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クソスキルのせいでハードモードでニューゲームしたref 〜人生はクソゲーの連続だ!〜  作者: 九楽
第六章 孤絶のドワーフ王国編

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第百五十三話

 皆は一足先に空間移動で地上に降りた。ゆっくりしてる時間はない。こっからは時間勝負だ。装備を整えた後にハッチがある部屋に急いで向かい、革手袋をもう一度しっかりとはめ直した。

「よし…そろそろ俺も行くか…。えっと…ハッチは……」

「…開けるわよ」

 スピーカーから声が聞こえてきたかと思うと、ハッチがゆっくりと開いた。僕は高鳴る鼓動を抑えながら、一歩一歩前に進んだ。

「……アリスか…。…じゃ…行ってくるよ……。こっちは任せるからな…」

「……私、頑張る…。頑張るから…!」

「わっ、わかってるよ…」

「だから…絶対…無事に帰ってきてね…。約束だよ…?」

「ああ…皆と一緒に帰ってくる…。約束だ…!」

「……うん」

「じゃあ…行ってくるよ…。…フレースヴェルグ…発動!」

 僕は風を纏いながら、船から勢いよく飛び出し、穴の上を目指して飛んでいった。辺りは空も海も大地も黒く染まり、この世の終わりという言葉が相応しいような状況だ。




「……MPが減らなくなったのは助かるな…」 

 ウィンディーネ様々だ。さっきから、ステータスを確認しているがMPが減っていない。

「…それにしても……」

 プテラノドンのような恐竜型ゾンビモンスターが飛んでいた。僕はそいつらの攻撃を躱しながら前に進んでいたが、何匹も飛んでいてスピードが出しづらい。

「…っ!」

 単調な攻撃だから大したことないけど…。なっ、なんだ…!?

 急に下から暗くなり、妙な生臭さを感じた。僕は明かりのある上の方を見てゾッとした。超巨大なドラゴンが大口をあけて僕を飲み込んでいたのだ。

 …こいつ、飛んでるのか!? まずい…出口が!

「…はぁ!」

「…えっ?」

 誰かの声が聞こえたかと思うと、急に景色が変わり僕は外にでていた。横を見ると、シオンさんが下を向いて剣を振っていた。

「…シオンさん?」

「油断するな…! ここは戦場だぞ!」

「すいません…。たっ、助かりました…」

 ドラゴンを地面に叩きつけたせいで、下は悲惨な事になっていそうだった。僕はシオンさんの顔をチラリと見たが、至って冷静だった。

「問題ない…。あそこにいたドワーフ達は空間移動させてる…。ここは私達に任せろ…。…そっちは任せたぞ!」

「…はい!」





 僕は急いで目的地に向かうと、あの黒い尻尾はまるで山のように重なっていた。どこまで続くかわからない穴の表面には、黒い尻尾がいたるところにへばりつき、ゆっくりとだが上を目指している。

「もし、地獄があるとしたらこんなところなんだろうな…」

 正直入りたくはないけど、仕方ない…。

「…よし、いくか!」

 僕は灯り代わりに火の魔法を発動して穴の奥へと入っていった。奥へと進んでいるが、特に尻尾の凶暴性が増す感じはない。

 ……今のところは…あの時みたいに襲ってくる気はないみたいだな…。

「…ギャアァァァー!」

「悲鳴!?」

 どこから聞こえたのかはわからないが、反響しながら穴の奥から声が聞こえた。どうやら先客がいるようだ。





「一応、ついたみたいだな…。…なんだ? 妙に明るい…。…っていうか、なんなんだこの空間?」

 誰かが魔法でこのフロアを照らしているようだ。周囲を見渡すと、どこもかしこも穴だらけでまるで迷路のようになっている。あれがなければどこに進んでいいか分からないだろう。

「さて、尻尾の向きは…。こっちみたいだな…。…ん? …誰かくる?」

 檻に閉じ込めた尻尾の向きを確認しようとしたが、叫び声が聞こえたため、急いで壁側に移動して魔法で岩の壁を作り隠れた。だがよくよく考えると、こんなところに人がいること自体がおかしい。

「……」

 …助けたほうがいいか? 

 僕は小さな穴を空けて外を確認すると、狼のようなモンスターが、ゴブリンを食い散らかしていた。

「…なっ!」

 …あっ、あれは、ゴブリン? まっ、まさか、今回の件、四天王の誰かが絡んでいるのか!? …だとしたらかなりまずい! …ってことは…魔王も悪魔の力を手に入れようとしてるのか!? 

「しまった…」

 僕の正体がバレてしまう…。薬は置いてきちゃったし…。でも…取りに帰ってる暇もないな…。仕方ない…。このまま戦うか…。

「…おい、犬っころ! ハウスに帰るのはまだ早いぜ…」

 僕は岩の壁を蹴って破壊し、戻ろうとしているモンスターに声をかけた。僕に気づき、こちらに近づいてくるが、妙に動きが遅い。…というか……。

「グゥッルルル…!」

「あっ、あれ…。なんか…でかくね…」

 どうやら目の錯覚で五メートル位の大きさかと思いきや、実際は二十メートルほどの大きさだった。黒いその巨体は腐敗臭を放っているが、先ほどの惨状をみる限り、牙は少なくとも頑丈そうだ。

「グゥゥウウ…」

「いや、あの…。……ハウス!」

「…グゥラアアア!」

「…ちょっ、ちょっと待ってて!」

 左上から振りあげられた引き裂くような攻撃をさけて背後に回り、そこから高速で背中を叩き斬り、相手のHPを確認した。

「…グルルル……」

「…ちっ!」

 ブレーキかけたからダメージ微妙だな…。このスキル、狭い場所だとスピードだせないし、イマイチだ…。

「グゥルウウ…グゥラアアア」

「…おらぁああああ!」

 モンスターを見ると目を血走らせながら牙をむき飛びかかってきた。僕は空中に飛んだモンスターを旋回しながら、HPがゼロになるまで手当たり次第斬っていった。





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