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【長編連載中】クソスキルのせいでハードモードでニューゲームしたref 〜人生はクソゲーの連続だ!〜  作者: 九楽
第六章 孤絶のドワーフ王国編

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第百三十七話

「………とりあえずは無事だな。いててっ…。主人公みたいにカッコよく着地ってわけにはいかないか…」

 僕は見つからない内にさっさと降りようとしたが、パラシュートが木の枝に引っかかって身動きが取れなかった。

「まいったな…。剣で斬るしかないか…。勝手にしまってくれればいいんだけど…」

 僕が困っていると、急にパラシュートは宙に浮き元の状態に戻っていった。

「…なっ! しまった!? そっ、そうか…。声で操作するのか…」

 じゃあ、なんであの時ひらいたんだ? …高度が低くなってきたから、勝手に開いたのか? うーん…。ひらけなんて…僕はいって…。いや、いったな……。まさか…ステータスひらけって言葉に反応したのか?

「はははっ……」

 いわなかったらどうなってたんだろ……。

「……いや、考えるのはよそう。見つかる前に隠れないと…。……よっと!」

 僕は大きな木の幹に抱きつき、ズルズルと降りていくと、周囲から動物のような鳴き声が聞こえた。襲われたらどうしよう…そんなことを思いながら滑り降りて振り返ると、なんと驚くべきことに目の前でドワーフの兵士二人組が木の上を見ていた。僕はドキドキしながら、動きを止めた。

「…っ!?」

 …えっ!? …まずい! バッ、バれた…。どうする…!? 逃げるか…!? ………あっ、あれ?

「こっちから声がしたんだがな…」

「ですね…。声はしたんですけど、特に気配はないですね」

 ドワーフ達はなぜか至近距離に僕がいるにも関わらず、僕とは目を合わさずに辺りを探していた。僕は固まったまま二人の様子を見ていた。

「…帰りますか?」

「そうだな…。まぁゴミかなんかが飛んできたんだろ…」

「そうですね…」

 ドワーフ達は辺りを軽く探したあと帰っていった。僕は再び冷や汗をたらしながら、木に寄りかかった。

「ふー…。緊張した…」

 …でも、なんでバレなかったんだ? 目の前にいたのに…。…まさか!? 気づいてないふりをして応援を…。…って感じでもなかったな…。

「とりあえず、見つかる前にシャルから貰った薬を飲むか…。…って、ええっ!?」

 僕はポケットに手を入れようとすると、とんでもない事に気づいた。なんと体が透けて風景と同化していたのだ。

「こっ、この服、透明人間になれるのか!?」

 どおりでバレないわけだ…。でも、なんで勝手に…。……まさか、隠れないとに反応したのか?

「まあいいか…。これで潜入しやすくなるし…。さっきのドワーフについていくか…」

 藪の中を慎重に進みながらドワーフ達の後を追っていった。すると、話し声が聞こえてきた。

「…ん?」

 声が聞こえるな…。さっきのドワーフ達みたいだ…。

 僕は木の枝を踏み潰さないよう足元に注意しながら、静かに近づいて聞き耳を立てた。まずは潜入の基本…情報収集だ。

「でも、誰なんですかね…。さっき、侵入しようとしたやつ…。海の中に船みたいな影が見えたらしいんですけど…。…魔族ですかね?」

「まぁそうだろうな…。ほんと…迷惑な奴らだ…」

「……」

 ……すいません…。

「最近多いですよね。でも、魔族がここにきてどうやって戦う気なんですかね…。魔法も使えないのに…」

 …魔法が使えない?

 僕はその言葉に引っかかり、注意深く二人の会話を聞いた。ドワーフ達は暗い顔をして、その場で立ち止まった。

「…だな。まあ、腕力に自信があるやつがくるのかもしれねぇな…」 

「あの事件を思いだしますね…。ほら、ちょっと前に東であったあの妙な事件…。元帥のお孫さんが魔族に連れ去られそうになったっていう…」

 そんな物騒な事件があったのか…。

「ああ…あれか…。噂だろ…。それに噂だったら…もっと凄いのが…」

「…なんですか?」

「…いや、なんでもない。忘れてくれ…」

「…教えてくださいよ」

「……長生きしたいだろ?」

「……はい」

「……そういうことだ」

「……はい」

「……しかし…近頃は物騒な話が多いな…。魔法も使えたなんて噂もあるし…。魔族側にもしかすると、戦闘用の補助魔法器具が作れるやつがいるのかもな…」

 …つまり、補助魔法器具がないと魔法は使えないってことか…。…厄介だな。

「いやーそれはないでしょ。そのクラスが作れるとなると、この国でもそんなにはいませんよ。うちの地区だってそんなやつ…。そういえば…一人いましたね…」

「…ああ、いたな」

「…あのバカではないですよね」 

「……」

 …あのバカ? ……聞こえづらいな…。

 二人は顔を見合わせて歩き始めた。どうやら心当たりがあるようだ。僕は小声になったので更に近づいた。

「うーん…。まあ、あのバカが金欲しさにやったともいいきれないが…根はいいやつだからな…。そこまでバカじゃないだろ…」

「ですよね…」

「それにだ…。今頃はいつものようにカジノに捕まってるんだろうしな…」

「ははっ、確かにそうですよね…。でも、才能はあるのに勿体ないやつですよ…」

「ああ…。本当に勿体ないやつだ…。おっ、街が見えてきた…。無駄話も終わったし、帰るか…」

「……」

 …ここで少し待っておこう。

 僕は木の影から覗き込み、ドワーフ達が草むらを抜けて街に戻っていくのを僕は見届けた。どうやらなかなか面倒くさいことになりそうだ。



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