとか開けて浴室に入った。そして、シャワーのヘッドを手に取りシャワーを浴びようとした。
「…ん? 蛇口がない…。…っていうか、ホースがついてない…。…これ…シャワーじゃないのか?」
どうやって…こんなもんでシャワーを浴びろと…。クソっ…魔法でも使えってのかよ……。いや…そうか…魔法か…。
僕は水魔法をシャワーヘッドの中で発動した。すると、とんでもない勢いで水がでてきた。
「なるほど…」
シャワーがでてきた…。だけど冷たいな…。暖かくならないのかな?
「…あれ? なんか暖かくなってきた…。気持ちいい…」
「すごいな…」
一つ分かった事がある。この世界の機械の文明が遅れてると思っていたが、魔法でなんとでもなるから育たないのだ。むしろ、魔法文明が優れすぎている。
「…ん? …なんだこれは?」
ふと、下を見るとピカピカとなにかが輝いていた。何かの灯りかと思っていたが、どうやら違う。
まさか…まさか…これは…光の輪が…光の輪が…僕の大事な…大事なとこに…。
僕は怒りにふるえ、タオルで全身を吹きドライヤーのようなもので風魔法を使い頭を乾かしバスタオル一枚腰に巻きアリスの帰りを待った。
「ただいま…って!? なっ、ななななんでバスタオル一枚でいるのよ!」
「…早く!」
「…えっ!? ななっ、なにが!?」
「早く買ってきた服をくれ! 早く!」
「あっ、そっ、それね…。これでいい?」
青と白の半袖に灰色のズボン、普通の服だった。僕は上着を脱ぐと、アリスはくるりと後ろを向いた。
「ああ、これでいい。悪いが後ろを向いてくれ」
「ごめんなさい。その…そんなに怒ってるとは思わなくって…」
「いや、勘違いしなくていい。アリスが原因じゃない。俺はコーラを顔面にぶっかけられようが、大抵の事は許せる…。だが、やつは越えてはならない一線を越えたようだ…」
「や、やつ?」
「ああ…神だ! 教会にいってくる!」
「ええ…。よくわからないけど、服洗っとくからね」
「ああ、助かる」
僕は全速力で教会へ向かった。このまま一晩過ごすなんてゴメンだ…。完全に閉まる前に急がなくては…。
「おお、君は先ほどの…。探していたんだよ」
教会の扉をドンドンと叩こうとしたが、よく見ると隙間から光が漏れている。鍵は閉まってないようだ。
「よかった…。間に合った…」
中に入ると信者らしき人が数人いて、一番奥にいる司祭は僕を見つけると駆け寄り話かけてきた。僕は片膝を地面につき、それっぽい感じでお願いした。
「司祭様、お願いがあります。少しの間この教会の中で一人にさして下さい。神が望んでいます」
「おお、神が…わかりました。みなさん外へでましょう」
司祭様は、中の人達を先導し連れ出してくれた。そして、扉が閉まったのを確認すると僕は叫んだ。
「…このポンコツ神がぁあああ! でてこいやぁああああ!」




