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クソスキルのせいでハードモードでニューゲームしたref 〜人生はクソゲーの連続だ!〜  作者: 九楽
第一章 はじまり

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第二十一話

「でも、勇者がいたんなら、俺よりその勇者の子孫とかに助けてもらえばよかったじゃないか?」

 ゲームとかだってそうだし…。…ん?

「………」

 そこまで難しくはないと思った僕の質問に神様はしばらく黙り込んでしまった。僕は聞こえなかったのかと思い、無意識に女神像に向かって話すつもりで銅像の方を見ると、信者たちが花の輪っかを銅像の手にかけて何か願っているようだった。

「……どうしたんだ?」

「いえ…。それがもう…いないんです。勇者や勇者の末裔は…。全て滅びました…」

「滅んだって…。…滅んだ? まさか、神族って…」

「…はい。その通りです。彼らはただの人、神ではありません。神族とは私に選ばれた勇者の末裔達とその関係者のことです。彼らは勇者という大きすぎる力に飲み込まれてしまったのです」

「なら、力を消せば…。どちらにしても同じか…。それに彼らがいたから均衡状態が保たれて平和だったって…。全く今みたいな状況だな…。正解でも不正解でもない…」

「はい…。今でもなにが正解かはわかりません。ですが、勇者様がいなければ、既にこの世界は死の世界になっていたでしょう…」

 もしかしたら、RPGでお約束の展開って可能性もあるな…。

「例えば…今回のラスボスは、その勇者が倒したラスボスの生き残りとか…その線はないのか?」

「それはないと思います…。…あれやその残骸は完全に消えました…」

「ないのか…。…ん? …あれ?」

「…この世界を作ったものです」

「…神様?」

「わっ、私じゃないですからね!? 私は残骸のほうです」

「へー…残骸って…。…えっ!? ラスボスの仲間!?」 

 椅子がガタンと揺れて辺りを恐る恐る見渡すと、視線はあまり感じない。教会がそろそろ閉まるのかもしれないが、少しづつ人が減っていた。

「まあ…そうなります。私自身は独立していたので自覚はないんですけどね…。そんな私が言うんですから間違いありません」

「…なら、間違いないんだろうな。ちなみに俺の世界も、そのラスボスが作ったのか?」

「…そうなります。ただ、あなた方の世界は魔法という概念がなくなっています。ですから、貴方が仮に元の世界に帰ってファイアーボールと唱えてもマッチほどの火もでません」

 …なかなかすごい話だ。

「…パラレルワールドってことか……。でも、こっちの世界は元の世界と比べてパラレルワールドにしては、あまりにも変わりすぎてないか?」

「…勇者様が色々と考えた結果こういう世界になったのです」

「世界を改変させたのか!?」

 スケールがでかすぎて話が入ってこないぞ…。

「まあ…そういう意味では、あなたの世界も改変されています。後はあなたの世界では早い段階からラスボスが倒されちゃっていなかったってことぐらいですかね…」

 …パンクしそう……。つまり、世界を改変したってのと、ラスボスを早く倒したから大きく未来が変わったってことか…。

「…なんとなくわかった。まぁ、神様の話を聞いてみると、やっぱりしばらく冒険してみないと…わからないってことか…」

「……嫌な思いをさせて本当にすみません」

「…ん? なんで謝るんだ? 大変だったけど、そんなに嫌な気持ちじゃない」

「……戦った敵は人型ではなかったのですか?」

「いや、人型だったぞ?」

 …どうしたんだ? 急に変な質問だな…。

「送り込んでいる私に言う資格はないんですが…何故平然としてられるんですか? どこかで戦いを…いえ、殺しを楽しんでないですか?」

 …楽しんでる? そんな…そんな馬鹿なことは…。いや…確かにそうなのかもしれない。 

 僕はそんな事を言われるまで気付かなかった自分に恐怖した。僕の中で、少しづつ白と黒の境界線がなくなっているんだとしたら……。

「……」

 最初に戦ったゴブリン、次に倒した黒騎士、そして、アーデル…。今まで戦ったのは全て正当防衛だ。やらなきゃやられてた。だけど…アーデルと戦った時はゲームみたいに心のどこかで楽しんでいた気がする。

「……君?」

「…えっ?」

 急に声をかけられて驚いたが、そこには白く長い服をきたおじいさんが立っている。格好から察するに、どうやら司祭のようだった。ヒゲがフサフサで表情は読めないが、もしかするとさっきからうるさくして、叱りに来たのかもしれない。

「…君も神の前で祈らないかね?」

「すみまっ…。…えっ?」

「…伝えたいことがあるんだろう? 人も少なくなった…。ほら、こちらに来なさい…」

 僕は優しく引っ張られると、神様の銅像のところまで連れて行かれた。司祭は袖から何かを取り出し僕に手渡した。よく見ると、さっきまでみんなが持っていた花の輪っかだった。

「えっと…これ…?」

「…ほら…かけてあげなさい」

「いや…僕は…」

「早くしないと締めてしまうよ…」

「はっ、はい」

 まぁ…いいか…。

 僕は沢山の花が背後に置かれた銅像に一応軽くお辞儀したあと、手に花の輪っかをかけた。僕は片膝をつき、両目を閉じて、声にもならないか細い声で話した。

「神様…。…聞いてる?」

「…聞いていますよ」

「………俺……おかしいのかな?」

「…私が貴方の魂を見たときはそんなことはなかったです…。今、貴方が悩んでるのがなによりの証拠ですよ…」

「でも…」

「…もし、可能性があるとしたら…貴方の裏スキルのどれかが悪影響を与えている可能性があります。…もう、裏スキルは使わないで下さい」

 裏スキルが俺の心に悪影響を与えている!? そんな事があるのか!?

「……」

「聞いてますか!?」

 でも、この先…裏スキル無しでの戦いは厳しいかもしれない…。それに…。

「……いや、使うよ」

「どっ、どうしてですか!?」

「神様…。もし、殺し合いで相手のことを思ってたら俺はすぐに死ぬと思う…」

「…それは、そうかもしれませんけど……」

「だから、正当防衛と誰かを助ける為に仕方ない時は裏スキルを使うよ。神様、ちなみに孫悟空みたいなスキルないかな?」

「…孫悟空?」

「ああ、悪いことすると頭にある輪が締め付けて痛みでなにもできなくるんだ」

「なるほど戒めですか…。あなたにはつけたくありませんが、あなたが望むなら渡しましょう…」

 そういうと神様の手にかけた花の輪っかが耀き、空中に浮かぶと金色に光る輪になり、ゆっくりと頭に降りてきた。

「………ん?」

 なんだが視線を感じる…。…気のせいか?

「…天使様じゃ。天使様がいる」

「…えっ?」

 

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