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【長編連載中】クソスキルのせいでハードモードでニューゲームしたref 〜人生はクソゲーの連続だ!〜  作者: 九楽
第五章 幻想の猫王国編

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第百十八話

「いやぁー、まずはご苦労さま…」

 どこからか分からないが、手を叩く音とともに憎たらしい声が聞こえてきた。ただ、前の声よりもまた少し声が大人びていた。

「…まあな」

「でも、今回の戦い点数をつけるとしたら三十点くらいかな」

「…なんだとっ!?」

 僕は立ち上がりあいつを探したが、暗闇の中で探すのは難しいようだ。僕は試しに手探りで探してみたが、何も触れることができなかった。

「おいおい…怒るなよ。でも、本当のことだ…。本当ならあんなにボロボロにならなくてもあっさり勝てたはずだ…。…君も気付いているんだろ?」

「……」

 …なんのことだ?

「…まさか、気付いていないのかい? ゲーマーなのに謎解きは苦手なんだね…」

 くっ、悔しい…。悔しいがさっぱりわからない…。いや、そんなことはない! 考えればわかるはずだ!

「てっきり、君のことだから気付いてやってるのかと思ってたんだけどな…。ヒント…だそうか?」

「…まっ、まて!」

「……仕方ない…。少しだけ待ってあげよう」

 僕は片手を前にだしながら、ヒントをだすのをやめさせた。それだけは僕のゲーマーのプライドが許さない。だが、どうやってあんな化物を簡単に倒せっていうんだ? 確か…あれが…。


 


「わかった…。わかったぞ…。そういう事なのか…」

「…じゃあ、答え合わせといこうか?」

 僕は推理小説を朗読するように辺りを行き来しながら、答え合わせをした。僕は口元を押さえた手を離して、人差し指を一本立てた。

 まずは…最初の違和感だ…。

「僕はノスクの話を聞いたとき思ったんだ。何故、そんな恐ろしいモンスターを封印ではなく消滅させなかったのかと…」

 これはよくあるゲームの設定の一つだけど、当人になってみると案外わからないものだった。ただ…この設定こそが今回の件を紐解いていく重要な手がかりではある。

「…それで?」

「…奴らをいくら斬ってもHPは減らなかった。こんな恐ろしい化物みたいな奴…どうやっても倒せない。そして…少しの間だけど、そんな化物を倒そうとしてしまった。それが間違いだったんだ…」

「…なにを間違ったんだい?」

 僕は右手を降ろして答えた。目の前の見えない者に向かって…。

「そのままの意味だったんだ…。ノスクがいったあの言葉…。これはモンスターではなく呪いだと…。つまり、奴らは…HPではなくMPを使用して活動している魔法なんだ…」

「ほう…」

「ノスクのご先祖さまもきっと消滅させようとしたんだ…。でも、できなかった…。だから、封印したんだ…」

 倒せないから封印した。そんなシンプルな事だったんだ。

「…じゃあ、そんな恐ろしい敵をどうやって封印できたんだろうねぇ?」

「ノスクの剣だ…。あの剣には恐らくMPドレインがエンチャントされている。だから、MPが一億もあったんだ。MPドレインで奴らを活動停止にして封印する…。…そういう事だろ?」

「正解だ…。はははははっ…。でも、すごいね…。やればでき…」

 僕は話を遮って、声のする方に怒号を飛ばした。相手は見えないが、叫ばずにはいられない。

「まだ、終わってない! お前がいいたいのはこういう事だろ。何故、あの時ノスクを見捨てて逃げなかったのかってな…。ふざけるなよ。死んだらどうするんだ!」

「おいおい…。そんなに怒るなよ…。それにさ…君も心の奥底ではそう思ってないとは言い切れないんじゃないのかい?」

「どういう意味だ!」

「君の人生でそんな経験なかったかい? 猫一匹の命なんて…ね?」

 僕はそう言われ、ふと猫を見捨てたあの日を思いだした。でも、あれは仕方がない。だってあれは仕方がないじゃないか。

「そっ、それは…」

「他者の命を奪わなければ生きれない。助けても助けられるとは限らない。そんな世界を作ったのは君じゃない。そこには善悪もない。だから、君は悪くない」

「……」

「…話を変えよう。君に伝えて置かなければいけない事がいくつかあるんだ」

「…なんだ?」

 問いかけると、目の前にいるであろう人物はふざけた冗談を言ってる感じではなく、真剣な声で話してきた。

「まず、猫の国から早くでたほうがいい。ここはもう気にするな」

「…見捨てろ…って事か?」

「そうじゃない。そもそもここはそこまで問題じゃないんだ。いたるところで奴らが目覚めてる。早くしないと取り返しがつかないことになる」

「…どういう意味だ?」

「猫の国が滅ぶならまだいい。そんなレベルの話じゃない。この世界が…いや、もしかしたら君の世界も滅びてしまうんだよ?」

「ちょっ、ちょっとまて!? 僕の世界が滅ぶってどういう意味だ?」

 声の方向に進んだが、不思議な事に通り過ぎて後ろの方から今度は声が聞こえた。

「…まぁ可能性の話だよ。君は…自身の価値を知らないんだ。君がこの世界で死ねば最悪そうなる…。それに君が死んだとき…神様が本当に君を生き返らせてくれると本気で思っているのかい?」

「なんだと…」

 僕はバランスを崩した体を起こそうとすると、キラキラと白い輝きが僕の足元から現れた。なんて悪いタイミングだ。

「君はこの世界の異物であり中心なんだ。いいかい? それを忘れないようにね…。そろそろ時間だ…。…また会おう」

「おっ、おい! まだ話が終わってない…」

「おっと! そうだった! …ひとついい忘れてたよ」

「なっ、なにをだよ…」

 薄っすらとしか顔は見えなかったが、そいつはまるでゲームに負けたあとの苦く、どこか清々しいような顔をしていた気がした。

「…さっき、三十点だったっていったけど、あれは戦いのみの点数でね。君があの剣に認められたという事実…。これは点数をつけられないくらい予想外の事なんだ」

「…ノスクの剣のことか?」

「ああ…。予想通りなら…。いや…やはり君は自分の思う通りにプレイするといい…。見ていて楽しいしね…。じゃあ、そういう事で…」

「おっ、おい! お前…いったい…」





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