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クソスキルのせいでハードモードでニューゲームしたref 〜人生はクソゲーの連続だ!〜  作者: 九楽
第六章 孤絶のドワーフ王国編

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第百五十五話

「はぁー…」

 こんなところで、大爆発してもな…。Ⅰも使えないし……。Ⅲもかぶってるし…。ぎりぎり使えそうなのはⅡくらいか…。

「全く一つ一つがどれもこれも微妙…。そうか…。…そういえば、最初の説明に……」

 僕は自分でいったその言葉にピンときた。急いで最初の説明をもう一度みた。


 地の虚構を従え、真実となせ…か…。 


「…もしかして…そういうことなのか……」

 いや、きっとそうだ…! …でも、ここで試すのは危険か?

「うーん…」

 でも、このまま進んでも危険か…。戦力になる可能性があるのなら…試してみるか…。

 僕は全てのドゥラスロールを発動した。僕の周りには影がゆらゆらと揺れ動いている。

「まずは…Ⅰの影、これで自分自身の意識を奪う…。…これでいいのか?」

 手のひらをピストルにして、自分へ向けて影の弾丸を打ち込んだ。なんとなく感覚的なものだが、なにかが奪われた感じがした。

「さて、問題はここからだ…」

 僕はⅠの影の前にしゃがみ込み、Ⅱの影の能力を使用した。対象の影…つまり、Ⅰの影の中にいる精神体をⅡの影と入れ替える。

「…これでどうだ?」

 地面を見るとⅠとⅡの影は消え、変わりに小さな影が現れた。だが、僕の影にしては少し小さい気もする。

「少し予想と違うけど…まあいいか…。後はこいつを実体化させてエネルギーを与えれば…」

 僕が影に手を置き行動に移そうとすると、ステータス画面から声が聞こえた。

「…注意してください」

「…なんだ? ステータスか…」

「…発動すると、二度とスキルを元の状態に戻せません。…よろしいですか?」

「ああ…。どうせ…ほとんど使えないし、問題ない…」

「了解…。発動準備完了しました…。実行してください」

「よし…。じゃあやるか…」

 …これで…できるはずだ。…イメージしろ! もう一人の僕を!

 僕が力を込めると影の中に小さな光が見えた後、白煙をたてて爆発した。僕は口を押さえながら、よろよろと歩いて避難した。

「ぐっ…。ごほっごほ…。…あれ?」

 …しっ、失敗したか? いや、影がみえる…。…なにかいる?

 白煙がゆっくりと消えて、中から現れたのはとんでもないやつだった。背中に剣を背負い、右腕には白い包帯を巻きつけ、更に黒い鎖を巻きつけている。

「…ここはどこだ?」

「…なっ、なんで、子供の時の俺が……。…しっ、しかも、こいつは!?」

 間違いない…。こっ、これは…。こじらせていた時の僕だ…。

「まさか、魔界か…。…やったぞ! ふっはははは! とうとう魔界にきたのか!」

「……頼む…。コーラをやるから帰ってくれ…」

「…ん? …なんだ、お前? …まさか、敵か!?」

 黒歴史に声をかけると、赤い宝石が装飾された小さな剣を抜き、意気揚々と剣先を僕に向けた。その瞬間、いくつもの黒歴史が走馬灯のように浮かび、僕は天を仰いだ。

「おっ、俺は…あっ、相棒だ…。お前の力を借りたくて召喚したんだ」

「…相棒? 嘘をつくなよ…。お前みたいなダサいやつみたことないぜ」

 過去の自分自身をとりあえずぶん殴りたい。そんな事をふと思ったが、相手は子供だ。優しい気持ちで接するこれが大事…。大人になった僕がスマートに決めるべきなんだ。そう…思うことにした。

「……いや、本当に相棒なんだ…」

「ふーん…。…なら、俺の真の名前いえるよな…」

 僕は平常心を維持するようなんとか努力していたが、そんな事をいわれて言葉に詰まってしまった。自分が考えた名前だから覚えてはいる。覚えてはいるが…。

「そっ、それは…」

 いえない…。恥ずかしすぎていえない…!

「…ほら、いえないだろ?」

「…いや…その……」

「…やっぱり、敵だな!?」

 仕方ない…。本当に仕方ない…。

「…いっ、いえる! ………ングだ」

「……小さすぎて聞こえないんだけど…」

「いや、だから…! ………ニングだ」 

「…ねえまだ?」

 ここには誰もいない。別に大した事はない。僕は泣きそうになりながら、自分に言い聞かせた。そして…心を無にして…その名をつぶやいた。

「…ハデス・ライトニングだ……」

「なっ、なぜ、その封印されしその名前を!? 誰にもいってないのに!?」

 頼むから誰にもいわないでくれ…。一生、封印するんだ…。

「信じてくれ…。信じてくれたら、ポテチでもコーラでもなんでもやるから!」

「うーん…。でも、先生がお菓子をくれる人についていくなっていってたし…。どうしようかな…」

「…じっ、実は親戚なんだ。…似てるだろ?」

「うーん…。少し似てる気もするけど、先生があったことのない親戚は不審者かもしれないからついていくなっていってたし…」

 ……先生のおっしゃる通りです…。

「…もっ、もうなんでもいいから手伝ってくれ! 世界の危機なんだ!」

「せっ、世界の危機だと!?」

 少年はなんともいえない顔で、ジーっと僕の方をみて首を傾げていたが、僕のそのセリフにキラキラと目を輝かせた。その曇りのない目をみながら、黒歴史を再び思い出していた。

 そうだ…。僕はそういうやつだ…。早く思い出していれば、あんな恥ずかしい名前をいわなくてすんだのに…。

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