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クソスキルのせいでハードモードでニューゲームしたref 〜人生はクソゲーの連続だ!〜  作者: 九楽
第六章 孤絶のドワーフ王国編

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第百五十話

「落ち着きなさい。まったく…。私達がやったのは封印を覗いただけ! すでに何者かが部分的に解いてるのよ。なんであの化物、私が封印したのに私が解かなきゃいけないのよ!」

「そっ、それは…。そうだな…。すまない…」

 エリックはハンマーを降ろして謝ると、ウィンディーネは続けて話した。

「さっき…私達が封印を覗いたとき、小さな物体がでてきたわ…。まあ、小さなっていってもまあ人間くらいね。そいつが犯人よ! たっ、多分…」

 あいつか…。あいつは一体なんなんだ…。エルフの国やコビットの国にもいたけど…。

「…でも、なんで…多分なんだ?」

「うーん…。なんていうか封印はできてたのよ…。…間違いないわよね?」

 ノームとヴォルトをみると、コクっとうなずいていた。僕は再びウィンディーネをみると、下を向いて思い詰めたような表情をしていた。

「みたいだな…」

「そうよね…。私達が見たあの時までは確かに封印はできていたわ。でも、あいつはおかしな事に封印を破壊して中からでてきた…。それになんていうか…。……まるで待ってたみたいに…」

「……いま…そいつはどこに?」

「恐らくあの尻尾の中ね…」

 ウィンディーネが指差した方向は天高く噴火したようにでている尻尾だった。もう嫌な予感しかしないが、今はその事実にただただ驚くしかなかった。

「まっ、まじか……」

「まじよ…。でも、変ね…。何故あそこからでてこないのかしら…。さっきから意味もない尻尾をだし続けて…。…制御できてないのかしら?」

 …さっきのが夢じゃないなら、やつを倒してしまったから暴走してるのか? 

 僕はもう一度外を見るとある異変に気づいた。

「…ん? なんだかおさまってないか? …尻尾がなくなったのか?」

「そんなわけないでしょ…。でも、確かに…。…あれ? …なにかあそこ輝いてない?」

「……」

 確かに光の柱がみえるな…。

 さっきまで噴出していたところを囲うように、金色に輝く光の柱が現れた。段々と光が強くなるに連れて、噴出が弱くなっている。

「……これで一件落着ならいいんだけどね」

「……そんなわけないよな」

 こんなベストなタイミングで、ウィンディーネも知らないなにかが発動した。もし、これが仕組まれたことだとしたら…そんな事を思っていると、エリックが急に変な事をいいだした。

「…剣が泣いてる……。…この声…まさか…おっ、俺の剣なのか?」

「…どうしたんだ?。エリッ…」

 不思議な事をいうエリックに声をかけようとすると、ハンマーを手から滑り落とした。目を見開いたまま手が震えて、誰がどう見ても明らかに動揺していた。そんな時、操縦席に座っていたアリスが大声をあげた。

「みっ、みんな、みて! けっ、剣が浮かんでる!」

  

 操縦席の方へ移動すると、光輝く中に誰が握れるのかわからないほど大きな剣が浮かび上がっていた。事情を知っていそうなエリックの方を見ると、絶望したような目でそれを見ていた。

「やっ、やっぱり…俺の作った剣だ…。なっ、なんであんなところに…」

「エリック…あれは一体なんなんだ…?」

「あれは…あれは…」

「おっ、おい……」

「……」

 エリックは下を向いて黙り込んでしまった。エリックにも整理する時間はいるのだろう。少しだけそっとしておこう。そう思っていた時だった。

「…だからぁ…!」

「…ん?」

 大声をあげたウィンディーネを見ると、精霊達と顔を見合わせてなにか話していた。ウィンディーネ以外の精霊達は最初は悩ましそうな顔をしていたが、次第にウィンディーネの発言に納得したように頷いていった。ヒステリック気味のウィンディーネはチラリとこちらを向くと、ヒラヒラと飛んできた。

「ウィンディーネ…。あれは一体……」

「多分、あれね…。あれが悪魔を制御してるのよ」

「あれって…。エリックが作った剣がってことか?」

「そうよ…。まあ、本人に聞けばわかるでしょ? …ね? 犯人さん?」

「…おっ、俺の剣が? そっ、そんな、バカな…」

「みなさい…。動きが明らかに変わってきてるわ…」

「…俺がこんなふうにしたっていうのか? おっ、俺は…なにも知らなかったんだ…。おっ、俺は…」

 エリックは膝をついて、その場に座り込んだ。この様子だと、エリックも騙されていたんだろう。少しかわいそうだ。

「ウィンディーネ…犯人はいいすぎじゃないか…?」

「ふんっ、ホントのことよ。被害者ぶるのはやめなさい。…知らなかったんだ? 違うでしょ! 知ろうとしなかったのよ!」

 ……なんか心に突き刺さるな…。確かに作る側にも責任はあるのかもしれないな…。

 僕はウィンディーネの言葉になにもいえないでいると、エリックはよろけながら起き上がった。

「…エリック、大丈夫か?」

「確かにそうだ…。そのとおりだ…」

「…えっ?」

「ああ、もう大丈夫だ…。ウィンディーネ様、俺が悪かった…。頼む…俺に力を貸してくれ。俺も責任を取りたい…」

「無理ね…」

「たっ、頼む!」

「いや、無理なのよ…」

「そこをなんとか頼む」

「そういう意味じゃなくて…。…もうっ! 私じゃなくてヴォルトにいいなさい! あなた、水属性の相性があんまりよくないのよ…。ほら、ヴォルト!」

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