表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
【長編連載中】クソスキルのせいでハードモードでニューゲームしたref 〜人生はクソゲーの連続だ!〜  作者: 九楽
第六章 孤絶のドワーフ王国編

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

146/167

第百四十六話

 ウィンディーネは慌てた様子で近くの窓に移動した。僕も隣にいって、恐る恐る外をみてみたが、変わった様子といっても辺りには誰もいないし、野良猫一匹すら歩いていない。流石にこんな町外れの場所にはまだ異変も起きていないのか。

「…どっ、どうしたんだ?」

「……でも、やっぱりおかしいわ。尻尾がどこにもいない…」

「…ちなみにどのくらい尻尾がいたんだ?」

「この空が黒くなるくらいね…」

 勇者達…よく封印できたな…。

「…じゃあ、一体どういうことなんだ?」

「…わからない。でも、もしかしたらとんでもないことが起きるのかもしれない。あぁ! ノームがいれば…」

 …なんで、ノームがでてくるんだ? 

「一応、ノームなら呼べるぞ…。ちょっと待っててくれ」

「ええだから…。…よべるの!?」

「……うん…」

「……そんなに簡単に私達を呼べるものなのかしら…。ほんと…あなたって何者なのよ…」

「何者っていわれても…」

「なあ、二人とも…。さっきからなんの話なんだ? …尻尾って絵本の話なんだろ?」

 エリックには協力してもらわないといけないし、ウィンディーネに説明しておいてもらおう。その間に僕は召喚するとしよう。

「ウィンディーネ…。悪いんだけどエリックに説明しておいてもらえないか?」

「なんで、私がそんな事…」

「頼むよ…」

「まあいいわ…。説明しておいてあげる。早く呼んできなさい」




 家の外に出てもう一度辺りを見てみたが、妙に風が乾いているくらいで、やはり変わった様子はない。足に小石が当たり立ち止まったあと、ザラザラとする地面に触れた。

「…ノーム!」

 僕が力を込めてそう唱えると、地面がモクモクと盛り上がってきた。だが、様子が少しおかしい。土煙に隠れてよく見えないが、シルエットはノームにしては少し大きく、体形もどこか違う。失敗したのだろうか?

「…あれ? ここ、どこ?」

「…シャ、シャル!?」

「あっ、あなた、だれ!? …っていうか、ドワーフ!? はっ、離して!」

 

「おっ、おい! 逃げるなって! 俺だ…。アルだよ」

「そんなわけないよ。アルは、もっとブ…。特徴的な顔なんだよ!」

「……」

 …こいつ……。

「あれ…でも…服装も同じだし…。…本当にアルなの?」

「そうだよ!!!」

 最初は手を振り回して暴れまわっていたが、ようやく理解してくれたようだ。大人しくなった事を確認すると、ゆっくりと掴んだ両手を離した。

「……うーん…」

「……どうした?」

 なぜか近づいてきて、ジロジロと色んな角度から僕の顔を見つめてきた。まだ怪しまれているのか…そんなこと思っていると、突然失礼なことを次々といいだした。

「薬の調合失敗したかな…」

「…どういう意味だ」

「じょっ、冗談だよ。でも、アルってちっちゃい頃はカッコよかったんだね…」

「ああ…そうかもな……」

「うーん…。カッコいい…。なんで、あんな感じになっちゃたんだろ?」

 こいつ…マジで失礼なやつだな…。

「…でも、なんでシャルがでてくるんだ?」

「私も知りたいよ。ペンダントが急に輝いたと思ったらここにいたんだよ」

「…ペンダント?」

「そうだよ。ノームにもらったペンダント…。きゃっ…!」

「…どうしたんだ?」

「お尻のなかでなにか…。うっ、動いてたんだよ。早く、とっ、とってよ!」

「とっ、取れっていっても…」

 円錐型のペンダントを見ていると、急に大きな声をあげて抱きついてきた。僕は怖がっているシャルをなんとか引き離して確認すると、なにかがシャルの服の中をゴソゴソと動いていた。ただ際どいところを動いていて捕まえるにも捕まえづらい。

「はっ、早く…!!」

「わっ、わかったよ!」

 痛みは感じてなさそうだが、シャルは軽いパニックになっている。このまま放っておくのはまずいだろう。覚悟を決めて、胸の間からヒョコッと顔を出した瞬間にそれを掴もうとしたが、見慣れた顔に手が止まった。それは手のひらに乗るくらい小さくなったノームだった。

「…ん? ノームじゃないか?」

「…ノーム?」

「…なんで、こんなにちっちゃいんだ?」 

「…もう! …ノームのえっち! へんたい! …ひどいって……? ひどいのはノームの方だよ! …ん? ……えっ? ノームが喋ってる!?」

「どうしたんだ? シャル?」

「ノームが喋ってるんだよ!」

「ああ…。なにか伝えようとしているみたいだけど、全くわからいな…」

「…えっ? わからないの?」

「…どういう意味だ?」

「…もしかして、私にしかわからないのかな?」

 ノームはなにかを伝えようとしているみたいだが、僕には全くわからない。しかし、シャルにはなぜかノームの言葉がわかるようだ。シャルが問いかけると、そうだと言わんばかりにノームは手を上にあげて丸にした。

「正解みたいだな…。…なんて、いってるんだ?」

「えーとね…。ふんふん、なるほど…。コビットの国から離れすぎて力がだせないから、近くにいた私も一緒に召喚したみたい。これで少しは力がだせるみたいだよ」

「なるほど…。シャル、とりあえず中に入ろう。人目はないけど、目立ちたくないんだ…」

「うっ、うん…。まっ、まって…。もしかして中にドワーフいる?」

 家の中に入ろうとすると、ピタッと止まった。シャルは不安そうに僕の服の袖を掴んでいた。そういえばあまりコビットとドワーフは仲がよくないとかアリスがいってた気がするな…。

「いるけど…」

「…だよね」

「…苦手なのか?」

「…なにかあったら助けてくれる?」

「…当たり前だろ?」

「そっかー…。えへへ…。ならいこう!」

「なあ、シャル…」

「…なに?」

「歩くの疲れるからそろそろ離してくれないか?」

「ごっ、ごめん…。これでいい?」

 シャルは手を離したかと思うと、僕の背中に周りこみひっついた。ガシッっと腰を掴まれてこれはこれで歩きづらい。

「あんまり、変わってない気もするけど…。まあ、ドワーフのやつが悪いやつじゃないってわかったら離してくれよ」

「うっ、うん…」




評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ