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【長編連載中】クソスキルのせいでハードモードでニューゲームしたref 〜人生はクソゲーの連続だ!〜  作者: 九楽
第六章 孤絶のドワーフ王国編

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第百四十七話

 中に入るとエリックは大きく手足を広げて、バタンと倒れていた。身動き一つしないその姿に動揺したが、ウィンディーネは優雅にコップに座り、退屈そうに待っていた。

「どうしたんだ!? ウィンディーネ!」

「どうしたんだっていわれても…。貴方のいう通り今までの経緯と、この国が危ないって伝えたらバタッと倒れちゃった…」

 まあ、あんな恐ろしい尻尾がうじゃうじゃ出てくるなんて聞いたら確かに気絶ぐらいするかもしれないな…。

「そうか…。じゃあ、もう少し寝かしといてやろう」

「…ところで誰なの? そのチンチクリン?」

「だっ、誰がチンチクリンなんだよ!」

「あんたのことよ…。…ん? あれ? あんた…ノームの加護をうけてるのね」

「…ノームの加護?」

「ノームの加護っていうのはね。こいつの魔法が全部使えるってことよ。まあ、あとはステータスがとてつもなく上昇してるってことぐらいかしら…」

 ウィンディーネはシャルの周りをくるくると回り肩の上に乗っているノームの隣に座った。僕はシャルのステータスを確認すると驚きの数字が表示されていた。

「…HP一千万!? みっ、見間違えじゃないよな…」

「うっ、うそ! そんなにあがってるの!?」

「甘いわよ。ホントだったら、一億くらいは越えてもおかしくないんだから…。まあ、チンチクリンに負担がかからないようにしてるのよ」

 ウィンディーネは僕の目の前に飛び肩の上に座ると、横からはよく見えなかったが、恐らく見下した態度をとっていた。シャルは怒ってウィンディーネを指差した。

「だっ、誰がチンチクリンだよ! ふんっ…。あんたの方がよっぽどチンチクリンじゃない!」

「…あぁ!?」

 ウィンディーネが急に飛び立つと、次の瞬間にはシャルの顔面にゴリゴリと額を押し付けて睨みまくっていた。とりあえず、二人を落ち着かせよう。

「おっ、おい、二人とも喧嘩はやめないか? なっ?」

 シャルとウィンディーネは睨みあったあと捨て台詞を吐いた。子供の喧嘩をみているようだ。

「…バーカ!」

「…ベェーっだ!」

「…ふん!」

「…ふん!」

「はぁ…。なあ、ノーム…。俺にも加護をつけることできるのか?」

 ノームはシャルに話しかけているようだった。シャルはノームが体を動かすたびに相槌をしていた。

「ふんふん…。すでに、誰かの加護を受けてるから無理だって…」

「…そう…なのか?」

 …神様の加護か? アイテムくらいしか貰ってない気もするけど…。

「そういえば、シャル…。みんなはどこにいるんだ?」

「みんな? …あー! いい忘れてた…。ずっと呼んでたけど応答しないから困ってたんだよ」

「呼んでたって?」

「その服、通信機能がついてるんだよ」

「そうなのか? じゃあ、通信機能起動…」

 起動するか少し不安だったが、僕がそう唱えるとザーッと耳元で音がなりだした。どうやらつながったようだ。

「…あーもしもし、聞こえる?」

「そっ、その声、アル!?」

「ああ…。その声はアリスだな」

「いっ、今、大変なの!」

「どっ、どうしたんだ!?」

「シャルが急に倒れて意識を失ってるみたいなの…。脈はあるみたいなんだけど…」

「ああ、それなら…」

 アリスはかなり動揺しているようだったが、シャルがこちらに来ていることを説明すると、少しずつ落ち着いた声になっていった。



「なんだ…。そういうことなの…」

「…シオンさんはどこにいるんだ?」

「シャルを抱えてベッドに連れて行ったわ…。私の方から伝えておくね」

「シオンさんが戻ってきたら、また連絡してくれ。通信オフ…。…これでいいのか?」

 特に返事もないし、大丈夫みたいだな…。

「…みんな、どうだった?」

「急にシャルが倒れたからシオンさんがベッドに連れてってるらしい」

「えぇ!? シオンさまが…。ノーム、ちょっちょっとだけ戻してよぉ〜。ふんふん…。解除するとしばらくできないかもって…? わかったよ…。仕方ない…。アルで我慢するか…」

 シャルは少し残念そうな顔で僕に抱きついてきた。妥協案といったところだろう。とりあえずモフモフと髪の毛を揺らしてきて、暑苦しいので少し引き離したが、すぐに戻ってきた。

「……それで、ノームになにをしてもらえればいいんだ?」

「地…水…雷の精霊が揃えば封印の中を見る事ができるのよ。まさか揃うとは思わなかったけど…。じゃあ、始めるわよ」

 ウィンディーネはテーブルの上にノームとヴォルトを連れていった。精霊達は輝きだして、あたり一面に青い魔法陣が次々に現れ、まるでプラネタリウムのように回転していた。

「すっ、すごいな」

「確かにそうだね。ウィンディーネもなかなかやるじゃない。…ん? アッ、アル! ウッ、ウィンディーネの様子が変だよ!」

 ウィンディーネの方を見ると大きく目を開き、ガタガタと震えていた。よく見るとノームやヴォルトの様子もおかしかった。

「…ない」

「どっ、どうしたんだ? 大丈夫か?」

「悪魔が…いない…」



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